初めてトレラン大会へ参加してみて、初心者の割には結構走れていた部類との自負はあります。
しかし絶対に経験者に敵わない苦手部分が明からさまになりました。
それは
トレランの下りが圧倒的に遅い
のです。
同じゾーンで走っているランナーと比べて登りはちょい遅く、ロードでは圧勝、しかし悲惨なほどに下りが遅いのです。
足音が聞こえると道を譲るのに気を遣い、後ろが気になってしょうがありません。また、抜かれたらあっという間に先へ遠のいていくランナーに、自分の不甲斐なさでストレスが溜まりました。
なぜこうも違う?
本来は事前にトレランの走り方を調べて挑むものなのでしょう。初ものづくしだったので敢えて情報を入れず未知の世界に挑んだ結果がこれです。
レースが終わり筋肉痛から解放された今、今後のトレランに役立てばと初心者の私がトレイルランニング下りのコツを調べてまとめてみました。
速いトレランナーの走りを実際に見て感じたことも併せ備忘録としたいと思います。
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トレイルランニングの下りのコツ
今回トレラン大会に参加してみて自分自身がいかに経験不足か、嫌が上にも思い知らされました。
この記事はあくまでも主観中心ですが、速いトレランナーを見て感じたことを基に、重要度に準じて優先順位を付けています。
トレイルランニングの下りのコツ
- 上半身(腕)でバランスを取る
- 足元は見ずに先を予測
- ピッチ走法
- 軸は斜面に垂直+前傾姿勢
- 重心は真下
- つま先着地で足を置いていく
- リラックス
- 経験が必要
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1. 上半身(腕)でバランスを取る
急で不安定な斜面では下半身は言わずもがな、上半身も上手く使わなければなりません。
両腕を左右に広げてバランスを取りながらテンポ良く下るのが定石です。
その上で体幹の強さが重要なのはいうまでもありません。体幹が弱いとバランスが取れず不安定な走りとなってしまいます。
初めてのトレランで、下りの遅さの原因1番手がこの点です。普段の走りでも上半身の使い方が今一つと思っていたのがトレランの下りでは誤魔化しが効かず、通用しなかったという事です。上半身の縮こまった動きがぎこちなく、スピードに乗れなかった一因でもありました。
2. 足元は見ずに先を予測
どうしたって慣れない山の不整地を走るのですから足元を見がちになってしまいます。
必要となるスキルは、数歩先を見て足をどこに置くかを瞬時に予測することです。
一歩として同じ地形はないのがトレイルランです。そしてその繰り返しがトレイルランです。
つまり頭を下げず前を向き、先の路面状態を見て、どこに足を着地させるか予測しながらテンポ良く下るということです。足元ばかり見ているとどうしたって予測、確認が遅れてしまいます。
トレランレース中はずっと足元中心に視線が行きがちでした。その分視線が進行方向に向かず着地点への目測が遅れがちだったことは否めません。
3. ピッチ走法が基本
トレイルの基本は体力消耗を出来るだけ抑えるため、負担が少ないピッチ走法が基本です。
蹴り足は前後に小さく、一歩一歩の衝撃を小さくして膝と大腿四頭筋の疲労軽減を狙います。
また、突然現れる岩場や木の根っこなどの障害物に瞬時に対応するためにもピッチ走法は有効です。
普段のロードでも苦手なピッチ走法、下りこそ生きる走り方なので苦手部分が足枷となりました。ピッチをさらに上げられれば、自ずとトレランの下りも上手くなると思います。
4. 軸は斜面に垂直+前傾姿勢
体の軸を斜面に垂直に立てるイメージを持って、前傾姿勢で、これも基本の一つです。
どうしても滑ったり、つまずいて転倒するのを恐れ、体が後傾してブレーキをかけてしまいます。その後傾が逆にスピードを削ぎ、転びやすい状態を作り出します。
スキーで滑る際、後傾だとスピードが出にくいため、膝を曲げて前傾姿勢で下った方が適度にスピードに乗れて、ターンでも減速がしやすいことを思い出しました。
トレランにおいて脚を前へ持っていきやすいのが前傾姿勢です。前傾姿勢なら脚が前へ進みスピードが出やすく、コーナーでも全身のコントロールが効きやすいのです。
実際のトレラン中は恐怖心が先立ち、着地時は後傾によりシューズが前に滑ること多数で大きな転倒が1回ありました。また転倒を免れようと踏ん張る際には、大腿前部への負担がかなり大きいものだったと思います。5日間も続いた史上最大の筋肉痛の原因はこれでした。
5. 重心は真下
着地は足を体の真下に置いていく感じで降りていきます。着地が真下からずれるとブレーキが掛かったり、後傾になって滑りやすくなります。
トレイルの足場環境は刻一刻と変わります。ガレ場、土、枝葉、根っこ、階段などに対応するためにも重心は真下です。
また、ピッチ走法と同じく重心真下で降りていけば、膝や大腿四頭筋などにダメージを受けにくく疲労軽減となります。
重心真下に関して、転ばずにスピードに乗って走れていれば、自然とそうなっている実感がありました。
6. つま先着地で足を置いていくイメージ
つま先着地で地面との接地時間をなるべく少なくする方が、膝や大腿四頭筋へのダメージや転倒リスクを減らせます。
かかとでの着地は地面との設置時間が長くなってしまい転倒リスクが高くなります。
つま先着地したらすぐに地面から足を上げて離す感じでテンポ良く下ります。地面を蹴って下って行くというより、足を真上から連続で置いていくことを意識します。
颯爽と追い抜いていった50キロコース※の上級者のテンポの良さは目を見張るものがありました。ダイナミックというよりはテクニカルといった感じで、体への負担が少ないから長時間速く走れるのだろうと合点がいきます。
※先日のトレニックワールドin外秩父、私は45キロの部での参加でした
7. リラックスで
ロードでもトレイルでも、いやスポーツ全般言いえることですが、とにかく力まずに走ることです。
そうすることで肩の力は抜け、関節の稼働域が広がり無駄な力を使わずにスムーズな動きとなります。(ランニングエコノミー)
転ぶかもと警戒し過ぎて緊張状態でいると、体が硬くなり実力以下のパフォーマンスしか発揮されない結果となります。
レース前半に大転倒してからゴールまで、下りでは常に恐怖心が付きまとってしまいました。せっかくの森林浴は上りと平坦路でしか楽しむ余裕がありませんでした。
8.何事も経験が必要
上記の1〜7の基礎を踏まえ、あとは経験を積むしかないと言うことです。どんなことでも初めから経験者並みに動くことは困難です。
特にトレランの下りには慣れと経験が必要だということです。
そのために山へ赴き、様々な路面状態のトレイルをある程度のスピードで駆け下り、体の使い方を実践から身につけなければなりません。そのような経験がとにかく不足していました。
なんってたって実質2回目のトレイルです。それなのに過酷な部類のトレラン大会に参加したのですから、ある意味無謀で怖いもの知らずでした。チャレンジ精神は大切でも、もっと練習を積んでから参加するべきでした。
その他、トレランの下り有効なこと(もの)
調べてみると他にも色々な情報があり、トレラン大会に参加してみて役立ちそうな情報があったので列記しておきます。
ジグザグ下り
スキーと同じく直線的に下りるとスピード過剰になりやすく転倒してしまいます。ブレーキ時に膝や大腿四頭筋を酷使してしまうので、トレランはジグザグで下ります。
腰高
腰高で骨盤を立てることで、スピードに乗った走りが安定するのはロードと一緒です。逆にマラソン後半のように猫背で腰低くだと、失速の原因になります。
顔を下げず前傾姿勢を意識すれば自ずと腰高になりやすいと今回感じました。
集中力を保つ
人間の集中力の持続時間は15分だと言われています。当然この前の45キロのトレランの間、およそ7時間半も集中力は続くはずもないのです。
でも気を抜くと転倒につながるので、下りだけは集中力を最後まで切らせませんでした。
だって転んだら痛かったから。
ラダートレーニング
ラダートレーニングは練習として有効との記事が多く見られました。
はしご型にロープを地面に敷き、テンポよくはしごの隙間にピッチを置いていくトレーニングです。
グリップ力が強いものを履く
コースの特徴次第ではソールがボコボコしたグリップが強いトレランシューズを購入する必要があります。
今回は本格的なトレイルなのにロード兼用のシューズを買って後悔です。グリップ不足を随所に感じました。
グローブを着用する。
トレラン中に木に捕まって体を支えたり、岩場に手をついたり、また転倒の際に地面に手を付く機会が思いの外多かったです。
グローブ着用は怪我のリスク軽減としてくれます。もしグローブを装着していれば、大転倒時に出血までには至らなかったであろうと後悔しました。
トレランは身軽で
荷物、体重は軽いに越したことはありません。走る行為において、重さは速さの大敵です。
トレランの下り方のまとめ
トレランの下り方はざっと見るとロードに共通する部分が多いことに気付きます。
ただ、トレイルでは上半身でバランスを取りながら下りていくのがマラソンとは大きく違う点です。ここが自分の最大の弱点でした。
ロード(マラソン)では結構なトレーニングをこなしている方だとは思うのですが、レース翌日に襲った筋肉痛を振り返ると、ロードとトレランでは使う筋肉が随分違うんだなぁと痛感します。
今回のトレランを通して改めてランニングには上半身の動き、バランスの取り方が重要だと知ることとなりました。
またピッチを上げて速く走るという試みを春以降進めてきた身として、細かなピッチを刻みまくるトレイルはマラソン練習としても有効との気付きがあったことを最後に付け加えておきます。
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