「ずいぶん日に焼けてるけど、何かマラソン大会出た?」
「あ〜アレね、砂の中を転がり落ちてくるやつでしょ」
ーその後しばし説明ー
この2ヶ月間同じような質問を、おそらくマラソンとは無縁な方々からたくさん質問を頂戴しました。
その度に富士登山競走は転がらりませんから、と心の中でツッコミを入れたものです。
マスコミなど各媒体で取り上げられるのは、大抵は砂を巻き上げて転がるインパクトの大きさからあちらの大会です。
そんな露出過多が理由となり、一般者目線だとダントツに転がる富士登山駅伝競争の方が有名なのです。
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今夏最も多かった問答
この夏の猛暑の中でも継続的に走ったランニングにより、今現在明らかに焼けて黒々としています私。
同僚や知人、親戚達は私の趣味がランニングだと知っています。その上で冒頭の質問を投げ掛けてきます。
でも似たような名前の二つの大会は似て非なるものなのです。
東京・多摩湖堤防より富士山
富士登山競走と富士登山駅伝競走大会は別物
日本の最高点を目指す点は共通項なのですが、競走形態含め諸々この二つは大きく異なり大会となります。
どちらも標高差3000m以上を駆け上がる大会なのは間違いないのですが、方や日本一過酷なマラソン大会、方や日本一過酷な駅伝大会なのです。
日本一過酷なマラソン大会、富士登山競走
2022年大会
駅伝を走ったこともなくマラソン一辺倒な身なので、私にとっては富士登山競走の方がのメインとなります。
マラソングランドスラムの一つですから、ランナーであれば知名度が高いのは間違いなく富士登山競走のはずです。
富士吉田市役所から富士山頂まで、制限時間4時間半以内に登り切ることが完走条件となります。
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日本一過酷な駅伝大会、富士登山駅伝競走大会
競走のメインがあの大砂走り
正式名称は「秩父宮記念 富士登山駅伝競走大会」で、御殿場駅からスタートして富士山頂で折り返し、御殿場市陸上競技場でゴールを迎える駅伝大会となります。
駅伝ですから6名でタスキを繋いでコース制覇するのですが、一時期自衛隊が上位を独占したため「一般の部」が創設されました。
昨年富士山頂にてお鉢巡りを走っていたら、「自衛隊の方ですか?凄いふくらはぎですね」と言われたくらいこの大会は自衛隊が圧倒的に強い大会です。
またNHK大河ドラマ主人公となった金栗四三は、この富士登山駅伝競走大会と箱根駅伝を創設した人物として有名です。
それぞれの大会の特徴
富士登山競走 | 富士登山駅伝競走大会 | |
開催地 | 山梨県富士吉田市 | 静岡県御殿場市 |
開催日 | 7月最終金曜日 | 8月第1日曜日 |
競走形態 | ソロのトレラン大会 | 6人の駅伝 |
登山道 | 吉田ルート | 御殿場ルート |
大きく個人参加か団体参加かとの違いがあり、その他では開催県が違うため登山ルートが全く違うことが大きな特徴となります。
登山ルートが変われば大会のイメージは大きく変わってきます。実際に駅伝は下りの砂走りがハイライトシーンとなりますが、富士登山競走は登るだけで誰かに見せる大きな見せ場は正直全くありません。
同じ富士山開催でも開催県が違うことが大きな点で、確かこの両県は富山と石川並みに仲が悪い隣県のイメージがあります。何年か前に日本の山頂は山梨だ、静岡だで揉めていた記憶があるくらいですから。
どちらも過酷には変わりはない
2021年久々に日本の頂点に
どちらの登山道も経験済みなので、どっちがキツイ登山道か分かっているつもりです。
そのコースの長短や斜度に関わらず、高所の富士山を競走として登ること自体とてもハードなのは間違いなく、どちらも高山病のリスクが高く過酷極まりないことは間違いありません。
ただ2つの大会の一般的な認知度で比べるのなら、圧倒的に富士登山駅伝が高くなります。
やはりあの砂煙を上げながらタスキを渡すシーンが印象深く、「富士山、大会、走る」とのキーワードが出るとランナー目線なら富士登山競走が頭に浮かぶのです。
世間一般的な浸透度としては、圧倒的に富士登山駅伝に軍配が上がるのです。
大会のハイライトはこの大砂走り