レース中ずっと視線を定め集中して走っていたのですが、なんか応援盛り上がってんな的雰囲気を随所で感じていました。
地元学生の吹奏楽や和太鼓等の応援が他所より数多く、FM局の応援ライブなど趣向凝らしたものが目立ちました。
そして3連休の中日に姫路城周辺を大規模に規制して開催されたにも関わらず、この週末街全体が活気あるマラソン祭りと化していたことを目の当たりにして、この大会が地元に深く受け入れられていることは間違いありません。
私が遠方から観光込みで参加して感じたことを中心に、この記事内で主にお伝えしたいことは以下の通りです。
姫路城マラソンのここが良い
- 立地良し
- コスパ良し
- コース良し
他何点か気になる所あり、そちらにも軽く触れておきました。
ランナーひとりに1枚のメッセージカードが沁みる
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世界遺産姫路城マラソンの特徴
姫路城マラソンのここが良い
- 立地良し
- コスパ良し
- これコース良し
1. 立地良し
国宝である姫路城は約400年前に建立され、現存する天守閣12城の1つで秀吉も一時居住、高さは日本一を誇りその圧倒的存在感と白鷺城と言われる華麗な美しさ、壮観な佇まいから日本で初めての世界遺産 (法隆寺とともに) に認定されました。
ロケーションが最高
姫路城マラソンは国内外から集まる観光都市にあって、姫路駅から姫路城エリアという好ロケーションを最大限に生かした運営がなされています。
姫路駅から真正面に姫路城を捉えられ、メイン会場まで徒歩圏内でアクセス良好、姫路城天守閣や城内、周辺の飲食店や買い物を徒歩で周って楽しめる点が魅力となります。
これによりシャトルバスの必要がなく、ランナーにとって移動ストレスが極めて少ない立地条件となります。
城から見た姫路城マラソンのゴール会場
雨に濡れない
駅から歩いてアーケードを通って城まで向かった先の姫路城地下駐車場、そこが男子更衣室兼手荷物預かり場所となります。
これなら仮に悪天候であっても、少なくとも駅からスタート整列までは最小限の濡れで済みます。
当日は吸い込まれるように地下駐車場へ
前日受付
前日受付会場は迷うことなく駅から約800m先、姫路城のすぐ側のイグーレひめじです。
この建物の北側にスポンサーブースやキッチンカーが多く点在、地方大会にしては広めのEXPO会場でした。アルコール販売はありませんが、飲食のレベルは高いと感じました。
そしてそしていつものことですが、ランナーの負担増になる前日受付はなくして欲しいとの声はここでも多く聞こえてきました。
望むらくは大会パンフやビブスなどは事前送付にしていただければと思います。
イグーレひめじ
男性更衣室
随分前に参加した北九州マラソンのように、男性更衣室 & 手荷物預かりは地下駐車場が割り当てられこの空間の広さは十分ありました。待機場所として風雨をしのげる点が悪天候に対して相性がとても良いのです。
しかし地下駐車場の難点もあって、地面のアスファルトが冷たいため底冷えします。よって敷物持参で対策としましょう。
また空調 (送風?) が冷たく感じるので、これは壁側の駐車スペースではなく、中央の駐車スペースを利用した早朝はそれ程寒く感じませんでした。
手荷物預け
女性更衣室
私は男なので当然立ち入ることは出来ないのですが、大会レポによると女性ランナーはかなり優遇されていたようです。
前日受付を行った施設内にて更衣でき、さらに暖房が効いていて長テーブルに椅子、鏡,綿棒,ティッシュまであったとか・・・これは羨ましい。
ゴール後にヒグマと遭遇?
これはおまけなのですが、ゴール後の動線で動物園を通過するため、フルマラソン直後にヒグマとライオンに会えます。42.195km先で動物鑑賞できるマラソン大会は姫路だけです。
更衣室までの動線が長くなってはいますが、動物園後に給食の配布があり体が温まるので、個人的にはダウンウォーキングと思えば苦になりませんでした。
2. コスパ良し
他大会がエントリー代金を軒並み値上げするなか、1万円ちょうどでフルマラソンに参加できることは主催者の努力の賜物です。
えっこの内容でこの値段⁉︎ って思う大会がある反面、これで1万円なら十分‼︎と思える姫路みたいな大会があるから不思議でなりません。姫路城マラソンは顧客満足度が高いということです。
ランナー優遇とイベント
前日受付にて姫路城の無料観覧券、ポンチョと手袋がいただけて、同封されていた無料券を使って早速姫路城観光としました。
3連休ということもあり一般客とランナーで大変な混雑となっていて規制で城内で待機時間があり、それでもここまで来て天守閣まで登らない選択肢はありませんでした。
またイベント会場ではランニング系ユーチューバーが数名ゲストで来場、トークショーや撮影会はかなりの盛り上がりを見せていました。
三津家氏の写真撮影イベント
エイドとレース後の振る舞い
レース中の給水・給食は水、スポドリ、塩タブレット、キットカット、バナナ、みかん、チョコパンがメインでした。
1万円という参加費から妥当なところですが、地域の特産品をもっと提供して欲しかったという声が多かったことは事実です。
それでもコース上にて駅そば2回と豚汁サービスあり、ゴール後の動線上でポカリスエット、玉ねぎスープ、城下町ドッグ、甘酒が提供されるのですから不満を漏らしてはいけません。さらには塩田温泉の足湯サービスなんてのもありました。
塩田温泉提供
3. コース良し
公式HPより
高速コース
世界遺産のお城からスタートして帰ってくる分かりやすいコース設定ですが、姫路城マラソンを語るうえで必ず触れなければならないのがここはベスト記録が狙える高速コースということです。
これに気象条件が良好ならPB (プライベートベストタイム) が狙える確率が激高なコースとなります。9000人参加の大会で500人ものサブ3達成者が出たことがそれを現しています。
実際のところ最適な気温になりやすい2月中旬開催です。今年2024年2月11日レース当日は、スタート前のアナウンスでは気温3℃でした。
真冬対策は必須として、個人的には雨ガッパ2枚とエマージェンシーシートを腹巻にみたて、そこにカイロを貼り付け防寒はスタートまでバッチリでした。腹巻きは汗ばんだ2km付近でコース脇のボランティアが持つゴミ箱へ投げ入れました。
100均のビニール手袋を被せて2重にして防寒
朝は晴れ間が見えていたものの次第に曇りほとんどの区間で日差しが途絶えて微風、気温も10℃前後と私は違いますが勝負レースと決めていたランナーにとってこれ以上ない最高の気象条件となりました。
コースの高低図
公式HPより
スタート直後はコース幅が狭いせいで自分のペースで走りづらい区間となります。そろっと走り始めた自分ですが、それでも渋滞気味で想定以上に遅いペースでした。
その後コース前半が上り基調、後半が下り基調となり、勝手にネガティブスプリットになってしまうコース設定がベスト記録更新を後押しします。
上の地図で確かめると高低図的には大きな山を描いて見えるのですが、スタート後に17kmかけて80m程の高低差は実際には高低尺度が小さく、緩やかに高度を上げるので (1km平均4.7m) 体感で感じることは難しいくらいにフラット感覚となります。
コース図
北上して塩田温泉郷で折り返した後は32kmまで下り基調、そこから若干のアップダウンを経て姫路城に戻ってくる道程です。
コース特徴のひとつである27〜37km付近は夢前川のサイクリングコースとなり、道幅が狭い走路が続きます。ここでは3人横並びでコース幅が限界となる狭さとなります。
またこの区間では視覚ではわからない上りが続きペースダウンを余儀なくされたり、終盤にはアンダーパスが数箇所存在し1番キツイ区間となります。
ただしここを過ぎればゴールの姫路城まで下りとなり、京都マラソン最終盤の今出川通りを上り切った後の折り返しのごとく、余力があればボーナスタイム突入となり記録への後押しとなります。
奥から手前のお城方向へ見た目で下ってる
姫路城を背景にゴール
ゴール直前の三の丸広場まで走って来ると、攻め込むかの如くお城方面へ向かって突進し、最後のハイライトが姫路城をバックにゴールする演出となります。
東京マラソンの赤煉瓦の東京駅を背景のゴールシーンも絵になりますが、姫路城マラソンのゴールはフルマラソン大会屈指の構図となるのではないでしょうか。
普段は有料の写真撮影サービスを購入しないランナーであっても、自己ベスト更新した暁には最高の一瞬を購入する気になってしまいます。
左手前からお城に向かって走り、
折り返してお城をバックに右側のゴ〜ルへ
マラソン大会スタート前、仮説トイレが少ないはデフォルト
入口を後ろ側にした設置は初めて
私、前日受付の段階で仮設トイレの位置と数をチェックしました。その時点で参加人数に対してトイレの絶対数が少ないと確信して翌日の長蛇の列を覚悟しました。
よって大会当日は駅近のホテルを早めに出発、着衣を脱いで手荷物預けを済ませ地下駐車場を出たのが8:05分、それから男性トイレ (小) に約15分並び用を足してから軽くウォーミングアップして整列しました。
手荷物預けを8:00時までに済ましてトイレの列に並ぶことをおすすめします。これを目安にすれば十分スタート整列に間に合うと思います。やっぱり早め行動でトイレ問題は解決するのです。
付け加えるのならマラソン大会においてトイレの設置数が少ないことはもはや当たり前です。スタート前数十分しかピークがない仮説トイレにお金を掛ける主催者は少ないのです。
私達ランナーはスタート前はトイレが足りていないことはデフォルトだと思い、会場入りする前に自宅やホテルでトイレを済ませておいたり、早め行動を選択するなりの自助努力が必要となります。
それと気になったのは男性 (小) トイレの最前線で若い女性が空いたトイレを伝える担当をしていたことです。これは後ろから見る方も見られる方も気分は決して良くないはずです。
いや〜また参加したい度
フィニッシャータオル
応援が凄い
姫路市内の各地域ごとの盛り上がりがそれぞれ凄く、公式発表では沿道応援者が67000人の発表でした。
ずっと応援が桁違いに盛大で、特に前日受付で配布された都道県シールを貼ることでたくさんの応援をいただきました。
応援シールと完走メダル
「遠くからありがとう」、「姫路に来てくれてありがとう」、「東京がんばれー」との声援を直接頂けて幾度となく頑張れました。このアイディアにはとても好感を持ち、これは他大会でも真似して欲しいと思います。
ゼッケンに出身県記載の大会は他にもありますが、シールなら背中に貼ることで他ランナーにも伝えることができます。
また評価を下げた終盤のサイクリングコースでは、その狭さゆえに応援が近くて凄い熱量を力に変えられます。
あと少しでゴール
ボランティアのおかげで綺麗なコース
ゴール後に疲労著しく更衣に向かうと、地下駐車場のボランティア達が温かい拍手と労いの言葉を手荷物預けを受け取るまでずっと掛けてくれます。
またコース上には程よい間隔でゴミ袋を持ったボランティアがおり、補給ジェルなどのゴミはポイ捨てはせずに彼らに預けることができ、エイド以外でもゴミが捨てられる環境が整っていました。
そうです、ボランティアのおかげでゴミの散乱がない綺麗なコースが維持されていたのです。
幅広い層におすすめの大会
ロケーション、コスパ、高速コース良しの三拍子揃った姫路城マラソンは、新幹線を降りた駅から歓迎ムードを感じとても心地良いものでした。
そして帰宅の途に着く頃には地域密着型のマラソン大会を存分に満喫し、ランに観光に充実した3日間の感慨にふけていました。これは評価高い愛媛や松阪で感じたものと似ています。
東京から往復の新幹線代、ホテル代2泊分や食費、またはお土産等を入れると出費は結構な額になります。
それでも行って良かった、走って良かったとの想いが強く、駅近でコスパ良く記録が狙えて観光もできるマラソン大会として、姫路城マラソンはビギナーからシリアスランナーまで幅広い層が満足できる大会です。
いや〜また参加したい度