以前からランナー界隈ではよく耳にしていた埼玉県は「奥武蔵グリーンライン」、関するランニングブログを各々読むとここはロングランに向き、各イベントや大会で使用されるコースと綴られています。
個人的に丸一日自由な休日が久々に取れたこと、股関節の痛みが完治しない中で自然に癒されて療養目的でゆったり走りたくなりました。
それに加えて7月末の富士登山競走への脚作りとしての峠走、そしてランニングの締めに武甲温泉でのんびり入浴したく現地まで赴きました。
奥武蔵はこんなランナーにおすすめ
- 森林浴で癒されたいランナー
- 峠走で鍛えたいランナー
- ゴールを温泉と決めたランナー
走り始めてすぐに沢ガニと遭遇
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森林浴ランニング
緑が映える
ほー、ほけきょっ
なんだか丸一日中緑の空間に身を置き、鶯 (うぐいす) の鳴き声を聞きながらのランニングとなりました。心地よい鳥のさえずりを一日中聴いて終始リラックス、それは負荷が高いキツい練習だけがランニングではないことを改めて感じました。
森林浴ランニングは言葉では表現しづらいのですが、右脳的というか目にも耳にも優しくて五感が満たされるものとなりました。普段の都市の喧騒を離れたところに癒しの空間がありました。
たんたんと歩を進める
コース全容
並行する国道299号線を走って秩父まで行ったあの日はブログ開設当初2017年のこととなります。
もし秩父に向かうランニング計画を立てるのなら、正丸トンネルの脅威を考慮するとこの奥武蔵グリーンラインが断然オススメとなります。
なぜなら国道よりも圧倒的に交通量が少ないからです。国道299号線は大型車両が多く通行、歩道が狭いゆえに車両との距離が近くヒヤヒヤして走ることとなります。
そして奥武蔵は週末サイクリストがとっても多いのですが、この日は平日だったので車も含めて車両との遭遇はほとんどありませんでした。
またここはアスファルト舗装なので途中で登山道に入らなければ、コース制覇は普段のランニングシューズで問題できます。
奥武蔵グリーンラインとは
埼玉県入間郡毛呂山町から秩父市までの林道約36km、車でのドライブや自転車でのサイクリングやランニングコースとして知名度が高い
ガーミンログより
今回のコース
西武秩父線武蔵横手駅→北向地蔵→奥武蔵グリーンライン→県民の森→武甲温泉
武蔵横手駅から鎌北湖方面へ
武蔵横手駅を下車してから北方面の奥武蔵グリーンラインへ向かうのですが、その道は駅前に案内看板があって初めて訪れても迷うことはありませんでした。
まずは下の写真の❶を目指し、そこで鎌北湖方面へ進めばグリーンラインに出られます。
駅から①を目指す
駅から一本目の小道を左折
「キョリ測」利用
武蔵横手駅から来たから鎌北湖方面へ
奥武蔵グリーンラインでは県民の森を目指す
ここから武蔵グリーンライン
道なりに北向地蔵まで少々の上りを走って来ればそこはもう奥武蔵グリーンラインとなります。ここからいくつかの峠※を越えていくのですが、「県民の森」への看板標識が多かったので当面はそれを頼りにひたすら走って行けば辿り着けます。
※北向地蔵から県民の森までの峠
顔振峠-傘杉峠-飯盛峠-ぶな峠-刈場坂峠-大野峠
ここを目指す
県民の森
埼玉県秩父郡横瀬町の北東の丸山 (標高960m) の北側にあるレクリエーション施設。昭和56年に開園し、広大な敷地内には森林関係の展示館や学習室があり年間感を通して雄大な自然にふれあうことが出来る施設。
ーWikipediaよりー
分かりづらい分岐
武蔵横手駅から奥武蔵グリーンラインを経て、最終目的地の武甲温泉まで向かうとなると分かりづらい分岐点がいくつかありますので紹介します。
この標識の場所は、走ってきた道 (右奥から) と同じ方向へ戻る形 (左奥へ) となるので注意が必要です。ただ頭上にある標識が示す「県民の森」方面に舵を取れば何の心配もいりません。
国道299号方面ではなく、手前の県民の森方面へ
上の矢印箇所が当地 (キョリ測 利用)
大野峠
そして後半の大野峠においては右折して離れゆく奥武蔵グリーンラインに別れを告げ、秩父方面へ向かうために道なりに直進して県民の森へあと2キロ弱進んでいきます。
大野峠を直進 (キョリ測 利用)
県民の森からは下りオンリー
県民の森案内
武蔵横手駅から出発して数時間、ようやくたどり着いた県民の森にて長めの休憩としました。ここではバックパックを下ろして座り込み、持参した食料を補給しながら日光浴で長めの休憩としました。
ここまで来れば次はお待ちかねの下り走、秩父方面へ颯爽と高度を下げて走るのみとなります。ここでしばし休んでスピードを出す覚悟が出来たら下りの出発となります。
今回のロング走もモンベルのバックパック
ゴールの武甲温泉まで一気に下山
見た目以上の下り
県民の森からは容易にスピードが上がってしまい、ここまで25キロ以上走ってきた疲労気味の脚には結構な負荷となります。
峠走ならば一般的に上り下りの両方が訪れますが、この区間は下がるだけで着地衝撃と脚の全面の筋肉に高負荷が掛かります。後日スネの筋肉痛が酷くて苦しむことに、久々のヨチヨチ歩きで笑われたことを付け加えておきます。
武甲温泉がある横瀬方面へ
県民の森から無我夢中で軽快に下りを楽しんでいたのですが、いくつかの分岐を経て正面に存在感ある武甲山が現れます。山に向かって走れば下界の住宅がどんどん迫ってきます。
武甲山
武甲温泉まであと2キロを切った辺りから住宅街の袋小路に迷い込んでしまい、スマホ片手にグーグルマップの手助けが必要となりました。
何回も現在地を確認しながら入り組んだ道を抜けて、ようやく疲れ切った身体にて武甲温泉に到着となりました。
2022年1回目の奥武蔵グリーンライン
<武甲温泉>
2024年2回目の奥武蔵グリーンライン
<祭りの湯>
祭りの湯がベター
県民の森から横瀬駅最寄りの「武甲温泉」を目指したのですが、西武秩父駅併設の「祭りの湯」も選択肢にありゴールをどちらにしても温泉でさっぱりリフレッシュ締めとなります。
飲食やお土産が全て揃うのが西武秩父駅、よって横瀬駅最寄りの武甲温泉より距離は伸びますが「祭りの湯」の方が断然おすすめです。
峠走のアップダウンで鍛える走力
上りと下りとでは使う脚の筋肉が違うのですが、このコースではバランス良く脚の前後の筋肉に刺激が入ります。
なかなか普段のランニングコースではここまでこの刺激を長時間味わえることはできません。一般的なスピードでも4時間は要するコースです。
アップダウンの特徴
上り下りを繰り返して県民の森へ
上図は我がガーミンにより記録された高低図ですが、県民の森までは結構な距離があって峠越えがいくつかあることが窺えます。
スタートからダラダラとした長い上り坂が続き、間々で短い距離を下って徐々に高度を上げていきます。
そして終盤はご覧の通り県民の森から下り一辺倒のコースに様変わり、下界のお風呂まで一気に下ってエンディングを迎えます。
富士登山競走の練習となる
飯能側から秩父へ走ってみて気づいたこと、それは県民の森から秩父までが永遠の下り坂である点です。
ということは今回とは逆の秩父スタートとすれば、県民の森まで上りオンリーなコースができあがります。
よって富士登山競走のような上りをメインとする大会参加の練習とするのなら、電車などで一旦秩父へ行きそこからスタートすれば良いのです。
斜度を考慮すると富士登山競走の疑似体験には必要十分となり、頂上の県民の森で折り返して下れば先ほどの紹介したいづれかの温泉に入って帰宅できます。
奥武蔵グリーンラインをランニングする際の注意点
落石箇所が結構あり
土日しか営業してない茶屋
コース上には茶屋が何軒かありますが、これは土日のみ営業なので注意が必要です。
一軒目の平九郎茶屋は平日の月曜日でも営業していました。しかし平日だとここが横瀬まで (約20キロ以上) 最後の自販機となります。平日ならここで1本多めにペットボトルを補給しておくことをすすめます。
この日の午前中はヒンヤリとした気温で補給はそれほどいらない状況、家から500mlのペットボトル3本計1.5リットル持参にて今回は十分足りました。
私感ですが真夏であれば4本 (2リットル) 以上は必要、もしも真冬のランなら1本もあれば足りる量かと思います。
※追記:2024年2回目の訪問は7月で気温が高めの日だったのですが、2リットル持参でも足りなく横瀬に降りてから自販機で補給が必要でした。
イヤホンダメ
奥武蔵グリーンラインは平日なら車や自転車はほとんど通りません。しかしイヤホンで耳を塞ぐのはやめておいた方が無難です。
下りで猛スピードの自転車に真横を追い抜かれると絶対にビックリしますから。車や自転車が接近してくる音を察知したら、事前に道路のはじの方へ寄って走ることがスマートなランニングです。
そもそもイヤホンをしていては鶯の鳴き声はおろか、自然が織りなす癒しの音が全く聞こえません。自然に身を委ねる意味でも耳はフリーにしたいものです。
トイレ難民問題
平日ですと先ほどの1件目の茶屋から、終盤の刈馬坂峠までは公衆トイレの利用ができません。
これは結構な距離と時間になりますから、休日なら開いている茶屋で何かを購入してトイレ利用させてもらいましょう。
ただし県民の森以降に関して、トイレがいくつか存在するのでコース後半は心配なしとなります。
刈馬坂峠でようやくトイレタイム
でも虫だらけ
熊
えっ
恐ろしいことに道中こんな看板がありました。私自身は山で今だ彼らに遭遇したことはありません。
看板内容が少し古い日時ですが、一応念のため熊鈴など音が出るものをバックパックに付けて熊対策としました。
通行止め
突如としてこの看板
なんと!県民の森まであと少しの大野峠、ここでまさかの通行止看板が行方手を遮りました。
よーく周囲を見渡すと看板がある横から向こう側へ入れる箇所があり、さっきすれ違ったサイクリストが横を通ったタイヤ痕があったので「車は通行止め」と解釈して迷わず無視して進みます。
結果的に路面の大きめの段差が1箇所気になったくらい、特に問題点が他になかったので良しとしました。
追記:2024年はこのバーは上がっていて通行可でした
帰宅はお決まりの特急で
電車で帰宅の場合は武甲温泉なら横瀬駅 (900m、徒歩10分) 、祭りの湯なら帰宅は西武秩父駅 (徒歩1分) が最寄り駅となります。
武甲温泉から横瀬駅経路
武甲温泉と祭りの湯のどちらからでも西武線特急を利用でき、特急に乗らず眠って帰るのも良いのですが、せっかく頑張って走ったのですからそのご褒美に快適な帰宅を旅ランのモットーとしています。
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あとがき
新緑の季節 (5月) は湿度が低くて心拍数が上がりづらく、木々が直射日光を遮ってくれるためとにかく気持ち良く走ることができました。
峠走と言っても飯能側からスタートすればアップダウン自体は正直キツいものではなく、猛者でもない限りここはモリモリ走るのではなくLSDの坂道バージョンとなります。
緑深い自然溢れるコースですから、軽〜い気持ちで休日にぷらっと出掛けるのに最適コースと最後に申し添えしておきます。
癒しコース