いよいよ今年もやって来ました。蒸し暑く日差しが強い日本の夏が。
トレーニング強度にもよるのですが、真夏の環境下でランニングするとわずか数キロで滝汗となりランパンから汗が滴り落ちることになります。
腿を伝った汗は最終的にシューズで吸収され、その後シューズはまるで水溜りに入ったかのように水没状態となってしまいます。
そんな大量発汗は夏の定番だとか、走れば爽快で気持ちいいとか、それは実は大きな勘違いです。
汗がランパンから落ちているようなコンディションは、本当のところ身体の危機が迫っている状態と言えるのです。
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失われた水分量が与える身体への影響
今記事は大塚製薬様のHPを元に表をまとめました。以下それを参照の元で話を進めていきたいと思います。
【発汗による主な症状】
体重に占める水分減少率 | 主な脱水症状 |
2% | 喉の渇き、運動能力の低下 |
3% | 喉の強い渇き、ぼーっと、食欲不振 |
4% | いらいら、疲労困憊、体温上昇 |
5% | 頭痛、ぐったり |
6〜10% | 痙攣 |
20% | 死亡 |
大塚製薬HP参照
このように発汗によって体内の水分量が減少すると、その減少率によって様々な脱水症状が現れてきます。
私自身は大量発汗のランを幾度と経験し、今なおこうしてブログ執筆しています。それは痙攣の脱水症状までを経験したことはなく、酷暑 (2024年も、2025年も) のなか今でも日々トレーニングを積めているということです。
水分が失われた結果、頭痛やぐったりした症状が襲いました。それは上記の表を読み取ると、体重あたり5%の水分減少まで体験したということになります。
川が干上がった酷暑 (2025年)
発汗が多くなった時の症状
30℃オーバー下でのペース走では5キロ、いや2キロですでに汗が吹き出て給水を余儀なくされます。
ジメジメとした湿度が高いうえに高温下で走ることは、肌表面の汗が蒸発しにくく、気化熱が発生しづらくて冷却効果が薄れてします。
マラソンのような距離走は長時間走り続ける動作となります。
筋肉を動かし続けた結果、体内で発生した熱を冬なら勝手に冷却してくれますが、夏は熱が体内に篭 (こも) ってしまいます。さらに高気温や太陽光など外部からも熱がもたらされます。
発汗による放熱機能が追いつかず体温が篭ってしまい、同じ距離を走っても冬と夏で運動強度がまるで違うと感じてしまうのです。
また発汗によって血管内の水分が減少し血流が滞り、その血流を増やすために心拍数がどんどん上昇、よって湿度が高く蒸し暑い日はランニングがいつもよりキツく感じるのです。
こんな酷暑でも近所の公園をランニング
ランパンから汗が落ちた時の発汗量
ランパンから汗が滴り落ち始めた時の水分量とは、身に付けているTシャツとランパン、それと下着がビシャビシャと濡れて、身につけているもの全てが汗で飽和状態になっている状態です。
ちょっと想像してみて下さい。
洗濯後に畳んであるもの全てに汗に見立てた水分を含ませ、それが滴り始めるのに一体どのくらいの水分が必要になるのかを。
まだ試してはいませんが500mlのペットボトル1本だと染み込むだけ、最低でも2本以上が必要な量だとの推測になります。
それは上記の表にあった体重の2%くらいに当てはまりそうなのか、またはそれ以上の水分に該当すると感じます。
つまり汗の蒸発分や再吸収分を考慮すると、滴り出した時点でもうすでに2%以上の水分が体から失われているのです。その状況は脱水症状レベルでいうと運動能力低下を感じ始める状況だということです。
暑い夏ランニングの救世主
実際の発汗量は?
上記の表から体重66キロの私が2%、つまり1.32kg (1320ml) の水分が体内から放出されるとパフォーマンス (運動能力) が落ち始めます。
頭痛が酷くて走れない状態は表から読み取ると、体重の5%である3.3kgの水分が放出されたことになります。
昨年の夏に立川駅から出発して多摩川を経て、御嶽神社まで登ってつるつる温泉まで向かった日を綴ったブログ内で私はこう述べていました。
今回私は40キロの道のりをハイドレーションは使用せず、スタート時にペットボトル (500ml) を3本持参。途中休憩で新たに1本飲み干したのと、2本買い足しの計6本3L消費しました。
中盤まで日差しが強く最高気温が28℃、ランパンから汗が滴り落ちる事態です。こうなると小まめな水分補給が必須で、3Lが多いとは全く思いませんでした。
身体が欲するだけ飲んだら3Lとなっただけです。
自分で「3Lの補給が多いと思わない」とまで言っています。
その日は発汗量が5%以上だったとして、3L (3kg) にも及ぶ給水行為は至極当然だったということです。

その時のたまリバー
夏ランでランパンから汗が落ちるは勲章、それは大いなる間違いである
汗がランパンから滴り落ちた次段階として、両膝の内側が汗でヌルヌルし、最終型がシューズ水没となります。
真夏の練習に達成感も聞こえは良いのですが、こんな発汗量は身体に危機が迫っていることを認識しなくてはなりません。
走り続けるためには筋肉を動かす電解質 (ナトリウム、カリウム、マグネシウムなど) が必要です。汗でこれらが失われると筋肉が正常に機能しなくなりフォーマンス低下に繋がります。脚攣りはその最たる例です。
そして思っている以上に汗をかいていて、実際は給水が足りていない場合がほとんどです。だから暑い時期のランニング時はどれだけ給水するか、いかに冷却するかに尽きるのです。
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夏は電解質と水分の補給を小まめに取って暑さ対策とし、これは公園やコンビニなどでの補給や水分を携帯する事で解決できます。
また冷却については工夫次第で何とでもなります。
日陰あるコースを走ったり、冷感素材のウェアを身につけたり、気温が下がる夜間に走ったり、そして冷房が効いたジムに逃げ込んだりと、各自対策により練習効率は真夏の酷暑でも上げることができます。
もちろん猛暑時に公から聞こえてくる「運動は控えましょう」に習い、ジッと家で過ごすことが世間では無難なのかもしれません。
しかし出来る限りどんな気象条件でも外で走ると私は決めています。それが悪天候もあり得る大会対策となると思うからです。

夏の夕刻