気温30℃以上の真夏の高湿度、そんな中でさえも趣味のランニングは欠かせません。
暑さを少しでもしのぐために日陰が多いロングコースはないものかとネット検索してみました。
すると極々近所の玉川上水がhitしたではありませんか。
真夏の日差しを避けて長距離走ができ、かつ自然豊かな絶好のコースとの記事が散見されたので、自分の目で確かめるため早速走ってまいりました。
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目次
まずは予備知識、玉川上水の歴史
玉川上水は多摩川上流にある羽村取水堰から江戸市中まで(全長43キロ)飲料水を供給するために江戸時代に作られたものです。
江戸の発展に大きな役割を果たしました。
文豪太宰治、国木田独歩が散策した文豪の道とも言われ、ランニングをしながら文学も歴史も楽しめる緑道となっています。
また、歌川広重や葛飾北斎は小金井の桜を見て錦絵を描いたと言われています。歴史が詰まった道なのです。
写メでもが読む価値あり
玉川上水|木漏れ日ランの経路
東京で木陰だけを求めると、どうしても高尾山や奥多摩など山方面に出向くしかありません。
しかしこの玉川上水は東京の平野部、四谷〜羽村まで、平地で木陰を楽しめアップダウンはありません。
聞こえてくる鳥のさえずりと蝉時雨、上流に向かえば川のせせらぎに包まれます。
すぐそこが東京の住宅街とは思えない音色に溢れています。
長い道のりにはカエデや桜の木々が永遠と続き、さながら市街地を東西に突っ切る都会のオアシスの様相です。
富士見ヶ丘→三鷹
都心側の四谷〜富士見ヶ丘までは暗渠(アンキョ:覆いがあり地下に埋設)になっているところが多く、道路、公園、線路に隠れて水路が姿を見せません。
わかりづらいので出発点は、地下からひょこりと姿を現し始める富士見ヶ丘駅(京王井の頭線)付近としました。
富士見ヶ丘駅から約700mほどで暗渠を抜ける玉川上水を浅間橋で確認できます。
ここから永遠と拝島駅(JR青梅線・西武拝島線)まで玉川上水の側道を約25Km走ることが出来るのです。
※上記の写真だと下が北側
この区間は木々で日差しを遮るためにも川の北側(右側)を走った方が良いでしょう。
時たま橋を渡って南側(左側)を走ってみるのも気分転換になります。
橋ごとにジグザグと走ってみるのが気分転換にもなり面白いかと思います。
初めて知りました、正式には『都立 玉川上水緑道』というみたいですね。
ここから不整地ランの始まりです。
三鷹→小金井
三鷹駅のホーム真下をくぐるように玉川上水は流れています。
新宿駅から約15分、都心からアクセスがいい三鷹駅(中央線)をスタート地点としても良いと思います。
小金井→小平
ずっと北側を走っているといつのまにか五日市街道と並走していました。
平日休日問わず交通量が多いので、排気ガスが気になる方、車内からの視線が気になる方はこの区間だけ南側(左側)を走った方が楽に感じます。
この辺りは桜の木々が立ち並んだ名勝です。
春には花見ランが楽しめそうですが、皇居ランよろしくおそらく花見客が多すぎて思うようには走れないはずです。
小平→拝島
南側(左側)を走っていたのに、気付くと今度もまた五日市街道と並走していました。
気になったので再び北側(右側)へ移動すると、そこは完全にトレランの雰囲気を味わえる区間です。
木々が作るトンネルを抜ける爽快感が気持ちよく、土の道が柔らかく緑に囲まれているので、本当はすぐ横が住宅街ということを完全に忘れさせてくれます。(冬になり葉が落ちると視界が開け家々があらわに・・・)
小平付近からは断然北側(右側)走行をおすすめします。
こんな緑道をテクテクと走れます。
散歩者が多いので高速走行は厳禁です。
また、この区間は北側(右側)にふかふかのウッドチップコースが続きます。
足に優しい上に普段とは違ったクッションで走れるので、ウッドチップコースを走った経験がない方は不思議な感覚に陥ると思います。
途中の玉川上水駅(西武拝島線)はエスケープ駅として利用できます。
富士見ヶ丘駅からここまでちょうど20キロくらいでキリがいいので、立川方面へのアクセスが良い玉川上水駅でFinishもアリかと思います。
そして最高のエスケープ&ゴールがここ『昭島温泉 湯楽の里』です。
羽村の堰が大分近づいて来ましたが、やっぱりお風呂でさっぱりとシメたくなるものです。
道なりで到着する拝島上水橋の目の前に現れるので、絶対に見逃すことはないでしょう。
ここでさっぱりして、お風呂上がりに再び玉川上水を1Km歩けば拝島駅(JR青梅線・西武拝島線)に到着です。
拝島→羽村
残念ながら今回は拝島駅でエスケープしたので拝島〜羽村の堰は追記したいと思います。
ただ終点(始点)の羽村の堰まで走るとそこからシメのお風呂がある「河辺温泉 梅の湯」までは約4.5キロ以上もあります。
それゆえに2020年春時点でもなかなか重い腰が上がりません。
これは上記の湯楽の里をゴールとしろとのことなのかも。
玉川上水緑道コースの特徴
いくつかポイントとなりそうな特徴を感想を交えてまとめてみました。
玉川上水緑道の特徴
○走路は木陰が中心
全行程の大半が高木で覆われています。直射日光を避けてランニングを楽しめます。ですから猛暑・酷暑・残暑の夏におすすめです。
○多くの区間で南側(左側)の方が道幅が狭く、より原始的で自然が残る走路
刺激を求める人は迷わず南側(左側)を走りましょう。南側だけが脛くらいまで伸びた草木が多く足に絡みました。
○バスでも電車でもスタート&エスケープが自由に設定できる
住宅街だけにアクセスが超絶良いです。いつどこからでも起点にも終点となります。
○トイレ、給水ポイント
トイレは程よく現れるコンビニ頼みです。給水に関しては自販機がそこかしこに点在するので心配無用です。ロングランにはハイドレーション機能がついたリュックが役に立ちます。
○ウォーキングが多い
これだけ走りやすいことは歩きやすいことも意味します。ウォーキングを楽しんでいるお年寄りや子供連れが多いので、走行中は特に注意が必要です。ペース走には向いていないのはもちろん速度超過に気をつけましょう。
○信号が多い
主要な道路と交わる度に信号が現れます。夏場は信号待ちで蚊に食われ、冬場には体温が奪われます。イライラせずに諡号待ちで忍耐力をつけるのです。
玉川上水ランの注意事項
玉川上水緑道ランで一番注意しなければならないのが木々の根っこです。
コース上には数えきれない根が盛り上がって鎮座しています。
つまずいて転ぶと怪我は必須、急ぐ走りはここでは不要ですので足元に注意してゆっくり歩を進めればそれでいいのです。
まとめ
西武線で帰宅途中に車窓から、木々が直線的に生い茂っている不思議な風景を確認できました。
住宅街が広がる向こうに、木々の緑がそこだけ続いているのです。
玉川上水は住宅街の中にそこだけ自然が覆っている異質な空間だとわかります。
実際に走ってみてやはり1番のメリットは、自然の土や葉、草が大部分なので、とにかく脚にやさしいことに尽きます。
怪我をしていて負荷が高い練習ができない時期に、ロングコースやトレイルコースとして普段使いできそうです。
また都心からの緩めなマラニックとしても玉川上水緑道は重宝できるのではないかと思いました。