少しでも自分のランニングフォームを分析し始めると、ピッチ数やストライド幅の大きさに結論を求める傾向があります。
以前の記事でピッチ数について探求し、走力アップを図ろうとしました。
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マラソン練習|ピッチを上げれば速く走れるようになるのか?①
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マラソン練習|ピッチを上げれば速く走れるようになるのか?②
ガーミンデーターからピッチ走法を分析 今回のお題は、 GPSガーミンデータでピッチを分析し、ランニングをより良い方向に変えていこう という内容です。 スポンサーリンク 丸一年分の練習データ スマホや ...
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あれから1年以上が過ぎ、どのようにピッチ数は変化したのでしょうか?果たしてランニングエコノミー向上に寄与したのでしょうか?
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ピッチについてのおさらい
まずは今一度ピッチについての復習です。
理想のピッチ数
効率的なピッチ走法
1分間当りピッチ180~200が理想
1分間に180歩という指標です。これは走力や体格に関係なく、一般的な数値であり、かのダニエルズさんも仰っております。
また、自らが180歩以上/1分ならピッチ走法、180歩以下/1分ならストライド走法と言えます。
慣性モーメントも影響
どうも身長が低く小柄なランナーほど、ピッチ数が多いような気はしていました。
単純に身長が大きめ、または骨格が大きめのランナーは、自ずとストライドが大きくなりがちです。その分ピッチ数は少なくなります。
小柄、もしくは細い人に速いランナーが多いと感じてはいました。
これは慣性モーメントも関係しています。長くて重いものは操作しづらく、とにかく体を折り畳んで動かすということです。
これは今でも走りながらフォームをチェックする際、体幹に寄せるような動きができているか?つまり脇は開き過ぎてないか、脚は突っ張って走ってないか、手脚は折り畳めているか?を気にしながら走っているゆえんでもあります。
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ランニングと慣性モーメント|できるだけ折り畳め
慣性モーメントって聞いたことありますか? これは物理の専門用語となるのですが、ゴルフ好きの方ならこの言葉は顔を出します。それに加えてランニング本でも頻出しており、それはそれ ...
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速く走りたいからピッチ数を上げる方を選択
さか上ること2019年春、自分のストライド幅が平均値であることを確認した私はより速く走りたいがため、不足しているピッチ数を上げる選択に切り替えました。
参考
ストライドの平均値=身長の約0.7倍
分当たり170前後のピッチ数しかない私は、何とかして180以上を目指そうと躍起になりました。
咋シーズン(2019-2020)、ピッチ数を意識してとにかく走った
まずはGPSウォッチから1年分のデータを取得
前回の記事と同様ガーミンのデータを1年分集計してみます。
集計に当たり、GPSウォッチって便利だなぁと改めて思いました。
距離やキロ当りのペース、ストライドの長さや1分間のピッチ数、上位機種なら心拍数や上下動など、ついさっき走ったばかりのデータを手元の端末ですぐさま細かくチェックできます。
その数値から客観的に自らのランニングフォームの特徴を知ることができるのです。
ピッチ上げ計画を立てた後
2018-2019年シーズンのデータを基に、2019-2020年シーズンの昨シーズンはピッチを意識して走りました。
残念ながらシーズン自体はコロナウイルスの影響で中途半端に終わってしまいました。
しかしながらサンプル数は、2018-2019年シーズン129に対し、2019-2020年シーズンは142です。暑い夏も寒い冬もポイント練を重ねました。
さてさて、意識して1年間走った結果どうだったのでしょうか?
※マラソンシーズンとは秋から春(10月から4月)を指すこことする
2018-2019年シーズンと2019-2020年シーズンのピッチ数とストライド幅を比較
2018-2019 | 2019-2020 | |||
キロ当りペース | 平均ピッチ | 平均ストライド | 平均ピッチ | 平均ストライド |
3:00~4:15 | 173 | 1.42 | 172 | 1.42 |
4:16~4:30 | 172 | 1.33 | 170 | 1.34 |
4:31~4:45 | 169 | 1.28 | 168 | 1.29 |
4:46~5:00 | 164 | 1.24 | 165 | 1.24 |
5:01~5:15 | 161 | 1.21 | 162 | 1.21 |
5:16~5:30 | 159 | 1.15 | 155 | 1.16 |
総サンプル数 | 129 | 142 |
検証結果は、意識して試行錯誤したのにピッチ数にほぼ変化なしでした。
私のスペック
身長:177cm
体重:67kg台
フルベスト:3時間17分台
結局ダメだったってこと?
ピッチ数を170前後から一気に180へ上げることは想像以上に困難を極めました。
そもそもピッチ数180以上を記録したことは皆無です。(5キロ以上のラン)
リズムの良い着地、前傾走法、膝下脱力、目線は上めなどのランニングフォームから、シザーズやウィンドスプリントなどの練習メニューまで、様々な施策を打ってもピッチとストライド共に大きな変化なしという結果です。
ただし2019-2020年シーズンではハーフベスト、30キロベストを更新したので、単純に走力が前年度から現状維持だった訳ではない模様です。
走力アップは複合的な要因による証拠です。
飽くなき探求は続く
意識的にストライドを伸ばしたり、ピッチを早めたりしても結果に上手く反映しづらいことが分かりました。
無理にストライドを伸ばすため、大股で飛ぶように走れば脚への負担が大きく、頑張ったって10キロくらいで限界が来ます。
また同様に、無理にピッチ数を上げようとすると、心拍が悲鳴を上げ呼吸が続きません。さらにこじんまりとしたランニングフォームになってしまいストライドも小さくなりました。
要はランニングは一筋縄ではいかないと言いたいのです。
そして、今後はピッチとストライドにはこだわりません。
策がない訳ではありません。仮説・検証は続きます。
課題
・関節の可動域を広げる工夫
・ランニングに必要な脚や体幹の筋力不足を解消
・着地からの反発を上手く推進力に変える動き
今後は体の使い方や筋力アップに焦点を当て、走力アップを目指そうと考えている次第です。