動画撮影を見て自分が後傾フォームだと知り、マラソンするなら前傾フォームを取り戻したいと思ったのが前編の内容でした。
フルマラソンに向けて練習を重ねたのに本番で結果が伴わないと、コレまでの時間を全否定され気が滅入る時があります。
何が悪かったのか?
その答えは人それぞれなのですが、私の場合は後傾フォームの矯正に辿り着きました。前傾フォームに変えるために何ができるか?
試行錯誤(仮説・検証)は未だ現在進行形ですが、そこで得た感覚とか有効性とか自分なりに色々まとめてみました。
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後傾フォームから前傾フォームへ
先ずは前提として肩書きがない市民ランナーの見解が、再現性あってどれ程効果を発揮できるか保証できるものではありません。
ただ現時点でベストタイム更新の打開策になりうるかもしれないとの手応えを感じています。ですからさっと流し読み感覚でお付き合いください。
ずっと前傾してるつもりだった
前傾させたつもりで走っていたことは前の記事で書いた通りです。でも動画を見るとそうではなかったのです。
今まで前傾フォームを意識的に行う場合、走りながら骨盤より上、つまり上半身を腰の位置から数度(°)前方に傾けていました。
これだとフルマラソン終盤に猫背になりやすく、そうならないよう胸を張って背中を反る意識を加えていました。結果的にこれが後傾フォームの原因の一つであったと思います。
後傾フォームの弊害
単純に走る行為とは前へ体を移動させる行為です。
ベクトルが常に前方へ向いているのにも関わらず後傾で走ることは、接地の度にブレーキを軽く踏んでいることになります。
自ら生んだ運動エネルギーを自ら消滅させているようなものです。度々感じていたスピード感の欠如は、走力うんぬんも確かにあるのですが、ここに起因していたのです。
偶然にも故障中に前傾フォームになった
3月6日東京マラソンから3月21日ランナーズフルマラソンチャレンジを経て、右ハムストリング上部を含めた股関節周りの痛みがずっと尾を引いています。
フル2本で負ったダメージを背負ったまま緩ジョグを続けているから治りづらく、かれこれ50日近く速いペースで走れない状況が続いています。走る動作そのものに痛みを伴うのでとても厄介です。

そんな中で痛みを少しでも感じないフォーム(痛くない走り方)を探って走っていると、手の位置が高くなり明らかなフォアフット走行、それでいて前傾フォームに偶然変わっていきました。
前傾フォームは躍動感あり、走っている感が強い
手の位置を変更
新しい気付きがまたひとつありました。それはランニング中の手の位置についてです。腕の位置ではなく末端の手の位置のことです。
ここ数年手はどちらかと言えば低い位置を保ち走っていました。女子マラソンの安藤友香選手や清田真央選手の忍者走法ではありませんが、おへその水平ラインより下で腕振りの手を振っていました。
それが肋骨の下部(乳首の下)の高さに手を置きコンパクトに腕振りすると、フォアフットで前傾姿勢を作りやすく躍動感を伴って走れたのです。
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フォアフットだと自然と前傾フォームになる
フォアフットとは着地&蹴り出しが前足部という定義であって、決して着地を身体の前方かつ前足部で行うものではないと認識しています。
今般の厚底シューズを履きこなすためフォアフットが推奨されていますが、個人的にはいつの間にか意識しなくなっていました。どちらかというと私は中足部寄りで着地&蹴り出しを行い、それが自然な動きだったのでそこに落ち着きました。

それがこの度フォアフットを意識し始め、今では明確にフォアフットすることで上体が前傾するようになったのです。
フォアフットで走ると後傾フォームになりずらく、自然と前傾姿勢になります。むしろフォアフットで後傾させる方が困難なくらいです。
躍動感をまとった走りを実現
手の位置を上げたことで重心が上がり、主に肩甲骨から腕、そして末端の手を含めた上半身の動きがダイナミックになりました。
これにフォアフットによる前傾フォームが加わるのですから、大人しく歩数を置いていく走りから、荒々しく路面を闊歩する走りへと変貌を遂げました。
この走りがフルマラソンで即通用するかどうかは別として、躍動感があってスピード感ある走りを取り戻しました。

幼き日は昭和、無邪気に野山を駆け回っていたあの頃、こんな風に走ることはもっともっとエネルギッシュで単純な行為だったはずです。
あとがき
今行っている前傾フォームへの矯正は、後傾下半身主導から前傾上半身主導のフォームへの移行とも言えます。
著書「最高の走り方」を基本とすることに変わりはありませんが、上半身と下半身の動きをより強固に連動させ、こじんまりと走るのはもうやめて躍動感ある走りを今後追求していきます。
その分着地衝撃が増し、さらなる故障につながるリスクをはらんでいるのは承知の上です。そこは必要な筋トレとストレッチで強い体作りと、休養をしっかり取ってケアを怠らない覚悟です。
このオフシーズンだからこそ振り出しとも言えるゼロベースで、腕振りの手の位置とフォアフットによる前傾フォームを身体に落とし込んでいこうと思います。
ホームコース多摩湖自転車道で試行錯誤は続く