2019年1月22日早朝気温4℃ 、寒風吹きすさぶ中スタート地点の都庁前へ向かいました。
体感温度がかなり低い日でしたが、年末の故障により延期せざる得なかった東京マラソンコース試走へついに出掛けて来ました。
年末からのケガが復調したので、真冬の緩ロング走と銘打っての参戦です。
きっと下見と本番ではかなりの違いがあると思うのですが、一度でも本番コースを走ることで何かを掴めたらとの気持ちはありました。
人で混雑した歩道に、ひっきりなしに訪れる信号待ちに長時間苦戦した6時間半でした。
その中での気付きを箇条書きし、細かく説明していきたいと思います。
長いエントリーですが東京マラソン参加予定の皆さん、最後までお付き合い下さい。
公式HPより
スポンサーリンク
東京マラソンコースを実際に試走して本番に生かす
改めて申しますと、実際に体験したことを伝えるのがこのサイトのポリシーです。
今回試走してきて得た生情報をいくつかの要点として記事にしてみました。
この先、東京マラソンを走るあなたの参考になれば幸いです。
ここに注目
- コース変更でベストタイム狙いが可能
- スタート地点は日陰で寒い
- 極小さなアップダウンが襲いかかる
- 2車線以上の道路に傾斜あり
- ゴール直前の石畳コースは走りづらく850mある
- コースを5分割してダレない工夫をしてみた
- 参加者と並走できる箇所発見
コース変更でベストタイム狙いが可能
私が初めて出走した2016年は旧コースで行われました。
旧コースではマラソンで最も辛くなる35km過ぎからの佃大橋、東雲橋などのアップダウンが待ち受け、レース最終盤で難所が続きランナーを苦しめてきました。
旧コースは終盤に待ち構える坂により記録が出にくいコースだったのです。
しかし、Newコースではこれらの坂がなくなり、都心のきれいに舗装された路面もあって高速コースと様変わりです。
スタート地点は日陰で寒い
写真で見てもらうとわかるのですが、スタート地点は両サイドをビルが囲み、頭上に連絡路も見えます。
この東京都庁と都議会議事堂の連絡通路の下は日陰でGPSを捕まえづらく、2016年スタート前にGPSを捕捉しない時計に苛立ち焦ったのを覚えています。
つまり何が言いたいかというとスタート地点は日陰が多いということです。
極寒の朝でも風がなく晴天なら、太陽の光で結構温かく感じるものです。
しかし残念ながら都庁前のコースがスタート待機位置だと日陰でその恩恵は受けられません。
しかも風が強いとスタート前に体が冷え切る可能性すらあります。
3月と言えども、やはり防寒対策は必要でしょう。
アップダウンが襲いかかる
このコースの難所は、実際に走ってみると「全体的にフラット」といいながら、橋が多く存在し細かいアップダウンが少なくはないということです。
次から次へと橋が現れる区間があり、心情的に覚悟をしておかないとメンタル面でキツくなります。
「またか・・・」
特に蔵前橋から門前仲町の折り返しまでには6つの橋が存在します。
ということは、往路復路合わせて合計12のアップダウンがあると予め覚悟しておきましょう。
一つ一つは小さく(短く)たいしたことないのですが、12もあると流石に脚に堪えてきます。
こんな感じの橋が東京マラソンコースには多数存在します。
東京マラソンコースが首都高下をくぐる所は、橋になっていて例外なく小さなアップダウンとなります。
なぜなら首都高は高度経済成長期に川の真上に建設されたからです。
頭上に首都高が見えてきたら「小さなアップダウンが出現するぞ」との心の準備を。
こんな感じです。
東京都心ではよく見られる風景ですが、風情とは無縁だと思います。
広い道路(2車線以上)には傾斜がある
門前仲町
2車線以上の幅広な道路は、中央分離帯を頂点に路肩へ向かって下りの傾斜がついています。
別大道路のような極端な傾斜ではないので気にするほどでも無いと思いますが、今回の試走で気付いてしまったので報告します。
雨上がりは傾斜の影響で中央寄りが水捌けが良く、路肩側よりグリップが効きスピードに乗れるかもしれません。
ゴール直前のコースは石畳で850mある
ご覧の通り丸の内仲通りは石畳で非常に走りづらいです。
石畳は街の景観という点ではオシャレ感をうまく演出していますが、ゴールへ向かうランナーの疲弊した脚には良いことなしです。
とは言ってもゴールは目の前、ここまできたら愚痴ってる暇はありません。
雨が降ると結構滑りやすいと思いますので、最後のラストスパートは思ったほど効き目はないかもしれません。
コースを5分割してダレない工夫をしてみた
景色は都会特有のビル群だらけで、特徴がなくダレてしまう可能性があります。
特別なマラソン大会だと分かっているのですが、都心の景色はあまり代わり映えせずに飽きてしまうものです。
そこで私が勝手に東京マラソンのコースを5区間に分け、それぞれの区間で目標ポイントや作戦を設定してダレないような工夫を施してみました。
本番に生きれば試走した甲斐があったというものです。
第1区間 スタート〜飯田橋
公式HPから
目標ポイント:飯田橋の歩道橋
作戦:準備運動とする
東京マラソンのコースではいきなり試金石が訪れます。
紙吹雪舞う豪華なスタート後、興奮冷めやらぬ間に約6kの下り基調が続きます。
ここで自制して乱ペースに巻き込まれないようにするため「飯田橋までは準備運動でペースを整える」のがコツです。
この日のためにピーキングして体調を整えて来たはずですから、ペースが良くて当たり前です。
特にスタートから約3K地点の成女学院前では、目に見えて急な下り坂となります。ここでは暴走気味にならず、軽く脚に刺激を与える程度の気の持ちようが丁度いいかと思います。
私は前回参加の時は注意していたのに、浮かれ気分で速いペースになってしまい、マイペースをキープすることができませんでした。
前半の無理は後半にしわ寄せがきます。
華やかなスタート地点、平日の早朝ということで閑散としていました。ここに38000人のランナーが集いそれぞれのスタートを切ります。
スタートから約1Kの新宿大ガード下、右か左かどちらをくぐるか悩みます。私は右派です。
追記:東京マラソン走ってきました。この新宿ガード下は本番では左と中央が通行可で、右は通行不可でした。
スタートから最短距離を走ろうと思うと必然的に真ん中をくぐるかと思います。
日本一の歓楽街・新宿歌舞伎町、こんなに広い道路がこの特別な日にランナー貸切となります。
第1区間はこの飯田橋の歩道橋、ここを右折するまでを準備運動として調子いいスタートを切りましょう。
第2区間 飯田橋〜蔵前橋
公式HPから
目標ポイント:雷門、蔵前橋
作戦:平坦区間で淡々とペース走
スポーツ、古本、音楽の街である神田界隈を抜けます。
学生時代を思い出しながらでも走るつもりです。
神田は大小の古書やスポーツ店が軒を連ねて、古本やウィンタースポーツのメッカと言っても過言ではありません。
日本橋は五街道の起点でもあり、東京を象徴する歴史的建造物です。
右手に水天宮を発見しました。
最愛の娘が産まれる際、安産祈願に訪れたのはもう10年前のことです。
この区間の目標ポイントの雷門に到着、この辺りまではまだまだ余裕ありの走行のはずです。
東京マラソン名物、人形焼きの給食が用意されています。
せっかくの機会ですから速いランナーでも通り過ぎず頂く余裕が欲しい所です。
雷門を過ぎて左手にはスカイツリーが望めます。
いざ試走で走ってみると、東京の名所巡りをしっかり考えて作られているコースだなぁと感心してしまいました。
そして改めて各企業の本社が多いなぁと思いました。(ここはBANDAIです)
まさに東京です。
でもゆっくり走っているから周りが見えているだけかもしれません。
レース中に一所懸命走っていると、これらの東京の名所はほとんど目に入りません。
第3区間 蔵前橋〜門前仲町〜蔵前橋
公式HPから
目標ポイント:門前仲町の折り返し
作戦:橋のアップダウンが多数、テンポよく
雷門を過ぎて少し行くと左折して蔵前橋を渡ります。
東京マラソンコースは橋を多数渡ると言いましたが、その中ではこの蔵前橋が最大のアップダウンとなります。
しかし、何回かマラソン大会に参加しているランナーなら、この手の橋は慣れたものではないでしょうか。
力んで上り下りする必要は全くありません。
上った分下るのですからペースはプラマイ0に持っていきやすく、前後1Kのペースでも落ち込むことはないでしょう。(奈良マラソンがそうでした)
また、この区間は隅田川を渡ると火消し纏(まとい)が立てられていたり、立ち飲み屋や焼き鳥屋、居酒屋が立ち並び、いかにも東京の下町風景が広がります。
ゴール後の打ち上げをチョッピリ想像して力みのないランニングを心掛けてみては・・
しっかりとしたアップダウンがある蔵前橋、ここを2回通ることになります。
蔵前橋はとても良い眺めです。左手を向けばこんな風景を拝めます。
ほんとこの試走日は、澄み切った雲ひとつない寒い冬晴れの日でした。
賑やかな門前仲町商店街を抜けると左手のこのお店↓の目の前がこの区間で目標ポイントとしていた折り返しです。
お店の前にはこんな洒落た演出↓がありました。
きっとここには多くのランナーが東京マラソン試走で訪問するのでしょう。
だけど、東京マラソンは2019.3.3(日)なんですが・・
さてさてここから今来たコースを蔵前橋まで戻って行きます。
もちろん小さな橋が再び現れます。
門前仲町を折り返して21キロ過ぎ仙台堀川では、奥の細道の出発点「採茶庵(さいとあん)跡」にコースに向かって鎮座する松尾芭蕉の像を見つけられます。(本番で芭蕉を捜してみましょう)
ここから奥州に向かって旅を始めた芭蕉に想いを馳せ、肩の力を抜くのが東京マラソン中間点です。
2度目の蔵前橋、ここを下って東京駅方面へ向かい東京マラソンは終盤へと向かいます。
第4区間 蔵前橋〜日本橋〜銀座〜日比谷〜品川
公式HPから
目標ポイント:銀座、増上寺、稲荷神社、品川折り返し
作戦:日比谷から品川までの単調区間がキモ
東京駅東側は言わずと知れた東京の中心街銀座です。この銀座のど真ん中をマラソン大会で封鎖する。
なんて贅沢なんでしょう。
歓声が途切れることがない東京マラソンですが、ここでは一層大きな力をもらえます。
ランナー目線だとこの銀座の象徴は見逃してしまいますが、銀座・和光を右折するとちょうど30K地点となります。
有楽町のガード下をくぐると右手にゴールへ向かう丸の内仲通りが見えます。
ここまで無事に帰ってくる誓いでもしておきましょう。
ここを左折、ここから品川までの往復が東京マラソン最大の忍耐区間です。
肉体的に辛くなってくるのはもちろんですが、視覚的にも辛くなって来ます。
30キロ以上もビル群を見て走ってきて、ここからまたビル群を見ながらの約10キロ往復コースです。
旧コースで行われた2016年、この区間は序盤の区間でしたが、私は超ダレました。
少しでも集中力が切れない走りをするのには何が必要か?
今回の試走でも飽きて来てしまい考えた結果、目標ポイントを決めて(探して)走ることとしました。
それは今回の東京マラソンコース試走のテーマでもありました。
右手に増上寺と東京タワー。
スカイツリーだけではなく、東京タワーだって見なければ東京マラソンとは言えません。
いつになったら品川折り返しが見えてくるのか?
走りがキツく不安になって来たところ、右手に道路よりもかなり高い位置に車町稲荷神社を発見できます。
ここから約600メートル前方にかすかに見える歩道橋が品川折り返しです。
追記:車町稲荷神社は2020年11月の山手線1周ランで再び訪れるまで、ずっと泉岳寺だと思っていました。泉岳寺はもっと奥まった所に鎮座しています。
2019年1月
山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」は建設真っ只中でした。ただコースからはわずかにしか見えません。
品川の折り返しが近づいたら左側をガン見すればやや離れた場所に確認できます。
2020年11月 再び訪れると立派に出来上がっていました
先ほども述べたように稲荷神社付近(約600メートル前)からこの歩道橋は確認できます。
中央分離帯にある白いブロックは大会当日には撤去されて折り返し地点となります。
とにかくここを目標ポイントにすれば、品川まで何もわからずに闇雲に走るより、レース終盤でもしっかりペースを刻み頑張れると思います。
歩道と路肩の間に発見しました。10Kや20K地点とかにもあるらしいのですが、そこでは見つけることはできませんでした。
さあここからゴールまであと約6キロ、マラソンで最もきつい区間なのは百も承知です。
残り6Kなら普段の練習に置き換えると、あとどの位でゴールを迎えるか想像できるはずです。
せっかくなのでいつも走っているコースを思い浮かべてみては・・・これ気が紛れて意外と時間が過ぎるの早いです。
第5区間 品川〜日比谷〜ゴール
公式HPから
目標ポイント:泉岳寺、増上寺、日比谷ミッドタウン、ゴール
作戦:これまでの練習を振り返りながらゴールまで気持ちを切らさない
浅草から両国、門前仲町の時も感じたのですが、東京マラソンコースは南下する際に、感じられないくらいですが下り基調なのだと思います。
それは日比谷から品川往復にも言えて、品川の折り返し後は微妙ですが上り基調だと思います。
徳川家ゆかりの増上寺と東京タワーを再び眺め、いよいよあと数キロでゴールです。
左手の日比谷公園、コース上から噴水を探せる余裕があればきっと笑顔のゴールです。
右手に豪華なビル、東京ミッドタウン日比谷が見えてきたらいよいよ終わりがすぐそこです。
日比谷〜品川往復はここで終了、歓喜のゴールへ向けて出し尽くすのみです。
そして、もうすぐ東京マラソンが終わってしまう感慨深さを感じる箇所でもあります。
両サイドに大声援が連なります。
これはまさに「花道」にふさわしいグランドフィナーレです。
私、2年前はコース脇で声援を送る側でした。
歯を食い縛るランナー、笑顔のランナー、清々しい表情のランナー、涙ぐんでいるランナー、それぞれの表情がそこにあったのを覚えています。
2019年はここを走れる喜びを噛み締めながら、最後まで諦めないメンタルで臨みたいと思います。
そして東京マラソンのゴール地点です。
真後ろに東京駅、絵になるからと後ろを振り返るランナーはゴールテープを切るまではいません。
目の前にゴールゲート、色々な思いが湧き上がってきます。
昨年知人は念願のサブ4を達成して年甲斐にもなく涙が溢れてきたと言っていました。
それぞれのドラマがここで完結です。
ランニングを趣味としている方なら、フルマラソンのゴール地点が単なるゴールではないことを知っているはずです。
神田ガード下は応援者(参加者)と並走できる
これは個人的に超おすすめしたい場所です。
私は2017年、東京マラソンがコース変更した最初の年に、知人が3人も参加するのでフルマラソンを応援する側に初めて回りました。そして見つけてしまったのです。
一緒に走れるところを・・
上の写真を見ていただいても神田ガード下はコースとやたらと近いのが分かります。そしてなぜだかここは沿道の応援者が少ない箇所なのです。
しばらくの間ここで応援待機をしたので分かります。
あらかじめ参加するランナーと打ち合わせしておけば、落選したランナーでも東京マラソン気分が味わえる数少ないスポットです。
追記
2019年は雨模様で多くの応援者がガード下で雨宿りして応援、そのため並走スペースがありませんでした
東京マラソンコース試走のまとめ
正直、本番1ヶ月ちょっと前に東京マラソンコースを試走する意味がどれほどあるか疑問でした。
しかし、いざ走ってみると試走して良かったと感じてます。
たくさんのマラソン大会に参加してきましたが、全コースの下見をしたのは初めてです。
先ほども言いましたが改めて感じたのは、今回試走してやっぱり都会の景色は基本ビルと直線コースばかりで単調で飽きるという事です。
それを最も感じさせられたのが、ラスト約10Kの終盤の日比谷〜品川の往復区間です。
今回の試走を鑑み、本番では要所々に決めた目標ポイントを1つずつクリアしていくイメージで走るつもりです。
精神面に配慮し、ダレや飽きがなく、集中した走りを持続しようという作戦を立てました。
さあ本番ではどうなるか、期待感と不安感半々の東京マラソン1ヶ月前となりました。
都庁真正面の歩道に見つけました
※東京マラソンコースを試走する方はこのランステ
ラフィネランニングスタイルNeo店
まずは日比谷のラフィネランニングスタイルNeo店に行き、そこで着替えて地下鉄で新宿・都庁へ向かってスタートとしましょう。
試走を終えたらゴールに近いこのランステに戻り、シャワーを浴びて終了とするのが無理がなくおすすめです。
フルの試走は長いので2回(ハーフ×2)に分けて走る計画だとしても、やはりこのランステがコース形態上、立地的にベストだと思います。
入り口が分かりづらいのですが、東京ミッドタウン駐輪場入り口から地下へ降りていきます。
-
東京マラソン|シーズンラストは極寒の雨の中で
2019年3月3日東京マラソンは最高気温10℃、最低気温5℃、曇のち雨、風速1〜2mの前日予報。 最高の気候条件キターッと小躍りした決戦前夜、私にマラソンの神が舞い降りたと思っていました。 しかし一転 ...
続きを見る