頂上コースへ向けた坂道練を繰り返し続けていた先日、上り切った坂のてっぺんで唐突に思ったのです。
ところで当日はどんな格好で走ればいいんだろう?
※追記:2023年富士登山競走の後に最新版に改定
※追記2:2025年でも変わらずの傾向
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先人達から学ぶ
大会HPを隈なく見渡すとメニュー欄に「ギャラリー」なる項目を見つけました。そこには過去の山頂コースで繰り広げられた光景が写真掲載されています。
写真をピンチアウトで拡大して凝視していきます。そこで諸先輩方の身なりを細かくチェックし、身に付けているアイテムをピックアップしました。
さらに諸先輩方のブログも同様に参考とし、以下に装備品をまとめてみました。
緊張のスタート前 (富士吉田市役所)
装備各種
ゴール地点が山頂の唯一無二
ランパン・ランシャツ
山頂コースであっても普段のマラソン大会と変わりない格好がデフォルトでした。
HP上の写真とブログで装備品を紹介しているものを見ても、ほぼ全てのランナーが真夏仕様で富士山に挑んでいます。
中には男女を問わずタンクトップ or 肩が出ているノースリーブが多数派です。それだけ競技中暑いということです。
追記:2022年、2023年は共に高温で開催されました。ほとんどのランナーがノースリーブで参加していた点を強調、両大会共にスタート時は25℃付近
追記:2024年も高温、完走率40%ちょいの要因
梅雨明け、真夏の大会 (写真は2024年)
シューズ
ランニングシューズまたはトレランシューズの選択で悩むと思います。
普段から履き慣れたスピードが出やすいシューズ選択がベストです。ロードの馬返しまでは飛ばすべきが富士登山競走の鉄則となっています。
山パートももちろん大事ですが、下りがない分ロードシューズでも対応可能と思います。
ただ私がズームフライで五合目コースを走った時は、湿った山道で結構滑ったのでこのシューズはヤメておきます。
試走でシューズを試すことをおすすめします。タイム云々は付いて回りますが、走りやすいシューズの選定も兼ねて試走しましょう。
下山時にシューズを傷めるので、使い古したシューズを履く傾向が見られたことも付け加えておきます。
2023年は悩んだ末に厚底トレランシューズを選択
ウエストポーチ
ウェストポーチが多数派で、これは多くのランナーが身に付けている共通アイテムでした。
ボトルホルダー付きを装備しているランナーが散見されたのは、五合目を越えると給水所が少なく自分のペースで補給したいからです。
脚攣りを抑えるために電解質系の飲料を携帯するのにはもってこい、ボトルが揺れにくくしっかりホールドされるものを選ぶべきです。
参考記事はボトルフォルダーはありませんが、容量が多く普段から使い倒しています。
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走りながら写真撮影、スマホ携帯ならこのランニングポーチがおすすめ|サロモン AGILE 250 (アジャイル250)
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帽子
HP上の過去大会の写真ではサンバイザーやバンダナを身に付けているランナーを見かけます。
しかし今大会から山頂コース出走者はヘルメット着用が義務付けられました。大会側が用意するものは、軽量なヘルメットに帽子を被せるタイプです。
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富士登山競走のヘルメット着用義務化|大会で配布されるものを予め購入
※2020年、2021年大会は中止となりました。よって2022年以降の大会にお役立て下さい。 日本一過酷な大会、それは富士登山競走だと私は思ってます。 ゴールが日本一高い場所という付加価値は唯一無二、 ...
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個人的な感想としては最近は富士登山競走に限らず、マラソン大会で帽子を被るランナーが減っているなぁと思えます。
被って紫外線予防になるのは間違いありませんが、被らないで頭を常に風に晒して脳内の温度上昇を抑えることもトレードオフになるのではないでしょうか。ようは好みです。
好天だととにかく暑い富士登山
サングラス
富士山は独立峰なので遮るものがなく、高度が上がると強烈な日差しに全身がさらされます。
よって紫外線から目を保護する意味でも帽子と共にサングラスは必携アイテムとなります。
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ランニングにはサングラスが必要だ
老眼が始まったっぽいのですが、視力自体は良好なためメガネをかける機会はほとんどありません。 走り始めて十数年、その間サングラスをかけてのランニング経験は今年(2018年)までありませんでした。 なぜな ...
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ただしサングラスにも不得手な方はいます。無理して視界を遮るアイテムをかける必要性はないと思います。これも好みです。
ランニングウォッチ
マラソン大会では当たり前の装備品ですが、他大会では忘れてもこの富士登山競走では忘れてしまうとThe Endとなります。
なぜならこの大会は明確な関門制限があるので時計を忘れるわけにはいかないのです。
3時間台で登頂を果たす上級ランナーならいざしらず、一般ランナーなら途中どんなトラブルがあるか分かりません。
私のような最後方ブロックランナーは各関門時間との戦いとなります。時間に追われながらゴールを目指す過酷な大会なんです。
関門突破できればこの風景が待つ
(2022年試走時)
脚ゲイター
脚にゲイターを装着しているランナーもいました。極限まで脚を酷使するレースですから、疲労軽減効果が謳われるゲイターを装着する利はあります。
でもなぜか腕ゲイターは付けているランナーは少なかったです。
しかし2025年時点では冷感タイプの腕ゲイターが発売されていますから、暑さと日焼け対策で装着する価値はありそうです。
ちなみに私は極度の暑がりなので体を覆うゲイターに対して、体温を上げる要素を少しでも排除したく装着予定はありません。
バックパック
小容量のバックパックを背負って山頂コースに挑戦する方も、公式ギャラリーを見ていると確認できました。
中にはトレラン大会で見かけるような、胸ポケに2本ボトルを挿したランナー※がいました。きっと山頂到着時の防寒用ウインドブレーカー (シャカシャカ) も入ってると思われます。
ウエストポーチの容量だけでは携行品が収まらないランナー向けとなります。
2023年大会ではバックパック利用
インナー
ランパン・ランTと夏仕様で十分と前述したのですが、Tシャツの下にもう一枚、体温低下を防ぐインナーを着るランナーが多かったことを付け加えます。
これは2択でfinetrackのドライレイヤーかMILLETのドライナミックメッシュになります。
頂上が近づくにつれ気温が下がっていきます。これを着ていれば汗で濡れても必要以上に体温が奪われることはありません。
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雨の東京マラソンで使えたアイテム
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持ち物各種
2024年、3年連続携帯した現金は使えず敗退
現金
富士山では電子マネーは使えませんから現金を用意する必要があります。
完走後に日本一うまいカップヌードルを食すことを考慮しても、山頂の山小屋で使う現金は2000円あれば十分です。
ただトイレが300円なのでお札だけではなく小銭の準備を忘れずに。
山頂の山小屋、ここで喰らう
絆創膏
岩場が多いので擦り傷を負う可能性があります。格好が肌の露出が多いことも怪我を負うリスクを高めています。
ちょっとした出血を気にしたくなければ2枚くらい忍ばせておけば十分でしょう。
でも多分絆創膏を貼っている時間もまったいないので、大した害怪我でなければ流血しながら山頂を目指します。
下山で転がり怪我 (2025年)
ネッグクーラー
暑さの中でのランは火照った体の深部体温を下げるための冷却が効果的となります。
冬の寒い時期ならネックウォーマーですが、暑ければ首を冷やすで血液を冷やし深部体温の上昇を防ぎます。
馬返しまで装着で廃棄ありのアイテム
空の補給用ボトル
中身が入っていないものを用意し五合目の給水所で水を補給、ペットボトルでもいいのですがおすすめはソフトフラスクです。
中身にはメダリストなどをあらかじめ入れておけば五合目までは身軽で走れます。このためのウエストポーチやバックパック装備なのです。
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真夏は水分を手に持ってランニングへ|ソフトフラスクが超絶使えるのだ
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夏ランのお供に
手袋
前半は暑いですから使用することはありません。手袋は七合目以降のガレ場で威力を発揮します。
ここでは両手足の四足歩行で進むのが基本ですから、前進するのに両腕の力が加わるので、疲労し切った脚を休ませることができる区間となります。
ここで手のひらを怪我したくないですから、軍手などどんなに安くてもいいですから手袋を用意しておくと安心です。
富士山は3000m級の山で上の方は寒いですから、防寒の意味でも用意はしておいた方が無難です。
でも個人的には素手感覚でガシガシ登りたいので、怪我リスクを差し引いても手袋は使わないことが多いです。
岩場を素手で掴んで登りたい派
スマホ
年間で1回位のせっかくの富士登山ですから、そこで見える絶景を写真に残したくなるのが性です。
写真を撮る際はコースからさっと外れ他ランナーの邪魔にならないよう配慮、素早く連写でもして撮るのがおすすめです。
ただしサイズアップして重量化しているスマホですから、とにかく軽量で挑みたいランナーには無用の長物となります。
山頂からの絶景は残しておきたい
塩熱サプリ
もはや説明の必要がないランナー御用達ウェポンです。
携帯しているだけでプラシーボ効果で脚攣りにならない気さえしてきます。
補給ジェル
携帯する数量は個人差があると思いますが、登山には大量発汗だけではなく想像以上のカロリー消費が伴うので必要なだけ用意しておきます。
五合目までは給食が充実しているので、それ以降のために3,4個携帯すれば足りるのではないでしょうか。
八合目〜九合目ではフルマラソンの終盤然り、カフェイン多めのジェルを投入することで最後の踏ん張りが期待できます。
補給内容は厳選
ポンチョ
ゴール後の身体の冷え対策として携帯します。
またレース途中で寒さを感じたら被る程度ですが、体感上あるとないとでは大違いとなります。
かさばるものではないものですから、シャカシャカかポンチョのどちらかを携帯しておけば万全でしょう。
マスク
コロナ事情では装着の必要があったのですが今は不要、ただ下山時の砂走り対策としてマスクがあったほうが無難です。
乾燥による砂の舞い上がりが酷いので着用、ゴール後は五合目まで一気に駆け降りて下山バスに乗車するまでです。(完走してないので経験なし)
ただ完走経験はありませんが、試走による山頂からの下山時にマスクを着用したことはありません。
個人的には要らないかなと思います。
まとめ
一般的な富士山登頂はあるものの、富士登山競走による山頂コースは異体験となります。
今では弾丸日帰り登山は御法度という報道がされていますが、山頂コースというかこの大会自体が弾丸レースそのもので批判される要素満載です。
馬返しまで一所懸命走ってからの山での早歩き、ガレ場の四足歩行と3000mからの酸欠との戦いですからキツいことは百も承知です。
試走で装備品を吟味することで少しでも楽に早く山頂に近づけるよう、自分も含めて参加する全ての人が後悔のない富士登山競走当日を迎えることを願って止みません。
自宅近所から、近そうで遠い山頂を望む