満身創痍で走り終えたフルマラソンのレース後、走っている最中から感じていた足先の違和感は、異常に痛む中でシューズを脱いで初めて気付くことになります。
15年近くフルマラソンを走ってきて、こんな感じでゴール後の痛みを経て剥がれた爪の数は実に20枚以上となります。
分かっているとは思いますが、私は猟奇殺人者で爪の変質コレクターでは決してありません。
足の爪の中で最も堅くて大きな親指の爪がレースから数ヶ月後、初めて根こそぎ剥がれた時には我が目を疑いました。その後も全国様々な大会を走るたびに、シューズとの干渉が特に大きい時に何度も爪が剥がれました。
数あるランニング障害の中の一つである爪剥がれのトラブル、それなりに走っているランナーにとっては常にランニングと隣り合わせとなります。
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ランナー以外は、爪が剥がれる経験はそうそうない
小中高と運動部に所属したことで、昭和のスポ魂丸出し監督のおかげで足元は相当酷使していました。それでもスポーツが原因で爪が剥がれたことは一度もありませんでした。
ベリっと剥がれる経験をしたのは、フルマラソンという長距離を走るようになってからです。私の人生で足の爪が剥がれた事象は全てランニング中に発生しています。
以前1シーズンに多い時で3〜4レース走ったフルマラソン、その都度両足の爪が数枚ごっそり剥がれては半年間の再生を繰り返しました。爪が伸びるまでは指先に力が入りづらく、それは物凄い違和感を伴いました。
自慢にも何にもなりませんが足の指10本のうち、未だに剥がれていない爪は左の薬指だけです。親指と人差し指はシューズのアッパーとの摩擦が最も強いことから、これまで剥がれ落ちた爪が最も多い枚数となります。
厚底シューズ以前の薄底シューズ時代までが特に顕著で、さらにレース中にタイトにフィットするシューズサイズを好んでいた時期と重なります。
それがここ5年以上、大きめでゆとりあるシューズを好むようになったのと、科学的根拠は分かりませんがNIKE厚底シューズへシフトしてからは爪が剥がれることが極端に少なくなりました。NIKE一辺倒に変わった要因は少なからずこれに起因します。
ランニングで爪が剥がれる原因
爪が剥がれる原因はシンプルです。なんと言っても長距離を走るにあたりランニングシューズが足にフィットしていないからです。
シューズは大き過ぎても、小さ過ぎても爪トラブルのリスクを押し上げます。大小問わず常に爪がシューズと干渉し、圧迫的刺激が長時間に及ぶと爪の下に水膨れや血豆が発生します。
もう一つ忘れがちなことは、爪が伸びてたことでアッパーに干渉している場合です。スタートラインを過ぎてから足の違和感に気付いてもそれ時すでに遅しなのです。
剥がれたらこうする(個人的に)
爪下に水膨れや血豆ができて爪が浮いてしまった後は、私は痛みを耐えて消毒した安全ピンを爪下の間へ差し込み、まずは溜まった水や血を抜いてしまいます。
目に見えて爪の下に安全ピンがスッと入って行くシーンはかなりエグいものですが、水や血を抜いた後に爪の下が乾くのを待ち爪と皮膚が完全に離れれば爪は剥がしやすくなります。
安全ピンの行為から数日後には爪下が乾いて空洞となりますが、まだ爪の両サイドと下端が皮膚とつながっている状態なので、無理に剥がすことは痛いのでヤメて自然と爪が伸びるのを数ヶ月待ちます。
マラソンで浮いた爪は自然に剥がれて生えてくるのを待つ方が無難です。剥がれた爪は概ね半年以上かけて元の姿に再生され自然治癒を迎えます。
もちろん病院へ行く選択肢はもちろんあるのですが、病院嫌いもあって私は自分で対処した解決を目指しました。いずれにせよ自分で処置するなら安全ピンの消毒だけは忘れずに、必須事項となりますからお忘れのないように。
剥がれないようにするには
10〜20キロくらいのランニングなら平気でも、30キロを超えてくるロングランともなるとシューズのサイズ不適合や足の浮腫で爪トラブルが顕在化します。
長距離レース後半にもなると足が浮腫んできて、時間の経過と共にスタート前に調節したシューズのフィット感が徐々にズレ始めます。
多くのランナーはレース用のサイズは、普段履きより0.5cm〜1.0cm余裕を持たせたシューズを選んでいると思います。私の場合は+0.5cm大きなサイズを選択、+1.0cmも試してみましたけど遊びが大きく爪に加えて足裏に豆が多発しました。
シューズ購入後にはヒモの締め付けでさらなる微調整をし、もし自分の足が横に広いサイズならワイド設定のシューズを選ぶことが得策です。
そして最後に当たり前のことなのですが、長距離を走る前は適度に爪を切るルーティンを忘れないようにしましょう。
シューズフィットに難あり、とんでもない血豆ができた
(2016年能登和倉万葉の里マラソン後)
自分のために試行錯誤が必要
シューズサイズを小さめに選択した場合の方が、爪剥がれのリスクがより高くなる傾向が私にはあります。
だからと言ってゆる過ぎてもダメなのが難しいところ、ちょうど良い塩梅のフィット感を自分で探り当てなければなりません。
あえてキツめに紐を閉めたり、緩めたりといったような試行錯誤がどうしても必要となります。マラソン大会本番前に試すことが大事、違和感があったら練習途中なら立ち止まって微調整すればいいだけの話ですから。
また足が浮腫みやすい夕方以降に長距離を走ってみることで、レース後半のフィット感を疑似体験できます。実戦に近い形でシューズのサイズ感を探ることで大会用のシューズが炙り出されてきます。
ただしもう何年にも渡ってベストフィットかつベストフィーリングなシューズを追い求めているのですが、最高形には未だ辿り着いていないと感じます。
毎年多くのメーカーから様々なタイプのシューズが発売されていますから、5年くらい前よりも選択肢が多くなった分だけ最高の1足に巡り逢える可能性は高くなっています。
この一歩が試行錯誤の証