年末の故障から再起を図るべく調子が上がってきたので、今シーズンのレースシューズをここのところ模索しています。
故障を患ったロング走後は痛めたふくらはぎ下部をさすりながら、薄底シューズのダメージに甚だ嫌気が差していました。
その折に意を決して選んだのが、クッション性と反発力を両立した話題のシューズNIKEズームフライ・フライニットでした。
スポンサーリンク
ズームフライ・フライニットの第1印象
ファーストインプレッションは何事においても大きなインパクトを与える場合があります。
このズームフライ・フライニットも強烈な印象を私に与えてくれました。
ズームフライ、履いてみて
テニスボールが埋まっている?
2018年に世界記録を樹立したのが金メダリストのキプチョゲです。その彼がが使用していたヴェイパーフライ4%に似た仕様で、ソールにカーボンプレートを内蔵しています。
このためシューズに足を入れた私の第一印象は、本当に前足部にテニスボールが埋まっている感じでした。
当然埋まっているはずもなく、これがカーボンプレートの弾力なのかと感心します。
ズームフライ、走ってみて
これは反則級
リアクトミッドソールの柔らかさとカーボンプレートの硬さが、絶妙なバランスでグイグイ前に脚が進みます。
一歩一歩の負荷がソフトなのに反発力もあるので、今まで履いてきたシューズとは別次元の感覚です。
なるほど、国内外を問わずトップ選手が選択する意味がわかりました。
ズームフライ、走った次の日
あれ?脚が痛くない
ポイント練習翌日にこのシューズのメリットを強く感じることになります。
そう、とにかくダメージが少ないのです。ビックリするくらい他のシューズに比べて、ナイキの厚底シューズはNOダメージなのです。
「このくらいのペースで◯Km走ったら疲労度は大体このくらい」という想定を見事に裏切りました。
ズームフライ・フライニットの特徴(私感)
一般的な特徴を踏まえつつ私が感じたこのシューズの特徴をお話ししたいと思います。
クセがすごい
厚底で前足部分にかけて薄くなっていくソールが、まるで坂道を下るかのようにナチュラルに大きなストライドを生み出す構造となっています。
また足底の接地の際は、暑底がわざとバランスを崩れさせてストライド広がり、さらにソールの曲がりを制限しているので、結果的に接地時間が短縮し、ピッチ数が上がる構造になっています。
元々ピッチ走法のランナーよりも、ストライド走法のランナーの方が履きこなしやすいかもしれません。
あくまでも私感ですが、ストライド走法のランナーの方が上手くピッチを上げられる印象を持ちました。
ふくらはぎに負担?
慣れないうちはランニング後、翌日も含めてふくらはぎを中心に脚に大きな疲労感が残るとの体験談を多く見かけます。
私の場合はそうではありませんでした。
ふくらはぎorハムストリングどちらを疲労するか?
脚への負担が大きいのはペースが想定以上に上がった時ですが、このシューズの場合はハムストリングがより疲労するシューズです。愛媛、東京を走った後に感じました。
履きこなすには自らを変える
ズームフライ・フライニットを手の内に入れるにはランニングフォームを見直し、シューズに合わせる必要があるかもしれません。
普通は自分のランニングフォームや走力に合わせてランニングシューズを選択すると思いますが、ズームフライ・フライニットの場合は逆です。
より力まずに膝下の筋肉は使わず脱力状態で脚を動かして接地位置(スイートスポット)がハマれば、今までのシューズよりもスイスイ進む感覚でスピードを持続しやすいうえに疲労度が少ない恩恵を受けることができます。
これはランニングエコノミーに寄与し、楽に速く走れることを意味します。
逆に躍起になって力んで走り出した瞬間からこのシューズは重い鉛と化すのです。
こんな理由からもふくらはぎよりもハムストリングを使う走りになるのでしょう。
体幹を使って走る
これは何もズームフライ・フライニットに限った話ではありませんが、不整地ランニングを続けた結果、体幹を使った走りが板に付きこのズームフライ・フライニットに走りがドンピシャに適合しました。
体幹をしっかり鍛えてズームフライ・フライニットのポテンシャルを最大限に発揮する。
年末に故障して芝生ランを余儀なくされたのも、このシューズに出会うための布石だったのだと勝手に解釈しています。
いささか勝手な考えですが、故障しなければこのシューズを試そうとは到底思うには至りませんでした。
ズームフライ・フライニットはこんなランナーにおすすめ
28.5cmでこの重さ
レベルを問わないシューズを求めているランナーにおすすめ
履いて走ってみて、このシューズは使用者のレベルを問わない印象を強く持ちました。
サブ3以上の速いランナーからサブ4、サブ5さらにはウルトラマラソンまで適用する可能性を秘めたシューズだと思います。
私のようなサブ3.5を切るランナーを優しく迎えてくれ、初フルマラソンをこれから走る知人もこのシューズはクッション性が高くて自分に合っていると言っていました。
レース用のシューズを探しているランナーにおすすめ
毎年、年が明けるとそのシーズンの勝負シューズを購入します。
さてさて今シーズンはどれにしようか?と悩む暇もなく故障中の私が出した答えがクッション性+反発力を兼ね備えたNIKEズームフライ・フライニットでした。
このシューズはNIKEのシューズの中では、ヴェイパーフライ4%とペガサスターボ35の中間グレードの位置付けとなっています。
ヴェイパーは高価だし実力的に手が出なくても、ズームフライ・フライニットは耐久性が高く、値段は安くはないが手が出せる範囲内、かつ走力を問わない作りだとすると、多くのランナー向けで大会用シューズにぴったりだと思います。
練習用トレーニングシューズ→エアズームペガサス35
レース(ポイント練習)用→ズームフライ・フライニット
薄底シューズにうんざりランナーにおすすめ
市民ランナーは走り始めた当初は、クッション性がある厚底シューズを選びます。
やがて練習を重ねレベルが上がりタイムを追い求め出すと、同時に薄底シューズへシフトしていく傾向がありました。
もちろんシューズの反発を武器に飛躍的にタイムを伸ばすことは出来ます。
しかし同時に諸刃の剣、怪我が多くなって苦しんでいるランナーをとても多く見かけます。
薄底シューズだけが原因ではないのは承知ですが、間違いなく怪我に関与していると思います。昨年末の30キロロング走を薄底ハイスペックのとあるシューズで完遂後、疲労の蓄積で故障しました。
走り終えた直後の感想が「このシューズじゃフルは持たん」と思ったのは間違えではありませんでした。
フルマラソンを走り切るのにはダメージが大きく、体が大きめの私の脚に合わないと確信した瞬間でした。
ケガをしたくないランナーにおすすめ
このズームフライ・フライニットは、私みたく怪我を経験してきてなおもベストタイム更新を目指しているランナーに特におすすめです。
このうえなく脚に優しく、それでいて軽快なスピードさえも担保してくれるシューズは世にそうありません。
足の形を選ばないシューズを探しているランナーにおすすめ
「フライニット」という名の由来はアッパー素材にニット素材を採用、圧倒的な伸縮性を武器に、足に絡みつくようにフィットします。
私のような幅広で、外反母趾の足を持つランナーに適用してくれます。
またこの素材のおかげで走行中は通気性がすこぶる良く、シューズの中は蒸れがない仕様となっています。蒸れが嫌いなのでありがたいです。
まとめ
一般的にマラソンシューズは厚底登場から高騰、高値推移で高価な買い物となります。
価格は基本的にネットでも、実店舗でも安売りはなく税込17280円です。(2019年2月当時)
走りの感じやフィット感に癖があるので、1回は購入前には試着はした方が身のためです。(私は衝動でポチりました・・)
また、使い倒して擦り減った後は普段履きにしても良いと思えるカジュアルなデザインなのはありがたいです。
そう考えると、もうランニングで使用できませんと言えるくらいヘタった後、カーボンプレートが顔を出すまでの数年間は普段履きのポテンシャルさえ秘めているのです。
このナイキズームフライ・フライニットは、そこまで履き潰したくなるシューズだと思いっています。
-
ズームフライ・フライニットをフルマラソンで初使用した感想
約1ヶ月前に購入した話題のランニングシューズであるナイキズームフライ・フライニット、買った目的は今シーズンのフルマラソン(愛媛、東京)で実践使用するためでした。 1月はフルマラソにとって重要な鍛練期な ...
続きを見る