『死ぬわっ』
これがバフを身に付けて一生懸命に走った後に出たセリフです。バフやマスク装着だと呼吸が遮られ、普段より酸素が体に入ってきません。
最近ではマスクやバフを身に付けてジョギングを楽しむランナーを多く見かけるようになりました。
コロナウイルスの影響がランニング界にも切実に押し寄せてきています。
そこでバフやマスクを付けてジョギングからペース走、閾値走、インターバル走まで、なんなら全てを試してみようと思い付いた話です。
でも思っていたよりもキツイです、マスク。

スポンサーリンク
最近走り始めたランナー多し
コロナウイルスの影響による外出自粛要請中ですが、運動不足解消のための軽いジョギングやウォーキングは奨励されています。
以前よりもすれ違うランナーが明らかに増えました。
普段から走っている身としては、重い体で走りづらそうにしている姿を微笑ましく眺めています。
実際、私自身が肥満体型からの脱却を目指して走り始めた身ですから。ぜひこの機会にジョギングを習慣化して、ゆくゆくはフルに挑戦して欲しいものです。
山中教授によるジョギングエチケットの提案
言わずと知れたノーベル賞受賞者、自身もランナーでありフルマラソン3時間24分の記録をお持ちです。
そんな山中教授が2020年4月16日にコロナウイルス対策のためジョギング中にマスクやバフの着用をすすめる情報発信をしました。
この影響でここ2週間でマスクやバフを身に付けるランナーがかなり増えました。主観ですが10人中6人※は口元を覆っています。
そしてこれを「ジョギングエチケット」と名付けたところにセンスがあると思いました。
※2021年2月では10人中8人といったところでしょうか
歩行者への配慮
歩行者やウォーキングをしている方達は、一体ランナーをどう見ているのでしょうか?
これはすぐに分かります。自分でウォーキングしてみれば相手の立場に立てるからです。
さっそうと脇スレスレを駆け抜けるランナー、気持ち良さそうです。しかし今はそれではダメです。
追い抜く際にもソーシャルディスタンス(ランナーは10m)を保つべきです。すれ違う時も追い抜く時も、十分に離れて走る配慮が必要となります。
煙たがっている方たちは必ずいますから。
※一般的なソーシャルディスタンスは2m
自分が感染者と思うべし
コロナウイルスの厄介なところの一つは、ここかしこに無症状感染者がいることです。どんなに元気であっても感染している可能性があり、ウイルスをばらまく張本人になってしまうのです。
今は感染してしまう心配よりも、自分が感染している可能性があると認識した行動が求められます。
当然ジョギングは普通の呼吸より荒くなります。人様に移さぬようマスクやバフで口元を覆い飛沫を飛ばさないよう努めるべきです。白い目で見られながらジョギングするのは嫌な気持ちになりますから。
人がいない場所や時間にジョギングをする
私はできるだけ人がいない場所や時間に走るよう心がけています。
必然的に昼間の公園や河川敷、ジョギングコースは基本アウトです。在宅勤務やシフト制が増え、平日の昼間だとやっぱり人が多いですから。
1番良いのは夜だと思います。深夜がベストですが睡眠が大事なので、21時〜24時がいいのではないでしょうか。21時を過ぎるとジョギングコースでも、人とすれ違うことが少なくなります。
ついでですが、夜間走行には防犯や事故防止のためライトを身につけることをおすすめします。
-
-
夜道のランニング、LEDライトを携帯しよう
夜のランニングは危険なもの 夜間のランニングでは昼間と違って、暗闇が事故や怪我リスクを押し上げます。明るい昼間なら容易に視界に入ってくるものが、暗い夜間では見えづらくなってしまうからです ...
続きを見る
-
-
ランニング向きの防水LEDライトをついに見つけた
夜間にライトを携帯するランナーがほんと増えました。特にここ10年で明らかに肌で感じます。 ただし、ランニング用LEDライトは世に数あれど、防水機能付きとなるとネット上でもほとんど見かけません。 雨や汗 ...
続きを見る
反対に早朝は歩行者もランナーも多いのでおすすめしません。
朝走ると気持ちがいい1日をスタートできることはわかります。でも今は朝に走るなら人がいない場所を選びましょう。
バフやマスク装着ランで高地トレーニング
ケニアでの高地トレーニングの記憶がよみがえります。・・・ウソです。市民ランナーですからそんな経験は当然ありません。
でも、実際にバフやマスクを付け速いペースで走ってみて思ったことは、バフorマスクランは高地トレーニングに似ているはずです。
酸欠になる
標高3000メートルでは、平地より酸素濃度が約30%減ると言われています。
先日バフで口と鼻を覆って速いペースで走ってみると、普段吸い込める酸素量より大袈裟ではなく3割以上少ない感じがしました。
人によって感じ方は様々なのですが、少なく見積もっても酸素量は普段比10%減はいっているかと思います。(マスク、バフの素材による)
これなら普段より遅めのペースであっても、幾分練習効果は高いはずです。
バフはずり落ちるので対策を
バフに関して不満なことは、鼻まで覆っていても徐々に落ちてきてしまうことです。
ゆっくり走ってる分にはなかなか落ちません。しかし少しペースが上がるとずり落ちてきて、気になりだすとストレスが増します。
私が使用しているネッグウォーマー型は特に落ちやすいようです。折り返して圧着させれば落ちづらくなります。しかし生地が2重になった分だけ、酸素量が減った感は否めません。
そんな時はバフを目の下まで目一杯上げ、サングラスの鼻パッドで固定するとずり落ち防止となります。
※夜間は透明レンズのサングラスを使用
数百円で高地トレニーニングが身近になった
高地といえば富士山登山を2回経験したことしか私は思い浮かびません。
マスクやバフ着用の速いペース走はあの時に似ています。まさに酸欠、高山病一歩手前の症状を味わえました。
マスクやバフは数百円です。こんなに安く高地トレーニングができると思えれば、コロナ禍だってポジティブに楽しめる気がしてきました。
暑い時期は熱中症に注意
マスクやバフは口元が覆われ、口の中が湿っている状態が続くために喉の渇きに気付きにくい欠点があります。
気温が高くなると共に熱中症リスクが高くなるので、水分補給を意識的にとる必要があります。
冬は無補給で20キロでも走れますが、5月くらい(15℃超えたくらい)から5キロおきに補給するクセをつけています。
富士登山競走の練習になる?
マスク走やバフ走が高地トレーニングになるなら、それすなはち富士登山競走の山頂コース練習に早変わりです。
2020年は開催されるか今現在不明ですが・・・※
しかし近所の坂道をマスクやバフを身に付けて走れば、試走しに富士山へ行かなくても高所順応できるかもしれません。
※2020.5.1 富士登山競走は公式HPで中止が発表
追記:2020年6月、暑い日が続く
追記という形ですが、この記事を投稿してから2ヶ月経ちマスクやバフランが日常となりました。
気温20℃以上が当たり前になり、梅雨の影響もあって湿度が高く、マスクやバフを身に付けてのランニングは不快感が大きく募ります。
世間的にマスク着用は日常生活の中でも熱中症のリスクが高まると指摘され出しました。
そんな影響があってか人気がない場所でのランニングでは、マスクやバフを下ろして、すれ違うちょっと前に口を覆うランナーが増えました。
ランナー律儀です。走りたいけど周りに迷惑はかけたくない心理です。
マスクかバフ着用ラン時のポイント練習、雑感
マスク着用時 | バフ着用時 | |
ゆっくりジョギング | 呼吸は余裕、呼吸のたびマスクが膨らみ縮む | 呼吸は余裕、ただ暑い |
早めのジョギング | そこそこ余裕、マスク湿りだす | 息苦しくなり始める、そして暑い |
レースペース走 | 10キロくらいまで、マスクびしょびしょ | 苦行でも何とか走れる、首元の発汗多し |
閾値走 | ビビって回避 | ラストは死ねるくらい苦しい、汗だく |
インターバル走 | 怖くて無理 | マスクよりは試す価値ありかも |
※比較するために未装着時と同じペース設定
※マスクは一般的な不織布マスクを使用
※夜遅く誰もいない暗く寂しい場所で敢行
※閾値走はキロ4分05〜10秒、インターバル走はキロ3分50秒切るくらいがMy走力
分かってはいましたが、正直言って速いペースは心肺に負荷が高過ぎると感じました。閾値走の終盤に必ず呼吸困難、過呼吸に近い状態になりました。

よってインターバル走は怖くてまだ試していません。これは全く他人にすすめられる代物ではありません。
試行錯誤は大事ですが、もし試すなら未装着比プラス10〜15秒余裕をみた方が無難と感じます。
また、個人的にはバフの方がマスクより走りやすいと感じました。
アフターコロナはバフ(マスク)ランニングで走力UP
今後コロナウイルスの影響が長引けば、マスクやバフランニングがエチケットとして主流になると考えられます。
先ほど述べたように高地トレの効果が見込めるのなら、収束後にマスクやバフを使用しなくなった時に何が起きるか?
・・・走力上がってます多分。
ゼハァした後にマスクやバフを外した時の爽快感は相当なものです。
走っている最中に外してみても、遮るものがない呼吸がこんなに楽だなんて思いませんでした。
でもでもまさかアフターコロナのマラソン大会規約にこんな文言ありませんよね。
マスクかバフの着用を義務化する
とか勘弁。
京都マラソン2020参加賞のバフ
こんなに早く役立つなんて