前日はさておきフルマラソン当日の朝食に、上の写真のような名古屋メシを食するランナーは皆無なはずです。
ではフルマラソン当日に何を食べるべきなのでしょうか?
人それぞれ好みの問題と言えばそれまでの話となりますが、フルマラソンに必要な栄養素という観点から、レース当日にどんな朝食を摂るのが好ましいのか話を進めていきたいと思います。
朝は何を食べるべきか?
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フルマラソンに必要な栄養素
フルマラソン当日に摂るべき栄養素は次の3つが基本です。長距離を走るランナーならこれくらいは覚えておいて損はありません。
フルマラソンに必須栄養素
①糖質
②ビタミンB
③アミノ酸
①糖質:フルマラソンのエネルギー源
みんな大好き太る元凶となり得る炭水化物ですが、ことフルマラソン当日に関してはそんなことは言ってられません。糖質はフルマラソン42キロちょっと走るための重要なエネルギー源となります。
糖質カットでしばらくダイエットを試みたランナーでも、マラソン当日に糖質不足ではレース後半のガス欠原因となります。
今まで練習してきた全てを出し尽くす日には普段よりちょっと多め、だいたい2割増くらいを摂取するようにしましょう。 (これも個人差があるので試行錯誤が必要)
<strong>The 糖質の食材</strong>
◎おにぎり
◎餅
◎パン
◎パスタ
◎うどん
◎そば
初フルマラソンに挑戦した2009年頃は栄養素とかどうでもよくて (知識を得ようとさえしなかった)、レース当日はエネルギーを貯めるためにとにかく食わせ込んで走り切るイメージで過ごしていました。
あれから15年が過ぎフルマラソンにとって体重過多は悪と知ったので朝食は程々の量で済ませ、レース中に足りないエネルギー源は補給ジェルやモルテンまたは途中のエイドで補うようになりました。
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②ビタミンB:エネルギーへ変換する役割
エネルギー源として取り入れた糖質、タンパク質や脂質を走るためのエネルギーに変換する栄養素がビタミンBです。
フルマラソン2~3日前から多めに蓄えたエネルギーを、ゴールまで効率よく使って走り切るためにビタミンBを摂取する必要があります。
<strong>ビタミンB</strong>
◎バナナ
◎オレンジジュース
◎卵
◎大豆製品
◎もやし
週中にマラソンで使うエネルギーを貯めるだけ貯めたうえで、そのエネルギーを効率よく使うためにビタミンBを意識することが重要となります。
③アミノ酸:筋肉の修復と疲労軽減には
アミノ酸には筋肉の修復、疲労軽減効果があります。
スタート前やレース中はもちろんのこと、特にレース後にはアミノ酸を素早く体内に吸収させ疲労回復を図ります。
マラソン大会のレース前後に配布されるジェルがアミノ○○なのはこういった理由によるものです。
フルマラソンゴール後は気にせず打ち上げに向かっていたのですが、今ではゴール後の更衣室で疲労回復のためにアミノバイタルを飲むようにしています。
<strong>アミノ酸</strong>
◎アミノバイタル
◎アミノバリュー
ここまでをまとめて具体例で示すなら、パスタ200gだけの朝食とはせずバナナかオレンジジュースを添え、走った後はアミノバリューを飲んでおきましょうという話です。
フルマラソン当日の食事、定番はコレ
富士山マラソンて
<strong>主食</strong>
◎おにぎり(白米)
◎餅(雑煮、焼餅、赤飯、みたらし団子)
◎パン(サンドイッチ)
◎麺類
◎カステラ
割とトップランナーは餅とカステラを食する比率が高く、腹持ちが非常に良い食材なので一般市民ランナーも真似るべきです。これを知ってからはフルマラソン当日の朝食に、スーパーで売っている切り餅 or コンビニのカステラを食べるようになりました。
特にカステラは上記の栄養素 ①糖質 ②ビタミンB ③アミノ酸 の全てを含み、フルマラソン前に積極的に食べたい食材となります。
しかもカステラは地方遠征先であっても入手が容易であり、全国に点在するコンビニでフルマラソン当日の食事が手軽に購入できる点は見逃せません。
参考
2020年京都マラソン当日の朝食
・ナポリタンパスタ100g
・切り餅3個
・カステラ3切れ
・オレンジジュース
・モルテン500ml
むしろ摂り過ぎか
2022年11月おかやまマラソン当日の朝食
(左下はモルテン+メダリスト)
結果はサブ3.5
参考
2022年おかやまマラソン当日の朝食
・ボンゴレパスタ
・切り餅2個
・カステラ3切れ
・オレンジジュース
・モルテン+メダリスト味500ml
マラソンレース当日、遠征先で切り餅を食べる方法
ちょっと脇道に逸れてしまいますが、切り餅をレース当日に食べる方法に話を移したいと思います。
遠征先のホテルでどうやって切り餅を食べるの?
との疑問をお持ちの方は心配いりません。以下のレシピを参考にして下さい。
用意するもの
切り餅 :食べたいだけ用意
タッパー:食べたいだけの餅が入る大きさ
水 :ミネラルウォーターが望ましい
ポット :ホテルの備品を借りる
味付け :醤油、きな粉などカスタム
餅が4〜8個くらい (お好みの数) が並べて入る程よい大きさのタッパーが必要となります。そのタッパーの中に切り餅や醤油、きな粉を入れて滞在先まで持っていきます。(写真は持っていき過ぎ)
ポイント
1. まずはホテルの部屋に備え付けのポットでお湯を沸かす。湯量は餅が隠れるくらいで。
2. 餅とお湯をタッパーに投入し、ゆっさゆっさとタッパを揺らして約10分くらい湯煎。
3. カップ焼きそばの要領で湯切りをし、食事中はそのタッパーの蓋がそのまま皿となる。
4.お好みの味付けで醤油やきな粉をつけて食す。
当日朝にボーっとして湯煎に時間をかければ、開封時は堅かった切り餅は中まで十分柔らかくなります。
個人的にきな粉と砂糖を混ぜたものをラップに包んで持参、幼き頃の餅つきイベントを思い出して湯煎した餅にまぶして食べるのが好みです。
または別の朝食シーンとなりますが市販のカップスープに投入、これが雑煮風でクオリティが高く美味しくいただけることを付け加えておきます。
スープはるさめ雑煮
海苔は消化しづらく、磯辺焼きはやめた方が無難
スタート会場では、最後のエネルギー源を補給
ストーと会場に到着後は諸々の準備を終え、持参したバナナを食べて最後のトイレを済ましました。さらにアミノ系エネルギージェルをスタート30分前に摂取します。
特にバナナは脚攣り防止になる栄養素カリウムを多く含み、会場入りの際に1本バックに忍ばせておくことがルーティン化しています。
レース当日の食事で避けるもの
ではでは反対にフルマラソン当日に口にするものとして、積極的に食べてはいけない食材は何なのか?
それは明快なもので消化しにくいもの、トイレ (大小) が近くなるもの、お腹の調子が崩れるものはマラソン当日の朝食には向きません。
消化しにくい
◎肉類
◎生魚
◎海藻(海苔やわかめ)
◎揚げ物
トイレが近くなる
▲利尿作用
◎コーヒー
◎緑茶
◎ココア
◎紅茶
◎ウーロン
▲便意
◎食物繊維が多い野菜
お腹を壊す
◎牛乳、乳製品
奈良マラソン
(スタート & ゴール会場)
フルマラソン前の朝食はいつ食べる?
朝食を食べて体内に吸収された糖質は、消化することでランニングのエネルギーとして利用できるまで約3時間を要すると言われています。
私の場合は試行錯誤の結果スタート2時間前が丁度良く、朝食はレース2〜3時間前と決めています。(個人差あり)
しかしマラソン大会当日は準備に大忙し、走る格好を作るのと会場までの移動時間を合わせると3〜4時間になってしまう場合があります。
朝食は早すぎても遅すぎてもダメなのですが、早くなってしまう場合でもスタート4時間前くらいに摂らないとレース終盤にハンガーノックでお腹減っちゃいますから。
平常心
色々と述べてきましたが、やはり普段から食べ慣れているものを食べた方が安心となります。
フル2時間半を切るようなトップアスリートではない市民ランナーですから、基本的な栄養素を押さえ好きなものを食べた方がリラックスしてスタートラインに立てます。きっとその方がレースが上手くいく確率は高くなります。
くれぐれもフルマラソン直前の食べ過ぎには注意です。長丁場だからと言って無理にたくさん食べても胃もたれと脇腹の差し込みを誘発するだけです。
ドカ食いはせっかくここまで減量した身体が重く感じてしまい、結局レース全般で調子がいつまでも上がらないままゴールを迎えてしまうことになってしまう可能性があります。
それで十分