2022-2022年マラソンシーズンは終了して優先順位は家庭優先へ、3月末に家族とともに観光目的で奈良へ滞在してきました。
出先までランニング用具を持ち込むことは今となっては習慣化、見知らぬ土地々で非日常ランが新鮮で心地よい体験となります。
前回の京都と同様カミさんと娘が甘味処に行っている2時間の隙をついて、奈良でトレラン行けちゃうん?との行程となりました。
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奈良観光の合間にランニング、ちょこっとトレラン2時間コース
行程は近鉄奈良駅から春日山原始林内をトレイルラン
見るべき目玉は3ヶ所、近鉄奈良駅をスタートして若草山山頂、鶯(うぐいす)の滝、首切り地蔵を巡って再び駅へ戻ってくるルートとなります。
時間的に余裕があればこの行程にトッピングする形で、東大寺や春日大社、新薬師寺などを追加することができます。ただ今回は夕食までの2時間制限が前提としてあったので、寺社仏閣巡りは省いてトレイルをメインで楽しみました。
またシューズはいつものランニングシューズで行けないことはありませんが、全行程の大半が砂利道なのと、鶯の滝への道は完全なるガレ場なのでトレランシューズがおすすめです。
以下より写真中心にご紹介していきます。
行程表①から⑩へ(ガーミンの記録を加工)
近鉄奈良駅〜若草山
スタート地点・近鉄奈良駅
宿泊したのはJR奈良駅近くのホテルでしたが、過去2回奈良訪問の際に気付いたこと、それは近鉄奈良駅の方が奈良公園や東大寺に近く利便性が良いのでスタート地点は近鉄奈良駅にしました。
さあまずはトレランコース入り口がある春日大社を目指して東へ向かいます。
①の地点は奈良マラソンコース
このコースをランニングしたのは、2017年12月に参加した奈良マラソン以来です。
今回はもちろんマラソンみたく車道は走れず歩道を通ったのですが、当時のベストタイムで駆け抜けた坂を懐かしく思い出し自然とスピードが上がります。
スタートから道なりに春日大社方面へ、とにかくまっすぐ進みます。多くの観光客が横に並んで歩いているので、邪魔にならないようパスしていきます。
上の写真「現在位置」をもう少し東へ進むと、春日山遊歩道入り口となります。
②の地点は春日山遊歩道入り口
この遊歩道入り口から3kmちょっとの上り坂、若草山山頂までモリモリと上っていきます。
撮影のため立ち止まってしまいましたが、マスクを装着しながらのキツさを除けば、斜度はそれほどキツくはありません。ここでは山頂まで一回も歩かず走り切りたいものです。
③の地点、ずっと上り
④の地点は三叉路
上の写真は若草山山頂まであと500mの地点にある「出逢いの三叉路」です。
今回のトレランは全行程において分岐地点にはこのような看板があるので、目的地を指す方へ進めば迷うことはまずありません。
一般道へ出て駐車場の奥へ進めば、そこが若草山山頂到着です。ここは車で来訪しても奈良盆地を一望できるので、山頂には結構な数の観光客がいました。
若草山山頂
この大パノラマが見れただけでゼェハァして登って走ってきた甲斐があるっていうものです。未だ3月の肌寒い中ランTとランパン姿ですから、多くの奇異の眼差しを肌で感じました。
ひと休みひと休み
若草山
標高342mの低山でノシバという日本固有種で山腹が覆われ、見た目山肌がハゲて見える奈良を代表する景観
若草山〜鶯の滝
先ほどの④の三叉路まで戻ってから看板が指し示す東の方へ、2つ目の目的地である鶯の滝まで2.2kmの道のりです。
ここから一転して人がいなくなるので寂しくなり、何となく不安で怖くなってきます。
道は砂利ながら車両が十分通れる広さで整備、突然の車両の出現に気をつけて進んで行きます。
マムシ注意
注意するのはこちらの方が優先されます。暖かい季節には足元に視線を落としながらのランニングとなりそうです。
春日山最大の山桜
薄ら苔が生えて荘厳な雰囲気を漂わせています。ここは人の手が加えられていない原始林が続いていきます。
そんな中人っ子ひとりいない静かな道をそそくさと進みました。時たまゴソゴソと音がして誰かに追われている感覚に陥ります。
ここから本格的トレランコース
⑤の地点まで来るとこの看板が立ち、ここからコース本線から外れて600m先の滝を目指します。
往復1.2kmと短い距離ですが侮ることなかれ、行きは下りで足場が悪い沢を降りて行き、帰りは本線に戻るまでずっと上りが続きます。
ガレ場
写真の通り下りのガレ場が続き、さらに足元が泥でドロドロな場所があるのでとにかくよく滑ります。やはりテンポよく走るのならトレランシューズが必携となります。
降りて行くと次第に水の音が近づいてきて、そこに滝の存在を感じずにいられません。
鶯の滝
パッと目の前が開け神秘的な空間があらわとなります。2つ目の目的地である鶯の滝に到着です。
展望スペースから見ると正直こぢんまりとした滝なのですが、下まで降りて対峙すると水の迫力にそれなりに圧倒されます。
鶯の滝
佐保川の源流部で春日山原始林北東に位置し、江戸時代からの名所で高さ約8m
鶯の滝〜首切り地蔵
春日山周辺の案内図
鶯の滝から最終目的地の首切り地蔵まで2.3km、世界遺産に認定されている春日山原始林の中を森林浴で走っていきます。
奈良時代から続く植林されていない原生林、とても清らかな場所で神聖、すっと心の澱がどこかへ抜けていきます。
春日山原始林
841年から狩猟・伐採が禁じられた春日大社の神域、原生林として学術的価値が高い
↑春日山原始林↓
道の分岐がありますが、やはり看板通り進めばちゃんと目的地へ到着します。
首切り地蔵
高さ1.8mの鎌倉時代作の地蔵、剣豪荒木又右衛門により試し斬りされたとされ首で2つに割れている
首切り地蔵
⑦地点の少し下がった場所にある首切り地蔵を拝んだ後は、下の写真の階段方向へ向かい本線へ戻ります。
左の石畳方向へ進んでも帰れますが、古(いにしえ)の道で近鉄奈良駅から遠ざかってしまいます。ただ市街地の拓けた場所へ出れば、駅方面へ簡単に修正できます。
首切り地蔵〜近鉄奈良駅
首切り地蔵を出発した後の区間は、もう一言で言い表してこれに尽きます。
今回の行程は時計回りとすれば、首切り地蔵から近鉄奈良駅まで約7キロ以上ゆるい下り坂となり一気に下ってゴールを迎えられます。
行程を逆時計回りすると若草山山頂からの下り坂は急となり、着地衝撃が強く脚への負担が懸念されます。なのでやはりこのコースは時計回りがおすすめとなります。
※⑩の地点だけ上り、それすなはち奈良マラソンコース
⑧の地点は砂利が小さ目なので、アスファルトまではいかないまでも普通に走れます。
ずっと下りですからスピードUPは必至、原始林から住宅地へ、そして奈良公園からゴールの近鉄奈良駅まで一気に駆け抜けました。
北側の入り口が②となり、⑨の位置が南側の春日山遊歩道の入り口となります。
コース終盤が下り基調で快走、鹿を横目に素晴らしいフィナーレです。
奈良マラソンゴール手前⑩の地点
下りが続くと言っても⑩の地点だけは例外、首切り地蔵から永遠と下ってきてここだけは上り、さすがタフネス最強の奈良マラソンコースです。
フルマラソン終盤のこの風景、2017年暮れの出来事ですが忘れていません。いつかまた坂道対策を万全に、年末の奈良マラソンに戻ってきます。
道なりでゴールの近鉄奈良駅となります。首切り地蔵からは気分良くノンストップで40分前後といったところでしょうか。
鬱蒼と茂る原始林から近代的建築の駅までわずか数十分の出来事、視覚的にも体感的にも今昔の時間の流れを感じずにはいられません。
出先ランニングはこんなに楽しい
ゴール後にJR奈良駅近くのホテルへ戻り、急いでシャワーを浴び予約してあった釜飯屋へ向かいました。というのは2時間で帰って来る予定が30分以上オーバーしたものですから、家族は心配して気が気でなかった模様。
見知らぬ土地を進む非日常的があまりにも楽しいランだったので、原生林の素晴らしい風景を写真に収めるため、立ち止まる回数が激増した結果でした。
近鉄奈良駅からのコースは全長約17km、トレラン混じりと観光を考慮すると2時間の見立ては甘かったと言えます。出先ランでのトータル20キロオーバーはちとやり過ぎ、空腹が加速して夕飯とお酒がとにかくすすみました。
四季折々の若草山山頂