先日の東京マラソンでの走行距離、私の場合はフルマラソン44.09km※走ったことになっていました。手元のGPSウォッチ、ガーミンさんがそう表示しているのです。
キプチョゲが好記録で優勝を飾った東京マラソン、ワールドマラソンメジャーズが総距離を誤測するはずはありません。
つまりは確実に私のガーミンがバグったのです。
それはビル群が立ち並ぶ東京ですから許容範囲なのですが、解せないのはキロ当たりのペースを10秒ほど速く表示し続けたことです。
これではフルマラソンにおいてガーミン頼りにペースを刻む者として、実際の公式記録との相違にガッカリしますわ。
※42.195kmのタイムは公式記録と変わらず(1秒差)
スポンサーリンク
東京マラソンでは高層ビルに阻まれGPSが狂いがち
都心の高層ビル街を縫うように走る東京マラソンでは、GPSが正確に機能しないことは多くのランナーが承知済みです。
前参加の2回ともスタート前からGPSを捕まえられずに走り出し、それでも早々に電波を拾ったのか、ガーミンが示すペースと実際のペース感覚にそれほど隔たりはありませんでした。
けれども今回の東京マラソン2021は様子が違いました。
スタート前はすぐにGPSを捕捉
スタート10分前のちょうど車椅子競技がスタートしたタイミングで、ガーミンの準備のためスイッチを押してGPS電波を捕捉し始めました。
念のためスタートゾーンに入った1時間前(am8:10位)に1回捕捉したからか、10秒も経たずに電波をキャッチした緑ラインを画面に表示しました。
前回のように捕捉せずスタートするわけでもなく、考えうる心配事は一切ない状況です。刻一刻と迫るスタートにコロナ禍の2年間を思い返し、ボルテージは最高潮に達しました。
歩道上がスタートライン
(試走時撮影)
スタート後1、2キロですでに狂う
グロスタイムには興味なくネットタイム派なので、スタート地点の青マット上でボタンを押して記録をスタートさせました。
紙吹雪を浴びながらのスタートは、何回経験しても病み付きになります。逸る気持ちを抑え無理なダッシュはせず、自分のペースを探りながらオープニングラップをキロ4:30台に収めるつもりでした。
ところが未だコース脇の1km表示が見えてこないのに、随分早く左腕の時計がブルブルと震えました。
最初1kmはキロ4:06
このまま走ればサブスリーはもちろん、さらに調子良ければサブエガも射程圏内です。
まあこれは新宿高層ビル群のせいだとほくそ笑み、前回でも経験済みのこと、しばらく走ればGPSは修正されてくるだろうとその時は思っていました。
新宿歌舞伎町を快走
今日はすこぶる調子が良い
次の2km目がキロ4:13で未だサブスリーペース、ただし2km表示よりだいぶ前でバイブしました。
この辺はアドレナリンの噴出量に反比例して、自分でも意外に冷静に対処しています。
きっと3kmくらい走ってキロラップを確かめれば、想定通りの走りができると気を落ち着かせました。
問題はここからです。次の3km(実際には2.5kmくらいか)から我がガーミンが刻んだキロペースは、序盤の下り坂を考慮した想定ペースにズバリハマったペースを画面に表示します。
もう一度言いますと、この日は狙いが決まればサブ3.15達成、それは松竹梅の「松」となります。そしてサブ3.15はキロ4:37ペースです。
禁酒したり睡眠時間を確保したりしてピーキングは成功、すべてにおいて東京マラソンに照準を当ててきたのだからこれくらいは走れて当然です。
思っているよりも楽に速く走れてる自分に序盤は酔いしれました。
ハーフ時点でようやく誤りに気づく
スタートから快調に走り都心の風景を楽しむ余裕すらあって、あっという間のハーフ地点到着です。
向かい風が若干気になるものの、ずっと良好なペースなうえに余力十分、今日はこのまま無事に進めば好記録が期待できます。
サブ3.15はキロ4:37ペース
ハーフ地点の表示が見えてきました。その脇に設置されている公式タイムを見て愕然とします。
ハーフが1時間40分台
ここでようやく何か変なことに気付きます。快調に走れていると思いきや、それが予定よりも3分遅い現実を突き付けられたのです。
ほとんどのキロ区間で目標ペースの4:37を上回って走ってきたはずなのに、このままゴールすると3時間20分オーバーの事実が表明した瞬間です。
気持ちを切り替えてペースを上げる
余力ありで走って来たけどそれは間違い、出力が低いままハーフまで来てしまったことに初めて焦り、ここで気持ちを引き締めました。
幸いにも余力十分なので、今回は2020年京都マラソンよろしくネガティブスプリット作戦に変更です。
後半上げればサブ3.15は無理でもまだ十分ベストタイムは狙えると思い直し、ハーフ以降はとにかく出力を上げることに注力しました。
30km以降も勘違いペースは続いていた
満身創痍で上げたと思われたペースは、清澄通りの小刻みなアップダウンと向かい風で意に反していまいちスピードに乗れず終い。時計はキロ4:40台を刻みます。
2回目の蔵前橋を再び渡ると、東京マラソンはいよいよ終盤を迎えます。
それでも追い風と平坦コースに戻った30km以降は、本格的にペースアップしキロ4:30付近を走行しました。37km付近で脚を攣るまで、今回の東京マラソンでこの区間が最も気持ち良く走れました。
30km超えても楽に速く走れている自分に終盤は酔いしれました。
ここで注目してもらいたいのは、上の写真で見るとガーミンは30〜35kmまでの区間タイムは22:43と記録しました。キロペースだと4:32で、本当にこのペースなら前半の凡走を覆すことができます。
一方、恥ずかしながらこの写真は公式記録をさらけ出したものです。30〜35kmの区間タイムは24:50でした。つまり実際のこの区間のキロペースは、サブ3.5を狙う速さのキロ4:58だったのです。
ガーミンの記録 キロ4:32
公式の記録 キロ4:58
実はレースの序盤も終盤も、楽に走っている自分に酔いしれている場合ではなかったのです。
GPSが狂っているのにその表示を目安に、調子良く走れていると誤認して走り続けた東京マラソンでした。
そしてやっぱり攣る
ここがレースの肝と据えていた37km付近から、今まで何度も経験したピクピク症状が到来、試練の脚攣り症状が顔を覗かせ始めました。
ここさえ乗り切ればベスト記録が見えてくることを心の支えに、表面上では快走を続ける自分に対して歯を食い縛り粘ります。
青太の時は立ち止まって悶絶したのですが、今回は意図的にペースを落としました。そのペースは公式ではそれほどでもない落ち込みでした。
公式記録
最終エイドではこんな出来事が、急に右側から豪快にカットして給水に向かうランナーが現れ、そこで急ブレーキを踏むと完全に攣った状態に突入です。
「おいっ!急に前を走るな!」
とも言えず、立ち止まる寸前までスピードを落とすことになりました。マラソン大会では、急な進路変更は迷惑行為ですからやめましょう。
GPSが都市部で迷走する対策は?
東京マラソンはGPS誤差がかなりある
大型都市マラソン大会では、キロ看板を目安にGPSだけに頼ってはいけません。ときたまタイムを実測しながら走るべきと言いたいです。
普段からガーミンの表示を信頼して練習に取り組んできました。裏切られたことがないだけに、今回の東京マラソンは正直残念でなりません。
やはり途中で1回でもキロ表示間のアナログ計測を試みるべきでした。また、5km毎の経過タイムをどこかにメモったり記憶することでGPSの誤認識を早い段階で察知できると思います。
ベストタイムを狙っているランナーは、キロ毎でガーミンが記録するタイムを指標とします。なのに狂っているタイムを目安に走ってしまったことを後悔しています。
楽しかった事実は変わりない
都会ではGPSが狂う、のまとめ
結論として自分なりにまとめるとこうなります。
大都市マラソンではGPSがバグるので、目視の1キロ単位や5キロ単位の走破タイム確認を怠ってはいけない
もしも序盤から早い段階で距離表示でラップボタンを押し、次の距離表示では目視にてラップを確認していれば、異変にいち早く気付き修正できたかもしれません。
この教訓は次回東京マラソンを走る際、きっと役立つと自分に言い聞かせておきます。
歯の間に食べカスを残したままの感覚でゴールした東京、2年間のコロナ禍を経ての東京マラソンだけに気持ちの入り様は違いました。でも結果がまさかの「凡打」で終わりです。
また走りたい楽しい東京マラソン、必ずやリベンジに戻ってきます。
ゴール後のビタミン補給に最高