2020年2月京都は西京極競技場、8年ぶりに再び同じスタートラインに並びました。
「気温11℃、これは歴代3番目に高いです」とのアナウンス、気温高めで雨が降る中でのレースは個人的には昨秋と同じ条件です。
今冬は暖冬が続いていたがゆえ、この低温の中でフルマラソンを走れるのは今期は京都だけかもとの思いでした。
2011年震災の犠牲者へ黙祷、これは震災復興により京都マラソンが始まったことに由来しています。15000人の静けさの中で緊張感はピークを迎えました。
スポンサーリンク
この記事は私自身が京都マラソン2020を走り、その中で特に印象深かったポイントを独断と偏見でまとめたものです。
仁和寺お坊さんは、京都マラソンの一部と化した
京都マラソンの創設当時にコースを作る際、確か他のお寺が反対したのでコースが変更されたと聞いております。
しかし仁和寺は反対などせずコース上に鎮座、今では京都マラソンに切っても切れない別格な存在感を確立しました。
お坊さんが並んで
ランナーへ大きな声援を送る
全国各地色々な大会に参加して来ましたが、お坊さんによるインパクト最強の応援はここ京都マラソンだけです。
2021年コロナ禍、
Go Toで再び訪れる
ゴール後に舞妓さんと一緒に写真サービス
ゴール後更衣室へ移動すると、”舞子さんと記念撮影” ブースがありました。若く可愛らしい舞妓さんが3人、そこに並ぶ42キロ走った後の汗臭いランナーたち。
普段はこういったものに全く興味を示さずスルーするのですが、「ここでしかできない体験はしておけ」との心の声が聞こえ列に並び撮影に挑みました。無料なら (エントリー代に計上?) こういうサービスは参加すべきと思います。
数えきれないくらい大会に参加している割に、オールスポーツなどの有料写真サービスを購入したことはたった1度しかありません。
最酷評だったあの新東名マラソンに参加し、富士山をバックに走る構図が気に入り購入したものですが、大会が消滅しているので今となってはプレミアムです。
京都マラソンが雨、河川敷コースが大変なことに
何と言っても今回の京都マラソンは雨模様、河川敷コースがドロドロ状態で衝撃的なものとなりました。
フルマラソンですからトレランシューズを履くわけではなく、レース本番シューズは泥道で足を取られ滑ること滑ること。
水溜りを避けたりぬかるんで滑ったりするうえに、走路が狭くランナー同士の接触リスクがかなり高かった場所です。サブ4辺りからのボリュームゾーンでは大変だったことでしょう。
2023年大会、河川敷は舗装走路となりました
今までは好天で行われていた
2月開催の京都で雨が降ることはほとんどなく、今まで深刻化することはありませんでした。それが今回は降雨でコース悪化が表面化してしまったのです。
冬の京都マラソンにおいて、スタート前から雨に降られたのが初めてとのことだから仕方ありません。
ただ個人的に泥んこマラソンは、バランスを取りながら走るのがエキサイティングで、それはそれで楽しくてしっかり記憶に刻まれた大会でした。
河川敷コースは実はずっと下り基調
帰宅後にGPSウォッチが記録したラップをチェックしてみると、河川敷区間 (3~4キロ) はキロ当たり10秒前後のロスで走れていました。
これにはちょっとビックリです。でも29〜33キロ付近のコース高低図を見れば、なるほどと謎が解けました。
公式HPより
河川敷コースは北から南へ、鴨川沿いを川下へ進むのでずっと下り基調なのです。ですからこの河川敷コースは基本スピードに乗りやすいのです。
ですから大会当日に晴れれば、砂が混じる走路であっても快走が期待できます。
河川敷で脚が疲弊した
ようやくドロドロの河川敷が終わりアスファルトのロードに戻ったのですが、ここで明らかにスピードが落ち疲労感を相当感じました。それはそこそこ脚を使った証拠でした。
土のコースは相当ぬかるんでいて泥跳ねがすごい状態、ランナーの背面は蹴り上げたためみんな泥だらけでした。
そんな中で転ばないよう、足をくじかないよう集中して走ったので、アップダウンより脚が削られスタミナを消耗した模様です。
途中、看板に「河川敷あと2km」との表示、これは「あと2km我慢してね」の意だったのかもしれません。
2023年大会、河川敷は舗装走路となりました
泥の河川敷から再び舗装路へ出る地点
(翌日撮影)
泥んこの土コースで不整地ランが生きた
12月に足をくじいて以降の不整地ランニングが、再びレース中にくじかないよう注意深く走ることに役立ち、泥んこ河川敷コースは集中力が増しました。
まさかの療養ランニングが、京都マラソン本番で生きるとは思いもよらない体験となりました。
ピッチを早めて地面との接触を最小限に抑える走法は、泥んこでスリッピーな走路に効果テキメンでした。足が滑る前に次の一歩を踏み出す感じとなります。
河川敷コースが設定されているのは、観光都市ならではの理由
観光都市京都で開催される都市型マラソン大会なので、どうしても川沿い河川敷という名の裏道を通らざる得ない事情があります。
幹線道路の交通規制を最小限にするために、最短距離で南下する河川敷コースは欠かせないないのです。
ただ公認コースを謳っているのなら、コース変更すべきという声が多かったことも事実です。
ボランティアの方の懸命な対応に感謝
前日にコースに砂を入れて整地したとアナウンスありました。
レース中には雨の中、ボランティアの方々がスポンジで雨水を吸い取り排水したり、レーキでコース整備に専念している姿を実際に見かています。
これは大変な作業であったはず、そんな姿を見たらペースを下げるわけにはいきません。
京都マラソン翌日に河川敷に行ってみた
マラソン翌日レンタサイクルで河川敷コースを逆走してみました。午前中のうちはまだドロドロの路面状態でハンドルを取られます。
右側に32.2Kmの第11給水所跡、
ここにイチゴがあった
(見逃したけど)
2023年大会、河川敷は舗装走路となりました
これが雨のレース中に最も近い状態
舗装されている箇所もあり
石畳風もあり
晴れて乾いていれば走りやすい路面
幹線道路の下を通過時はアップダウンあり
京都マラソン、河川敷以外のコース特徴について
ベストタイムは厳しい
京都マラソンのコースは全般的に平坦と思われがちですが、実はそんなことはありません。
跨線橋ときぬかけの路以外はずっと上りか下り感覚があるコースで、決して楽ではないとの覚悟が必要となります。よって京都マラソンのコースは記録が狙いづらいコースです。
ある程度記録が落ち着いてきているベテランランナーにとって、ベストタイムを狙うには鬼門のコースとなるかもしれません。
規則的なアップダウン
京都は言わずと知れた盆地で、鴨川を底としてすり鉢状になっているイメージを持つとわかりやすいかと思います。
鴨川に向かって西から東へ向かうと下り、川から東へ向かうと上りとなります。またその逆で鴨川へ向かって西へ進むと下りとなります。
さらに南から北へは上り、北から南への移動は下り基調となります。これは先程の河川敷コースが下りであることで納得してのもらえるのではないでしょうか。
コース戦略が必要
ズバリ、京都マラソンは変化に富んだテクニカルコースです。奈良もそうでしたけど、アップダウンがあるテクニカルコースは好きな部類です。
大半が8年前のコースと被っていたので、一度走った強みでどこがキツイか分かっていました。
ここが肝
・渡月橋を見ながら右折した後の跨線橋から、きぬかけの路を経て今宮神宮までのアップダウン
・35キロ過ぎの御池通り折り返しから、39キロ今出川通り折り返しまでの上り
公式HPのコース図、高低図とにらめっこしながら戦略を練ってみて下さい。
公式HPより
粋な計らい、ラストスパートが効く
今出川通りの39キロ付近まで続く上りは、フルマラソン終盤ともなると相当に堪えます。
しかし折り返し後のラスト3キロはスピードが出る下り、脚が残っていればラストスパートで一気にゴールまで辿り着ける設定です。
売り切れたランナーを次々とパスできるので、フルマラソンの最後で爽快な気分を味わうことができます。
今出川通の最後の折り返し、
上りはここまで
折り返したらあとはゴールまで下り、
さあラストスパート
(翌日撮影)
観光名所の近くを通るだけ
古都京都の名所を巡るコースといえば聞こえが良いのですが、残念ながら名所はほとんど見えない設定なのが本当のところです。
金閣の近くを通っても世界遺産なので敷地に入れず金閣は見えず、銀閣の近くまで坂道を上ってもチラリとも銀閣見えず。
そういった意味で仁和寺お坊さんの応援は、やはり京都マラソンには無くては困る唯一無二の存在です。
京都マラソンの特徴まとめ
おもてなしレベル高し
今回も新幹線で京都入りしEXPO会場へ向かいました。その入り口に振袖のディスプレイ、京都らしいおもてなしでテンションが一気に上がります。
レース中には植物園内で舞妓さんからの応援がいただけます。これも実に京都らしい。
ゴール後もらえる参加特典を入れる手提げビニール袋を配布する心遣いあり、たくさん頂けるのは嬉しいのですがひとまとめにできなく心苦しい大会は結構あるものです。
完走証に関してゴールの動線の中で発行されるうえに、クリアファイルに入れてくれるのでしわくちゃになったり濡れて破れたりしない点も高評価です。
極め付けはゴール後のおつかれさま広場にて九条ネギの味噌汁、足湯、マッサージサービスを無料で受けられることでしょう。
走っていて飽きさせない
さすがは古都京都は観光資源が豊富です。観光名所の前では「絶景ポイント」の案内看板をスタッフが持っているのです。
あいにくの雨でしたが、山水画のように霧がかかった山々と渡月橋はとても印象的でした。走っていて
「アッップダウンきついなぁ」
「あと○キロあるのかぁ」
と考えていると、絶景ポイントが突如として現れるので絶妙なスパイスとなりました。
エコへの取り組み
京都マラソンは他大会よりもエコロジーを目指す大会です。
携帯用マイカップを販売、それでの給水を働きかけています。また注意喚起しているからなのか、他の大会より路上に散乱している紙コップが少ないと感じました。
そして古着の回収はスタート直前(5分前)にボランティアの方が回収してくれるありがたさです。
ただ回収箱を置くだけではなく、ひとブロック両サイドにてボランティアの回収がありました。これなら安心して走る直前まで各自持参した防寒着で暖を取れます。
ボランティアスタッフの数の多さは東京以上?
中止にはなりましたが東京マラソン2020のボランティア数は11000人なのですが、驚くことに京都マラソンはランナー15000人対して何と!14000人ものボランティアがいます。
特徴的なのがたくさんいるボランティアスタッフの応援で、数だけではなく質さえもトップクラスでフルマラソンのコース上42キロずっと途切れなく賑やかな点です。
また、沿道にゴミが見られなかったのは、多くのボランティアが短い間隔で並んでいるためです。
沿道でゴミ袋を持っていてくれるので、ゴミを捨てるに捨てられない雰囲気が漂っているのです。
RUNNETの大会レポまとめ
今回は雨が降ったことで土の河川敷コース問題が顕在化、多くの投稿はこれについての批判的なものでした。
それ以外にも各ランナー感じた内容を読んでいると面白いですね、投稿が900件を超える大会は他に例を見ません。それだけ京都が愛されている証拠です。
2020.2.24現在
良い感じの投稿
・給水・給食のテーブルが長くてとりやすい
・動線が分かりやすい
・トイレ最後尾の案内はありがたい
・全ての人が京都マラソンを盛り上げようとする空気がある
・名前入りゼッケンだと名前で呼んでもらえ頑張れる
・回数を重ねるたびに進化している
・開会式を競技場のモニターで全員が参加できる
・荷物預け・返却がとてもスムーズ
・エイドに生八ツ橋、都こんぶ
・大学のキャンパスが多いので学生による応援がすごい
・ビニールポンチョの配布は雨だったのでありがたい
・参加賞を入れるビニール袋の配布はランナー目線
・完走後のお疲れ様広場での無料のお味噌汁、マッサージ、足湯はどれも最高
・大会規模が大きい割にトイレは混雑しない
・次のトイレまでの距離表示はありがたい
・エイドの表示はわかりやすく長さも十分
・EXPOはちょうどいいサイズ
・コース上のトイレが豊富で待ち時間なし
悪い感じの投稿
・京都駅から受付会場、スタート会場が遠い
・狐坂を回避したのなら河川敷コースも回避すべき
・河川敷コースを舗装かラバー化して欲しい
・コースが狭い箇所多く、前へ行きたくても行けない
・京都を味えない観光コースではないか
・折り返し、カーブが多数
・参加費が高額
・コースが変わらなければ次回エントリーしない
個人的レース結果には満足
雨でも気温が高め
この1年間参加したフルマラソンは4つ、あり得ないことにその全てが雨という気象条件でした。
「フルマラソンは雨の中で走るもの」そんな勘違いが定着してきたところでしたが今回も雨。
気温が10℃以上で雨、身に付けるものには最後まで悩みました。結局ノースリーブTシャツ一枚、雨除けポンチョで薄着スタートは正解でした。
しかし、「25キロまでポンチョ、ビニール手袋を外さない」作戦は、結果的にレース後半の予報が外れて少雨だったので失敗でした。
20キロで脱ぎ捨てた時の汗によるランTの濡れ具合から、もう少し早い段階で脱ぎ捨てておけば発汗を抑えられたかもと後悔しました。
ランネットのレポで30キロ以降で脚攣りの報告が多かったのは、気温が13℃を超えたにも関わらず、レース前半が雨のためポンチョやウェア類を長時間身に付け発汗が多かったためではないかと推察します。
ネガティブスプリットを心がけた
今シーズンは全9戦(5キロ〜フル)全てで前半突っ込み、できるだけ走行速度を維持して後半粘るパターンが定着していました。
でも今回はとにかく前半はネガティブスプリットを過剰なほどに意識、それもあって仁和寺のお坊さんに手を振る余裕さえありました。
結果脚を温存できたおかげで最後まで粘れ、無くなりかけた脚が残り4キロから完全復活するというおまけ付きでハッピーな展開となりました。
下りで気持ち良く追い抜き3時間20分カットでした。(それでも目標の5分落ち)
京都マラソンは救護スタッフが多い
先シーズンはほぼ全てのレース中で脚攣りを発症、しかし今シーズン(2019ー2020)は一度もレース中はありません。
今回もレース中はなかったのですが、レース後に段差を乗り越えた瞬間に久々に完全に脚を攣りました。左のふくらはぎが異常にへこみ、天を仰ぎ悶絶してその場で動けなくなりました。
すぐに救護スタッフが近づいて来て「大丈夫ですか?」、「車椅子使いますか?」、「何かあったら声掛けてください」とのありがたい配慮を頂きました。
京都マラソンではレース後、各エリア(ゴール直後、動線、更衣スペース)に救護スタッフが多数いて救護体制が万全であり、そこに安心感が生まれました。
いや〜また参加したい度
8年ぶりに参加した京都マラソンは、あらゆる面で洗練され大きな進化を遂げていました。毎年々改善点を洗い出し、高度にブラッシュアップして来たことが窺い知れます。
心地よくフルマラソンを楽しめたこと、それが全てを物語っています。
コロナウイルス対策として前日、当日問わず会場入り口にアルコールスプレーやマスクが配布され着用の指示がありました。感染予防と雨の河川敷の整地も含め、マラソン大会運営の大変さを改めて感じた大会です。
そして今となっては各地のマラソン大会が中止になり、今シーズンはおそらく終了となります。(2020年2月の状況)
だからこそあの雨の中応援してくれたボランティア、スタッフ、関係各位、沿道の方達への感謝をいつも以上に忘れはしません。
-
汗や雨でも剥がれにくいテーピング
時は7月下旬の富士登山競走前、足攣り対策の一環として攣る部位にテーピングを貼ることで予防対策としたことが発端となります。 前シーズンから残っていたテーピングをネット情報のまんまスネに貼り、坂道メインの ...
続きを見る