トレイルランニングの下り方

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役立ち話

トレランの下りが圧倒的に遅い、速く下りるコツって?

2019年10月12日

先日人生で初めてトレラン大会へ参加してみて思ったことは、トレラン初心者の割に結構走れていた部類との自負があります。

しかし一日中感じた劣等感、絶対に経験者に敵わない苦手部分が明からさまになりました。

それはトレランの下りが圧倒的に遅いのです。

同じタイムゾーンで走っている他ランナーと比べて上り (登り) はちょい遅いが、専門的なロードでは圧勝、しかし悲惨なほどに下りが遅いのです。

足音が聞こえると道を譲るのに気を遣って後ろが気になってしょうがありません。また、抜かれたらあっという間に先へ遠のいていくランナー達、この繰り返しは自分の不甲斐なさでストレスが溜まりました。

雪ん子
なぜこうも違うのか?

 

本来は事前にトレランの走り方を調べて挑むものなのでしょう。でも生来初ものづくしに対しては当たって砕けろスタイルなので、敢えて事前情報を入れずに未知の世界に挑んだ結果がこれです。

レースが終わり自分史上最高レベルの筋肉痛から解放された今、今後のトレランに役立てばと、初心者の私目線だからわかったトレイルランニング下りのコツを調べてまとめてみました。

速いトレランナーの走りを実際に見て感じたことも併せ備忘録としたいと思います。

 


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トレイルランニングの下りのコツ

今回トレラン大会に参加してみて自分自身がいかに経験不足か、これは返す返すも嫌が上にも思い知らされました。

当ブログ記事はあくまでも主観中心とさて頂いていますが、速いトレランナーを傍観したことを基に、重要度に準じて優先順位を付けてみました。

 

トレイルランニングの下りのコツ

  1. 上半身 (腕) でバランスを取る
  2. 足元は見ずに先を予測
  3. ピッチ走法  
  4. 体軸は斜面に垂直+前傾姿勢
  5. 重心は真下 
  6. つま先着地で足を置いていく
  7. リラックス  
  8. 経験が必要

 

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1. 上半身 (腕) でバランスを取る

急角度で不安定な斜面では下半身は言わずもがな、上半身も上手く使わなければなりません。

両腕を左右に広げてバランスを取りながらテンポ良く下ることが定石となります。

その上で体幹の強さが重要なのはいうまでもありません。体幹が弱いとバランスが取れずブレブレ、不安定な走を続けてしまうこととなってしまいます。

 

初めてのトレランで、下りの遅さの原因1番手がこれです。普段の走りでも上半身の使い方が今一つと思っていたのがトレランの下りでは誤魔化しが効かず、全く通用しなかったという事です。上半身の縮こまった動きがぎこちなく、これはスピードに乗れなかった一因でもありました。

雲取山へ日帰りトレイル

 

2. 足元は見ずに先を予測

慣れない山の不整地を走るのですから、どうしたって足元を見がちになってしまいます。

必要となるスキルは、数歩先を見て足をどこに置くかを瞬時に予測することです。

一歩として同じ地形はないのがトレイルです。そしてその繰り返しがトレイルランでもあるのです。

つまり頭を下げず前を向き先の路面状態を見て、どこに足を着地させるか予測しながらテンポ良く下ることです。足元ばかり見て走ると、どうしたって先行の路面予測と確認が遅れてしまいます。

 

トレランレース中はずっと足元中心に視線が行きがちでした。その分視線が進行方向に向かず着地点への目測が遅れがちだったことは否めません。

 

3. ピッチ走法が基本

トレイルの基本は体力消耗を出来るだけ抑えるために、マラソンと同様に負担少ないピッチ走法が基本となります。

蹴り足は前方向に意識を高めて速めに送り出し、接地時の一歩一歩は衝撃を小さくして膝と大腿四頭筋の疲労軽減を図ります。

また突然現れる岩場や木の根っこなどの障害物に対し、転倒を避けるため瞬時に対応するためにもピッチ走法は有効となります。

 

普段のロードでも苦手なピッチ走法、下りこそ生きる走り方なので苦手部分が足枷となりました。ピッチをさらに上げられれば、自ずとトレランの下りも上手くなると思います。

御嶽駅から御嶽神社を経てツルツル温泉まで走る

 

4. 体軸は斜面に垂直+前傾姿勢

体の軸を斜面に垂直に立てるイメージを持ちつつ前傾姿勢で、これも基本の一つです。

どうしても初心者は滑ったりつまずいて転倒することを恐れてしまいがち、その際に体が後傾してブレーキをかけてしまいます。その全身後傾が逆にスピードを削ぎ、転びやすい状態を作り出してしまいます

スキーで滑降する時は後傾だとスピードが出にくいため、膝を曲げて前傾姿勢で下った方が適度にスピードに乗れてリズムが良く、ターンで減速しやすいことを思い出しました。

トレランに関わらずランニングにおいても脚を前へ持っていきやすいのが前傾姿勢です。前傾姿勢なら脚が前へ進みスピードが出やすく、コーナーで全身のコントロールが効きやすくなります。

 

実際のトレラン中は恐怖心が先立ち、着地時は後傾によりシューズが前に滑ることが頻繁に起き、そのうち1回大きな転倒がありました。また転倒を免れようと踏ん張る際には、大腿前部への負担がかなり大きいものとなり、これが5日間も続いた史上最大の筋肉痛の1原因でした。

トレランの下りはピッチ速くテンポよく

 

5. 重心は真下

着地は足を体の真下に置いていく感じで降りていきます。着地が真下からずれるとブレーキが掛かったり、後傾になって滑りやすくなります。

トレイルの足場環境は刻一刻と変わります。ガレ場、土、枝葉、根っこ、階段などに対応するためにも重心は真下がベストです。

またピッチ走法と同じく重心真下で降りていけば、ショックアブソーバーが働き膝や大腿四頭筋などにダメージを受けにくく疲労軽減となります。

 

重心真下に関して、転ばずにスピードに乗って走れていれば、自然とそうなっている実感がありました。

トレニックワールドのコース票

 

6. つま先着地で足を置いていくイメージ

つま先着地で地面との接地時間をなるべく少なくする方が、膝や大腿四頭筋へのダメージや転倒リスクを減らせます

かかとでの着地は地面との設置時間が長くなってしまい転倒リスクが高くなります。

つま先着地したらすぐに地面から足を離す感じでテンポ良く下っていきます。地面を蹴って下って行くというより、足を真上から連続で置いていくことを意識します。

 

颯爽と追い抜いていった50キロコース※の上級者のテンポの良さは目を見張るものがありました。ダイナミックというよりはテクニカルといった感じで、体への負担が少ないから長時間速く走れるのだろうと合点がいきました。

※先日のトレニックワールドin外秩父、私は45キロの部での参加でした

トレニックワールドのゴール会場

 

 

7. リラックスで

ロードでもトレイルでも、いやスポーツ全般に言いえることですがとにかくリラックスすることです。

そうすることで自然と肩の力が抜け、関節の稼働域が広がり無駄な力を使わずにスムーズな動きができます。 (ランニングエコノミー)

転ぶかもしれないと恐怖心から警戒し過ぎて緊張状態でいると、体が硬くなり実力以下のパフォーマンスしか発揮されない結果となります。

 

レース前半に大転倒してからゴールまで、下りでは常に恐怖心が付きまとっていました。せっかくの森林浴は上りと平坦路でしか楽しむ余裕がありませんでした。

天気が良いとトレランは絶景で気持ちいい

 

8.何事も経験が必要

上記の1〜7の基礎を踏まえて、あとは経験を積むしかないとしか言えません。どんなことでも初めから経験者並みに動くことは困難なのです。

特にトレランの下りには慣れと経験が必要、そのために山へ赴き様々な路面状態のトレイルをある程度のスピードで駆け下り、体の使い方を実践から身につけなければなりません。そのような経験がとにかく不足していました。

 

なんってたって実質2回目のトレイルです。それなのに過酷な部類のトレラン大会に参加したのですから、ある意味無謀で怖いもの知らずでした。チャレンジ精神はおおいに大切であっても、それ相応のトレラン練習を積んでから参加するべきでした。

トレニックワールドin外秩父のコースから見えた景色

 

その他、トレランの下り有効なこと(もの)

調べてみると他にも色々な情報が出てきます。トレラン大会に参加してみて役立ちそうな情報があったので列記しておきます。

 

ジグザグ下り

スキーと同じく直線的に下りるとスピード過剰になりやすく転倒して停止となるのがオチです。

ですのでブレーキ時に膝や大腿四頭筋を酷使することを考慮して、そこが狭い登山道であってもトレランの下りはジグザグで下りていきます

 

腰高

腰高で骨盤を立てることで、スピードに乗った走りが安定するのはロードと一緒です。

逆にフルマラソン後半のように猫背で腰が低くなって姿勢が悪くなると、気付かないうちに失速の原因になります。

顔を下げず前傾姿勢を意識すれば自ずと腰高になりやすいと今回感じました。

 

集中力を保つ

人間の集中力の持続時間はたった15分だと言われています。当然この前の45キロのトレランの間、およそ7時間半も集中力は続くはずはないのです。

でも気を抜くと転倒してしまうので下りだけは集中力を最後まで切らせませんでした。

だって転んだら痛いから
雪ん子

 

ラダートレーニング

ラダートレーニングは練習として有効との記事が散見されました。これははしご型のロープを地面に敷き、テンポよくはしごの隙間にピッチを置いていくトレーニングです。

ピッチが重要なマラソンやトレイには効果性が高い練習メニューとなります。

ラダーがなければアスファルトにチョークではしごを描いても良いかもしれません。(迷惑がかからない範囲で)

 

グリップ力が強いものを履く

トレランレースにおいてはシューズが結構重要なアイテムとなり、コースの特徴次第ではソールがボコボコしたグリップが強いトレランシューズを購入する必要があります。

今回は本格的なトレイルなのにロード兼用のシューズを買って後悔です。グリップ不足を随所に感じました。

※2023年購入のアシックスのトレランシューズは秀逸です

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グローブを着用する。

トレラン中に木に捕まって体を支えたり、岩場に手をついたり、また転倒の際に地面に手を付く機会が思いの外多かったことが事実です。

グローブ着用は怪我のリスク軽減となります。もしもグローブを装着していれば、大転倒時に出血までには至らなかったであろうと後悔しました。

 

トレランは身軽で

背負う荷物や自身の体重は軽いに越したことがないことに異論はありません。

走る行為において、重さは速さの大敵となります。パッキングは最小に、体重は軽量を心掛けましょう。

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トレランの下り方のまとめ

上述してきた通り、トレランの下り方はざっと見るとロードに共通する部分が多いことに気付きます。

ただ、トレイルでは上半身でバランスを取りながら下りていくことがマラソンとは大きく違う点です。そしてここが自分の最大の弱点として露わとなりました。

ロード (フルマラソン) では結構なトレーニングを何年もにも渡って積んできた方だと思うのですが、初めてのトレランレース翌日に襲った筋肉痛を振り返ると、ロードとトレランでは使う筋肉が随分違うことを痛感しました。

今回のトレランを経験して改めて、ランニングには上半身の動き (下半身との連動) 、体のバランスの取り方が重要だと知ることとなりました。

またピッチを上げて速く走るという試みを春以降進めてきた身として、細かなピッチを刻みまくるトレイルはマラソン練習としても有効との気付きがあったことを最後に付け加えておきます。

トレニックワールドin外秩父のロードコース

 

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