今になって振り返ると2022年の東京マラソン2021※は手荷物預けなし、というコロナ下にあって特異な条件下で開催されました。
つまりこれはスタート会場にて行う諸々の最終準備をあらかじめ済ませ、スタートするだけの格好で各自会場へ向かうことを意味します。
都庁前で手荷物を預かってくれる応援者がいなければ、自宅や宿泊先から防寒してスタート会場に向かわなければなりません。これは真冬の低気温下において非常に頭を悩ませる問題でした。
そこで試行錯誤の末、真冬であっても最低2時間は寒さをしのげる防寒具の組み合わせを見つけました。私の体験談がお役に立てれば幸い、ぜひとも真冬のマラソン大会の参考にして下さい。
こんなランナーにおすすめ
- 東京マラソンみたく手荷物預けなしの大会に参加するランナー
- 冬の防寒対策に万全を期したいランナー
- 出来るだけ軽装で防寒したいランナー
※東京マラソン2021は2022年へ延期されたことで2021が付く
スポンサーリンク
エマージェンシーシート+αの防寒具、この組み合わせでOK
以前の記事おいてもスタート前の防寒グッズとして、ホットジェル、手袋、カイロなどを挙げたのですが、今回は身軽であること、スタート前後に捨てられること、しばらく持って走ってもストレスにならないことを前提条件とし厳選しました。
1. エマージェンシーシート※
2. 100均雨カッパ
3. 貼るカイロ
結論を先に言ってしまうと、この3品コンボでフルマラソンスタート前の防寒は事足ります。断言しちゃってますが個々人で感じ方は異なるので言い換えると、これで防寒の不安がなくなるランナーがほとんどです。
真冬のフルマラソンスタート時間、大抵の午前9時台の想定気温は大概3〜9℃くらいです。ですからこのくらいの気温下で寒さに耐えうる装備となります。
※エマージェンシーシートは別名で、「防寒シート」「サバイバルシート」「レスキューシート」「アルミブランケット」
エマージェンシーシートは救助グッズ
東京マラソン2021当日は朝6:30に秋葉原のホテルを出てスタート会場へ向かいました。よって、号砲が鳴るスタート時刻まで実に2時間以上防寒する必要 (電車移動は暖房あり) がありました。
エマージェンシーシートは今や防災グッズとして広く知られ、山岳救助シーンが流れるとアルミ箔のようなもので遭難者を包む場面を一度は目にしたことがあると思います。
そしてこの日の最低気温は5℃、しかもスタート会場ではビル風が西から強く吹いていた日です。
体を冷やさない防寒の基本は保温ですが、その点防水や防風に優れたアルミシートは、緊急のブランケットとしてあらゆる場面で高機能性を発揮しました。
感じないくらいに身軽で、自らの体温で保温し暖かい
アルミ (箔) のイメージはとにかく軽くて薄いことが真っ先に思い浮かびます。身につけた際にその軽さはランニングのストレスとならないため、それだけでデメリットにはなりづらいと感じます。
アルミ自体は銀色の反射板素地となっており、自らが発する体温を反射することでアルミ内の空気層が暖かくなります。
これをダウンジャケットに例えると、大げさに言って超薄手のダウンを身に纏っている感覚となるから不思議なものです。
その時の参加賞を、2024年はが路ふれあいマラソンで腹巻として使用
マラソンスタート前後に気兼ねなく廃棄できる
ネット購入で値段は1000円くらい、勝負レースの消耗品と考えれば捨てることにためらいはありません。
でもでも捨て方にはスマートさを心掛け、スタート前にごみ収集のボランティアに渡したり、スタート後に沿道でゴミ袋を持つボランティアまで携帯して走り廃棄しましょう。
ゴミ回収がない場合は少なくとも最初のエイドまで持って走るモラルは持ち合わせておきたいと思います。
2023年大阪マラソンでも自作
持って走ってストレスにならない
スタート直前に沿道に防寒具を廃棄する光景は、もはやフルマラソンスタート前の定番光景となっています。
2022年開催の東京マラソンも例に漏れず、コース脇の植え込みは防寒具のゴミ箱と化してました。
そんな中で私が印象深かったのは並走したランナーが自ら用意した巾着袋に脱いだ防寒具をコンパクトにしまい、それを肩に掛けて背負って苦にもせず颯爽とスタートしたことです。
ゴミを出さないという意志表示は、ゴミを出さない=他人に迷惑を掛けない現れで、これは人任せからの脱却を意味します。またそれは主体的に生きることにつながる行動だと思います。
マラソン大会の防寒として認知度が上がっている
東京マラソン2019では、このエマージェンシーシートがゴール後に配布されたことで、かろうじてあの冷たい雨のレース後に生き延びることができました。
今回それを使い切ったと思ったら、ゴール後に再びエマージェンシーシートが配布されたことがありがたく、実益となる参加賞を選定した東京マラソンの運営に感謝したいです。
エマージェンシーシートは東京マラソンが認める防寒具で、スタート前にできる防寒の最適解の一つと言って良いと思います。
実際に2022年東京マラソン当日朝の都庁前、多くのランナーがエマージェンシーシートを身にまとって防寒をしている姿を目にしました。
2019年極寒の東京マラソン
それでは詳しい工作タイム(加工例)
それでは具体的に長方形 (正方形) で売られているエマージェーシシートを、簡易的ではありますが身に付けられる形に加工してみましょう。
用意するものはエマージェンシーシート1枚 (写真は東京マラソン2019のゴール後配布のもの) と裁断するハサミのみです。
チョキチョキするだけ
基本的に身体を包みこみ保温するので、肩幅よりも大きめのサイズで採寸し作成します。
ハサミで余剰分をカットして余った部分 (上の写真右側) は、寒いスタート前に万全を期すためマフラーにも腹巻き代わりにもなります。
スタート前から超極寒だった別部大分毎日マラソン2018では、細長く切ったものをマフラー代わりに首に巻いて防寒に成功しています。
首や腹に巻いてスタートすれば、最初のエイドまでに保温された空気は、発汗による発熱でさらに高温になり十分に身体は温まっているはずです。
作成のコツは首を通す穴の幅を首スレスレにカットする事です。こうすることですき間風の侵入を最小限に防ぎ、身体とアルミの空気層を冷やさず保温効果が高められます。
首幅が定まらず小さめに作ってしまい、首を通すと簡単に破れてしまいました。宿泊先へセロテープを持参するはずもなく、もったいないと思いつつテーピングで補強しました。
ホテルの姿見にて
誰もが羨む天下の東京マラソン前夜に、ひとりだけの秋葉原のホテル、なんだか右手のポーズがエモい感じですがハサミの切り口が雑になっても、こんな見た目となれば完成形としては十分です。
ここは暖房がとても効いた部屋、上半身裸で被っただけなのにジワっと汗が出てくるくらい保温効果を実感できました。
装備3品で防寒、日差しがあれば最強
取り敢えずエマージェンシーシートの弱点についても述べたておきたいと思います。デメリットとも言えるのですがそれはただ一つ、シャカシャカ音が非常に大きいことです。
この格好で行動しているとアルミが擦れる音でシャカシャカシャカシャカととにかくうるさいのです。これに気付いてからは遠慮気味に小さめな動きに徹し、移動の電車内とスタート前待機は極力動かずジッとしていました。
首、お腹、腰に貼るカイロを、手には普通のカイロを握って、エマージェンシーシートをランニングウェアの上から被り、最後に100均雨合羽を羽織ることで防寒具が完璧に仕上がりました。
これは東京マラソン当日ホテル出発時に撮影したものですが、改めて見ると東京マラソン柄のシートが下から薄ら見え、ファッション性さえ兼ね備え実に完成度が高い作品となりました。
部屋を出てこのまんまの格好で移動、スタート時刻まで待機して防寒、これが全く寒くないとは言わないまでも、自身とカイロの熱のダブル保温効果でブルブル震えることはありませんでした。
ただ余談となりますが、身に付けている防寒具より太陽光万歳、朝日という陽射しが1番の防寒具だったことも付け加えておきます。