RUNNETのマラソン大会100選に毎回選ばれし高評価な大会へ、実に9年ぶり2回目の参加となりました。
前回参加時の記憶として強烈に残っているのは、コース中盤でおばあちゃん達がお手製お守りを手渡してくれたことです (残念ながら今回はありませんでした) 。
栃木県芳賀地方1市4町 (真岡市、益子町、茂木町、市貝町、芳賀町) による共同運営が奏でるローカル大会です。記録は狙えませんが次戦への練習の意味合いを込め、また地元の食を味わうファンランとして一年を締め括る大会としてご紹介します。
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大会の特徴
1市4町をまたぐ運営のためそれぞれ特色ある応援が披露され、惜しみなく各地で提供されるいちごは1年分食べれたほどの量を堪能できます。
完走メダルやタオル、Tシャツ配布をなくすことでコストカット、その分をエイド内容に充てることでランナーの心を鷲掴みしました。個人的にこれは大歓迎な方針です。
参加2300人規模で敢えて増やさない方針で、各キャパを適切に保っているためにストレスフリーが確約されます。
更衣場所の一万人プールは広大で十分の広さ
(当然プールは利用できません)
寒い朝
当日朝は氷点下、プールは凍る
大会当日にスタート場所の真岡市の気温をチェックしたところ、朝6時台の気温はあの猛暑もびっくりの-5.9℃です。発汗伴う暑さに弱く寒さ大歓迎の我が体も、今回ばかしは覚悟を決めて強力な防寒を施しました。
これ以上ない寒さ対策を施して (100均カッパ、マグマカイロ4つ、自作エマージェンシーシート腹巻き、インナーにドライナミックメッシュ、手袋2重) ホテルを出てマラソンに挑みました。しかしこの強力防寒は、暖房が極々効いたシャトルバス内においては地獄だったことを付け加えておきます。
スタート直前アナウンスでは随分上がって気温1℃、それでも参加した大会史上トップクラスの寒さです。でも終始太陽が顔を出しているため、直射日光を浴びると防寒装備はほとんど要らない状況です。

そして寒い中、スタート前とゴール後に温かいスープをいただけるおもてなしはgoodでした。
列が出来て待ち時間発生
エイドが超充実している大会
この大会のエイドに文句を言うランナーはいないはずです。それだけ特色のあるエイドかつ量が豊富でした。
いちご、梨、バナナ、レモン、梨ゼリー、チョコ、塩タブ、アンパン、甘酒、水餃子、豚汁、蕎麦
エイドでスポーツドリンクが数種類用意 (アミノバリュー、ポカリ、アクエリ、エネルゲン) されていたことに驚き、ややもすれば毎回のスポドリ給水に嫌悪感さえ覚えるものです。それが味変による飽きない補給に感謝の念さえ抱きました。
またコース上にていちごは数回に渡って提供、取る余裕があれば近年稀に見るほどいちごを食べることができます。
個人的に嬉しかったことは、ゴール後の麦茶のペットボトル提供です。スポーツドリンクや補給ジェルはもう要らないと思った場面での提供で嬉しかったです。
ゴール後のおもてなし
この大会いちごをどれだけ用意しているのか
コースはタフネス
コースは正直言ってキツいの一言です。
多くのランナーが大会レポに投稿した様に、コースはアップダウンが多めで冬ならではの後半が向かい風、頑張っても記録狙いは厳し目のコースです。
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コース全般で田園や里山など日本の原風景の中を走りますので、小刻みな坂と大きめなアップダウンがあり、西へ向かって走ると向かい風が吹き付けるためタイムが伸びない要素が多くなります。
単位が50mの高低図、細かいアップダウンがわからない
みえ松阪マラソンも風 (鈴鹿おろし) が定番化していますが、日光おろしとでも言いますか、この時期は西に位置する山側から強い季節風が吹きつけます。
ただし長閑な風景 (西に男体山、南に筑波山が見え) と素朴でほのぼのとした温かい声援を受けて、タイムはともかく最後まで頑張れる大会であると体験上断言します。
またタイミングが合えば (サブ4くらい) 真岡鉄道のSLダイヤと被り遭遇、並走からの粋な計らいによる汽笛応援が待っています。
タフなコースもここが終焉
応援が後押し
太鼓やお神輿、お囃子がメイン応援で、各町村でカラーが違った盛大な応援が待ち受けます。
全国どこの大会に出場しても応援はありがたく盛大なものなのですが、ここ栃木県でも地元応援が何らかの力に変換されてきます。
参加規模が少ないので中盤以降ランナー間もまばらとなるため、沿道の応援が一極集中で自分に向けられる機会が多くなり、大規模大会では味わえない特別感を得られます。そして普段は控えめな自分でも、不思議と手を振るなり笑顔なりのアクションを取ってしまうのです。
登り坂のハイタッチエリアなど工夫が満載で、あんな坂では到底歩くことを許してくれません。今回4歳くらいの小さなサンタさんとタッチしたら、ハッキリとペースが上がった貴重な体験もできました。
スムーズなこと
はが路ふれあいマラソンは、参加募集人数が2500人規模の大会です。トイレやシャトルバス待ちがストレスレス、これは募集人数に対して適正な数の対応をしているからです。
シャトルバス、会場の規模、トイレの数、着替え場所、コースの幅など総じて最適なキャパで、フルマラソン大会では珍しいほどの快適さが漂い、ランナーは自分のため大会のために頑張って走って食うだけです。
こぢんまりとしているが案内もしっかり
シャトルバスの運営がとにかく秀逸
前回参加した時と変わらず秀逸だったのがシャトルバス運営で、何かと不満募る会場への送迎は全国屈指の快適さです。
宇都宮駅での乗り場では、バス数台が後ろに待機済、満車になるとすぐに次のバスが来るので今回も待ち時間は無しでした。
駅から会場まで距離はある方ですが、綺麗な観光バスで全員着席にて出発することで眠るなりして超快適な空間が約束されます。
駅からスタート会場まで億劫なマラソン大会は多々ありますが、はが路ふれあいマラソンはストレスなく会場移動でき、走り出すまで何の心配なく進む珍しい大会です。
駅から快適なシャトルバスで約30分で会場へ
(餃子像)
手荷物預け
一万人プールの更衣ゾーンを丸々使用
冬季閉鎖中の1万人プールの更衣室、シャワー、ロッカーを充てる大胆な発想に感服します。
マラソン大会においては定番とも言える手荷物預けの大混雑ですが、はが路の運営は大量のロッカーへセルフ形式で行うことで一気に解決となります。

またロッカー代金100円を配布するため小銭の準備は不要、手荷物が多ければ2つ目からは自腹で払えば何個でも使用可能となります。またロッカーに入らないスーツケースなどの大型荷物は、別ブースにて預かってくれる点も遠征ランナーにとってありがたいものです。
そして当たり前のことながら、1万人収容プールということだけあって更衣や待機場所が広く混雑しません。
気付かなかったランナーがいたようなので、付け加えるならば屋内ロッカーより、日差しがあれば十分温かい屋外ロッカーの利用がおすすめです。
そしてゴール後は無料で温水シャワーが使用できる点も高評価です。
屋外ロッカーは何列もあって数が豊富
トイレ
大用トイレは3基まとめて1列に並ぶようパイロンで誘導されています。これは他大会で見かけたことがない動線で秀逸だと思いました。
1列でパイロン誘導して空いた所へ入る (ようにボランティアの誘導がある) 、という形は大会では結構あるあるなのです。でもはが路みたく小まめにまとめて並んでどうぞ、という形はありそうでなかった部類でした。
確かに都市型大会に比べて参加人数が少ないこともありますが、極端ですがトイレ待ち時間は大型大会の10分の1程度でした。

スタート会場の仮設トイレ
(3喜まとめで1列誘導)
スタート整列が緩い
スタートブロックは大会当日の自己申告制で、事前送付されるアスリートビブスにブロック表記はありません。
要項ではスタート整列は15分前までに、との事ですがローカル大会でありがちなずぶずぶ緩めなので、スタート直前にゴール予測タイムゾーン (3時間〜3時間30分とか)の最後尾に入ればOKです。
年内最後のフルマラソンにこの大会を選ぶランナーにガツガツしている人は皆無、自分の実力に見合った走破タイムのブロックに並ぶため、他大会にありがちなスタート直後に速いランナーにどつかれ抜かれることはなく最初の1kmから目標ペースに到達できました。
スタート場所
プライベート記録
併殺打
野球競技で言えばこんな打席結果となるのでしょうか。
今回ホームランやサイクルヒットなんて上振れ記録があろうはずがないことは分かっていましたが、前記事にてエントリーしたフルマラソン予測タイムは悪い方に大きく振れてサブ3.5漏れとなりました。
書かなかった方が良かったと、自分的にとっても恥ずかしい結果となりました。
今年秋から走ったハーフではバレなかった化けの皮が剥がされ、やはりフルマラソンは別物であると痛感することとなります。
早くもハーフ過ぎからペースが垂れ始めたものの、「今日は練習、キロ5で粘る」と言い聞かせ奮起したのですが、フォームで修正しようにも終盤キロ5分半まで落ち込みました。
アップダウンや向かい風はあったものの、過去にはそんな条件下でもサブ3.5は何度も死守しています。38km付近でサブ3.5のペーサー集団に抜かされてフッと気持ちが切れかけました。
まだ喰らい付けば追い付けそうな距離ですので奮起しようとしたのですが、幸か不幸か次のエイドが大会の目玉「そば」提供場所なのです。
本日の頑張りどころはココ、記録を取りに行くかそばを取りに行くか迷っているうちにエイドに到着、立ち止まり3秒ほどフリーズ。

「もう食ったって大して変わんねぇから食ってきぃ」
エイドのおじちゃんが掛けてくれた言葉が背中を押してくれました。

サブ3.5付近では皆食べないのかたくさん並んだお蕎麦はぬるくなってちょっと伸び気味、しかしお味はとても美味しゅうございました。
少なくはない量のそばを食するのに30秒以上のタイムロスですが、食べずにゴールした微妙なタイムは記憶には残らないはずですが、3時間以上走ってきた39km地点で食べたそばの美味さは一生モノのです。
新しい路面電車LRT (ライトライン) も激写
いや〜また参加したい度
コース図 (公式サイトより)
田舎ゆえにまばらながら声援や太鼓、お囃子が盛大で走りを後押ししてくれ、各地域で応援の熱量がとにかく高い印象が強く残りました。
またはが路ふれあいマラソンは、無駄を省いたお手頃参加費が魅力で、シャトルバスが上手く機能しているため関東圏ということで東京や神奈川から日帰り参戦が可能なフルマラソン大会となります。
年の瀬に小規模ながらおもてなし感満載かつ応援が素晴らしく、記録は諦めてホッコリしたい人向けの大会がはが路ふれあいマラソンなのです。
いや〜また参加したい度
宇都宮と言えば餃子、で打ち上げ