まずは購入に至った経緯からとなります。
フルマラソン勝負シューズはアシックスMETASPEED EDGE+で揺るぎない現在なのですが、その2軍に位置するズームフライ4がかなりヘタって来たのでその代替えシューズを探していました。
もちろんズームフライのようにフルマラソンから速めペースのポイント練習用まで使用できる前提なのですが、まずは信頼のアシックスに的を絞ってネット調査すると、とにかく非常に評価が高くお手頃価格のシューズを見つけました。
それが2023年9月に発売されたMAGIC SPEED3です。ここ数ヶ月様々なペースで走ってみた感想を、以下の6つの要点でまとめてみました。
MAGIC SPEED3
- 1. コスパが良い
- 2. アシックスグリップは最強
- 3. 着地音が大きい
- 4. 着地衝撃が大きい
- 5. 最適なペースは?キロ4分台
- 6. レスポンスが遅い
購入に悩んでいる方の判断材料になれば良いのですが、いかんせんランニングシューズのレビュー記事は記述者の走力に依存します。
今回は辛口評価多めとなりましたが、これがMAGIC SPEED3の絶対評価ではありません。あくまでもサブ3.5レベルの筆者の私感であることをご承知おき下さい。
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ASICS MAGIC SPEED3 評
MAGIC SPEED3は足幅が狭いということなので、甲がだんびろな私は迷わずWIDEを選択しました。
モーションラップアッパーによる締め付け作用と、踵のホールド感にプラスしてWIDEサイズゆえ前足部の安定性を確かに感じます。
足幅が広めなランナーなら普段サイズでWIDEを選んで問題ないと思います。
MAGIC SPEED3
- 1. コスパが良い
- 2.改めて アシックスグリップは最強
- 3. 着地音が大きい
- 4. 着地衝撃が大きい
- 5. 最適なペースは?キロ4分台
- 6. レスポンスが遅い
1. コスパが良い
高価なランニングシューズの購入に躊躇してしまう今般、そんな中でフルレングスカーボン搭載で定価¥16,500 (税込)が魅力的です。
このシューズを選んだ最大の理由がコレ、安さは購入の決め手となります。
個人差はあるもののその性能の効果を考慮すると、カーボンシューズの入門としてコスパは最強レベルです。
公式HPにてポイント利用でさらに安く購入
2. 改めてアシックスグリップは最強
すでに購入済みの2足 (METASPEED EDGE+、Trabuco Max2) にてその実力は体験済みです。
だからコレだけは言わせて下さい。ASICSGRIP (アシックスグリップ) は最強を誇り、濡れた路面でのグリップ力が特筆ものです。
例えば日常でよくあるシーン、梅雨時など晴れ間を狙ったランニングにて期待に十二分に応えてくれます。
雨上がりの濡れた路面なんかで速めペースで走っても、アウトソールが路面に吸い付き滑ることはありません。グリップに関して少なくともナイキより上と言えます。
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ASICSGRIP、この形状が良いのだろう
注:他スペック云々は他サイトに譲ります。詳しいスペックは公式HPで確認してください。
3. 着地音が大きい
使用感ありのEDGE+と似ているアウトソール
ご覧の通りMETASPEED EDGE+ (左)とMAGIC SPEED3は同じようなアウトソール形状です。でも走っていて違和感あり、MAGIC SPEED3は着地音が結構な大きさなのです。
パサッパサッパサッパサッと乾いた音が大きく、前方を歩くご婦人方は早い段階で後ろから迫る私の存在に気付いて道を開けてくれます。
これは予測するにMAGIC SPEED3の中足部がえぐられカーボンが剥き出し (上の写真) の窪みとなっていることか、METASPEEDのミッドソール素材FF BLAST TURBOが吸収・反発性能が高いことが原因ではないかと思っています。
METASPEED EDGE+
MAGIC SPEED3
両方28.5cmの同サイズ、
着地音は重さが原因ではない
4. 着地衝撃が大きい
他のサイトではクッション性が高いとの評価が散見されたのですが、私個人はっきりと接地時にソールの薄さを感じました。つまりアスファルトとの衝撃が大きめということです。
METASPEED EDGE+のレビューでも、履きこなすにはある程度脚を強化しないとフルマラソンに対応できないと評したのですが、MAGIC SPEED3はそれ以上に脚へのダメージが大きいです。
速いペースで走っているとハーフくらいでかなりの疲労感を感じました。
ミッドソール青と白の境目にカーボンプレート、
前足部は地面と近い
5. 最適なペースは?キロ4分台から
購入してこれまでさまざまなペースで走ってみました。
まずキロ6分を超えるようなペースでは絶望的にこのシューズは使えなく、ゆっくりジョギングペースでは反発を得られずカーボンプレートの存在自体感じられないのです。
遅いジョグに最適なシューズは世の中に沢山あります。他を当たりましょう。
推進力を得られていると感じ始めたのはキロ4分台に突入してからでした。4分台からカーボンを感じてテンポよく走れたことにより、フルマラソンでサブ3.5 (キロペース4:59) を狙うランナー向きと言えます。
対してサブ3 (キロペース4:16) 位まで上げてペース維持をすることは、スピード感に欠けるこのシューズでは相当キツいと感じました。
でもMETASPEED EDGE+ならキロ4:16を出すこと自体 (短い距離で) は容易、走力的に15Km位までなら維持できますが、MAGIC SPEED3を履いてこのペースでは10kmさえ持つイメージが湧きません。
個人差があることを念頭に置いてもらいつつ、MAGIC SPEED3の最適ペースはサブ3.15以下〜3.5以上、つまりキロ4:37〜4:59のペースで走ることに向いたシューズだと思います。
どちらも用途別に履き分ける必要あり
6. レスポンスが遅い
キロ4分台までカーボンを感じさせない不思議な仕上がりを抜きにしても、ナイキのカーボンシューズやMETASPEEDと比べ反発性が低く出力に対してレスポンスが遅い点が不満です。
上の内容と被るのですが同じような強度のポイント練習をするズームフライ4やMETASPEED EDGE+と同じペースまでもっていくまでの出力が大きく、それだけで疲労が大きく蓄積されていきます。
ズームフライ4やMETASPEED EDGE+は接地からの反発がとても早く、楽に設定ペースまで上げることができます。これはミッドソールとカーボンプレートの性能差が影響していると思われます。
ただしこの反発性の低さによる疲労度を逆手にとり、ある程度速いペース走にて地脚強化に勤めるには最適のシューズとなります。
FF BLAST+ < FF BLAST TURBO (METASPEED EDGE+)
まとめ:結果的にMETASPEED EDGE+の良さが際立つ
今回ご紹介したMAGIC SPEED3はナイキのベイパーフライとズームフライの関係のように、METASPEED SKY+やEDGE+の廉価版ではないとまずはお伝えしておきます。
別物で単体の異系統と感じてしまうほどMETASPEEDシリーズとは異なります。
そしてMAGIC SPEED3のレビュー記事にも関わらず、METASPEED EDGE+の優位性が際立ってしまうオチありの結果となってしまいました。
1万円高いMETASPEEDは資金的余裕があればもう一足欲しいと心底思うのですが、残念ながらMAGIC SPEED3にはそういった感情は湧いてきません。
アシックスのランニングシューズは走行感の第1印象はイマイチなのですが、紐の微調整を繰り返したり数ヶ月履き込んでフィット感を高め馴染むことにより、スルメのように噛むほどに味が出てくる評価になりやすいと思っています。
今回は結構な辛口となりました。でもだからと言ってMAGIC SPEED3の購入を避けるべきという内容ではありません。
個人的には今後ポイント練習で履き倒した後、速めのEペース走で履き潰したいと思います。その時の使用感をまた追記したいと思います。
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