いよいよ冬が訪れ、本格的なマラソンシーズン到来となりました。
通勤時に見える富士山は、12月が近づきすっかり雪帽子をまとっています。(写真は静岡マラソン時、春のもの)
今夏あのてっぺんまで行ったことを思い出して感慨深く眺めていました。本番では撃沈して未達だったものの、試走にて年1の登頂を達成しておいて良かったと思います。
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あっ、そういえばあの下山時のこと、フランス人青年と交わした国際交流が気まずかった記憶が、今になって蘇ってきました。
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外国人の富士登山を、英語でサポートできず

富士山頂から (2025年7月)
富士登山競走の試走、その下山時
2025年7月、今年の酷暑が始まった頃の話になります。
今年こそ完走するぞの想いを強く持ち、それなりのタイムで富士山頂に到着して一休み、満足感を抱いて軽快に下山していた時のことです。
豪快にコケて出血したものの足取りは下山も調子良く 、山頂から六合目の安全指導センターまで約1時間で到着です。
その永遠に続く九十九折り区間で、トレランナーではなく、一般登山者で抜きつ抜かれつの青年がいたのです。
吉田口下山道にてランナーに抜かれることはあっても、重装備の一般の登山者に抜かれることは経験がありません。

安全指導センター
あれ?下まで行くの?
見た目20代前半のフランス人青年 (発音から推測) は、羨ましいほどの美形を持ち、手足が長くてとにかくリズミカルに下山していきます。
五合目からバスで下山する場合、安全指導センターで左に (上の写真だと奥の方へ) 逸れていくのですが、この青年は佐藤小屋の方、つまりバスを使わずに富士吉田の街まで下山するコースへ向かって行きました。

1番下にバスはこっちじゃない✖️とあるけど分かりずらい
(白い建物は安全指導センター)
六合目を過ぎてまたも私を抜いて行くではありませんか。
再び森林限界より下の領域に入り、木々が迫る細い登山道を下っていきます。
しばらくすると途中で立ち止まり、スマホで何かを確かめています。私が追い付いた際に口から出たひと言が
ろくに話せもしないくせに流暢 (ケンヘルプユー?) に話し掛けて失敗したことはすぐに分かりました。
青年「yjdsjsatjohd」
(たぶん) フランス語訛りの英語が返ってきたけど聞き取りづらく、それでもBus stationだけは聞き逃しませんでした。
やっぱり富士スバルラインのバスターミナルの方へ行きたいんだ、と思ったのですが結構下(下図⚠️の下付近) まで降りて来たので、戻るよりも佐藤小屋まで下りてからバスターミナルへ向かった方が早いと思いました。
何度も試走に来て、何度も五合目で敗退しているのでこの付近の地理には明るくなっています私。

位置関係
いくつかの間違い

下山時、六合目から佐藤小屋へ向かう場面
戻るよりもう少し高度を下げて、分岐を左に真っ直ぐ行けばバス乗り場に到着するよ・・・こんな説明を英語でできる訳がないので、とりあえず付いてくるように出たひと言が、
この時の青年の表情が???だったことは一生忘れません。
山頂から一緒だったけど、この人は変な日本人だったんだ、ってな顔してました。
それはそうです。直訳すれば「俺を連れて行け ‼︎」ですから、あなたも道間違えたの?ってことになります。
まったくの真逆ですから、正解は今思えば、「I'll take you」(私が連れて行くよ) 、もしくは「Follow me」(付いて来てよ) でした。

天気が良ければ佐藤小屋近辺はこの風景 (眼下に山中湖)
(写真は2024年の試走時)
それでも彼はついて来てくれて、佐藤小屋近くの分岐点まで来ました。
ここからは私は右の下山コース、青年は左のバスターミナルへ向かうコース、これはなんとか英語で伝えることができました。
ただし、五合目バスステーションまではの距離 (約1.5km) をkm単位で伝えてしまったことは間違いだったと反省しています。
欧米ではkm単位ではなく、mile単位の方が一般的なので、「It takes about 1 mile. 」(だいたい1600mくらいあるよ) と伝えるべきでした。
その後、バスステーションに向かう背中がどんどん離れて行くのを見て、私は大きな声で「Good By !!」と叫びました。
そしたら彼が振り向き「Good By !!」と大きな声で応えてくれたことは、ちょっとでも手助けできたことを確信できて嬉しかったです。

ここは・・・
最後にそんなやりとりがあった場所がココで、奇しくもそこは正に富士登山競走の五合目関門地点だったのです。
いや〜ここは・・・、私こそが関門敗退からおさらば (Good By !!) したい場所ですから。
