今回のおすすめコースは、夏の暑い日差しを避けるためロードではなく、初めての企画として山の方へ行ってみました。
都心からも日帰りできる低山です。直前計画で行っても気楽にこなせる行程ととなっています。
トータル走行距離がトレイルで約28キロ、高低差があるので負荷が高く、ロング走には十分な距離となりました。
面白い建築の高尾山口駅
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関東で定番のトレイルランニングコース
首都圏からのアクセスがとても良く、手軽にトレイルランニングや登山ができるベタですが定番の人気コースとなっています。
そこそこ走力があると自負していたので、トレランに人生初めて挑戦する私でも走破可能かな、ここなら十分楽しめると思い選びました。
しかし、結果的にそれは甘い考えであったと気付くことになるのです。
縦走ルート
高尾山口駅⇄高尾山⇄もみじ台⇄一丁平⇄小仏城山⇄小仏峠⇄景信山⇄明王峠⇄陣馬山
※復路はまき道を多用
※高尾山では往路は1号路、復路は稲荷山コースを利用
個々人の走力にもよると思いますが、走行時間はおおむね3〜5時間となります。上りは歩きメインで進んだり、ピークでの休憩を加味すると、一般的なトータル走行時間は5〜7時間になります。
事前に調べると初心者向きコースであるとのサイト記載が多かったですが、いやいやそんなことありません。
実際のところ、初めてのトレイルランニングとしては考えていた以上にキツいコースでした。
高尾山口駅前の案内図
高尾山
言わずと知れた世界遺産で今や観光地化が進んでいます。休日の日中にもなると、山頂は観光客や登山客でごった返します。
上記写真の1号路を選べば、舗装整備された道路を走れ、加えて寺社仏閣の観光も可能となります。
しかし観光客が多いので思い通りに走れない覚悟は必要です。
今回は早朝6時出発だったのでさすがにハイカーはまばらで、高尾山ゾーンはこれから続くトレランのウォーミングアップには最適となりました。
稲荷山コースは普通に山道なので1号路ほどハイカーはいません。よってランニングが可能なので、走力に寄りますが高尾山頂までは30〜60分での到着となります。
早朝の高尾山1号路
陣馬山
陣馬山(標高855m)は晴れ渡ると、山頂から富士山や相模湾、関東平野の景色が一望できます。今回は曇りで眺望は絶望的、やはり山だけに360度絶景は天候次第の運任せとなります。
山頂には茶屋が3軒(平日は1軒)とトイレがあるので安心感があるのも人気の秘密なのでしょう。
とても開放感があるテラス付きの茶屋です。しばし食事を楽しんだり、横になって体を休め復路に備えることができます。
陣馬山山頂にて
高尾山口⇄陣馬山トレランコースの特徴
今回実際に走ってみて感じた高尾山口から陣馬山山頂コースの特徴を、記憶を辿りながらいくつかピックアップしてみました。
アクセスが良好
都心は新宿駅から西の高尾山口駅まで、私鉄の京王線に乗ること1時間弱で到着が可能です。
明日が休日、どこか走りに行こうと思いつき、ぷらっと行ける利便性の良さがこのコースにはあります。
ハイカーが多い
基本的に歩行者優先はロードでも山も同じなのは言うまでも有りません。
また山の基本的暗黙のルールとして、登り優先や追い越したりすれ違う際はスピードダウンは基本中の基本となっております。
整備された登山道
実際に行ってみるまでは、道幅が狭く荒れた山道だと思っていました。しかしこれでもかと言うくらい全般的に整備された登山道がお出迎いしてくれる嬉しい誤算です。
山道の基本的土地勘がなくても、要所々に標識があるのでここで迷うことはまずないでしょう。
整備された登山道
バリエーションが多彩
この近辺は多くの登山道があるので、どこからでもスタートやエスケープできます。登山計画が思い通り行かなそうな場合は、その日の気分や体調に従い途中でやめたり途中から始めることができます。
陣馬山頂からはJR藤野駅方面へ下山して電車利用が可能であったり、陣馬山山頂から和田峠へ下山してからのバスが利用できます。
茶屋の注意点
それぞれのピークには多数の茶屋があり、食事ができ水分の補給に役立ちます。
しかし今回は茶屋で補給すればいいと思いペットボトルの本数を少なめ(2本)でスタートしました。いくつかの茶屋が開いておらず、水分を買い足すことができなくなりました。
水分が無くなる恐怖に迫らあれ、終盤は常に焦りが募るトレランになってしまいました。もしも陣馬山の茶屋が開いてなかったらと思うと冷や汗ものです。
早朝でまだオープンしていなかったり(城山)、夏休み期間であっても平日は休みになるところが多いので、茶屋の開店状況には注意が必要です。私は初心者であって休憩所は必ずオープンしていると思っていました。景信山に至っては晴天の週末しかオープンしていません。
春先や秋口の比較的涼しく気温が低い時でも、平日にトレランするなら水分、食料は絶対に多めに持参すべきです。
今回を糧に再びこのコースを訪問するのなら、ペットボトル2本の1Lは最低限必携だとお伝えしておきます。
城山にて
トイレ事情
もみじ台、一丁平、城山、明王峠、陣馬山にはそれぞれトイレがあります。つまりは休憩所にペーパー付きのトイレがあるということです。
陣馬山は上下水道施設がありません。ですから手洗いなんかはできず、使用したペーパーは備え付けのゴミ箱へ入れなければなりません。
一丁平には水道の蛇口があり、復路で水分がなくなりかけていた時分、そこが生き返るオアシスとなりました。
複雑に這う木の根と石のガレ場
今回の行程に挑むにあたり、私は普段から使い古したランニングシューズで走りました。
雨上がりは当然のことながら、晴れていてもランシューでは土の上、複雑に這う木の根、大小様々な石がゴロゴロと散乱しているガレ場で滑ったり、何かを踏みつけた際の足裏への衝撃がとても大きくなります。
やはりトレイルラン用のシューズは、凸凹な山を走る以上は必要だと感じます。次回までには購入するつもりでいます。
※実際に購入したのはコチラ↓
捻挫注意!
どうもトレイルでは下りがうまく走れず、集中して足元を気にしていたにもかかわらず木の根とガレ場で何度か足首をひねってしまいました。
こんな風にトレランに慣れていないと捻挫が頻発します。でも下半身脱力で走ると回避しやすいことは経験で知りました。
要は慣れない路面で力を入過ぎて緊張状態、これが一番良くありません。
山頂から山頂へと尾根沿いを進む縦走路
低山なのでここでの滑落事故は起きにくいものですが、尾根という認識は忘れない方が身のためです。右も左も下に向かって谷、と言う状況が結構あります。
また、この縦走コースは全てのピークをまき道で回避できるありがたいコースとなっています。ピーク(山頂)まで上らなくても斜面に沿ったコースで回避できます。
ロッカー事情
高尾山口駅のそばには見渡せば多数のコインロッカーが存在します。
残念ながら到着時間が遅ければ遅いほど埋まってしまいますが、その場合はケーブルカーの駅にて同料金で預かってくれるそうなので心配要らずです。
ここはすぐ埋まる
電波事情
日常生活において、もはや切っても切り離せない携帯電話の電波状況は、山という認識が薄れてしまう程に良好となっています。今(2021年となり)は富士山でも電波状況困ることはありません。
携帯で現在地や天候状況を確認しながらのトレラン、またはSNS関連のコミュニケーション、今はそうゆう時代なのでしょう。
目で楽しむ
春にはもみじ台から一丁平かけて千本桜、秋には一面の紅葉を楽しむことができます。
1年に1回でもいいから旬の季節に訪れてみるのも楽しみの一つです。その時期にまたトレーニングを兼ねて訪れてみようと思います。
混雑回避
高尾山から陣馬山へ向かうほど人は少なくなり、高尾山へ向かうほど混雑してきます。今回は平日ということもあって、どこの休憩所でもトレイルランナー、ハイカーは少なめで、山道渋滞はなく快適に山を楽しむことができました。
これが休日ともなれば、高尾山頂に向かう登山道や各茶屋のベンチや売店の混雑は避けられません。それを避けるための早朝行動をお勧めします。具体的にいうと朝の6時、7時から走り始め、早ければ正午前には戻ってくるのがベストなプランです。
早めに終えてまだ空いている温泉施設でゆっくりし、蕎麦などの食事とお酒をいただく締めが最高です。これを走るモチベーションにして今日を頑張りましょう。
『まき道』について
正直言って私はこの『まき道』という言葉の意味がわかりませんでした。これは登山用語で、一般的に「頂上を避けて山腹をぐるりと周る近道」という意です。
まき道は疲れてきたり、時間的に余裕がないときにピークを登頂しないで済む有効な手段となり得ます。
実際に私は、復路は積極的にピークをまきまきして、高尾山までの下り基調のダウンヒルを満喫しました。逆にまき道を一切使わずに走れば、高負荷トレーニングとなります。
上りでも歩かないと決めて走るだけでトレランは負荷が違うので、高尾山⇄陣馬山はトレーニングのカスタマイズバリエーションが豊富で、自由に個々人が負荷設定できる選択肢の多さが気に入りました。
また、まき道はコース途中で何回か正規ルートとまき道の2つに分かれる箇所があります。最終的には合流するので心配せずにどちらを選択しても同じ道に戻ります。
赤線が分かれている所がまき道
写真右下の高尾山から西へすぐのまき道は、陣馬山に向かう往路では存在に気づきませんでした。
ここは通常コースでは木製階段の上りと下りが長く結構な疲労となります。それを復路で全て回避しちゃった痕跡がガーミンに残っていました。その後の城山、景信山も復路ではまき道利用でした。
累計標高(高尾山口⇄陣馬山)
この日の累計標高は2453mでした。
登山をしたのが富士山と遠足程度くらいしかないド素人なので、TATTAの記録を見てもピンときませんでした。
冷静に考えると上りだけで2453mあったとするなら、それと同等の山に登ったことになるので、少なくとも初心者にはこのコースはキツいトレランコースと言えます。
上の写真では、城山と陣馬山山頂にてガーミンをON状態で休憩したので、ピークにてデータは水平基調になってしまってます。
陣馬山頂が上図の半分より右側に位置し、真ん中ではないことは後半飛ばして所要時間が短い証です。
お風呂事情
京王線高尾山口駅のそばに天然温泉の日帰り施設「極楽湯」が2015年に完成しました。
当然のことながら、トレラン後や登山後にはお風呂で汗を流したくなるので大人気施設となっております。
平日でも時間帯によっては混雑していて、休日には入場規制さえあるようです。やはり早朝から走って、早めに切り上げる利用がおすすめと言えます。
※近くにあった「高尾の湯ふろッぴィ」は2018年3月で閉館
初トレランの代償と爽快感
トレラン翌日から3日間、お尻周りと大腿部の強烈な筋肉痛に襲われました。この夏も精力的に走り込んでいたのにも関わらず、ポイント練習復帰に6日を要しました。
そもそも登山で使う筋肉とランニングで使う筋肉は、使う場所もかかる強度もかなり違うものでると今回痛みで実感しました。これだけ目一杯楽しんだ後に、極上の痛みが待機している覚悟はしておいた方が身のためです。
また、初トレイルランニングをしてみて多くの気づきがありました。ロードと明らかに違うのは、転倒しないよう気が張り続けていることです。気を緩めたら転倒の危機、よって緊張感の連続となります。
進行方向の路面状態を瞬時に察知しなくてはならなりません。特に下りでは木の根が張り出た隙間に想定通りにうまく着地し、リズミカルに走ることを意識、その想定が上手くいった時は実にエキサイティングで楽しい気持ちになります。
何事も初挑戦には勇気が要ります。今回は初めてのトレランを、真夏は平地が暑いから山を走ってみようか、という好奇心が背中を押してくれました。今後どんなに歳を重ねても好奇心だけは失いたくないと思います。
最後に、せっかくだから高尾山名物の自然薯蕎麦を堪能して帰宅の途に着こうではありませんか。
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