気温が下がり秋深まるこの季節、休日にはどこへ走りに行こうか?、をしばし熟考。これまでは主に自然溢れる場所へ赴いてきたのがロングランのスタイルでした。
しかし今回は真逆の発想、首都東京の交通網の中心である山手線が主役です。1度はやり遂げてみたかった山手線1周ランニング、一筆書きで山手線沿いを走って来ました。
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山手線1周ランニングのコース概要
アプリ「キョリ測より」
上の写真をご覧ください。今まで抱いていた山手線のイメージとは少し違うことに気づくはずです。
簡易的な路線図を見た経験上、山手線は真ん丸な軌道を描くイメージしか持ち合わせていなかったのですが、実際は南北に長く東西に短いことがわかります。

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距離的なこと
ちなみにJR山手線1周は34.5キロです。ただそれは線路上のお話であって、線路上を走る事ができない以上、ランニングだとそうは問屋が卸しません。
都度々内回り沿いを走ったり、跨線橋を渡ったりガード下をくぐり外回り沿いを走ったり、なるだけ線路沿いの走路を意識して走ると、実際の走行距離は40キロ以上となります。
それはフルマラソンとほぼ同じ距離、ランナーなら挑戦したくなるコースです。
距離的なこと2
新たに高輪ゲートウェイ駅を加えた30駅の中で、最も長い駅間はで2kmちょっと(品川駅〜大崎駅)、最も短いのは西日暮里〜日暮里の約500mとなっています。
ただこれは走っていると短い駅間はあっという間、長いのでも駅間2キロですから普段のランニング歩調で次から次へ進んでいきます。

山手線、どの駅からでも走り始めたまえ
山手線1周コースは環状線ゆえ、どの駅から走り始めてもスタート地点へ戻ってこられることが特徴でしょうか。
ランステや銭湯を拠点に、自宅からの距離を考慮などなど、自由にコース設定できる頼もしいコースです。何なら2回目は逆周りで違うコース気分だって味わえます。
山手線1周ランニングで見た景色
そこには今まで見たことのない景色が広がっていました。関東へ引っ越して来てもうすぐ30年、すっかり都会の生活に慣れてしまいました。しかし都心にはまだまだ未知な所がたくさんあります。
この日、東京を象徴する建物に沢山出会えました。言ってみれば山手線1周コースは1日東京観光コースです。
東京中心を走るマラソンですから当然なのですが、各箇所で東京マラソンコースとニアミスします。色々な面で東京再発見の感覚を味わえるコースです。それでは東京駅から時計回りで辿ってみましょう。
東京駅からスタート
言わずと知れた東京の表玄関と言える大ターミナル、今回はランステの関係上ここをスタート地点としました。
早朝に自宅から移動、この日の最低気温は一桁台で凍えるような寒さです。走り始めはそっと踏み出し、旅気分ですからキロペースなどは一切気にしません。
東京駅
建築家辰野金吾により設計、1914年竣工される。当時を象徴する赤レンガ造りの様式建築が特徴。
東京駅構内
有楽町駅
平日朝の東海道新幹線には、仕事なのか旅行なのか既に多くの乗客を窓越しに確認できました。
高層ビルを背景に新幹線は、田舎育ちの身としては都会の象徴と思ってしまいます。
東京マラソンでくぐるガード下
特徴あるガード下
新橋駅
新橋駅と言えばTVでよく映るSL広場が有名です。クリスマス仕様なのか運転席サンタさんが鎮座していました。
朝のラッシュ時間が近づいてきたせいか、人が入り込まないように撮るのが至難の技でした。
新橋SL広場
高輪ゲートウェイ駅
2019年1月
2019年1月の東京マラソン試走時はまだ建設中だった高輪ゲートウェイ駅は今年開業しました。近代的で日本的な建築様式が目を惹きました。
折り紙を模した屋根が特徴
しばらく南下すると東京マラソン品川折り返し地点※に遭遇です。この中央分離帯ブロックが取り除かれて折り返し地点となり、マラソンで1番辛い区間を経てゴールの東京に至ります。
※東京マラソン2021からコースが変更され、もっと北の田町駅付近が折り返しポイントとなりました。
五反田から目黒駅付近
目黒川沿いには桜がたくさん植樹されています。春にはこの付近では桜見ランニングができる、とは知人談です。しかし中目黒駅付近は人が多過ぎてお勧めできないとも言っていました。
恵比寿駅
恵比寿ガーデンプレイス
元サッポロビール工場跡地で今ではそばに本社のみがあります。とにかく駅中もサポッロビール一色です。
半分も経過していないのにビールの誘惑に負けそうになります。景気付けに軽く一杯程度ならよしとしましょう。s
バカラのシャンデリアが設置され、イベントに向けて作業員の方達が大忙しでした。2021年1月までこのイルミネーションは楽しめます。

渋谷駅
渋谷駅銀座線高架下
止めどなく進む都市化の波を今都心で1番感じる所がここ渋谷駅ではないでしょうか?
仕事で渋谷を訪れますが、10年前にはなかった風景です。昔はセンター街中心だった渋谷は、あちこちにできた商業施設の出現で、ここ数年で人の流れが大きく変化しています。
2020年11月
西口の南側はさらなる大規模開発が進んでいます。行きつけの居酒屋が数件ここにあり立ち退きを余儀なくされました。
2021年10月
原宿から代々木へ
イチョウの木が黄色く色づき、青空とのコントラストでとても綺麗ででした。今回季節を最も感じた場所です。
黄色いタクシーに黄色いイチョウ、緑のイチョウに青い空、無意識で撮った割に好みの構図となりました。
せっかくなので明治神宮に寄り道です。旅の安全と健脚祈願は欠かせません。
注意ポイント
明治神宮内は走るとすぐに注意される
新宿駅
新宿駅西口、高層ビルが立ち並ぶこの付近のビル群は東京の象徴の一つです。しかし今では大手町付近の高層ビルの方が近代的となり、どことなく古臭さを感じるようになりました。
新宿大ガード下は東京マラソンではスタートから約1キロ地点となります。大会当日はなるだけ右側の線路下を通過して距離短縮を図ります。最短距離を走りましょう。
池袋から東へ
私にとって目白駅から日暮里駅間は馴染みが薄く、山手線でほとんど乗車したことがない区間です。それだからか写真の数も自ずと減りました。
上越・東北・北陸・山形・秋田新幹線の高架橋まできました。ここで秋田新幹線に遭遇、再び東京駅が近づいてきたことを実感します。
田端から上野駅
チラッと東京スカイツリー
田端駅って正直山手線のどの位置に存在するのか考えた下駄ことさえありませんでした。それが今回全駅を通過するので、嫌が上でも馴染みない駅(駒込駅とか)の場所を把握できます。これだけでも走った甲斐があったというものです。
昭和時代の上野駅といえばこれです。この絵面は小さい頃田舎でよく見ました。

そして令和の上野駅、先程の反対側の上野公園側です。昭和とは随分な違いのデザインです。建築様式の近代史を間近で見ることができます。
そして再び東京駅
大手町
東京駅に再び帰ってきました。大手町のビル風が冷たく、温かいシャワーが恋しくなります。かなたに特徴的な建物が見えてきます。東京駅で無事ゴールを迎えました。
重厚感ある造り
山手線1周ランニングのコツを伝授
実際に40キロ以上山手線沿いに走ってみて感じたコツを示してみたいと思います。
以下3点が主要です。
1. 次の駅までの線路沿いルートを先読み
2. 線路沿いにはコンビニが少ない
3. トイレは少ない
1. 次の駅までの線路沿いルートを先読み
これが結構キモだと思っています。なぜならこのコース、予め地図上で全て把握できるランナーはいないと思うからです。
到着した駅から出発する際に、次の駅までのルートを細かく確認してから再び走り始めることを勧めます。
大通りを通るか?内側を通るか?外側を通るか?ショートカットするか?意外と選択肢は多いです。

これは臨機応変に対応するしかありません。しかし気分に任せて山手線が見える(電車の音が聞こえる)範囲内で走っていればちゃんと1周できるので心配はいりません。
2. 線路沿いには意外とコンビニが少ない
主要駅を除くと意外に線路沿いはコンビニが少ないです。でもこれはあくまで線路沿いの話です。
線路沿いは都心にも関わらずローカル感が漂っている箇所が多く、特に食べ物を購入しての補給に困るかもしれません。ただし自販機は無数にあるので飲み物は心配無用です。
3. トイレが少ない
どこにでもあると思われるトイレですが、線路沿いにコンビニが少ないだけにトイレ自体も少なくなります。草むらでサッと済ますことは許されません。

そして改札を入った駅構内には確実にトイレはあるのですが、改札外にはほとんどの駅でトイレを確認できませんでした。
日暮里駅、この右側にトイレあり(キレイ目)
山手線1周ランニング、私の装備
日比谷ラフィネNEOに主な荷物を預けてスタートしたので、走る格好は普段のランニングそのままです。日中の気温(8.3~16.9℃)と強風を考慮し、腹冷えを抑えるドライナミックメッシュを着て走りました。
ラン用バックパックの中は、ペットボトルとウインドブレーカーを入れていただけでスカスカ。着替えの荷物を背負わなければ身軽で走った方が全然楽です。
都会を走るのも悪くはない、結局どこでも走るコースとなり得る
今まで行くつかのコースを独断と偏見で選び(自己満足の世界は否めません)紹介してきました。正丸峠、湘南、陣馬山、旧赤谷線、つくば、川根温泉、諏訪湖、御岳、大山とおすすめコースで紹介した場所には大自然が常にそこにありました。いつも精神的にリフレッシュして帰宅の途に着いたものです。
しかし今回は右も左もコンクリートジャングル、首都東京のど真ん中です。でも実際に走ってみて、たとえ自然がなくても精神的に満足できたのです。
それは突き抜ける秋晴れのせいかもしれませんが、誰かが考えた建築様式のひとつひとつが斬新と感じたからかもしれません。都心の新鮮さそのものが飽きを感じさせず、深く印象に残り終始楽しい都心ランニングとなりました。