ファ・ル・ト・レ・ク?
マラソン大国ケニアやエチオピアのトップ選手が取り入れているトレーニング方法、そう言えばランナーなら興味が沸くのではないでしょうか。
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ファルトレク基本情報
不整地ラン
基本の木
私的にファルトレクを簡単整理すると、次のような表現が一番しっくりきます。
不整地で行う自由なインターバル走
足元がおぼつかない場所で、スピードをハイ、ローとペース変化させるのがファルトレクという練習方法です。
これは多分にインターバル的要素を含んでいます。インターバル走では負荷が大きく、好きになれないランナーや、そこまで本格的な練習はしたくないビギナーにファルトレクはおすすめです。
また、ファルトレクの時間は30~60分が一般的です。普段からランニングしているランナーなら、強度にもよりますが練習時間はさして長く感じないはずです。
マラソン強国が取り組むトレーニング
ファルトレクは特に海外で顕著なトレーニングメソッドです。アフリカを含む欧米諸国において、トップ選手たちが取り組むトレーニングとして一般的な練習となっています。
日本ではまだまだ取り組むランナーは多くはなく、知名度はまだまだ低くマイナーといっていい部類です。
しかし、マラソンネタを収拾しているとここ最近よく目にするようになりました。インプットしたらアウトプットして己のモノとなるよう身に付けていきます。
ファルトレイクで望める走力アップ効果
ファルトレクで得られる効果を以下に列挙してみます。
心肺機能強化
ロードと同じペースで不整地を走ろうものなら、間違い無く呼吸はキツくなります。不整地をハイペースで走ることは、整ったアスファルト上より負荷が大きくなります。
普段よりも心拍の乱れが発生、それが心肺強化につながります。
スピード・スタミナUP
ハイペースで飛ばすことでスピードアップ効果が見込まれます。ここはロードと同じ、結局は速く走らないと速くなれません。
そしてスピード変化を伴って走るので普段のランニングよりスタミナ強化にもなります。スタミナとスピードを同時に効率よく強化していきます。
身体バランス強化
不安定な路面を走ることで体幹が鍛えられる他、脚力など体全体の筋力アップにつながります。
フルマラソン後半はいつだって辛いものです。37キロ以降のあと5キロを粘り強く走るための練習となります。
ペース変化への対応が上手くなる
レース中のペース変化って何?と思いますよね。プロではないから誰かと競う訳でもありません。
素人の私たちがレース中に感じるペース変化は、マラソン後半の落ちではなく、アップダウンではないでしょうか。
奈良マラソンみたいな激しい上りや下りでは、どうしたって意図せずペースが乱れます。その変化に対応する身体作りの一環でファルトレクに取り組んでみては、という話です。
速く走る区間と遅く走る区間のペース変化をコントロールすることで、フルマラソン本番でのペースコントロールを可能にする訳です。
何をもってペース変化させるか?
何を基準にしてペースを変化させるか?
時間
今いちどう走ったらよいかわからないランラーなら、2分速いペースで走ったら2分遅いペースで走る、みたいに◯分間毎にハイペース・ローペースを変えて走ります。
もしそのペースが辛いなら「1分速く2分ゆっくり」でもいいですね。
距離
◯m速いペースで走ったら、◯m遅く走るやり方です。距離設定はもちろん自由、キツさを求めず楽しめる範囲で自由に設定します。
目標
木や看板など目印を決めてペースを変えます。「あの丘のテッペンまではとにかく頑張る」みたいに。自由に走るをモットーとするなら、これが最も適しています。
ただ息が切れるほどのオーバーペースは避けたいです。それだけでランニングが辛いものになってしまいますから。
ファルトレクは不整地で走る
ファルトレクはロードではなく、起伏がある不整地で行います。ですから不整地を求めて公園や山に出掛けてみましょう。
負荷掛かりそうな勾配ある不整地が近くにあればいいのですが、都市部ではなかなか見つかりません。
私は家から程近い大きな公園(既出の写真)で、芝・土・丘といった落ち葉溢れる不整地を利用しています。これが平地より心肺機能向上に寄与します。
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都市部の公園内の不整地だって、結構な距離を取れます。代々木公園でトレランチックに走ったことがあります。ここは正にファルトレクに適した場所でした。(公園には様々な目標を持って多くの人が訪れていることを留意)
普段はコンクリートジャングルで走っているため、自然溢れる環境下でファルトレクをすると爽快でリフレッシュできるのがメリットのひとつです。ロードのマンネリ化対策としてファルトレクはあります。
ファルトレクは自由だぁー
ファルトレクはインターバル走や閾値走みたく決まった距離を決まったペースで走る必要は全くありません。そもそも不整地はポイント練には向きません。
走っている時は自分は自由で何からも束縛されません。
その日の体調や気分次第で自由に、思った瞬間にペースを上げ、疲れたらスピードを落とすといった自由自在なランニングがファルトレクです。
ペースに変化をつけるというよりは、脳が発想したまま気分に任せた結果、ペースに変化が生じると言った方が的を射ているかと思います。
ファルトレクでランニングライフをより良いものに
スウェーデン語のファルトレク「Fartlek」の意味は、英語で「speed play」です。これを直訳するとスピードで遊ぶとなります。大事なことは遊び心です。
インターバルなどのポイント練習で疲弊した身体を癒すため、ファルトレクは自由に遊んで走るのです。遊びですから、遊びは楽しむものです。
カチッとした練習ばかりしているランナーの皆さん、ファルトレクは時計と睨めっこしてはいけません。ファルトレクは感覚走です。時計に頼るのではなく、自らの発想を頼りに感覚で走るトレーニングです。
そして、タイムが停滞しているランナーこそファルトレクにチャレンジしてみて欲しいと思います。普段と違う場所で練習効果を上げてみませんか?