2021年暮れから2022年の始めにかけ、オミクロン株感染拡大により全国各地の市民マラソンは中止となりました。
でもここは河川敷で運営がRUNNET、怖いもの無しのタッグでコロナ禍でも開催される大会としてシリアスランナーに認知されました。
ベストタイムを狙う30キロまでの大会は数あれど、42キロのフルマラソンでここまで記録狙いに徹する大会は類を見ません。
コロナ禍に生まれ瞬く間にランナーの心を掴んだこの大会、生体験してきたのでレポートしてみたいと思います。
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ランナーズフルマラソンチャレンジ in 板橋荒川河川敷、大会の特徴
コロナウイルス感染拡大を受けてのマラソン大会中止連鎖の中で、中止にならない公認大会があるとの情報を得たのは昨年のことでした。
ソツのない運営と公認記録が取れる大会として知られ、何と言ってもコロナ禍で緊急事態宣言が発令中でも独自判断で開催決行する粋な大会です。男気あるこの大会で他と顕著に違う点は以下の通りです。
ここが違うよこの大会
- フルでベストタイム狙いに特化
- 細かいペースランナー設定
- セルフ給水
ベスト狙いのランナーの集い
ここは都市型フルマラソンとは一線を画した、ベストタイム狙いに特化した大会です。遠征好きな私はこういった大会に参加した経験がありません。
しかも陸連登録者は公認記録として残るので、大会が少ないこのご時世にあって嬉しい限りです。
制限時間が4時間ということでマンモス大会とは違い、普段から結構走っている猛者が多く、よってそれぞれがベスト狙いに徹する意識高い系の大会となります。
サブ3.5以上しか参加資格のない別大に近い雰囲気で、マラソン玄人が多くガチ度が非常に高い大会です。
ペースメーカー設定が細かい
ペースランナー設定
フルマラソン目標タイム |
2時間30分 |
2時間45分 |
2時間50分 |
3時間 |
3時間15分 |
3時間30分 |
3時間45分 |
4時間 |
ペーサーが付くのは30kmまでとなりますが、実に8カテゴリーにも渡り細かく設定されています。フル公認でここまで細かいペースランナー設定は他になく、これはランナーを惹きつけるのに十分な差別化と言えます。
自分が狙ったゾーンで同じ走力ですから、自ずと緊張感が生まれる集団走となります。無謀なペースで走るランナーは付近にはまずいません。
私が狙った3時間15分のペースランナーは、サブ3.15に必要なキロ平均4:37の前後5秒くらいの範囲内で走行、安定した速度で航行し信頼できるペーサーの方でした。
集団走
スタート直後は全員がペースランナーに付いていく訳でもなく、あくまでもマイペースで走るランナーが多かったと見受けられました。
それでもペーサーがいる以上集団走になるのは必然で、集団走に慣れていないと前後左右の間隔や給水でストレスが溜まっていきます。
ただ中盤以降は脱落者(私のこと)が一人また一人と増えるので、混雑らしい混雑は25キロくらいまでの認識で良いかと思います。
経験からペーサー周りの集団前後、つまりは集団の中以外に付けば、接触や給水の混雑は避けられると承知おき下さい。でも風除けが欲しい時は積極的に集団の中を選択したくなります。
パーソナル給水ドリンクが設置可能
この大会の大きな特徴は、一般市民ランナーがフルマラソン大会においてスペシャルドリンクを置ける点です。普段は叶わないエリートランナーの気分を存分に味わえてしまうのです。
自作ボトル(4本)や補給ジェルなどを置けます。実際には名前の書かれたスペース内(約15×45cm)なら、いくらでも補給食を置ける雰囲気でした。
周回コースの形態上10、20、30、40キロ地点の計4回取るチャンスがあり(40キロで取る人は少ないか・・)、その分補給ジェルなどをポケットに携帯する必要がない利点があります。
私は20キロ地点で取る経口補水液+メダリストのボトル、30キロ地点で取る濃いめの経口補水液500mlのソフトフラスクの2つを置きました。
30キロ以降の脚攣り対策として、そのソフトフラスクを手に持ち飲みながら走る作戦を立てました。(それでも後半は終始攣りっぱなし)
また他には、ゼネラル給水(水、スポドリ、後半にアミノバイタルジェル)が2.5km毎に配置され、中途半端な給水間隔ではなく補給しやすい環境が整っています。
ゼッケンNo.の末尾でテーブル分け
自分の名前のスペースに置く
コース
1周10kmのど平坦周回コースです。42キロですからここを4周ちょっと走ります。
コース特徴がアップダウンを全く感じることができない走路で、河川敷の10キロ周回コースですから予め分かってはいました。
そうです目の前の風景に全く変化がないコースなのです。上をまたぐ道路と大会のメイン会場、それだけが過ぎてゆく景色の変化らしい変化でした。
これを苦痛と感じるか、かえって走りに集中できると捉えるかです。
参加人数が適している
参加者は1000人程の大会で、コース幅や会場の広さを考慮すれば、混雑は終始少なく人数に適した大会だと言えます。
スタート前の待機だって東京マラソンとは真逆、ペーサー直後に付きたい方を除いて、ゆっくりゆったり準備でスタート5分前整列で十分です。
トイレ事情
用足しはトラック横にある常設トイレと、大会でよく見かける仮設トイレとなります。(下の写真)
1000人規模で仮設がこれだけですから、スタート前には大のトイレは混雑気味で30分ほど並びました。小なら数分で完了、女性は右端の2機が専用で常時5人ほどの列でした。
スタート前数十分のためだけのトイレ増設は、予算的に削れる領域となり無理だと思います。会場到着までに済ますか、早め行動で列に並ぶかは各自考えて行動するしかありません。
またこの手の仮設トイレは和式が主流ですが、珍しく様式だったことも付け加えておきます。
レース後はがらん
風が鬼門
河川敷コースゆえに一般的に風が強く、周りに遮るものがないだけに風の影響をモロに受けやすいことがデメリットとなります。
記録狙いに徹しているのにその影響は大きく、向かい風が風速5mを超えてくると明らかにスピードダウンします。風除けのために集団を上手く活用しながら走らなければなりません。
また気温が低い条件だと低体温症の危険が伴います。これは普段の大会同様、やはりマラソン大会は大会当日の天候に大きく左右されます。
日差しが鬼門
風と同様遮るものがないので、雲がなく太陽が顔を出して15℃近くまで上昇すると、走っている熱量のせいか体感は20℃以上となります。
帰宅後真っ先にシャワーを浴びに行くと、初夏みたく両腕がヒリヒリするくらい日焼けしていました。
また気温上昇によって脚攣りリスクはどんどん上がってきます。攣り対策は有効な対策を未だ模索中なのですが、いくら対策しても足りないことが個人的にはフルマラソンを難しくしています。
RUNNET口コミ
RUNNETの口コミは参加者の生の声です。他のランナー達がどう感じて何を考えたを知りたく、レース後は数日間チェックするようにしています。
今大会は総じて高評価が多く、この新しい大会が早くもランナーの心を掴んだ証拠と言えます。
・シリアスランナーばかり、周りに引っ張ってもらえる
・アップダウンがなく走りやすくタイムが出る
・MCがランナー目線でとても良かった
・折り返しが多くスピードが落ちる
・参加人数が適切、運営もしっかりしている
・パーソナルドリンクを置けるのが貴重
・ペーサーに引いてもらえる
・スライドが多い
・5キロ毎のラップあり
・コロナ禍の中での開催に感謝
・とにかくタイム狙いに最高の大会
・応援があって気分良く走れた
・公認大会中止連鎖の中、開催はありがたい
・ランナー目線の公認大会
・スタッフ、ペーサーの方共に優しい
・2時間40分、3時間10分ペーサー希望
2022.3.24現在
いや〜また参加したい度
レース名にもあるようにここはフルマラソンチャレンジ、すなはちベスト狙いにチャレンジするランナーが参加する大会です。
自滅してトボトボと歩く私の横を走力あるランナー達は、終盤40キロ付近でも躍動的な足音を立てながら、ゴールまで決して諦めない表情で追い抜いて行きました。
4割以上がサブ3ランナーというレア大会なので、自分より走力が高いランナーが多く、周回コースゆえに上位陣の走りをレース終盤にすれ違える刺激的な体験となります。
このランナーズフルマラソンチャレンジは各地(大阪や立川)で開催され始め、ゆくゆくは30Kシリーズ並みの可能性さえ秘めています。
ここはフルの公認記録狙いで文句ない安心の運営、コロナ禍であっても開催されるため、目標レースに十分なり得る大会だと締めくくらせてもらいます。