2019年から積極的に購入してきたNIKE厚底シューズ、そんな相棒に飽きが募り浮気心が芽生えたのは昨年おかやまマラソン (2022年) を走り終えた辺りからでした。
マラソン大会をいくつか走ると、長らく続いたナイキ一辺倒時代は終わったと実感します。昨年のおかやまマラソンとみえ松阪マラソンのスタート前、周りのランナーの足元を見渡すと、アシックス勢力が2割超まで拡大していると感じました。
最近のシューズは高価なので1シーズンに1足を基本に、フルマラソンのレース用シューズを購入してきた時分。そろそろ購入したいと思い始めた秋に、夏に試し履きをしたあの日からずっと気になっていたメタスピードシリーズの購入を決めました。
こんなランナーにおすすめ
- NIKE以外のシューズを試したいランナー
- 最近よく見かけるASICSの厚底ってどうなの?って思っているランナー
- 新たなレース用シューズを検討しているランナー
- 廉価版ではなく最高スペックのシューズが欲しいランナー
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メタスピードエッジプラスを履いて感じたこと
2022年6月に現行版である第2世代が発売され、それを同年11月に購入するに至ります。
その際私サイズの28.5cmが中々手に入らなく、丸の内のアシックス専門店にてようやく一足発見し取り置きしてもらいました。
メタスピードスカイプラスは十分に在庫が足りているのですが、エッジの方は需要過多で供給が追い付いていないようでした。
そんなエッジプラスの諸先輩方のレビュー記事はネット上にすでに多々あるので、私はサブ3.5付近の実力を持つランナーが履いてみた実感をお届けしてみたいと思います。
ギザギザ加工で解けにくいシューレース
とにかく高価
定価は泣く子も一瞬で黙る27,500円です。これはちょっと前 (4、5年前) ならば、レース用シューズが余裕で2足購入できる額となります。
インフレ懸念が漂い始めて数年、アシックスがナイキに対抗するために、最新の技術を惜しみなく注ぎ込んだハイスペックシューズですからこの価格に文句は言えません。
ただここまで高額だとレースシューズとして使用することは当たり前、時たま行うポイント練習でさえも履くことに躊躇します。
カーボンをヘタらせたくない
少しでも安く購入する方法は他あるにはあります。アシックスの株主優待券を利用 (2割引き程) したり、楽天市場やAmazonが開催するセール時に購入する手段が考えられます。
それはさておきデメリットを早々と挙げるならば、このシューズは気兼ねなく使い倒すことができないシューズとなります。
とにかく軽い
丸の内は東京マラソンのゴール直前
購入後の第一印象はエッジプラスはとにかく軽い一色となりました。
平日の夕方わざわざ都心まで出向いて無事購入できた安堵から、ちょっと休憩するため東京マラソンコース脇のベンチ (ここを走ったと感慨に耽る) でひと休みとしました。
ベンチに座って一息つくと頭をよぎるのは、このシューズならベスト記録を達成できる気になってしまうからランバカはタチが悪いです。実際はそんな簡単であろうはずはなく、今後も必要なのはやっぱり日々の練習の積み重ねという結論に達します。
写真の手提げ袋を持っただけでもとにかく軽いのですが、本当にここに商品が入っているのか疑わしいレベル (空箱じゃないよね) の重量となります。
我が家に泊まりに来た普段1mmさえも走らない兄が放った一言が象徴的でした。
「なに軽っ!」
持っただけでわかるこの軽さは、フルマラソンでは強力な武器となります。
重さ比較
テンポネクスト
28.5cm
280g
メタスピードエッジプラス
28.5cm
225g
どれだけこのシューズが軽いかは、同サイズの他社製品と比べれば一目瞭然となります。
おかやまで履いた (写真と色違いの) テンポネクストより同サイズで55gも軽いのですから、フルマラソンを走ったら確実に何らかの影響がある数値と言えます。
ただしタフなコースであったみえ松阪マラソンではそこまでのメリットを感じ得なかったことは残念、翌年の平坦コースの大阪マラソンではベスト記録には至らずも、終始フラットな感触を持続し良い感触で走り切りました。
第一印象
購入直後の走り初め第一印象は、えっ何コレ?でした。
それはいい意味で驚いたのではなく、全くスピードに乗れなくてこれは買って損したかもと思った内容からでした。購入して後悔するには高価過ぎるシューズですから、すぐに受け入れる事ができませんでした。
後に靴紐を緩めに縛って走り出したことを思い出し、僅か1キロ走った場所で立ち止まり靴紐を結び直して、しっかり足にフィットさせてから再スタートを切りました。
すると水を得た魚のようにどんどんピッチが上がって、これでもかとスピードに乗ってくるではありませんか。
とにかくピッチが上がる特殊なシューズ
メタスピードエッジプラスはテクノロジー的には、シューズ自体つま先の方が薄くそのドロップ※が8mmあり前方へ重心移動しやすく、脚がよく転がって自然と前傾フォアフット走法となりピッチを刻みやすいロッカー構造のシューズです。
ランニングエコノミーを重要視するランナーにとって、楽に速く走るために小さな出力で前進できるシューズとしてこのエッジプラスは十二分に応えてくれます。
※つま先と踵の厚みの差
とにかく滑らない
高いグリップ性能と耐久性を持つ
アウトソールに採用された「ASICSGRIP」、このシューズを履いて感じた特徴のひとつに、グリップ力が他メーカーと比べてレベルが一つ違うということです。
これは以前から履いているナイキと比べ圧倒的で、雨で濡れた路面で全く滑らない、かつソールの減りが遅く耐久性が高い点が好評です。
雨のおかやまマラソンでのNIKEテンポネクストのスリッピー感の不安定感、それがエッジプラスには微塵もなくてウェット路面で安心して走れるシューズです。
普段のポイント練習やマラソン大会においては、シューズが持つグリップ力は走り方を左右する大きな要素になり得ます。それを全く気にせず走れる利点は大きいものです。
厚底全盛期以前の薄底シューズでは、各メーカーはアウトソールにポッチ (突起物) が並べられていました。そのポッチが吸盤のごとくアスファルトをしっかり掴んでグリップしていたイメージだったのですが、それが帰ってきた感じをエッジプラスを履いて思い出しました。
見た目に違わずグリップ力高いソール
フィット感 (サイズ感)
「モーションラップアッパー」なる素材が効いているのか、履いたフィット感は優しく包み込んですこぶる良い仕上がりです。
しかしアッパー素材はどのメーカーも似たり寄ったりで、フィット感や通気性に関してはどこのメーカーでも申し分なく、ここに他社との優位性を感じることはありませんでした。
またサイズ感はアッパーが伸縮する素材ということで、幅広の私でもフルを走って足の甲周りやつま先周りが狭いとは感じませんでした。
サイズはひとつ小さめ(0.5cm)でも良さそうですが、私は他のシューズと同じサイズを選んで全く問題ありませんでした。
硬めクッション
このシューズを履いてみて1番にお伝えしたいことと言えば、ピッチが異常に上がることは上述した通りでもうひとつは接地感、つまりクッション性に関してフワフワ感満載のナイキと比べてかなり硬めと感じる点です。
クッションやアウトソールから受ける脚への衝撃は、先日のみえ松坂マラソンを走ってみて、レース後半に掛けてジワジワとその硬さが脚に効いてくる印象を受けました。
フル後半に感じた脚の疲労感は、おかやまで履いたテンポネクストより顕著でした。よってピッチの速さと疲労度のトレードオフが有るのなら、脚に対してそれ相応の持久力が要求されます。
30キロ以上のロング走をフル前に数回行い、42キロに耐え得る脚を作っておく必要があります。
またカーボンプレートに関しては、NIKEがプレートを潰して走るイメージなら、ASICSは硬いプレートに乗って走るイメージと言えます。
ナイキの厚底みたく一歩々クッションを踏み込んで反発させるのとは違う走行感で、硬いプレートに乗って脚を動かし安定感ある走りが期待できます。
幅広い走力のランナー向け
ASICSのメタシリーズを選択する際に、ストライド型の「メタスピードスカイ」か、ピッチ型の「メタスピード エッジ」の2択の選択を迫られる場面があります。
でも私がエッジプラスを選んだ個人的な見解では、スカイプラスはサブ3以上のトップランナーが履きこなすもので、エッジプラスはトップランナーから市民ランナーまで幅広くサポートしてくれるシューズと認識しました。
脚が勝手に転がって進むのでトップ選手並みのズバ抜けた走行技術は必要なく、ピッチ走法で適度な反発を受けながら淡々と走ることとなります。よって私のようなサブ3.5からサブ4レベルのランナーが履いてもレースシューズとして十分使えるものだと判断します。
繰り返しとなりますが、これだけ高額なシューズですから購入には失敗したくないランナー心理が働きます。ですから以前話したように試し履きをするならアシックスストア丸の内店にて、皇居ランとセットで行うと後悔はなくなるでしょう。
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エッジプラスはNIKEとは別路線で真っ向勝負するASICSの本気度満載のシューズ、試してみればわかる脚が転がりやすくピッチ走法で楽に長く走れるシューズです。
ぜひとも1度手に取って走ってみて下さい。おすすめです。