ランニング練習としてはキツい部類に属するインターバル走、当ブログでは早くも2回目の登場となりました。1回目の記事はこちら>>
前回の記事では、インターバル走は全速力比80%で行うことを指南する情報が多数と話しました。
しかし、もっと分かりやすく効果的な方法があります。数値を入れるだけでどのくらいのタイムで練習したら良いか一目でわかるツールがあるのです。
これをうまく活用すれば、専属トレーナーがいない市民ランナーでも走力に合った練習内容をカスタマイズできます。これはマネージメント力が自然と上がること請け合いです。
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ぼっち練は1人じゃない、ダニエルズさんと共に
ランニングやマラソンはその性格上、基本的に1人で練習することが多い競技と言えます。
どこかのグループに所属したり、ラン友と一緒に練習したり、定期練習に参加するなら話は別ですが、大抵は個人で地道に練習に着手していることと思います。
ビギナーからサブ3ランナー以上の猛者まで、記録更新を常に考えているランナーには、雑誌やネット情報をぶつ切りに取り入れ、自己流で練習をしている層が数多くいます。私もその1人でした。
諏訪湖
ダニエルズさんとは?
ざっくりと情報を以下にまとめました。
自身もアスリートでオリンピックでメダルを獲得、選手としてもコーチとしても成功を収めた方です。
- 米国サンフランシコ出身
- 近代五種競争(射撃・水泳・馬術・フェンシング・ランニング)でオリンピック1956年銀、1960年銅メダルを獲得
- 運動生理学の博士号を取得
- 陸上中長距離走コーチとして科学的トレーニングを導入し、オリンピッククラスの名選手を多数育てる
- 米雑誌で世界のベストコーチに選出される
- 中長距離の名著「ランニングフォーミュラ」の著者
私がダニエルズさんの理論を練習に取り入れた理由は、運動分野の博士号を取得しており、マラソントレーニングを科学的視点で考察し導入しているからです。
目標タイムが〇〇だからこのくらいの負荷をかけて練習しましょう、といったことを科学に基づいて算出している所に合点がいきました。
ダニエルズ理論とは
ダニエルズさんが生み出した理論とは
VDOT=最大摂取酸素量をベースとして、ランナーの能力とレースパフォーマンスを算出したもの
これをもっと分かり易く言い換えると、
ある距離のベストタイムが分かれば、VDOTを基に別距離のレースタイムと練習ペースが分かる
となり、その際に使用するサイトが計算式がこちらとなります。
スマホアプリではVDOT Running Calculatorを利用すれば、1発で走力に応じたトレーニングペースまで弾き出されます。今の時代はなんて便利なんでしょう。
↓ダニエルズ理論のアプリ↓
走行ペースごとの効果
数値を出す前にこの理論を上手に活用するためには、5つのトレーニングペースをまずは理解しましょう。ランナーなら一度は耳にしたことがある言葉となります。
Eペース(Easy)
- 練習やレースのウォームアップ
- 練習やレースのクールダウン
- 激しい運動後の回復走に
- 筋肉へ血液を送る能力の向上
- 筋肉内で酸素を利用する能力の向上
- 怪我にならない体作り
Mペース(Marathon)
- マラソンを走るペース
- 初心者のロング走
Tペース(Threshold) (閾値走)
- 持久力の向上
- 乳酸性作業閾値が向上→血中の乳酸を分解してエネルギーとする能力を高め、同じペースを維持できる時間を伸ばす
- 20分間のTペース走(閾値走)がオススメ
Iペース(Interval)
- 最大酸素摂取量(心肺機能)の向上
- 持久力の向上
- インターバル走→《例》 Iペースで1キロ+ジョグ3分×5本
Rペース(Repetition)
- スピード(ストライド距離・ピッチ数)の向上
- ランニングエコノミー(距離・体重あたりの酸素消費量)の向上
- 言うなれば走る『燃費』の向上
- Rペース走は間を十分に取りフォームが崩れないように気をつける
インターバル走をダニエルズさんに聞いてみた
僭越ながら私の例で見ていきましょう。スマホで読んで頂いている方が多数なので、Appleアプリ版のVDOT Running Calculatorで説明していきたいと思います。
※2020年アプリのアップデートで日本語表示設定が加わる
アプリを開いて「距離」と「時間」を入力します。
私の場合は10キロのベストタイム00:40:56と入れて「計算」を押し、1番下の左から2番目の「トレーニング」を開きます。
すると上の画面のように、トレーニングペースの数値が算出されます。
この数値から読み取れることは、インターバル走は1kmの場合3:52で行えということ、マラソンでは1km4:28で走りなさいとのお告げです。
目一杯走った10キロの記録が本当にマラソンペースで生きるのか、これはちょっと確信が持てず不安が募ります。現に私はキロ当たり4:28ではフルマラソンは走り切れません。
そのペースだとフルを3時間10分切りなのですが、これでは間違いなく後半撃沈します。
こういった分析ができるのも、ダニエルズさんのおかげだと言えそうです。
怪我なんてしないために
このダニエルズ理論がすべてのランナーに万能だなんて私は思っていません。これはあくまでも、ある権威が推奨する理論のひとつでしかありませんから。
それでも彼の著書『ランニング・フォーミュラ』を参照にすれば、無理のないオーダーメイドの練習メニューを組み立てることができます。
自身が目指すベストタイムを達成するために、それを狙えるペースでインターバル走を行うのです。
そんなことなどつゆ知らず、昭和時代のスポ根丸出しでオーバートレーニングを重ねて故障をしてしまった経験はありませんか?
特に昭和生まれの40〜50台、小学から高校まで部活に明け暮れたこの世代は要注意です。
なりふり構わずに追い込むことが美学、私は肉離れを連発して1シーズンを丸々棒に振った悔しい経験をしました。
私自身こんな惨めで辛い経験はもう二度とごめんですし、他のランナーの皆さんにだってつまらん怪我はして欲しくないと願っています。
荒川河川敷
↓ダニエルズ理論のアプリ↓