大枠では変更点がなかった2025年静岡マラソン、昨年の記事を参考にしていただければ静岡マラソンの魅力がわかると思います。
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静岡マラソン|絶景の中でシーズン最後の脚試し
江戸時代260年間も続いた太平の世、その礎を築いた徳川家康像 (上の写真) が見つめる先に、現代の静岡マラソンスタート地点はあります。 スタート会場はその像がある駿府城跡周辺となり、敷地の大きさやスタ ...
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今年は自身3回目の静岡を走ってみて、海沿いコースの久能街道 (くのうかいどう) のコンディションが静岡マラソンの鍵を握ると改めて確信しました。
ここは私自身の勝負レース、PB更新を目指すもその海岸線で向かい風の餌食となり散りました。
その体験を踏まえて、今後シーズン最後の静岡マラソンを、満身創痍の勝負レースとして走るランナーに少しでも届けば幸いです。
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後半戦の海沿いからが静岡マラソン本番
とにかく風次第 (追い風か向かい風か)
駿河湾に伊豆半島を眺めながら
(大会翌日)
弊ブログ内で静岡マラソンは記録が狙えるコースと綴っています。ただし向かい風が吹くと一転してタフな区間となり苦戦しますよとも言っています。
例年向かい風なら身も心も準備万端なのですが、その日によってまちまちですから運次第、海沿いはほんと曲者です。
昨年が追い風で背中を押してくれ、今年が強烈な向かい風で望んだペースで走れず大いにランナーを苦しめました。ちなみに翌日月曜日が程よい追い風だったから堪りません。
この海沿いコースは、視覚的に緩やかな上り基調もあってメンタルが正念場、時計的には向かい風でキロあたり10〜20秒は削られたと思います。
とにかく長い
道路中央の白いポールが35km折り返し地点
条件が良ければ富士山はこの位置

写真は皆が向かい風に苦しんだ末に切望した35kmの折り返し地点です。翌日レンタサイクルで久能東照宮へ向かう途中で撮影しました。
海沿い区間は実測で13〜14kmもあり、これは静岡マラソン全行程の1/3ですから長く感じて当たり前です。
2025年は海が見えてきてから折り返しまでずっと向かい風の不運な年、同じペースの他ランナーを風避けに乗り切ろうとしたものの、時間にして1時間以上ですから極端に脚が削られたのも頷けます。
そういえば昨年よりも足攣りしているランナーを最終盤多く見かけました。
景色は抜群
とにかくレース戦略が重要
コース図と高低図 (公式サイトより)
他マラソン大会もコース戦略は大切ですが、記録が狙えるだけに静岡マラソンはより重要になってきます。
前半はスピードが出やすいコース形態ゆえにオーバーペースになりがち、向かい風が予想されるなら海沿いコースに備えて脚を温存する作戦を取るべきです。
また昨年より注意すべきと感じたのが、スタート後7kmほど続く下り基調の後、7〜16kmまでは上り基調の区間が続くことです。
まだまだ序盤で体力が有り余っているからか、ペースが落ちても出力を上げればすぐに想定ペースで走れてしまいます。事前にチェックを入れていたので、この区間はキロあたり5秒くらい落ちても気にせず進め向かい風に備えました。

あるマラソン大会にてコースのある一部がここまでクローズアップされる大会も珍しいです。
これからもこの海岸線は西風か東風かが明暗を分けることになります。しかし天候は不可抗力ですから、静岡マラソンを勝負レースにするなら運次第という覚悟が必要となります。
ちなみに海沿いコース終了後は気力と脚が残っていれば、再び下り基調となりゴールまでスパートをかけられるお膳立ては整っています。
静岡らしい完走メダル
運営は高値安定
ゴール後の動線でいただいたもの
総じてストレスなく大会期間を過ごせたので運営は良好だと思います。
スタート会場のスムーズな動線と待ち時間無しの男性用小トイレ、多彩なエイド、次のトイレまでの距離表示、今年はデジタルマップ公開がありました。でも公式サイトにて各自予習する必要はあります。
今年もエイドはいちご、安倍川餅、おでんと地元カラー色が強く、いちごは昨年が2ヶ所提供が2025年は3ヶ所に増えていました。
向かい風と格闘しながら食べたいちごは甘酸っぱい記憶となり、記録は未達成ながら静岡らしさを味わえて良き思い出となりました。
と自分の思い出は置いておいて、今年特に関心した点をいくつか挙げてみました。
ゴール後の荷物受け渡しが爆速
静岡マラソンの荷物受け渡しは全国屈指のスムーズさです。
動線に沿って進むと女子生徒がすでに私の手荷物を抱えて待っていました。満面の笑みで「おつかれさまでした」のお言葉をいただき、汗まみれの中年達の荷物を抱えこちらこそご苦労様と伝えました。
今年大阪マラソンの手荷物引き渡しがカオスだったことを、静岡の大会レポの書き込みで知りました。あちらが2時間で、こちらは待ち時間なしです。どうやら規模がデカいだけで運営がマズく、今年も大阪は最低評価でした。
参加人数が適正がなせる業と言えなくもないのですが、過去にはもっと小規模でも待たされる大会が多くありました。
なるほど手荷物係の人員が多い
ゴミ箱の形に工夫あり
給水所のゴミ箱に紙コップやゴミを受ける壁が増設されていて、コントロールが悪くてもゴミ箱に入る仕様となっていました。
立ち止まることなく給水を済ませ投げ入れ準備、中高時代に野球をしていたこともあり離れていてもゴミ箱にしっかり入れることをモットーとしています。
ハズしても戻ることはないのですが本体のゴミ箱上部に大型の壁があり、そこを目掛けてスローすれば外しようがありませんでした。
給水テーブルの配置が絶妙
エイド表示がわかりやすく、テーブルの間隔も適度、さらにランナー目線のテーブル配置に好感が持てました。
【水水】→【ゴミ箱】→【スポドリスポドリ】→
【ゴミ箱】→【給食給食】→【ゴミ箱】→
【水水】→【ゴミ箱ゴミ箱最後のゴミ箱】
一見簡単なようでできていない大会が多い中、静岡は全給水がこのスタイルです。走っていてストレスなく安心して給水を迎えられました。
計測チップ回収は柵に脚を乗せるだけ
(写真は2024年)
問題点もあるにはある
ホテル問題と日帰り参戦
静岡駅周辺のホテル代金が高騰、最近の大会はスタート会場近くは宿泊先の確保が困難です。そして日帰り計画を立てようにもスタート時刻8:20というのが曲者です。
前日受付がないのですから日帰りしたくても、東京駅始発の新幹線ではスタートに間に合いません。この時間スタートだと新横浜駅始発でないと間に合わないのです。
スタートブロック待機中に目の前のランナー2人が話していました。スタート9時なら日帰り参戦できると。
スタートライン
トイレが少ないについては
朝7時でこの列
スタート会場のトイレが少ないとの意見が今年も多かったです。これは昨年も感じたことで改善する気はなさそうです。
以前も書いたのですが、マラソン大会ではスタート会場のトイレ数は少ないものであるという認識を持つべきです。早めに会場入りするか、遠く離れた穴場を探すか、または自宅やホテルで大方済ませてから会場へ向かうことをお勧めします。
予算的なことでは、トイレを増やすか?エイドのいちごを増やすか?の選択なら、いちごの方がランナー満足度は高いはずです。
もう乗れないくらいの満員電車
朝の静岡駅は大混雑
清水から静岡駅への朝の電車移動が、首都圏でも最近では見かけないくらいの超満員。そしてゴール後の清水から静岡駅方面の電車もやはり超満員。(静岡鉄道はそうでもない)
朝途中駅から乗ろうとした地元の方、電車がホームに入線すると目を見開いて苦笑いしていました。
臨時列車か車両の増設で対応してもらいたいのですが、昨年と変わらないことからこれも改善は期待薄です。
参加賞がもらえない
昨年から改善されなかった点をもうひとつ。
参加賞Tシャツの受け渡し (当日) がゴール後の動線上にないことでもらい忘れが頻発しました。
完走賞ではなく参加賞ですから、全てのランナーに行き渡るべきもの。事前送付になぜ同封されていないのか疑問です。
ただし大会終了後に公式サイトにて着払いにて送付するとの発表がありました。良心的です。
後泊するなら清水駅周辺がおすすめ
東横イン、隣が24時間スーパー
ゴール後に清水から宿泊先の静岡駅に戻るのが大変だったことは昨年経験済み、今年は清水駅徒歩2,3分のホテルを奪取しました。
ゴール後は頂けるものをいただいて、肩にタオルを掛けたまま走った格好で清水駅の反対側の宿泊先へ移動し、ゴール後15分でシャワーでリフレッシュできました。
定宿の東横イン会員になれば、半年前に部屋を押さえられるうえに定価で泊まれます。クリック合戦は熾烈ですが、宿泊は東横インがおすすめです。
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プライベート記録
朝、静岡駅へ向かう清水駅ホームから

マラソン大会ではスタート前、必ず空を見上げるようにしています。
10月豊洲の夜景から始まった今シーズン、正月に軽いギックリ腰はあったものの、ここ数年悪さしている股関節が調子良く、様々なサポートもあって大きな怪我なく静岡を迎えられました。
感謝の念を空に放ち、ヘリの音と一瞬の静寂の後に号砲が鳴りました。
大会で時計は極力見ないで走っていたのですが、2月からは解放して時計を見てペースを追うようにしています。ただし常に体幹意識の脱力、股関節を使った走りを心掛け時計を追っていきます。
気温良し、体調良し、メンタル面も程よく高ぶり、コロナ明け以降では最高の状態なのは自分だからよくわかります。

当然全盛期みたく走れる訳ではないことは百も承知、ペース配分が大事でも今日は当時のペースで走ってみたいのです。どのくらいできるのか?ここ静岡なら分かるはず。
そして落ちてきたら正念場、でも粘る、とにかく粘るが今回の静岡の自分テーマでした。海岸沿いさえ上手く走れればきっと好記録が出ると言い聞かせます。

昨秋のハーフ大会より速く通過したハーフ地点、コース脇の時計を見るとベストタイムを1分近く更新するペースでした。
疲労感もさほどなく、まだペースは落ちていないので丁寧に走っていきました。しかし向かい風がひどく25km付近からペースが落ち始めます。しかもかなり。
最低でもキロ5付近で粘ることで乗り切る予定だったのですが、5分20秒まで落ち込み長い長い海岸線でどんどん抜かれて心折れました。
ようやく訪れた折り返し地点、追い風になったのは良いのですが時すでに遅し、北側に進路を変え清水駅まで残り6kmちょっと、ここは下り基調ですがもう一度ペースを上げることはできませんでした。
そうはいっても3時間25分は切りたいところ、何とか立て直しを試みますが40km付近では過ぎ行く景色の遅さから、

ざっと計算すると、またしてもサブ3.5漏れしてしまうことが判明。前半攻めたツケが全部終盤に出ました。さすがはフルマラソン、絶対にまぐれはありません。
残り1kmでサブ3.5集団に抜かれ万事休す。ネットタイムならまだ間に合うかも、でも脚動かず。ゴールゲート通過時時計は3時間30分を超えていました。
ゴール後パイロンに手を着き、攣りそうな身体を支えます。ガーミンを覗くと3時間29分45秒、「松竹梅」の松を狙ったレースは、かろうじての梅という結果で終わりを迎えました。
後半粘り切れなかった走力が今の実力、でも前半は久々に心地よく興奮するペースで刻めました。よってペース配分に後悔はありません。
2019年なら走れたペースも、今では25kmが限界だとわかり、これを来シーズンの一つの課題としてまた取り組みたいと思います。
しばらく休んでまた始動、次のレース選択をニヤニヤしながらする予定です。
向かい風で苦しんだ区間、
条件次第で富士山が見える
(大会翌日)
いや〜また参加したい度
2024年は追い風で暑さを感じて富士山がバッチリ、今年が向かい風で常時冷却されたのは良いが苦悶の長い時間で富士山見えず。
何度も思いますが、改めてマラソンは天候 (走力) が結果に大きく左右する競技です。
それでも静岡マラソンは記録を狙える大会、海沿いコースを味方につければ、応援は素晴らしく、ゴールまであと少しのラスト地点、清水エスパルスサポーターのサンバ応援は最高に気持ちが上がります。
異様な盛り上がりの応援に、最後の最後で背中をグイグイ押してくれますから、たとえ狙った結果ではなくても、まずは諦めないことでゴールゲートを迎えましょう。
いや〜また参加したい度
翌日に清水駅から