東京マラソン2021は手荷物預けなし、という特異な条件下で開催されました。
つまり普段は会場に到着してから行う諸々の最終準備をあらかじめ済ませ、スタートするだけの格好で各自出発することを意味します。
都庁で手荷物を預かってくれる応援者がいなければ、自宅や宿泊先から防寒してスタート会場に向かわなければなりません。これは真冬の低気温下において非常に頭を悩ませる問題となります。
今回の東京マラソンにおいて、冬であっても最低2時間は寒さをしのげる組み合わせを発見しました。私の実践体験談がお役に立てれば幸い、ぜひ参考にして下さい。
こんなランナーにおすすめ
- 東京マラソン2021みたく手荷物預けなしの大会に参加するランナー
- 冬の防寒対策に万全を期したいランナー
- 出来るだけ軽装で防寒したいランナー
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目次 (タップでジャンプ)
エマージェンシーシート+αの防寒具組み合わせで事足りる
以前の記事でもスタート前の防寒グッズとして、ホットジェル、手袋、カイロなどを挙げています。
今回は身軽であること、スタート前後に捨てられること、しばらく持って走ってもストレスにならないことを前提条件とし厳選しました。
1. エマージェンシーシート※
2. 100均雨カッパ
3. 貼るカイロ
結論を言ってしまうとこの3品コンボでスタート前の防寒は事足ります。断言しちゃってますが自信がないので言い換えると、事足りるランナーがほとんどです。
真冬のフルマラソンスタート時、午前9時の想定気温はおそらく3〜9℃くらいです。このくらいの気温下において寒さに耐えうる装備となります。
※エマージェンシーシートは、「防寒シート」「サバイバルシート」「レスキューシート」「アルミブランケット」とも言う
エマージェンシーシートは救助グッズ
朝6:30に秋葉原のホテルを出てスタート会場へ向かい、号砲が鳴るスタート時刻まで実に2時間以上(電車移動時間は除く)防寒する必要がありました。
エマージェンシーシートは今や防災グッズとして知られ、山岳救助シーンが流れると、アルミ箔のようなもので遭難者を包む場面を一度は目にしたことがあると思います。
当日は最低気温が5℃、しかもスタート会場ではビル風が西から強く吹いています。体を冷やさない防寒の基本は保温ですが、その点防水や防風に優れたアルミシートは、緊急のブランケットとしてあらゆる場面で高機能を発揮しました。
感じないくらいに身軽で、自らの体温で保温し暖かい
アルミのイメージとしては、とにかく軽くて薄いことが真っ先に思い浮かびます。軽さは走る時だけに留まらず、身につけた時にも十分メリットを感じます。
アルミ自体は銀色の反射板素地で、自らが発する体温を反射することでアルミ内の空気層が暖かくなります。
これは大げさに言えば、超薄手のダウンジャケットを身に纏っている感覚です。
マラソンスタート前後に気兼ねなく廃棄できる
ネット購入で値段は1000円くらい、勝負レースの消耗品と考えれば捨てることにためらいはありません。
でも捨て方はスマートさを心掛け、スタート前にごみ収集のボランティアに渡したり、スタート後に沿道でゴミ袋を持つボランティアの所まで携帯します。
ゴミ回収がない場合は、少なくとも最初のエイドまで持って走るモラルは持ち合わせておきたいと思います。
持って走ってストレスにならない
スタート直前に沿道に防寒具を廃棄する光景は、フルマラソンスタート前の定番となっています。
2022年開催の東京マラソンも例に漏れず、コース脇の植え込みは雨合羽などの防寒具のゴミ箱と化してました。
そんな中で注目足ランナーが、自ら用意した巾着袋に脱いだ防寒具をコンパクトにしまい、それを肩に掛けて颯爽とスタートしたランナーに関心しました。
個人でゴミを出さないという意志表示は、ゴミを出さない=他人に迷惑を掛けない表れで人任せからの脱却を意味します。またそれは主体的に生きることにつながる行動となります。
マラソン大会の防寒として認知度が上がっている
3年前の東京マラソン2019では、このエマージェンシーシートがゴール後に配布されることで、かろうじてあの冷たい雨のレース後に生き延びることができました。
今回いただいたそれを使い切ったと思ったら、ゴール後に再びエマージェンシーシートが配布されたことがありがたく、実益となる参加賞を選定した運営に感謝です。
エマージェンシーシートは東京マラソンが認める防寒具で、スタート前防寒の最適解の一つと言えます。
実際に2022年東京マラソン当日朝、多くのランナーがエマージェンシーシートで防寒をしている姿を目にしました。
それでは工作タイム(加工例)
それでは具体的に長方形(正方形)で売られているエマージェーシシートを、簡易的ではありますが身に付ける形に加工してみましょう。
用意するものはエマージェンシーシート1枚(写真は東京マラソン2019のゴール後配布のもの)とハサミのみです。
基本的に身体を包み保温するこになるので、肩幅よりも大きめのサイズで作成します。
ハサミで余剰分をカット、余った部分(写真の右側)はマフラーにも腹巻き代わりにもなります。
スタート前から超極寒だった別大マラソン2018では、細長く切ったものをマフラー代わりに首に巻いて防寒に成功しています。
作成のコツは首を通す穴の幅を首スレスレにカットする事です。こうすることで風の侵入を最小限に防ぎ、空気の層を冷やさず保温効果が高められます。
首幅が定まらず小さめに作ってしまい、首を通すと簡単に破れてしまいました。
宿泊先へセロテープを持参するはずもなく、もったいないと思いつつテーピングで補強しました。
ホテルの姿見にて
東京マラソン前夜にひとりだけのホテル部屋、なんか右手のポーズがエモい感じです。ハサミの切り口が雑になっても、こんな見た目となれば完成形としては十分です。
暖房がとても効いた部屋、上半身裸で被っただけなのにジワっと汗が出てくるくらい保温効果を実感できました。
装備3品で防寒、日差しがあれば最強
取り敢えずエマージェンシーシートの弱点についても述べたておきたいと思います。デメリットとも言えるのですがそれはただ一つ、シャカシャカ音が大きいことです。
この格好で行動していると、アルミが擦れる音でシャカシャカシャカシャカとにかくうるさいのです。気付いてからは遠慮気味に小さめに動き、電車内でもスタート前待機でも極力動かずジッとしていました。
首、お腹、腰に貼るカイロを、手には普通のカイロを握り、エマージェンシーシートをウェアの上から被り、最後に100均雨合羽を羽織ることで完璧に仕上がります。
これは当日ホテル出発時に撮影したものですが、改めて見ると東京マラソン柄のシートが下に薄ら見えてファッション性さえ完成度が高いものとなりました。
この格好でスタートまで待機して防寒、全く寒くないとは言わないまでも、自身とカイロの熱のダブル保温効果でブルブル震えることはありませんでした。
ただ余談ですが身に付けている防寒具より太陽光万歳、陽射しが1番の防寒具だったことも付け加えておきます。