2019年つくばマラソンのスタート前に次のアナウンスが流れ、その場にいたランナーから拍手が湧き起こります。
「筑波大学陸上競技部が26年ぶりに箱根駅伝に出場します」
その偉業を成し得たコーチ(弘山勉氏)が執筆したのがこの本「最高の走り方」です。
実はつくばマラソンが終わってからしばらく腑抜け状態が続いていました。不甲斐ない結果は何が原因だったのかを考える日々。ピーキングが上手くいき、体調は万全だったのに・・・
コンディション良好なのにスタート後のスピード感の無さが気になりました。そんな折、たまたま紹介されていた新刊書籍が目から鱗だったので紹介していきたいと思います。
こんなランナーにおすすめ
- 速く長く楽に走れるフォーム(ランニングエコノミー)を追求しているランナー
- 肩甲骨の動きって何よ?はっ?って思っているランナー
- ワタシはもっとできるはずだと思うランナー
肩甲骨と骨盤の連動を意識して走る
今までよ〜分からんかった
ランニングを始めた頃は小出監督の著書をよく読んでいました。そこには丹田、肩甲骨、骨盤のキーワードが踊っていたのをよく覚えています。それから今まで幾度となくこの「肩甲骨」という言葉を、ランニング関連本にて散々聞かされてきました。
でもイマイチ掴めないモヤモヤ感がずっとありました。それが今回この著書を読んで初めて腑に落ちたのです。それもただ読んで理解したのではなく、実際に意識してランニングしたことで初めてスッと脳内に入って来たのです。
今までのランニング人生はなんだったのか・・・こんな感情を抱かせるくらいの衝撃がこの本にはありました。
このまま走力は伸び悩むのではないか?
今のままの練習内容を今後も続けていくとして、見えてくる結末はサブ3.15達成or故障止まりなのではないか?
このままでは微力な変化しか起きない、劇的な走力アップは見込めないとの思いが募ります。劇的な走力UPなど当然訪れないことを知っているつもりでもです。
心肺がキツくなく余裕があるのに、走る動作において身体全体を使えていない感覚がずっと付きまとっていました。伸び悩みの原因として考えられることと言えば、走行フォームが効果的でなくダメだということです。
つまるところ私の場合、下半身主体で走っているのです。
腕を振る意識を捨ててみた
下半身で走っているから脚に過度の負担が掛かり、そしてポイント練を重ね無理がたたって怪我をする。言い換えれば、上半身をうまく使えていない状態が怪我を誘発していると考えます。
しかしこの本を読んで実践、肩甲骨の連動で骨盤が動いてる感覚を感じることができたのです。それは上半身を使えて走っている感覚です。
これは腕を振るイメージではなく、背骨を中心軸として肩甲骨を前後に回すことを強く意識して得られました。
体の捻転により着地から踏み込み、離地にかけて力強くダメージの少ない一歩を生み出せたのです。
やはり力はいらなかった
背骨と体幹を中心軸とし丹田辺りに重心を捉え、そこから遠く離れるほど体のパーツは脱力する意識が大事です。
そうすることで腕と膝下は振り子状態となり力いらず、リラックスした身体でランニングエコノミーが得られます。
この書籍の中で「ピッチを上げるためにはどれだけ力を抜けるか」と書かれているのですが、それは脱力状態で肩甲骨を使って脚を前に出すことがキーポイントだったのです。
体全体で走れている感覚はすごい
頭から背骨を軸として、肩甲骨を前後に動かすと骨盤と連動、体全体を使えて走れる感覚が得られる
言葉で言われても分からなかったことがこの本を読み、実践する中でこの感覚が芽生えました。
「整った走り」とでも言いましょうか、とにかくブレもなく楽に走れるのです。先日のおおがきハーフでのPB達成は偶然ではないと思えてきます。
読んで損はないマラソン本
走る行為が関わるためスポーツ全般に言えることですが、肩甲骨の使い方は重要性が高いと言えます。
しかし個人的にサッカー 、野球、ゴルフ、マラソンを経験してきた中で、どうも上半身と下半身が連動しない、身体の一体感に欠ける動きがウィークポイントだと何年も自覚していました。
そんな袋小路的な想いをずっと抱いて来たのが、この本を読んで実践したら一気に霧が晴れて視界が明るくなったのです。これはマラソン11年目にして新たな境地が開かれた体験となりました。
この本はフォーム改善と併せ、ランニングエコノミーを追求している方にとって、読んで損はない良著と申し上げておきます。
効果性の低い練習をただ積み重ね、自らが望む場所へ遠回りにならないためにおすすめの一冊となります。