新しくトレランシューズを購入しようと思ったのが半年前、フルマラソンの勝負シューズとしてASICSのMETASPEED EDGE+を履いていて好感触だったことから、まずはASICSのトレランシューズをリサーチしました。
その時に一際目についたのがこのTrabuco Max2 (トラブーコマックス2) でした。
ロード用では厚底シューズが主流となっている今般ですが、トレランで厚底とは一体どんなものか興味惹かれ、調べた結果ネットで良いレビューが並んでいたため購入に至りました。
6月に購入してから半年間は富士登山、御嶽山や雲取山トレイル、そしてリカバリーのためロードでも多用してきました。この半年間に及ぶ使用感を中心に今記事内にてまとめてみました。
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ASICS Trabuco Max2はこんなシューズ
ASICS Trabuco Max2の特徴
- 1. グリップが凄すぎる
- 2. 超厚底クッション
- 3. どんどん転がる
- 4. 突き上げ感なし
- 5. トレイルとロード兼用
- 6. 足をプロテクト
- 7. 耐久性あり
- 8. サイズ感は普段履き
※印象が強かった順
1.~5.はある程度突っ込んだ話を、6.7.8.は簡易版でお伝えします。
1. グリップが凄すぎる
地面に食いつくソール
まずはASICSのトレランシューズを語る上で外せない要素、それがグリップ性能の高さが他メーカーよりも顕著なことです。
ASICSGRIP (アシックスグリップ) と言われるアウトソールを採用、そのアルトソールと突起 (ラグ) パターンの相乗効果により作り出されるグリップは履いてビックリ!とにかく秀逸です。
砂利、アスファルト、土、枝、岩場、芝生、様々な走路で走りましたが、どこも滑りづらく走行安定性が高くて快適です。
その中でも特にASICSGRIP (アシックスグリップ) は濡れているスリッピーな岩場でこそ威力を発揮します。
このスピードだと滑るんじゃね?と不安を抱きつつ脚を置いても、不思議なくらいピッタっと吸い付くように止まってくれます。
絶対に滑らない保証はありませんが自分の実力に見合った速度内なら、滑ってほしくないシーンで確実にグリップしてくれるので安心して走れます。
2. 超厚底クッション
単三電池と比較
写真を見てもわかるように、この厚さですからクッション性は抜群でフッカフカです。
この厚底っぷりは冒頭のMETASPEED EDGE+以上の厚みで、そのミッドソール素材はFF BLAST PLUSと言われるものです。 (カーボンプレートは無し)
この素材のおかげでクッション性が高く脛やふくらはぎ、膝や大腿部に至るまで脚全体へのダメージが少ない印象です。下り斜面を長時間走っても疲労感が以前のトレランシューズと比べてハッキリと少ないです。
よってクッション性を最重要視として購入したい方におすすめのトレランシューズとなります。
METASPEED EDGE+との比較
3. どんどん転がる
ロッカー構造
シューズのつま先が反っていて重心移動がスムーズになるようなロッカー構造となっていて、そのロッカー構造とFF BLAST PLUSによって足が勝手に転がる感覚で走ることができます。
公式HPで謳っている省エネ性能は嘘ではなく本当です。
そして真骨頂が下りのトレランです。勝手にコロンコロンと転がっていき、山道なのに地面からの衝撃が少ないから平地感覚でダイナミックに下っていけます。
私はトレラン初期では圧倒的に下りが下手だったのですが、グリップが効いて転がるので誰でも下りが速くなります。
下りが速い
(濡れていても)
4. 突き上げ感なし
ロード走ってるみたい
突き出た木の根や尖った小石に乗っかっても安定走行、それぐらいでは足の裏には異物の僅かな存在しかなく、厚底により突き上げ感がないシューズとなります。
何年か前にペガサスターボで神奈川県の大山を登った際は、小石や小枝を踏むたびに足裏に刺激があって苦労したものです。 (シューズ紐が切れてソールが破損)
これまで様々なランニングシューズを履いてきましたが、こんなにも踏みつけた物の衝撃を吸収してくれるシューズはありませんでした。
このアウトソールのおかげ
5. ロードとトレイル兼用シューズ
富士登山競走の試走時
(富士吉田市の歩道)
個人的に推しの内容がこれとなります。
今年7月末に試行錯誤の末に思い悩んだ結果、ロード&トレイルの富士登山競走にこのトレランシューズを実践投入しました。
スピード感に欠けると感じ履かないつもりだったのですが、試走で問題なく富士山頂まで行けたこと、大会直前に1kmダッシュしたらキロ4:15前後で数回走れたこと、そして数回の登山にてトレイル区間にて威力を発揮することができたための投入です。
富士登山競走や他のトレイル大会でも使用する価値十分あるのですが、そう言いながら最も説得力に欠けることが、関門不通過で登山競走を完走できていない点です。(涙)
あとはトレイル大会以外でもっとゆっくりした走りを楽しむ公園での不整地ラン、これは主に芝生や土の上で行います。また公道でのウォーキングにも適していると思います。
私はフルマラソンのための強度が高いポイント練習後のリカバリーとして、翌日に芝生ランやアスファルト上でのウォーキングを行います。その際に履いているのがこのシューズになります。
アスファルトにネチャネチャと吸い付く
6.7.8.について
ここまでの5項目が私がASICSのTrabuco Max2をおすすめしたい主な特徴となります。そして6.7.8.については簡易版として補足したいと思います。
6. 足をプロテクト
シューズ前方の足先やアッパー部の補強に関しては、相当に硬く丈夫に作り上げられています。
アッパー素材は厚手な上にラバーコーティングが施され保護性能が高く、木の根や岩にぶつけても衝撃は少なく足をしっかり守ってくれます。
足先や側面がラバーコーティング
7. 耐久性あり
富士登山について吉田口下山道は砂走りとなり、シューズ底を擦りながら下山することになります。
通常のシューズではアウトソールがボロボロになる過酷な環境ですが、試走時の体験ではソールの減りが控えめだったので耐久性ありと判断しました。
アウトソールの耐久性が高い = 同じシューズを長期間使えるということを意味します。
吉田口下山道
8. サイズ感は普通履きで
つま先や足幅には結構な余裕があることがこのシューズの特徴です。
しかし普段履いている靴のサイズで問題ありません。もちろん好みの問題はありますが、私は足幅が広い方なので快適に走れたこのシューズは合っていると確信できました。
また踵周りのフィット感が甘いとの声がありますが、緩めを好むからか個人的には全く気にならないと感じました。
足を優しく包む
Trabuco Max 2の悪いところは、乾きにくい
ニット生地が厚めのため、降雨に直面すると乾きにくいことが残念な点の筆頭となります。
発汗でランパンとランシャツがびしょびしょになってしまう夏、汗がシューズまで伝って1時間も走るとシューズ内部は完全に水没してしまいます。
汗っかきなため今年の猛暑ではどのシューズで走っても水没したのですが、Trabuco Max2も例に漏れず水没してしまい真夏でも乾きが遅い印象でした。
生地が厚手
まとめ
繰り返しますが上で挙げた特徴のうち強調しておすすめしたい理由は上位5つとなりますが、加えてロードではNIKE一極集中の牙城を崩したのがASICSです。これは日本人の足に合ったシューズ作りを地道に続けてきた結果です。
例えばロードのMETASPEED EDGE+を履き慣れていて、トレランシューズを買うなら親近感あるASICSを買ってみようという気になります。こうしてブランド力は醸成されていくものなのでしょう。
公式HPにある「心と体を解放することを目指して」、この文言は漠然としていますが、半年間履いて走ってきて確かに感覚的に惹かれるものがあります。
土、泥、岩場などの不整地を無性に走りたくなるシューズですし、実際にガレ場を安心感を持って攻め切れるシューズです。
玄人はもちろんのこと初心者にも優しい取っ付き易さがありがたく、このクッション性とグリップ力の優秀さでランニングが楽しくなるシューズです。
個人的にはこういったシューズを作って下さるメーカーを、今後もずっと積極的に応援していきたいと思っています。
奥多摩もこれで