
どうやら大阪マラソン2023はエントリー代だけが如実に上がって、肝心なサービスが明らかに劣化した典型例となりました。
まずはランナーの生の声をお聞き下さい。ここに2023年大阪マラソンの評価の全てがほぼ詰まっています。
・エイドで食べ物にありつけませんでした
・参加賞Tシャツが以前よりもダサくなって残念
・EXPO、エイドは年々劣化が顕著
・42キロの間、塩タブレットさえも給食当たらず
・コロナ対策が前日受付からスタートまで煩雑
・5時間レベルで給食なしってこんな大会初めて
・ランネット、TATTA、応援NAVIに非対応なのに、勧めるランナーズアイは繋がらない
・前日受付でアプリと接種証明で長蛇の列
・まさかのコンビニがエイドに変貌
・手荷物預かりに屋根はなく降雨だったらゾッとする
・大会当日にWEB速報がない大会も珍しい
・ぼったくりと言われても仕方ない
・この規模でスタート地点に吉村知事 & 松井市長もいないって・・・
・走力を考慮しないブロック割って何だ?
・コース上のトイレが過去大会では見かけない長蛇の列
・大会パンフに当日の情報はなく広告ばかり
・エントリー代に見合わない
RUNNET大会レポより簡素化
このような声を受け今回はネガティブ色が強めの内容となっております。2024年以降もこの対応が続くようなら、運営が成り立たなくなるくらいの定員割れが予想されます。
昨年は大会直前に一般ランナー参加が中止、今年は給食問題やブロック問題が発覚しさらにランナー離れが加速しました。
このままだと前週の京都マラソン、同日開催の姫路城マラソンにランナーを持って行かれても文句は言えません。そんな大阪マラソンをまとめてみたいと思います。
スポンサーリンク
コースの特徴について
実際に走ってきて感じた大阪マラソンのコース特徴は、大きく分けて3つに集約されます。
大阪マラソンのコース特徴3選
- 折り返し5箇所
- アップダウン
- 記録が狙える
折り返し5箇所
コース上に折り返しが5箇所もあって、直線コースを行ったり来たりを余儀なくされます。
どうしたって折り返しでは減速がマストですから、一定ペースを刻むランナーにとって大きなデメリットポイントとなります。
ただスライドが多いことで他のランナーの走りに勇気付けられたり、知り合いとエールを送りあえますからマイナス面ばかりではありません。
四天王寺周辺のアップダウン
下の図の丸印、30キロ手前から走行600m程で高さ20m上る坂があり、そこから今里筋までアップダウンがダラダラと続き結構脚が削られるレース終盤となります。
高速コースゆえに飛ばしてきたランナーはここで一服、残り約7キロの最終盤に向けて大阪マラソンのキーポイントにひとつになります。
公式HPを一部加工
-
-
大阪マラソンのコース特徴、アップダウン攻略を考える
大阪マラソン2023に参加して感じたコースの特徴、それは以前の最終盤に南港大橋があったコースから大きく変わり、新しいコースには以下の3つの特徴を持つことです。 大阪マラソンのコース特徴 ...
続きを見る
記録が狙える
ズバリ大阪マラソンは、高速コースでベストタイムが狙えるコースです。
一部コース幅が狭く大渋滞していた箇所 (走行ゾーン) があったのですが、コース全般で幅が広く走りやすいアスファルト路面、そしてフラットなコースとなります。
それに加え気象条件が良好であれば、日頃の練習成果を十二分に発揮できるコース設定となります。大阪マラソンはシーズン最後の格好の選択肢の一つになります。

2023年はマラソンに適した気象条件
(Yahoo天気より)
いい感じな点
給水に関しては◎
給水に関しては高く評価できます。
コップが置かれたテーブルが長いうえに、給水区間が異常に長いのでシリアスランナーでも飲み物を取り損ねる心配はありません。
コップの数も十分で3万人の参加規模に見合った給水でした。後述する給食とは雲泥の差となります。
フィ二シャータオルは考えようによっては◎
酷評が多いフィニッシャータオルですが、生地的にタオルではなくこれはブランケットです。これはこれでマラソン大会のタオルに飽きていた私にはヒットでした。
冬しか使わなそうですが用途は多岐に渡り、暖かいブラアンケットを羽織りながら色々と作業ができるので重宝しそうです。カミさんや娘に好評を頂いております。
「参加賞ブランケット」と名称を変えていれば、ランナーのイメージは変わっていたでしょう。
アクセスが◎
大阪のど真ん中に鎮座する大阪城公園が大会会場なので、交通機関のアクセスはすこぶる良好となっています。
マラソン後によく見られるシャトルバスへ乗り込む長蛇の列はもちろんなく、終わったらさっと電車で帰宅するもよし、仲間と打ち上げに向かうのにもよし、とにかく交通の便に文句ありません。
The 大阪
イマイチな点まとめ
スタート前の仮設トイレが少ない、ゴール後の仮設トイレが遠い
仮設トイレの数が少なく需要に応えられていない、そうスタート前やレース中に実感したランナーが実に多かったことか。
さらに数が少ないうえに行列を整理誘導するボランティアが配置されていなく、これは大規模大会では久しくない運営で当然カオス状態となりました。
(個人談)
20キロ過ぎからお腹が冷えて下痢の兆候が出始め、そこから何回トイレに駆け込もうと思ったことか・・・
ベストタイムを目指す身としてトイレだけは避けたく、それでも北風が強く折り返し後の北に向かうコースで体調悪化を引き起こしお腹が痛みました。
記録に届かないとわかった時点で目標変更、ゴール地点ではなくトイレ場所を目指して走り続けたフルマラソンとなりました。
なんとかお尻を締めながらゴール、動線上のメダルとかお菓子とかどうでもよく、とにかくトイレの案内を探すのですが全く見当たらず。
ようやく見つけた公園内の常設トイレはすでに列があって絶望と悲壮感、ボランティアに尋ね「太陽の広場」仮設トイレまでMax内股で早歩きしました。

朝は起床後から早め行動を取ったため難を逃れたのですが、まさかのゴール後にトイレ不足を恨んだのは私です。
内股で撮影
動線が悪い
大坂城公園内の規制範囲が決まってることから動線が悪く、スタートブロックまで遠いにも関わらず看板以外に情報がなく(プラカードを持った係がいない)、どこへ向かうべきか迷って右往左往してしまいます。
参加ランナーが同規模の東京マラソンと比べても断然ダメで、あちらは都庁前が上下2層構造の道路だからできる芸当だからという理由だけではないと思います。
さらにランナーエリアの出入りチェックがザルで、宿泊ホテルから歩いて会場入りしたら検温所の出口に着いてしまったのには苦笑しました。さらにランナーしかいないはずなのに、一般の応援者をちらほら見掛ける始末です。
形だけの検温なんて誰も望んで望んでなく、コロナ感染を証明する手立てにならないことは明白です。きっともう止めにしようと言うリーダーがいないのでしょう。
給食がなくなった問題

エイドの給食が第1ウエーブでなくなっていた事態は、ランネットのレポを読むまで知りませんでした。
これに関して大多数のランナーが不満に思った反面、第1ウェーブで参加できた走力により印象がかなり違った大会となってしまいました。
3時間20分ちょいゴールの私の走行ゾーンでは、殆ど給食を取るランナーがいないシリアスランナーだらけとなります。

レポを読んでいるとサブ5ランナーで給食が尽きていた報告があるので、給食を取って走りながら満足したのはサブ3.5〜4.5のゾーンだった模様です。
長時間走るランナーに給食が行き渡らないことは生死に関わることで、早い段階で全て無くなるのは想定が甘く、複数個取ったランナーを責める前に運営側の問題となります。
後方ブロックのランナーへの配慮が著しく欠けていました。

感染予防が未だ過剰
多くの大会でコロナ証明が廃止されているにも関わらず、未だ使いづらいアプリをインストールさせたり、ワクチン接種や陰性証明の提示を求めることはランナーやボランティアの負担が増えるだけしかありません。
大会当日、検温ゲートを抜け着ているものを脱ぎ、手荷物預けを済ませてスタートブロックを目指しました。そして最後のトイレで万全を期してスタート地点まで辿り着くのに実に1時間近くを要しました。
コロナウイルス対策が1年前と変わらず同じで過剰という運営自体は、コロナの感染症分類が5類へ下がった2024年大会からは大幅に改善されるはずです。

土曜日の受付はここが大混雑
ブロック分けがおかしい?Fブロックにサブ3ランナー
Fブロックに陸連登録のサブ3ランナーが配置された経緯は一体何なのでしょうか。
確かに流れが落ち着いた辺りで、速いランナー達に次々と抜かされた時には「ブロック閉鎖に会ったのかな?」と私自身思っていました。
寒い冬の鍛錬を経たFブロックからスタートしたサブ3ランナー、勝負レースとしていたろうに本当に気の毒です。
走力が大きく異なるランナー達が同じブロック内に混在、こんなスタートブロック割りはとにかく危険極まりない対応です。そしてこれではお互いが不快な気持ちになります。
とにかく今回の大阪マラソンはTVに映るようなトップランナー優遇が著しく、市民ランナー軽視が透けて見えてしまったことがここでも露呈されました。
5キロのスプリットは?
以下の内容は相当な疑問なのですが、走っていて何回も踏みつけた定番の青い計測マットが存在したのに、大会公式のWEB記録証には5キロのスプリットタイムがないのはナゼなのか不思議でなりません。

そして自分のガーミンが、昨年東京マラソン以来再び大都市でGPSキロ計測が狂ったので、各ランナーの記録が残っているのなら、WEBですから今からでも遅くはありません。様式を変えて再発行してもらいたいものです。
-
-
都市部ではGPSウォッチが狂う、これには参った
先日の東京マラソンでの走行距離、私の場合はフルマラソン44.09km※走ったことになっていました。手元のGPSウォッチ、ガーミンさんがそう表示しているのです。 キプチョゲが好記録で優勝を飾った東京マラ ...
続きを見る
不評な前日受付とエキスポ
当ブログ内で何度も言っていますが、フルマラソンの前日受付ほ不必要な催しはない断言します。
すべてスタートまでに必要な物品を事前郵送でOK、それで運営費削減になるし、EXPOはゴール会場に物販エリアを作ればいいだけの話です。
決定権がある実行委員内部に、ランナー目線で指揮を執れる運営者がいない証ではないでしょうか。
いや〜また参加したい度
ガチなランナー、初マラソンのランナー、ファンランで完走目標のランナーなど、大会に求めるものはランナーの数だけ違うものです。
そして今回の大阪マラソンは、多くのランナー達が望んだものではなかったことは事実です。
その全てに配慮した運営でなければマラソン大会としてはどうしたって評価下がります。今回コロナ禍で評価が低くなりがちですが、大阪マラソンはここ数年で最低評価なメジャー大会となってしまいました。
回を重ねたベテラン大会でこれほどの低評価は珍しく、来年以降のエントリー控えが懸念されます。
どうしても参加したいと思わせてくれる感動ものの大会は全国に幾多もあって選択肢が多い中、大阪マラソンまた出ますか?と問われれば、現状では大会レポのように大半のランナーにNOを突き付けられます。
でもさすがは大阪という風土、ボランティアはとにかく活気あって、なにわの沿道応援は途切れることを知りません。
そしてコースは文句なくタイムが狙えて走りやすいのですから、2023年大会の諸々の不評を吹き飛ばすブラッシュアップを2024年は期待しようではありませんか。
また参加したい度