越後湯沢秋桜ハーフマラソンは暑い

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役立ち話

マラソン(走ること)と気温|パフォーマンスへの影響大

2017年12月14日

 

『あぢぃーー』

 

フルマラソンでベストタイムを狙う勝負レースを決め、そこから長期に渡ってトレーニングを積んできた日々、それなのに迎えたマラソン大会当日の予報が気温20℃オーバーですって。

そんな日でもやれるはずと思い頑張ったのに、結果的に抵抗虚しく大撃沈した経験はありませんか?

個人的には暑さへの耐性が弱い方と自覚 (寒さもですが・・・) しているのですが、そのくせ真夏 (真冬) ランニングが大好きと言う変わり者ですから困ったものです。

ラン歴 (2024年で23年間) を振り返ってみると、マラソン大会では暑さでこれまで散々嫌な思いをしてきました。

メンタルは十分に吹かされているのに大会当日が季節外れの高温とは、身体中塩を吹きながら脚を攣る体験はマラソンを趣味としなければ絶対に経験できませんでした。

これホント嫌になりますが、今記事ではマラソンと気温について述べていきたいと思います。


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撃沈したレース日の気温を調べてみた

雪ん子
気温が高いとレース後半に失速するよなぁ

 

との認識を今まで漠然とながらずっと抱えていました。

もちろん気温だけが原因ではなく、走力不足やペース配分をミスった突っ込み過ぎなど、自身のマネジメント能力の欠如が理由の場合もありました。

そこで自身の擁護のためにも外的要因に原因を求め、撃沈したマラソン大会当日の気温を調べてみました。

すると興味深いことが発覚、それは撃沈したマラソン大会当日が例外なく気温20℃以上だったのです。

トロピカルで暑かった青太2021

暑かった2021年青島太平洋マラソン
12月なのに皆半袖

 

撃沈レース

2009.11.8 湘南国際マラソン
21℃
一生忘れることはない初マラソンでこの洗礼にて全身塩吹き

 

2011.11.3 湘南国際マラソン
20℃
両脚を攣って大撃沈の諦めモード、今も残るフルワースト記録

 

2011.11.20 ふじの国新東名マラソン
24℃
運営面においてマラソン界伝説的大会

 

2015.4.5 さが桜マラソン
24℃
シーズンラストに屈指の平坦コース、なのに九州まで行ってこの仕打ち

 

2017.11.3 ぐんまマラソン
22℃
赤城おろしはいずこへ、後半ノックアウトでエイド巡り

 

2018.9.23 一関国際ハーフマラソン
26℃
今夏ですか?ゴール後のアイスがオアシス

 

2019.8.5 こりゃ多摩ラン
31℃
分かっていたが灼熱の炎天下で失速

 

 

気温が高い中で長時間に渡り体を動かすということは、自ずと発汗量が増え体温調節がうまくいかなくなります。

体の水分やら電解質であるミネラル分やらが汗とともに体外へ排出され、暑さで心拍数が上がった結果パフォーマンスが大きく低下するのです。

真夏の風物詩

真夏、そこかしこに蝉の抜け殻

 

走る際のベスト気温は?・・・(主観的考察)

気温なんて全く気にも留めずに「ガンガンいこうぜ」モードでいくつもエントリー、いわゆる1万人規模のメジャー大会ばかりを選んで参加していた時期がありました。

決して安くない旅費を捻出してはるばる遠征、そこで迎えた大会当日は気温が高過ぎてレース後半に大失速を頻発しました。

振り返ってみるとランナーにとって11月は鬼門の月だと思えます。朝晩が寒くなったから日中もと思うことなかれ、最高気温が20℃以上を記録する日が結構あるのです。

ベスト記録を狙うことが走るモチベーションの一つとなっていた私にとって、今後もう11月のフルマラソンを走ることはないと思っていました。

 

追記:暑いからと言ってそれは記録が狙えないだけ、純粋に走ることを楽しむようになった今では2019年富山マラソン (10月) 、つくばマラソン  (11月)に挑戦しました。それなのに嫌がらせのように気温は案の定高めでした。

 

レース前にとにかく気になるお天道様

マラソン大会の1週間前からヤキモキすることといえば、フルマラソンの調整ためのコンディションはもちろん、それに加えて晴れか雨かよりもまずレース当日の気温がどうかです。

コース高低差が大きいことよりも、風の強さよりまずはレース当日の気温が1番の懸念材料となります。

みえ松阪マラソンの気温

2022年松阪は寒すぎ強風

ときにはこんな日もある
雪ん子

 

パフォーマンス発揮の気温上限は?

ここ2年間練習時のタイムや体調、その雑感以外にも走った日の気温を記録してみた結果、しっかりとパフォーマンスを発揮できた気温の上限が15℃前後だと分かりました。 (あくまで個人比)

なぜだかこれ以上高い環境下でランニングすると、つまり気温が16℃以上になるとどんどんパフォーマンスが落ちていくのです。

季節で言えば4月頃から16℃以上になりオフシーズン到来となります。それ以降は緩ジョグがメインとなり、しっかりと追い込むポイント練習にしても短距離主体のスピード系に偏ってきます。

なぜなら気温上昇で発汗が多くなり心拍数が高くなり、冬同様のポイント練習が思い通りにいかなくなるからです。

湘南サイクリングコースを真夏にランニング

真夏の湘南は青い空と海、奥に薄ら富士山

雪ん子
気温?ここではどうでもいい

 

ではフルマラソンにて自己ベストが出た時の気温は何℃なの?

調べてみた結果、練習を重ねてベストパフォーマンスを発揮しフルマラソンでベストタイムを記録した日は、気温10℃を超えない寒い日でした。

下の表は私がマラソン大会でベストタイムを更新してきた日の最高・最低気温についてで、スタート時・正午・午後3時の気温を気象庁のHPを基に調べたものです。

よ〜調べるのぅ
雪ん子

 

ベストタイムはこんな気温条件で出た

最高気温 最低気温 スタート時 正午 午後3時
佐倉マラソン
2010.3.28
6.8 3.3 5.6 5.4 4.6
京都マラソン
2012.3.11
11.7 1.2 5.4 9.2 9.6
長野マラソン
2013.4.21
6.1 -0.5 0.5 2.8 5.3
静岡マラソン
2015.3.1
10.7 8.0 8.7 8.4 8.1
東京マラソン
2016.2.28
15.0 3.7 9.8 13.8 12.6
和倉万葉の里マラソン
2016.3.13
9.4 -0.8 4.5 8.5 9.1
奈良マラソン
2017.12.10
13.1 2.5 4.0 8.7 12.0
東京マラソン
2019.3.3
10.4 4.4 4.4 5.7 6.2
平均(℃) 10.4 2.7 5.4 7.8 8.4

 

初マラソンにて暑さの中で4時間ちょっとのタイムで撃沈し、その後3時間40分〜17分でベストタイムを更新してきた結果がこれです。

大概のマラソン大会は午前9時スタートが定番となっていますから、スタート時の平均気温 (5.4℃) がひとつの指標となるかと思います。

ベストタイムを記録した日はゴール時の正午12時で平均10℃以下、それは寒い日は汗をかきづらく水分や電解質不足にならないため心拍数も上がり切らず実力を存分に発揮できることを物語っています。

体格や体質などフィジカル面で個人差はもちろんあるものの、自身の経験を踏まえればフルマラソンは10℃以下の寒い日にベストタイムが出やすいと言えます。

マイベストが出た奈良マラソン

寒かった2017年奈良マラソン
ゴール前の最後の急坂

 

マラソンのベスト気温は?・・・(客観的考察)

では私個人の記録なんてどうでもよくて、ランナー全般まで範囲を広げて考察してみるとどうなのでしょうか?

科学的な研究による客観的な根拠はないのか?とネットサーフィンしていると次のような論文を見つけました。

 

フランスの研究結果より

2012年に「フルマラソンの記録に影響する環境要因は何か?」というテーマの学術論文が発表されました。 (フランス研究から引用)

その中で研究結果として走力に関わらず最も影響が大きい環境要因は気温であるという結論付けとなっています。

この論文の中で10℃以下 (6℃〜8℃) が最もパフォーマンスが向上すると記され、これは走行中に身体から放出された熱を、冷たい空気が冷却してくれる10℃以下がフルマラソンを走る環境としては塩梅が良いのです。

次に11℃〜13℃なら気温面ではまだ実力を発揮できると書かれています。しかし気温が15℃を超えるとマラソンのパフォーマンスが低下し始めるとあります。

16℃〜18℃まで気温が上昇するとゴールタイムが5%程悪化すると発表され、それはサブ4ランナーの記録が4時間12分になってしまう計算です。

ランナーズフルマラソンチャレンジin荒川河川敷

雪ん子
この日は灰になった

 

研究通りの私の体

この記事作成の過程で、私はこの論文内で述べられている結果とズバリ当てはまっていることに気付きました。

これには心底驚かされました。絶対に他人よりも暑さに弱いと思っていたのですが、論文を元に考察すると自分はごくごく平均的なランナーだと分かりちょっぴり安心してしまったのです。

晴れ渡る奈良マラソン

 

気温を考慮した対策はこれ

もしもフルマラソンで記録更新を狙うならシーズン(9月〜4月) 最後の大会は、2月に照準を合わせた方が無難かもしれません。 (遅くとも3月上旬を)

 

20℃前後になる可能性がある時期の大会は避ける

経験上気温の影響を受けにくい12月〜2月の大会を選ぶこと、それがフルマラソン大会で満足いく結果を得る近道です。

誰でもシーズンのオーラスはベスト記録を出して終わりたいと意気込むものです。それはそう、地道に練習してきた集大成の日なのですから、ベストタイムを出して締めくくりたいと思うのは当然です。

なのにオーラスを飾るレース当日が最高気温24℃とかだと、暑さに慣れていない身体は一気に消耗し脚が止まってしまいます。

最高気温が10℃前後の大会を狙い撃ちするために、遅くても3月上旬までの大会に出場した方が無難と言えるのです。

 

身に付けるウェアで体温調整

気温が同じであっても、晴れている、雨が降っている、風が吹いているといった気象条件によって体感温度は大きく異なります。

なるたけ体感温度を下げるため身につけるウェアを工夫することは、記録狙いの身近な対策となり得ます。

気温上昇が見込まれる日なら、スタート時は超寒くても防寒対策を施して我慢、極端なくらいの薄着の方が走り出したレース中は快適になります

私は胸元がジッパーになっているランニングウェアを好んで着用しています。ジッパータイプは体感温度が高い時はジッパーを下げて開襟にし、冷えてきたら閉めるなどして体感温度を自在に調節できるメリットがあります。

また暑い中で胸元全開で走るのは気持ちがいいもので、体感温度を下げたおかげで発汗を抑えられ後半まに失速せずに済んだレースは沢山あります。

また2017年奈良マラソンでは、日中の気温が10℃以下でも太陽が出ていたことで暑く感じる区間があり、腕に装着したゲイターを上げたり下げたりして体温調節をしました。こういった体温調節を目的とした行為は、フルマラソンベストタイム更新へ大きく貢献た対策となりました。

奈良マラソン、ゴール前の急坂

奈良マラソンゴール直前の登り坂
(コロナ期の旅行時に撮影)

 

補給食、給水でも対策

気温が16℃以上になる大会なら熱中症対策は勿論、レース前レース中の補給食や給水の摂り方において事前に作戦を練る必要が絶対にあると個人的に思います。

例えば、レース中の脱水症状を防止するためにレースの2、3日前から小まめに水分を摂取して水分を体に溜め込むウォーターローディングは一例です。

またレースではミネラル分を多く含むジェルやタブレットを多めに携帯、エイド以外でも数回摂取することでエネルギー不足や足攣り対策となります。

 

塩熱サプリはロングランからウルトラマラソン、トレイルランまで携帯するランナーが多く高い支持を得ています。私自身何回もこれに救われました。

 

まとめ

10月、11月、3月、4月のフルマラソン大会では、16℃以上になる可能性が少なくなく実力を発揮できない可能性があります。

もし参加する大会当日の気温20℃近辺の予報がなされていたら、「明日のフルマラソンは厳しい戦いになるな」との覚悟はしておいた方が身のためとなります。

そしてフルマラソンでベストタイムを狙うのなら、気温10℃前後でベストパフォーマンスが望める12月上旬〜3月上旬の大会に絞ることがやはり得策となります。

今記事は要約すると、統計的に証明されている10℃以下の環境下でフルマラソンを一所懸命走り、ベスト記録を更新して自己陶酔しましょうよという話になります。

でも忘れてはいけないことは、走ることは決してフルマラソンの記録狙いだけではありません。あえて暑い時期の大会 (北海道マラソンとか) を選択し観光込みで走ったり、ファンランとして豪華エイド巡りに徹するランもマラソンの楽しみ方の一つと言えます。

だってその方が長期に渡って趣味のランニングを楽しめる気がするのは私だけではないでしょう。

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