知識と体力を併せ持った先人たちが、そして猛者ブロガー達が記し残していただいた言い伝えによると、こと富士登山競走に関しては試走に勝る練習なしとされています。
ここ最近自宅近辺で取り組んでいる坂道練習は少しマンネリ化してきています。そんなんだからよりリアルな刺激を求めてこれ以上ない場所である現地、富士登山競走五合目コースへの試走へ出掛けてきました。
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富士山駅まで行きは高速バスで
写り込みは私
東京から朝1番に富士山駅に到着する高速バスは、バスタ新宿発ではなく東京駅発の富士急バスとなります。(2024年6月現在の時刻表)
1号 | 3号 | |
東京駅発 | 6:20 | 6:50 |
富士山駅着 | 8:37 | 8:47 |
※2024年6月現在では8:37着は運休、2022年時の3号は103号に名を変えています
ネットで予約した始発バスが6:20発だったのですが、途中東京ドームホテル他に停車する都合により次発 (6:50発) の3号と比較してみると、まさかの富士山駅到着時刻はたったの10分しか変わりません。
起床してからバタバタする朝1番の移動行程を考慮すると、1号よりも30分遅い発車の3号にするべきだったと後悔しました。
空席状況△なのに乗客2人ってマジ・・・
富士山駅のロッカー事情
富士山駅
富士山駅に到着してから走り出す仕様の着替えへ済ませ、最終的に肝心なトイレを済ませてから試走スタートとなりました。
ここで着替えなどランには余計となる手荷物をコインロッカーへ預け、なるたけ本番と同じ軽装で走りたいと思います。その方が実践に近く試走の価値が高まるからです。
写真 (上下) に写っている限り40個程のロッカーがあり、1番小さいロッカーは400円で利用できました。
富士山駅のコインロッカー
ハイシーズンに空きはあるか?
富士登山競走スタート地点へ
富士吉田市役所
本番仕様の格好で富士山駅から試走のウォーミングアップを兼ね、バス乗車で凝った身体をユッサユッサとほぐしながら実に3年ぶりに富士吉田市役所へ向かい動き出しました。
富士登山競走スタート地点
ちょうどこの位置この風景が富士登山競走のスタートラインとなります。
今回は試走ですから当然スタート合図の号砲は鳴らないのですが、自分的に雰囲気を醸し出すために信号が青に変わった瞬間に試走スタートとしてみました。
この日本国内どこにでもある街の光景から、日本においてそこにしかない富士山頂のゴールを目指すのです。山頂コースに挑戦するものとして身が引き締まる思いでした。
富士登山競走五合目コースの概要
ガーミンの画像より
高低図
公式HPより
ぱっと見こんな感じのコース図 & 高低図となり、基本的にスタートしてからゴールまでずっと登りっぱなし、かつ曲がり角が他の大会と比べて極端に少ない大会となります。
五合目までの走破タイムは、富士吉田市役所から馬返しまでと、馬返しから佐藤小屋までの比率がおおよそ1:1となると言われています。(先人たちの、そして統計的データによる)
例えばスタートから馬返しまで1時間5分なら、馬返しから五合目までは同じ1時間5分加算された2時間10分が想定タイムとなります。
おおよその計算が成り立つことが五合目までの特徴で、これによって自分の実力を嫌が上にも知ることとなります。
進行方向で分かりづらい箇所
コースを間違えて戻った形跡あり
(ガーミンの記録より)
富士登山競走の試走にて唯一コースを間違えそうな箇所は、市役所を西に向かい国道137号線を左折して南下したどんつき (T字路) からです。
上の写真のように国道137号線を直進してきたら、T字路を難なく左折し1個目の信号まで行かない道を右折します。
肝心な写真を撮り忘れたのですが、確か富士吉田口との標識があったはずです。でも良くわからなくて右折してしまっても、富士浅間神社付近ならば正規ルートへそのうち出られるので余計な心配はいりません。
序盤は快調も変わらぬ景色に気持ちが削がれる
右折してからは多少気を付けなくてはいけない箇所もありますが、ハッキリ言って五合目まで (山頂までも) 道なりと言っても過言ではありません。
上の写真はスタートしてから4キロ弱で県道701号と合流する地点ですが、まだまだここから中の茶屋を経て馬返しまで歩いてはいけない区間が続きます。
そして中の茶屋まで森林の中をまっすぐ走る風景はほとんど変わりません。単調な景色ですが、こんな序盤で心折れるわけにはいきません。
遥か前方を見て首の角度は変えずに前傾姿勢、眼球だけを上目に移して視線を取った方が走りやすいし疲れにくいと感じました。
この辺りは山頂コースを意識しつつ無理せずにピッチを刻んだ結果、終始キロペース6分前後で進みました。
五合目コース参加から翌年の山頂アタック権を目論むのなら、中の茶屋までキロ6分以内を目指したいものです。
おおっ、試走ランナー
この日は6月下旬の平日にも関わらず五合目までに抜いたり抜かれたり、すれ違ったりで約10人の試走ランナーと出会いました。
この時の印象としてその走法からして皆さん走力が高そうなランナーばかりでした。実力あるランナーであってもここ富士山においては、試走練習に余念がないということの証となります。

中の茶屋
中の茶屋以降のロードの舗装面について
整っていない舗装路
中の茶屋から馬返しまでのアスファルト路面は、写真見たまんまですがその状況は決して良くはありません。
傾斜がキツい箇所でも路面がひび割れて凸凹としていて、足元に気を遣わなければ結構足を取られてしまいます。
足首がコキっと横になってしまう様な挫き (くじき) はしたくありませんが、今回の試走で何回かそれらしき挫きを体験しています。
タイヤが通る轍 (わだち) は全体的に悪路、中の茶屋以降は中央寄りを走ったほうが無難と思えます。ただし馬返し直前の急坂はどこ走ってもボコボコだったことを付け加えておきます。
想定走破タイムをどこに置く?
五合目コースを試走するランナーは主に2パターンに分かれます。
・五合目コースにチャレンジするランナー
・山頂コースにチャレンジするランナー
そして一概に中の茶屋まで○分とか馬返しまで○分とは言えないのですが、この大会には明確な関門時間が設定されています。
ですからどこかに目標時間を決めて走ることがメインとなり、それが馬返しまででそこが関門の基準のひとつとなります。
多くの記事に馬返しまでは突っ込むとの意見があり私自身もそう思うのですが、今回試走して改めて感じたことは、馬返しまで余裕を持って突っ込むということです。要は先々自分自身のために余力を残して突っ込むということです。
べらぼうに速いランナーは別として、五合目コース (山頂権奪取) と山頂コース完走を制限時間内に目指すランナーなら、富士吉田市役所をスタートしてから馬返しまで1時間0分〜10分を目標とすれば完走が見えてきます。
私を含めたこのレベルはフルマラソンで言えば3時間15分から4時間を切るボリュームゾーンとなります。そんなレベルのランナーならこの富士登山競走はチャレンジするに値する大会だと言えます。
2019年大会五合目コースでは馬返しまでで1時間05分台、そして2022年の試走では馬返しまで1時間12分でした。
3年ぶりなのと地図を確認したり写真を撮ったりしながら走ったこと、中の茶屋以降の区間では股関節痛持ちなので無理はせずにキツい斜度は走らなかったことを考慮すれば上出来でした。
富士登山競走は、馬返し・五合目・八合目が走破タイムの肝
枡が独特な吉田口登山道
浸透枡
上流からの水を染み込ませて、登山道の侵食を防ぐもの
コースにおいて特徴的なこの浸透枡を越して行く際、ど真ん中の石を跨ぐのではなく、ほとんどのランナーは枡外の両サイドの走路を抜けていきます。
この場所では痛い経験があって3年前脚を攣った時、他ランナーの迷惑にならない様に枡のど真ん中で待機しました。追い抜いて来たランナー達が左右に分かれて次々と抜いて行くシーン、これはこれで屈辱の時間でした。
馬返しから五合目まで
馬返しからは完全に登山道になので走るにしても限界があります。大事なことは登山道に入ったらとにかく脚を動かし続けて緩斜面が来たらちょっとでも走ることです。
登山道なら速いランナーとはロードほどの差が付きづらい状況、とにかく止まらないで進んでいれば隙をついて抜けるタイミングが必ずあります。
五合目に近づくにつれて足元には岩場が多くなってくるので、試走で慣れておけばそれは大きなアドバンテージとなりえます。今回は2回目の利を感じました。
渋滞の可能性あるシングルトラック
水分が足りなかったか?
3年前と同じくランシャツ・ランパン共に大量発汗で飽和状態を迎えました。
ランパンから汗が否応無しに滴り落ちます。私をブチ抜いて行ったレベルのランナーでさえ、ランパンはビッショリでお尻に張り付いていました。
今回は本番ではないので当然給水ポイントなんてものはなく、茶屋で一服も考えたのですが試走なので断念、よってアミノバリュー入りのソフトフラスクを携帯して走りました。
馬返し以降ガシガシ登ったのでやはり何回か攣りそうな気配に襲われます。でもなんとかすんでの所で持ち堪え、ソフトフラスク2本トータル水分900mlを飲み干したところがゴールの佐藤小屋でした。
山を舐めてはいけない
まるでジェットストリームアタック
ゴールの佐藤小屋から五合目のロータリー広場まで歩いて行くと、目の前に馬たちが揃って虚ろな表情で立っています。でもでも、呑気に馬たちの写真を大量に撮っている場合ではありませんでした。
走り終えて数10分が経ち体調が変化してどうも悪寒がします。真夏の格好で標高2200mまで走ってきて大量発汗、そんなんで気温10℃の世界に放り込まれたら体調悪化して当たり前です。シャカシャカは持参すべきでした。
その震えから当初の予定通り往復下山するか、それともバスを待って下山するか悩みました。再び佐藤小屋の方面へ向かって下山を選択したのですが、どうも心の声がバスで下山しろと言ってます。
こんなご時世※だし

下界から急に高度を上げて来たからなのか、爪が真っ青となり手先が痺れてきました。これは高山病の症状のひとつ、ここは意固地にならずバスで帰ろうと決めたら心が軽くなりました。
そして躊躇なく食事処へ駆け込み温かいほうとうを注文、ぽっかぽかに身体が熱くなり復活、その後路線バスに乗って富士山駅から帰宅の途に着きました。
※コロナ禍
温かいほうとうで温まり復活
五合目から路線バスで富士山駅へ下山
交通機関についてですが正直言いますと、富士登山競走試走と公共交通機関はとても相性が悪いです。あくまでも体験を基に申しますと、公共機関を利用するととにかく時間に左右されるのです。いざ帰りたくても帰れない時刻表を前に何度か辟易しました。
実際にバス下山を決意してから乗車するまで実に1時間半近くを要し、下山後の富士山駅では乗りたい電車はすぐには来ずに時間を持て余すようでした。
多くの観光客が見込めるハイシーズンの夏季は、電車もバスも便数が増えて利便性が増してきます。しかしシーズン前はバスや電車は使い勝手が悪いのは確か、できるなら車で試走に来るのがベストかと思われます。
富士山は精神面の比重が大きい
今回3年ぶりに同コースを走ってみてタイムは前回に及ばなかったものの、全般でモリモリと歩を進められ感触良く試走を終えることができました。
来月の山開き後に山頂コース試走を計画 (素人は山開き後が賢明) しているのですが、そこに向けて多少は自信めいたものが芽生えただけで今回試走に富士吉田を訪れた甲斐がありました。
やはり標高日本一の富士登山においては、フィジカル (勿論大事) よりもメンタルがコースの苦しい場面で試されてくると実感しました。
開催日までの残り時間はまだまだ残されています。諦めずに山頂完走を目指すため、あとひと月坂道への特殊訓練による鍛錬を徹底することで腹を括りました。

残雪残る富士山(2022.6.20)
at 富士山駅
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試走に勝る練習なし②|富士登山競走山頂コースへ
前回の試走はスタート地点の富士吉田市役所から佐藤小屋までの五合目コース、そして今回は残りの山頂までを高所順応を視野に試走してきました。 富士登山はトータルで過去3.5回 (3回登頂+0.5回は砂走りの ...
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