2019年五合目コース挑戦からコロナ禍の中止を経て2022年から山頂コースへ、これでトータル4回目の富士登山競走の朝を迎えました。
今年も宿泊ホテル最寄の河口湖駅の背景にはっきりとその勇姿を覗かせました。
それから5時間後のこと。
これは単なる負け惜しみ以外の何物でもありません。
ただ大会前からどこかで今年富士山頂に行けるのは、先日の試走だけだと思うところがありました。
ここ5年間何回も富士山を訪れたからなのか、それとも山頂までの行程を何回も試したからなのか、富士山は向かい合うたびに小さく見えるようになっていました。
それでも完走の壁は遥かに高いものでした。
今回は3回目の山頂コース失敗記事となり過去2年のレポ記事と被る箇所がございますが、同じように関門切りにあったランナー向けの最新版としてお役に立てれば幸いです。
メイン会場の北麓公園
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3回も挑戦してダメだった主な理由
結果から申し上げます3回目の今年、五合目敗退は思うように走れなかったことが大きいと思っています。
直接的には自分自身の敗退原因と暑さによる天候の外的要因、ナゼに関門不通過なのだろうかと困惑することはなく敗戦理由は自分なりに整理できます。
それらを潰した先に完走があることはわかってますが、やはり走力向上が1番の鍵であることは揺るぎない事実であろうと思います。
700円分の金券を利用して舌鼓
① 走力 (実力) 不足
以前から申し上げていました「サブ3.5をクリアしたら富士登山競走山頂コースに挑戦してみたら?」っていう文言ははっきりと訂正します。
実感としてはフルマラソンのサブ3以上ならトラブルなければほぼ完走可、でもサブ3.5だと全てが上手くいかないとほぼ無理ゲーです。
「ほぼ」という言葉の中には可能性が僅かながらあるのですが万年サブ3.5付近の身で言えること、それはそんじょそこらのサブ3.5市民ランナーでは富士登山競走山頂コースには太刀打ち出来ません。
今年のように気温25℃の中で心拍数が高くても、馬返しまで1時間ちょっとで走り抜ける走力が必要となります。
サブ3.5でそこそこ勝負できると踏んでいたのですが、今年の体験からサブ3.15は必要で馬返しまででボリュームゾーン前に出る必要があります。
馬返しの青マットを踏んでここからトレイル
② 暑さが堪える
2年前は人間ってこんなに発汗するんだ・・・って思うくらい塩出ししました。昨年はその体験をもとに下界で暑熱馴化を徹底対策した結果、当日は暑いながらもさほど発汗は気になりませんでした。
そして2024年の今年、言い訳にしたいくらい気温が高く体温が上昇しました。 (個人差あり)
とんでもない発汗で流れ出たものは腿からふくらはぎを伝ってシューズに落ち、2年前と同等にシューズ内が汗で冠水しました。
視線を下げずに股関節周りの筋肉を使って練習通りに走れていたのですが、もっと速く動かさなければ関門が危ういと脳内が回っていても、体が付いてこない感覚がずっとありました。
ガーミンログによると馬返しまで心拍数170オーバーを優に記録し続け、これでは気合とは裏腹に身体が反応できずペースが上がる訳がありません。
東京より標高が高い富士吉田とはいえ、これだけの猛暑下ですから今後は暑さ対策グッズの導入が前提となります。
例えば保冷剤を手に持ったり帽子の中に忍ばせたり、保冷グッズを首に巻いたりしてスタートし、気温が下がる五合目でゴミ箱へポイする作戦が有効となると思います。
アシックスターサーRP3
と山頂でのコーラとトイレ代
今年も使わず下山
③ 渋滞が近2年で最悪
先日の試走時に最終盤は外国人や日本人の一般登山客の渋滞が〜なんて言ってましたが、渋滞1番手は登山競走参加者だったというオチです。
昨年より山頂コースの参加人数が多いのかスタートからずっと詰まってる感がありました。
そして馬返し後のシングルトラックで不安視していた大渋滞の発生です。
神聖な富士山登山道に汗臭く全身ビショ濡れの集団 (女性数名) が、どん詰まりの立ち止まりで殺気立っている異様な光景がそこにありました。
制限タイムが否応なしに迫ってくるコース上、ここで脚が止まることほど屈辱的なことはありません。
どん詰まりで立ち止まってしまうこと2, 3回、タイムロスは5分に達したのではないでしょうか。
またスタートラインまでは2年連続で1分のロス、Eゼッケンのような後方スタートは抜きっぱなしの覚悟が必要と過去記事にも書いています。
ただし馬返しを1時間5分以内で通過すれば、ボリュームゾーンから逃れられる可能性が高くなります。
馬返しまででボリュームゾーンより前に位置しないとシングルトラック渋滞は避けられない、これが今回痛感した藤登山競争の掟の一つです。
④ 脚攣り
昨年提唱した脚攣りは筋肉疲労によるもの、という仮説はどうやら今年も有力でした。
馬返し直前のラスボス手前ではっきりと脚攣りの兆候が出始め、大事な場面ですが無理せずに早歩きしたことでテンションが下がりました。
ただし脚攣りはペースを落とすことで回避可能です。一息ついた馬返し後は呼吸を整えつつ慎重に走り始めたからか脚攣り症状はその1回のみでした。
もしも筋肉疲労ではなく水分やミネラル分喪失による脚攣りなら、水分補給を重視してベストタイプやリッター少なめのバックパックにボトルやソフトフラスクを装填する方が山頂コースには向いていると思います。
今回は軽さ重視のため250mlソフトフラスクをウエストポーチに挟んで走ったのですが、給水所でフラスクに補給するコック付きの大きなタンクが見当たらず (あった?) 、置かれたコップからフラスクへの補水へと切り替えました。
これが4, 5コップ分を流し込んでからの自らの給水ですから1分のタイムロスとなりました。
渋滞ロス、脚攣りロス、補給ロスで5分以上
いや〜また参加したい度は星5つ、でも来年も参加しますかと言われれば・・・
下山してから屋根がないフィールド上にいたからか熱中症気味となり、山頂コースを完走して帰ってきた選手を横目に見ながら、さぁ今後の目標をどこにしようかと夏空と浮かぶ雲を見上げてボーッと考えていました。
昨年は今年に向けて丸1年かけてリベンジしようと誓ったのですが、今年はそういった気持ちにはなりませんでした。
なぜならはっきりと今の実力で最後方Eブロックからのスタートでは山頂コースでは歯が立たないとの結論に達したからです。
この5年間のランニングシーンには頭の片隅に富士登山競走が常にありました。しかしここで一旦夢半ばの卒業としたいと思います。
今後フルマラソンでベストタイムを更新し納得いく走力に達したのなら、再び五合目コースからやり直し、できるだけ前方ブロックからのスタートを狙いたいと今は思います。
五合目からの下山バス内でカミさんに送ったLINEは、「今年も灰色※になった。富士登山競走は卒業する」という内容でした。
※「灰色」とは応援navi上で関門不通過すると個人名のポインターが灰色になることから (完走者はビビットな色)
そして返ってきたきた返事が
「中退?」
というものです。
それでいいのか?とのメッセージが暗に含まれていて、最も身近な人からの指摘に込み上げる悔しさを押し殺していたらいつの間にか爆睡していました。
これを糧としてまたしても出直しの気持ちを深く胸に刻み、2024-2025シーズンはフルマラソン大会においてベストタイムを更新できる練習を主体として計画していきたいと思います。
その先に再びの山頂チャレンジがあることを信じて。
いや〜また参加したい度
試走時の富士山頂
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