私は今まで「筋膜リリース」についての知識を持ち合わせていませんでした。
この前テニスボールで肩甲骨はがしの記事をエントリーした際、記事作成の調査の最中に出てきたワードがそれでした。
どうやら私たちの体についての情報は、知れば知るほど日常の生活や運動に有益なことばかりだと思えてきます。読み物から得る知識は血肉となります。
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筋膜の基礎知識
まずは基本、筋膜とは何ぞや?
筋膜とはそままズバリ筋肉を覆う薄い膜のことを指します。
例えるなら鶏肉を想像してみて下さい。調理する人ならわかると思います。
脂が多い鶏皮を綺麗に剥がそうとすると、鶏皮と肉の間に薄い膜があって上手く剥がせません。ピンク色の鶏肉を包んでいるその膜が筋膜そのものです。
また、牛スネ肉が好きでそれを材料にシチューなどの煮込み料理をよく作ります。肉を裁断する際に真っ赤な筋を包んでいる白い膜それが筋膜です。
人間の場合も同様で作りは一緒です。筋肉は筋膜に包み込まれています。
筋膜は3種類
コラーゲンとエラスチの繊維状タンパク質と水分からなる筋膜は、ありとあらゆる部位の筋肉を包み込んています。皮膚の表面付近から太い筋肉の深層部までです。
筋外膜→表層にある
筋内膜→筋繊維1本々を包んでいる
筋周膜→筋繊維全体を束ねている
これらの筋膜が姿勢を保ったり、筋肉組織を摩擦から守ったり、筋肉の伸び縮みや力の伝達全般に関わる役割を担っています。
筋膜の特徴ゆえに
それが柔らかい組織ゆえに委縮・癒着してしまう特徴があります。あらゆる部位のコリ、ハリ、痛みを誘発し体の柔軟性を奪っていきます。
ランニングを趣味としていると特定の部位がいつも張ったり、痛みを伴うのは筋膜が萎縮や癒着している状態だと認識すべきです。
そして表層部から深層部まで全身に張りめぐらされている筋膜は、よじれたり強張ったりした結果、全身を覆うがために筋膜のつながりを介して他の部位に伝播します。
それゆえに関連性が薄いと思われる部位の痛みの原因が、離れた場所にある場合があるのです。
ある筋膜に問題が生じると、網の目のように繋がった他所の筋膜に問題が波及し、体全体のパフォーマンス低下を招くのです。
例えば肩こりの原因が腕の使い過ぎだったり、ふくらはぎの張りがハムストリングの張りに起因することがそうです。
肩こり・ハリ・痛み
パソコン作業で長時間同じ姿勢を保っていたり、マラソンのポイント練習などの過度なトレーニングは筋膜の萎縮、癒着を助長し筋肉が本来持つスムーズで力強い動きを阻害します。
ランニングで言えば走るという同じ動作の繰り返しを長時間すると、筋膜が寄り集まってよじれてこわばり、筋肉の動きが鈍くなります。
長年のキャリアにより金属疲労が表面化している状態、まさに今の私です。ここ数年よく故障するふくらはぎの肉離れの一因はここにある気がしてきます。
筋膜リリースでより良いランニングライフを
そして筋膜リリースとは何ぞや?
上述の筋膜の強張りやねじれを取り除く行為そのものが筋膜リリースです。
全身のコリ、ハリ、痛み、姿勢の悪さを解消し、筋肉の動きをスムーズにし関節可動域の拡大でパフォーマンス向上を狙うのです。
リリースとは「解き放つ」の意で、筋膜を解きほぐすことを意味します。
どの様にやるの?
筋膜リリースで使用する道具としては、テニスボール (最安) 、ストレッチボール、ストレッチローラーなどがあげられます。
いづれもしても気になる部位を乗せて自重に任せて転がすことで筋膜をほぐします。
リラックスしながらゆっくり行なうのがコツです。サッと終わらせない (30秒以上) ために、TVを見ながらや音楽を聴きながら、またはじっと瞑想しながらリラックスタイムを有効活用します。
終わったら水を飲み、老廃物や疲労物質を洗い流してしまいましょう。
筋膜リリースの効果って何よ?
ここからは個人的な感想を述べてみたいと思います。
じっくりゆっくり施術した翌朝は身体が明らかに軽いと感じます。お金を払ってマッサージを受けるのに匹敵すると思っています。なぜなら施術者といった第三者ではなく、自らがピンポイントでツボを探し当ててリリースするからです。
筋膜リリースの効果
・肩こり、首こりの改善
・猫背改善
・腰痛の緩和
・身体の凝りが気になる部分の緩和
・筋肉の可動域向上
デスクワークで前屈みになる機会が多い現代人、猫背による姿勢の悪化はランニングに悪影響を及ぼします。
それが筋膜リリースによって改善でき、さらに脚がスムーズに動けばランニングエコノミーに直に寄与してきます。
こんな時にこそ筋膜リリース
筋肉の柔軟性がなければ思うようなパフォーマンスを発揮できません。
「何か今日は調子悪かったなぁ」と感じたらランニングから帰宅、入浴を済ませた後に筋膜リリースをしてみてはいかがでしょうか。体から発せられる声に耳を傾けてメンテナンスをするのです。
これから寒くなって本格的なマラソンシーズンを迎えます。コリやハリを抱えたまま高強度の練習を続ければ、いづれは必ずや怪我に繋がります。
怪我の予防策としてのセルフメンテナンスとして筋膜リリースを行い、適宜体をニュートラル化して次の練習に備えたいものです。
筋膜リリースは常日頃から実践、すなはち継続は力なり
出身小学校の体育館に掲げられた「継続は力なり」は、大人になってからもなお意識付けが必要みたいです。
歳をとると身体は錆びつき、疲れが抜けにくくなることを今さらながら実感しています。それでも今後もより良いランニングライフを満喫するため、筋膜リリースの習慣付けをしていきます。
理想を言えば毎日なのですが、それは中々に難しいと感じます。ですから気を張らずに週に数回は時間をかけたメンテナンスをすることで、全身の凝り固まった身体をニュートラル化することをおすすめします。
ベスト記録を目指す「走力」というものは、一朝一夕に醸成されるものではないからです。
雪でもコツコツと