2万人参加という大規模都市マラソンである東京マラソン、2年間の沈黙を破り3年ぶりに都心に帰ってきました。
この間ずっと待ち望んできて練習してきた身として、週初めの月曜日から徐々に上がるテンション、禁酒したり睡眠を長時間確保したりして体調万全で本番当日を迎えることができました。
ウクライナ色に包まれた小池百合子知事のスピーチでボルテージが最高潮に達した時、都庁てっぺんの空は初参加した2016年と全く同じ紺碧の空でした。
3月6日午前7時
快晴でピリッと肌寒い朝
予報では最低気温5℃最高気温13℃、日差しは個人的には余計ですが、時折吹く冷たい風など、まず文句が言えないコンディションだったのではないでしょうか。
スタート後は自身に言い聞かせるように終始リラックスに徹して快走、勝負レースとして当然狙っていた3年ぶりのベストタイムを達成でき・・・・・
・・・・色々あって未達でした。
2019年夏の先行当選時から恋い焦がれ続けた3回目の東京マラソン、2年半も待った大会はEXPOからゴールまで全てのシーンが感慨深く記憶に刻まれました。
スポンサーリンク
事前受付、EXPOは高評価
いつの間にかアスリートビブスと言うようになった
コロナ蔓延中に行われる大会ですから、多くの制約と新しい検査やルールが適用されました。以下が参加者全員がスタートまでに済ませなくてはならない約束事です。
・受付日時の事前予約
・PCR検査で陰性
・体調管理アプリを10日間記入
わざわざゼッケンを取りに行くためだけの前日受付は、以前までは断固反対の立場でした。しかしPCRの検体提出がありそうは言ってられず、スタートラインに立つため素直に従うまでです。
事前に受付予約
受付は予め日時(木・金・土の○時)を予約、決めた時間に訪問する形式です。私は金曜日13時に国際展示場に到着したのですが、受付自体は時間指定なのでとてもスムーズなものでした。
EXPOに関してはイベントとして十分楽しめるもので、滞在時間の制限は基本的にありません。よって自分も含め長時間滞在組のせいか、終始ランナー達で会場内は賑わっていました。
じっくりと各ブース巡りを堪能
PCR検査陰性者のみ大会へ参加
これはもう周知の内容なので、説明の必要はないかと思います。
参加=PCR検査が今後のスタンダードになり得ること、ですから心してマラソン大会参加意思を表明しましょう。
-
東京マラソン最終関門(PCR検査)突破、あとは心置きなく走るだけ
どれほど待っても発表にならないPCR検査の判定結果に夜も眠れず・・・いや嘘、待っていられずぐっすり眠りました。 そして朝起きてすぐに結果を覗きました。 溜飲が下がる この言葉が言い得て妙、ようやく不安 ...
続きを見る
初めての体験にビビる
体調管理アプリの記入
このアプリに関しては懐疑的で、毎日まともに体温を測定・記入したランナーはどのくらいいるのでしょうか?
この手の体温記入は職場でも見受けられますが、検温の記入自体は個人任せなのでどうにでも改ざんできます。何日か分をまとめ入力したランナーがいたはずです。
このアプリはEXPO受付時に顔写真をロックすることで、マラソン当日に入場ゲートにて本人確認用アプリとなります。これは以前までのリストバンドだと丸一日以上手首周りに違和感を覚えることとなり、個人的には嫌いなものでした。
EXPO
アスリートビブス受け取りやPCR検査の検体提出後は、動線に沿って進むことでスポンサーやスポーツメーカーのブースを通るEXPO会場となります。
前回参加時(2019年)は東京オリンピック関連で国際展示場が使えず寒空の下で徘徊、出店数だって少なくイマイチ盛り上がりに欠けていました。
2019年EXPO
しかし今回は展示場に再び戻り、2フロアーを贅沢に使用してブースは多過ぎず少な過ぎずの規模でした。
スポンサーからのアドレスやユーザー登録を億劫と思わなければ、そこかしこで多くの戦利品をいただけました。
各メーカーにとってもビジネスチャンスとなっており、EXPOは新商品発表会場となっております。
未発売の塩熱サプリ・ソーダ味やMEDALISTの塩GELを購入、脚つり対策としてマラソン当日に実践投入しました。
ランナー受付からEXPO会場を出るまで約4時間も滞在、各店舗をくまなく回って商品を手に取ったり、店員さんや自治体の方とおしゃべり、これは自分なりに十分楽しめました。
一番気になるメーカーOn
東京マラソン2021の運営
動線はさすがの一言
大会当日のスタート会場内やゴール後の皇居周辺広場、そこで大分歩かされることに不満は幾分あったとしても、東京マラソンの動線はよく考慮されていると感心してしまいます。
特に疲れ切った身のゴール後は、基本的に何も考えずに案内に身を任せれば労せず電車に乗れます。規制線の行く末が地下鉄の入り口とは良くやったものです。
スタート&ゴール会場やコース幅などとにかく広い
他の大都市フルマラソン大会とさえ比べてはいけないレベルで、東京マラソンはワールドメジャー大会にふさわしく全てが規格外でビックスケールです。
東京という大都市をこれでもかと贅沢に使用、国内屈指の絢爛豪華な催しとなりました。
例えばゴール後の皇居周辺から東京駅に及ぶエリアは典型的です。日本屈指の高地価な広い敷地と3車線道路を占拠、東京都心の最深部ゆえに交通の便が良好で2〜3万人規模のマラソン運営にとっては最高の立地となります。
スタート前
ゴール後
写真の通り広く会場を押さえた東京マラソン、あらゆるスペースが広くてストレスがありません。参加人数がべらぼうでも全く問題のない仕様となっていました。
東京のど真ん中を快走
東京マラソンは日本の中心である銀座のメイン通りを日中通行止めとし、コースの一部として使用しています。
30キロを過ぎていよいよ肉体的にキツい区間に入るのですが、個人的にここが今回の東京で一番納得できる走りができた区間でした。
銀座メイン通りでは敢えて中央線上の道路ど真ん中を疾走、資産的に到底無理な話でも気持ちだけは銀座を独り占めできました。
銀座
手荷物預けなし問題
これもこれまで沢山書きましたので過去記事を参照して下さい。
-
東京マラソン2021は手荷物預けなし、どうしよう・・
10月開催(※2022年3月6日へ延期)の東京マラソン2021要項が発表になりました。 各方面で物議を醸していますが、その内容に驚愕とした方が多いと思います。色々と発表になった中で、ランナーにとって1 ...
続きを見る
ゴール後にもらったタオル生地の特製ポンチョは、結果的に晴天だったので防寒の役割を不満なく果たせていました。
程よい気温によりレース後身体が冷える心配がなく、これなら辱しめを捨てこの格好のまま帰宅しても抵抗ないかと思えました。
今後の使い道?
・・・スタート前の防寒着に
スマホを持って走る
これは今の大型化したスマホ事情にマッチせず、普段使いのスマホを携帯してフルマラソンを走るにはウェストポーチが必須でした。
スマホを持って走るメリットは、音楽を聴かなければ(写真撮影しなければ)限りなく0と言い切れます。
容量が少ないポーチにスマホをぎゅうぎゅう状態で入れ、これは練習(17キロ走)で体験済みでしたが、ハーフくらいから地肌との接点が擦れて痛みだしました。
足を止めて外す訳にもいかず我慢すること3時間半、走り終えて確認すると横10cmほど表皮がえぐれた状態でした。
失礼ながら痛々しい痕跡
(レース数日後)
私の東京2021|ガーミンと応援ナビの違いに愕然
3年ぶりの勝負レースと位置付け、この上なくアドレナリンが放出された東京マラソン。ですが簡潔に言うと、ガーミンの狂気と脚つり発症で記録出ずに閉幕となりました。
レース中ガーミンが示し続けたキロペースは、レース後に応援ナビと比較すると実際10秒以上もの開きがあったのです。ガーミン頼りの私にとってこれは致命傷でした。
都心のGPSは狂いやすいことはもちろん知っています。これまでも1キロの単発狂いはよくあることですが、長い間狂い続ける体験は初めてとなりました。
ハーフでこれはおかしいと確信してペースアップ、そのペースさえガーミンは実際より10秒以上速く表示していました。(これでいいと誤信)
さらにはいよいよ最終盤の37キロ以降は定番の脚つりを発症する始末、青太と同様に大きくペースダウンを余儀なくされたのです。
まだ余力があるのに脚が言うことを聞かないジレンマ、そしてここは東京マラソンという勝負レース。
そして非常に(非情に)特徴ないタイムに収まったという結果、これは自分的に納得できない結果となりました。
-
都市部ではGPSウォッチが狂う、これには参った
先日の東京マラソンでの走行距離、私の場合はフルマラソン44.09km※走ったことになっていました。手元のGPSウォッチ、ガーミンさんがそう表示しているのです。 キプチョゲが好記録で優勝を飾った東京マラ ...
続きを見る
応援ナビよりキロペース当たり10秒以上速い記録、
実際はこれより10秒以上遅いペースで走っていた
いや〜また参加したい度
東京マラソンが終わって数日経ったのですが、今は前回2019年に参加した後と全く同じ感情が湧いています。
感染者数が激減した昨秋、その中で全国の主要大会がいくつか開催されました。しかし年末から再びオミクロン株急拡大を受け、年明けからは再びマラソン大会中止の連鎖が続きました。
私を含め多くのランナーがまたかの諦めムードを受け入れ始めた矢先、まさかの東京マラソン一般参加決行に驚嘆しました。
英断して頂いた東京マラソン財団はじめ関係各位の方々に対し、大いなる敬意を払いたい気持ちで一杯です。決断権限がある方達は、批判が沢山あったであろう中、さぞ悩ましい日々を送られたことでしょう。
でもその決断は少なくとも参加した2万人の心には十分響きました。都庁前でランナー皆、感謝の気持ちを抱きスタートラインに立ったと確信しています。
コロナ禍の沈黙を抜けた東京マラソンを、全てのランナーが満足感を得られたと勝手に思っています。
リスク(PCR検査、コロナ関連)を背負って参加し、リターンと言う名の満足感を得たランナーの皆さんお疲れ様でした。私たちはこの大会を範とする礎となりました。
きっと今秋には殺人的な変異株が現れない限り、コロナは日常となり今回の東京マラソンをモデルにした大会が増えていると信じています。
いや〜また参加したい度
フルのゴール地点は特別な場所