第1回に続いて推奨するロング走向きランニングコースを紹介したいと思います。今後は全国に広げていくのが今の目標です。
ですがさっそく手前味噌で恐縮なのですが、ホームコースで近所の多摩湖自転車道が第2回目のおすすめコースです。
綺麗に整備された路面はウォーキング、ランニング、サイクリングに最適なうえ、四季折々の中で多彩な表情を見せてくれる多摩湖自転車道、私は近所に越してきて数年でランナーとしてすっかり虜になってしまいました。
電車や車利用でも訪問可能な東京のロングコースなので、速いロング走をやるのもよし、ハイキング気分でゆっくり走るのもよいのでぜひ出掛けてみて下さい。行ってみて損はありません、と自信を持ってお伝えします。
日本で一番美しい取水塔と認定されている
2019年4月16日
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多摩湖自転車道とは
多摩湖自転車道はざっくり見て東京都の西側に位置し、多摩湖から堺浄水場まで水を運ぶための水道管が設置され、その真上に作られた人 & 自転車専用の遊歩道が多摩湖自転車道です。
全国に視野を広げたとしても、これだけ綺麗に整備された22キロにも及ぶ都市部ロングランコースはそうはありません。
コース全容
アプリ「キョリ測」利用
起点から終点まで
総延長約22キロにも及ぶ多摩湖自転車道は、その特性上により2つに大別できます。
①起点から10キロ
場所:武蔵野市関前5丁目交差点から武蔵大和まで
特徴:直線基調の10キロ平坦コース
起点
②10キロ以降の多摩湖周回コース
場所:10キロ距離標から多摩湖1周
特徴:アップダウンありのテクニカルコース
アップダウンあり
多摩湖自転車道へのアクセス|電車や車利用なら
多摩湖自転車道の近所に住まわれている方ばかりではありません。そんな方でも訪れる機会があれば徒歩、ランニング、自転車、電車、車など、どんな手段でもアクセス可能となります。
起点・終点最寄駅
1. 起点→武蔵境駅(JR線)
起点まで約1.4キロ
田無駅(西武新宿線)
起点まで約1.9キロ
2. 終点→多摩湖駅※(西武新宿線)
※2021年3月13日のダイヤ改正により、西武遊園地駅から多摩湖駅へ改名
起点は東京都武蔵野市関前5丁目交差点
おすすめ駐車場
1. 狭山公園駐車場
(無料で20台以上停められる)
2. お風呂の王様・花小金井店
(お風呂に入る前提で停めるべし)
狭山公園駐車場
2022年9月 現在
2022年リニューアル
走りに行くとしてもこの狭山公園駐車場は休日ともなると満車になりやすく、とても競争率が高いことを覚えておいて下さい。
またここのゲートは18時以降は閉鎖され出庫できません。18時以降に車を出庫できず、ゲート前で困惑して管理事務所に電話している人を数回見ています。ご注意を。
多摩湖自転車道は走りやすさ抜群
懇意にしているこのコースにも当然良い点と悪い点があり、いつも走っている私目線ですが思い出せる範囲で簡単にまとめてみました。
良い点 & ひと言
○普段使いが容易
この近所にお住まいならジョギングコースに困らない
○綺麗に舗装されている
凹凸がなくフラットにアスファルトが敷かれ、適度にグリップ感があってとても走りやすい
○坂道練習ができる
多摩湖周回コースのアップダウンが絶妙で奈良マラソンの坂道対策に大いに役立った
○起点から10キロまでの区間は街灯が多い
等間隔に街灯があり、ひっきりなしにランナーや通行人が通るので皇居並みに治安が良く、女性が夜間に1人で安全に走れる
○地面に100mおきに距離標がある
インターバル走などのダッシュ系の練習に最適、ペースも掴みやすくなるが多摩湖周回コースには表示がない区間があり
路面に埋め込まれた距離標
車止めが多数
悪い点&ひと言
○全員が左側通行ではない
歩行者、ランナー、自転車も大方は左側を進んでいるが、高齢者は右も左もない傾向あり、それでも歩行者最優先は忘れずに
○週末、サイクリストが多く結構なスピードを出して追い抜いていく
急な進路変更は死を招く
○起点から10キロ以降は極端に街灯が少ない
多摩湖周回コースの北側は極端に街灯がなく真っ暗闇、己の存在を知らせるライトは必携
○信号が点在
冬は信号待ちで体が冷やされ、夏は蚊に刺されるので信号待ちは注意
○車止めが多い
一般道と交差する地点では例外なく車止めがあって減速を余儀なくされる
○小平駅前でコースが途切れる
コース先のロータリーをそのまま直進すれば再び多摩湖自転車道が現れる
○多摩湖周回コースには分岐点あり (鹿島橋手前)
時計回りでコースを走ると分岐の際は常に右のコースへ進むべし
○雪が降るとしばらくは解けない
コース全般で日陰が多く雪が降ると凍りやすく数日間凍結でツルツルになり走れない区間ができる→多摩湖周回コース北側は最も雪が解けにくい区間となり平気で1週間走れなくなる
○台風や雪が降ると倒木の危険あり
台風が到来するとほぼ確実にどこかで倒木の可能性があって道を塞ぐが、管理者がすぐに対応して下さりそれも1日くらい
分岐は常に右へ
2018年1月22日の大雪
こんな雪の日こそランニングに行きたくなってしまう性分だから厄介、童心に帰って大はしゃぎして脚に優しい不整地ランを堪能です。
2020年3月29日 積雪後の倒木状況
雪だるまお目見え
多摩湖自転車道の給水、トイレ、お風呂事情
総距離約22キロに及ぶコース沿道には揃えようと思えば用意できない物はないくらい多彩な店が点在しています。
ですから何キロにも渡って給水とトイレがないなんてことはなく心配無用、もしも緊急を要してもコースからちょっと離れればコンビニはいくらでもあります。ここは軽装で気軽に走りに行ける下地があるのです。
給水とトイレ
起点から10キロまでの沿道には数え切れないほどの公園が点在し、水道水ならば長時間に渡り水を確保できない区間はないと言えます。
ただし多摩湖周回コースまで行くと話は違ってきて、都心部とは明らかに水場とトイレの数が少なくなります。
水場は真夏に重宝
多摩湖自転車道でお風呂ならココ
○お風呂の王様(花小金井店)
○菊水亭
○村山温泉かたくりの湯
ランニング終了後に入浴してさっぱり帰宅するためには、入浴施設は実質この3択になるのではないでしょうか。
これはスタートやゴール地点をどちらに置くかで変わってくるかと思いますが、もしも都心側の起点から終点まで完走するなら菊水亭がベストとなります。
お風呂の王様・花小金井店
最も都心寄りの入浴施設で最寄りは西武新宿線花小金井駅 (1キロ)、駐車場 & ランナー用ロッカーを完備
ランナー用ロッカーあり
菊水亭
都心側の起点から走るならゴールとして最適なのは、西武山口線 (レオライナー) 遊園地西駅徒歩1分、西武多摩湖線多摩湖駅 (500m) で駐車場ありとなります。
ただし日帰り入浴は12:00~19:00(受付18:00まで)の時間なのでそこはご注意下さい。
村山温泉かたくりの湯
※2023年3月31日から休館、再開へ向けて検討中 (2024.10)
多摩湖自転車道の魅力|春夏秋冬
このコースの最大の魅力を自分なりにお伝えするなら、真っ先に挙げたい点は東京都市部を東西に貫通しているにもかかわらず自然が溢れて四季の変化を存分に感じることができることです。
そして季節を問わずこのコース1番のおすすめスポットは、ココしかないとばかりに多摩湖東側の堤防から見える夕日となります。
夕暮れ時になるとどこからともなく日の入りを見るため沢山の人が集まってきます。
一瞬を切り取るためにベストな構図を撮影する人、わいわいと夕日を眺め楽しむ家族、語らいながら寄り添う恋人、そしてたまたまそのタイミングに通りかかった私みたいなランナー、それぞれの人生を彩る多摩湖がそこにあります。
滅多にないのですが運良く晴れて空気が澄んでいると、富士山が遠くにはっきりと見え都内でも屈指の富士山ビューポイントとなります。
2021年1月1日
春
春には沿道に梅や桜が咲き乱れます。
この時期になると真冬は空いていた日中の密度が、花を眺めに徒歩の方々が多くなって道が結構込み合います。それゆえに春の昼間は何気にランナー泣かせの時期となります。
それでもこの季節になると随所に桜のトンネルが出現、ランニングしながら十二分に春を満喫できることができるのです。
春の多摩湖自転車道
また6月には梅雨が訪れると、桜に続いてアジサイが満開を迎えます。その薄紫が実に繊細かつ綺麗で、その脇を闊歩するランニングに花を添えてくれます。
初夏の多摩湖自転車道は走りながら目を楽しませてくれ、否応無く季節感が押し寄せてきます。
沿道に多く植栽されたアジサイ
夏
木々に生い茂った葉がトンネルのように日陰を作ってくれるため、真夏の日差しを浴び続けることはほとんどありません。
そして多摩湖周辺ではひぐらしが甲高い声で鳴き、あちらこちらからウグイスの鳴き声が聞こえてきます。耳を澄ませば生き物の音、まさに多摩湖自転車道は生命に満ち溢れた音で満たされています。
また漏れなく夏の夜ランでは、西武遊園地の花火 (8月の週末、19:45からの20分間) 鑑賞特典が付いてきます。
ここの花火打ち上げはちょっと間延びしていて花火の間隔が長いのですが、ランニング中なら速度を落として飽きずに花火を眺められます。
これだけでも夏の風物詩のためだけに、夕方に多摩湖を訪れる価値があるといえます。
2021年8月
秋
秋は言うまでもなく紅葉の季節、どこを走っても晩秋に色づいた木々を眺めながらの紅葉ランニングとなります。
葉は真っ赤に染まった時期を終えると枝から離れ、コース上にはふかふかの落ち葉が降り積もりクッション性を得て脚への負担軽減となります。
難点なのは雨が降って地面が濡れると落ち葉で滑りやすいこと極まりなく、さらに距離標が落ち葉ですっぽり見えなくなることで距離走には難儀な状況となります。
冬
東京でも凍てつく冬期には沿道に冬枯れの木々が広がり、夏よりも最も大きな違いは何倍も視界が開けて空が見えることです。
冬季は得てして乾燥して空気が澄んでいることから、西に目を向けると雄大な富士山を望むことができます。
また関東でも数年に東京西部は思いもよらぬ大雪となります。そんな時は童心に戻って大はしゃぎが当たり前、雪が積もると興奮するのは私だけでしょうか。
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積もったら新雪を走ろう
2018年1月22日、関東の南を南岸低気圧が通過し、同時に寒気が北から降りてきたことから関東地方は4年ぶりに大雪に見舞われました。 降り始めからの積雪は都心で23cm、足首だってスッポリ埋まり否応なく ...
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これでもランニングコース
多摩湖自転車道あるある
※2021年5月追記
多摩湖自転車道近くに越して来てから7年ちょっと、年間を通してランニングコースとして普段使いしています。
ここからは日常的に走っているからこそわかる生情報、これだけはどうしても伝えたいと思い追記しました。
苔で滑る
都心寄りの起点から10キロ過ぎた先の多摩湖周回コースは、路面が苔で覆われている箇所が散見されてその区間が結構続きます。
路上の緑色の苔はとても滑りやすく、転倒まではいかないまでもスリップする危険性が常にそこにあります。これは特に梅雨期間が顕著となり注意が必要となります。
うっすら緑
緑色が滑る
霧が出る
都心側ではなく西多摩地区の多摩湖周回コースの特徴となるのですが、起点からの距離標にして13〜15キロ付近の多摩湖南西側でよく霧が発生します。
霧発生のメカニズムは色々あるみたいですが、ここ多摩湖では雨が降ったりして湿度が高くなると発生しやすい環境となります。
アライグマに遭遇
狭山公園内にはアライグマが生息していることは何年も前から確認、厄介なことにこれがちょこちょこランニングコース上に現れるのです。
都会にアライグマ?と思うかもしれませんが、現在首都圏では相当数のアライグマが繁殖を増やして問題となっています。
夜間に速いペースで走っている最中のこと、目の前からアライグマが真っ直ぐ自分に向かって突進して来たときは心底ビビりました。しかも寸前まで逃げないし避けないから恐怖でしかありません。
多摩湖周辺では猫に餌付けしている方がいて、その餌をアライグマが食べているのを何度も目撃しています。見た目の可愛らしさに反して凶暴なアライグマですが、多摩湖自転車道周辺のアライグマは人間に慣れているのです。
※初めはタヌキと思っていたのですが、尻尾がしま模様なのでアライグマです
ヒャクトリムシが付く
春から初夏にかけて多摩湖自転車道では虫の動きが活発となり、それは多摩湖周回コースを走り終えると高確率でTシャツに虫が付きます。
帰宅して衣類をチェックすると、愛らしく背中を丸めながら進むヒャクトリムシがどこかで動いています。娘は捕まえて見せる一目散に逃げます。
キャップに付着
ウシガエルが出没
牛蛙
極め付けがコレです。
ランニング中に初めてウシガエルを踏みつけた時は何が起こったかわかりませんでした。厚底シューズを履いていないのにグニュっとした踏み込み、振り返ると動いてるものですから気持ち悪くことこの上ありません。
よく現れる場所は起点から7〜9キロ区間(西武線萩山駅〜東村山中央公園付近)で出没します。現れるタイミングは、春や秋の雨上がりで路面が濡れている環境下、その条件で動きが活発となり時に私たちの目の前にお見えになるようです。
最近では自宅付近にて50メートル内に13匹もいた事案が発生しています。このカエルは決して小さくない部類と付け加えておきます。 (こぶし大)
これで小さい方
ようやく綺麗に撮れた富士山
追記:実はこの記事をエントリーした1年半前からずっとこの機会を伺っていました。
なかなかどうしてタイミングが合わず、快晴であっても湿度が高く霞んでしまって富士山がよく見ないのです。
しかしこの日は夏の真っ只中に吹いたそよ風、それにより空気が澄んでいました。絶好の天気と湿度で富士山を明瞭キャッチしました。
2019年8月5日