突然ですが我が家は今年の夏どこにも行ってません。
JKの娘は部活動に精力的に参加、親は連日の猛暑日により即興的な旅行を避けていました。そのため家で大人しく高校野球観戦と深夜のオリンピックがこの夏の楽しみでした。
その両方が閉幕し夏も終盤に差し掛かった8月中旬、家族会議にて旅行案が浮上し、福井や飛騨高山が有力候補に上がるものの最終的には平泉から松島、山形の山寺に落ち着いたのです。
テーマを持って四寺廻廊を巡る観光は、江戸時代に芭蕉が辿った道と重なり、僭越ながら我がブログ根底に流れる旅に通ずるものとなりました。
四寺廻廊とは
慈覚大師円仁が9世紀に建てた四つのお寺 (中尊寺、毛越寺、瑞巌寺、立石寺) を聖地として巡ること。ここを旅した松尾芭蕉は「奥の細道」を記した。
「五月雨の降り残してや光堂」
(中尊寺金色堂にて)
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今年も旅先でランニング
過去には京都、奈良、名古屋、福岡へ観光旅行のついでにランニングやトレラン、そして昨年は大津にてびわこマラソンコースを辿って琵琶湖沿いを早朝ランニングしました。
今年は四寺廻廊のため一泊を一関インター近くのホテルとし、移動初日の疲れをお酒で濁して早々に就寝、早朝4寺半起床後にあの場所へ行く計画を立てました。
芭蕉の影を追っかける旅行
一関国際ハーフマラソン大会
一関と言えばやはり平泉の中尊寺金色堂、・・ではなくて一関国際ハーフマラソン大会が真っ先に浮かぶのがランナーです。
参加したのは今から6年前の2018年、秋のハーフマラソン東北3連戦と題して一関、会津、天童を走りました。
一関で記憶に残っているのはレース中のたまらない暑さとレース後のアイス配布です。
快晴で容赦なく照りつける太陽、そんな中大きな橋の近くに気温計があり、それが「29℃」を示していたのをハッキリと覚えています。
「夏草や兵どもが夢の後」
(毛越寺にて)
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あの橋を目指して
足跡が早朝ランニングしたコース
(公式HPから加工)
橋へ向かうと言っても渡るのに数回 (数年) を要したレインボーブリッジとは違い、遠方という性質上1回限りの完結ランニングとなります。
せっかくの一関なので当時29℃を確認し悶絶した一級河川の北上川まで走り、正式名称が柵ノ瀬橋と言う橋を折り返してホテルに戻ってくるコースとしました。
東北新幹線、田んぼのど真ん中、一直線、そんな壮観な建造物が目立つコースを6年ぶりに堪能し朝からテンション高めです。朝の静けさの中進むと折り返し地点の橋が見えてきました。
柵ノ瀬橋
6年前にこの道をハーフで走ったはずなのにこの光景は全く覚えていません。
それだけ暑さにやられていたのと、復路では脚攣りが酷くてスピードダウンを余儀なくされ、暑さと苦痛の象徴であった気温計以外記憶にありませんでした。
そしてようやくその気温計が見えてきました。
あの日29℃、この日26℃、そんなに変わらん暑さ
この後は自然とペースが上がり、26℃ですからランパンから汗を垂らしてホテルに帰還、シャワーを浴びて朝食をしこたま食ってから松島観光へ向かいました。
北上川
非日常はやはり良い
普段全くやらない早朝ランニングで身も心も満たされた後、東北自動車道を南下し3つ目の瑞巌寺がある松島を目指します。
「松島や、ああ松島や、松島や」
これは芭蕉弟子の句
政宗ゆかりの瑞巌寺を訪問しおあつらえむきに牛タンを食した後は山形の山寺へ、高速道路を捕まらない程度にすっ飛ばして90分程で到着です。
東北内陸でも高速道路の整備が知らぬ間に進み、縦も横も移動が以前に比べて格段に容易になっています。
日頃の溜まった煩悩を消す
奥の院まで総数1000段
この日山形は35℃以上の猛暑日で階段は過酷を極め、老若男女全ての観光客が滝汗で衣類を濡らし奥の院を目指していました。
真夏の景色に蝉が終始ギャンギャン鳴いていては、嫌が上にも旅の風情を盛り上げてくれます。
「閑さや岩にしみ入る蝉の声」
(立石寺にて)
富士登山競走では凡人でしたが、ここでは一般の方と比べたらまだまだ上です。
坂や階段ではピッチ走法にて走りたくなる衝動に駆られペースアップ、家族の不評を買うので周りの歩調に合わせなんとかゆっくり進みました。
そんな観光地での汗臭い夏の一コマ、一関の早朝ランニングから始まった日は充実の1日となりました。
旅先にも趣味がある風景が私はやっぱり好きです。
立石寺五大堂から
四寺の御朱印をコンプリート
(他記念品がもらえる)