2023年7月28日に開催された富士登山競走から日にちが経つにつれ、あの強烈な筋肉疲労による痛みがようやく快方に向かっていることを実感しています。
五合目関門まで所持した未使用の経口補水パウダーや補給ジェル類を、昨年同様に自宅のランニング関連棚に片付けながら、そして岩場で使用予定だった軍手を小さく畳みながら先週のレースを何度も振り返っていました。
自分史上最高にして最難関のチャレンジの結果はDNF、山頂で飲む予定だった高級コーラは、道の駅・富士吉田にてまたしても地ビールと化けて今大会を終えました。
今回の記事内容は昨年の大会後にまとめた記事と多少被るところはあるのですが、 2023年山頂コース完走を目指したが諸々の理由で関門突破ならなかったことと、その原因打破を中心に話を進めていきたいと思います。
午前中から実はこれ2杯目
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2023年富士登山競走山頂コース、五合目足切りの主な理由
4年前初挑戦の五合目コースの走破内容、山頂コースに初挑戦した昨年の失敗談、そして今年スタートから通し試走をして得た感触から私が山頂を取るためには、実力の全てを出し切る + メンタル面の昇華 + 足攣りと 渋滞は極力なしが必要条件であることを前提としています。
レース中どんな場面でも全力でぶつかる誓いを立てていたため、足切りとなった五合目にて現時点でやり切った感は気持ちとして確実にありました。
よ〜やった
でもそこは満足するところではなく反省と分析すべき点、ここからは関門突破が遠のいた理由と、それ以下はその回避策を自分なりにまとめたのでお付き合い下さい。
五合目関門後は左の走路へ、
今年もあっち側に行けず
足切り理由その1:走力が足りない問題
これはもう初回の五合目コース含め3回目の大会参加ですから、ましてや3週間前に同コースを極力止まらず試走しています。ですから現時点で自分が実力不足なことは知っていました。
ただし大会当日はプラスαが見込めるのがマラソン大会、実力に加えてメンタル面のカバーがある本番なら、全てが上手くいってギリ完走できるかもと思ってもいました。
馬返しまで1時間5分到着目標が4分程遅かった (スタートロス60秒含む) こと、ラスボスは走らず攣り防止でパワーウォークに徹したりと、あの時もっともっと突っ込んでも良かったのかと反省しています。
最後方Eブロックからスタートして馬返しまで1時間5分以内で狙うとなると、実際はスタートからずっと抜きっぱなし状態になります。中の茶屋までにCブロックの走行ゾーンに追い付いたと感じました。
ただしそれでも完走レベルに足りてなく、YouTubeにある完走動画を見ていると、走力の無さを嫌が上にも痛感させられます。私が走れないトレイル区間のあんな場所もこんな場所も走り続けていることに感心しきりでした。
これこそが走力レベルの桁違いそのものであり、これはフルマラソン大会で感じるサブ3以上の選手に抱くものと極めて似ています。
もの凄い走力の持ち主達がスタートするSPECIALな位置
(スタート前方ブロック)
足切り理由その2:何度も足攣りを発症
昨年も確かに暑さが酷かったのですが、今年は連日猛暑ですから暑さは昨年以上でした。
気温25℃以上の中で登りオンリーのコース上を1時間以上懸命に走るとどうなるか?高温サウナの発汗と同じくらい尋常ではない発汗量となります。
ただ昨年は自分の発汗量にビビったのですが、今年はこんなこともあろうかと下界の高温下で練習を重ねたので、滴り落ちる大量の汗はさほど気にせず前に進めました。
それでも左脛に脚攣り兆候が現れたのが馬返し後、これはいつものことなので余裕かまして本格的に攣らないギリギリラインで攻め続けました。
馬返し後は階段の段差で思ったほど脚が上がらない
トレイル区間の段差につまづいた瞬間に本格的な攣り症状に襲われて困惑、それ以降は両膝の上に波及して不安、前方に大きく転倒した際には右ふくらはぎもやられ覚悟を決めました。
ぽっこり縦に割れたふくらはぎは見て見ないふり、攣っている状態は筋繊維が硬直している状態、それで登山道を無理矢理登るのですから何回かプチプチと筋繊維が切れる感覚を伴いました。それは肉離れみたいな症状で後日苦しむこととなります。
元気なランナーがぴょんぴょん飛び越えていく丸太をよっこらしょ (ういち) としか越えられない情けなさ、ただしどんな体の変化が訪れても「今日だけは出し尽くす」気持ちが強く、メンタルが振り切れていて (多分表情は鬼) 痛みを押し殺して止まらずに上を目指しました。
五合目から
足切り理由その3:山道で渋滞が発生
コロナ明けで参加人数を絞っていた昨年は目立つことがなかったのが、過去にもあったシングルトラックの登山道渋滞です。
狭い登山道に五合目関門を通過できるか否かのボリュームゾーンが訪れ、これが同じレベル同士なので抜きづらい渋滞は避けられません。
これに関して、2024年以降も馬返しからのトレイル区間で渋滞が時折発生する可能性が高いです。
狭い登山道
2023年山頂コースに挑戦してみて、今後足切りにならないための策は?
昨年とは違った見解もここから先含まれますが、以下からは上述した足切りにあった理由に対する自分なりの返答となります。
来年以降の自分のため、また同じような境遇のランナー様に届けば幸いです。
※八合目まで未達の身なので、内容は関門の中でも五合目関門突破の話となります。
試走時山頂にて
対策その1:走力の底上げが必須
馬返しまでに同じEブロックゼッケンより、Cのランナーが多いゾーンまで切り込めたのですが、トレイル以降は脚がどうにも動かずどんどん抜かれていきました。
四合目付近でEゼッケンのランナーが周りに多くなった時点で、あ〜今年も厳しそうだと観念しました。
五合目コース参加時に馬返しまで1時間5分台で到達したのが4年前、当時はフルマラソンでベストタイムを叩き出した後で絶頂期、どう走ったって3時間20分を切れるレベルでした。
そして今後山頂コースを達成させるために、当時並みかそれ以上の走力が求められていることは紛れもない事実だと認識しています。なぜなら馬返しを1時間8~9分台で通過したここ2年、同シーズンにてフルマラソンで3時間20分を切れなくなっていることがその証左となります。
この1年間はフルマラソンよりも富士登山競走を目標にし、年初のコロナ罹患以降半年間は特に注力してそれなりに練習してこの結果ですから、もっともっと走力を上げろと言われても正直どうしていいのか今は分かりません。
走力は試行錯誤の末に醸成されていくものだと思うので、今後もまた何回も悩み実行するの繰り返しとなるとは思っています。
再びロードで鍛え直し
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対策その2: 足攣りは原因を探る
どうやら私だけではなく他ランナー達も足攣り発症に苦しんでいた模様です。それはレース後いつものようにランネットの大会レポを読んで知りました。
個人的には今年は試走による高所順応、日常から猛暑の中をペース走で暑熱順化を完了させ、体調面の準備としてはこれ以上ない自分でスタートを迎えました。
それにもかかわらずロードは及第点レベル、トレイルに入ってからは足攣りを頻発しては悪化の一途でしたから考えものです。
4年前五合目の時は立ち止まって回復を待ったのですが、山頂コースにそんな余裕はありません。騙し騙し先へ進むしかないのです。きっと良化すると信じて。
今年はウェストポーチではなくミネラル分の欠如による足攣りを防ぐため、飲みたい時にすぐ水分を摂取できるよう、背中の暑さを犠牲にしてでも試走時に好感触を得たサロモンのバックパック (6L) を背負って走りました。
走りながら胸元にあるソフトフラスクからちゅ〜っと飲む
(写真は御岳山山頂)
バックパックの中身自体はシャカシャカ1枚と大会配布のビニールポンチョと小銭だけですので、重さ1kgちょっとは背負って走っても大したことはありません。
それよりもとにかく経口補水液を入れたソフトフラスク (500ml) 2本をショルダー部分に装填したこの状態がeverytime給水にベスト、常時補給で足攣り予防になると思いこの装備にしました。
ただし昨年の大会後と違った考察となったのはココ、足攣りは本当に水分やミネラル不足が原因なのか?という点です。
レース1週間前から水分補給を気にして、レース当日もあれだけ脚つり予防の経口薬やサプリメントを口にし、ましてや経口補水液やジェル類をレース中絶えず補給しながら走っても顕著な脚攣りが発症している自体でこれまでの答えが間違っていると結論付けるべきではないでしょうか。
そこで個人的脚攣り原因なのですが、脱水 (電解質不良) というよりも極度の筋肉疲労が原因ではないかと思っています。ということはつまりは走力不足なのです。
こんな感じで是非とも脚を攣った状況から、ご自分の原因を探ってみて下さい。
脚攣りに補給類は本当に役立っているのか?
対策その3: 渋滞を避けるためには
富士登山競走にて渋滞を避ける最善策は、まぎれもなく前方ブロックからスタートすることです。前は速い選手しかいませんから渋滞が起きづらいのは当たり前のことです。
しかしスタート後はゴチャゴチャしているものの、Eブロックからでも最初に左折して富士山を正面に見て登る区間からは、徐々にランナーの隙間が広がっていき、走力あるランナーなら蛇行しなくても無理なくどんどんパスできます。
後方ブロックスタートは確かにグロスタイムで不利なのは否めませんが、山頂コース完走の走力があるなら後方ブロックでも馬返しまでで挽回はできると感じました。
金鳥居
私は号砲からスタートラインまでのロスが60秒、関門ギリだとこの1分はとてつもなく大きいと感じます。その意味では来年は五合目からやり直して前方ブロックスタートを狙うことも視野に入ります。
そして他力本願的思考となりますが、大会側にはどうかネットタイムによるウェーブスタート導入を希望します。各ブロック5分刻みのウェーブで十分、これなら抜けるランナーは無理なく前へ行け、抜けなくてもそれ相応の結果になりうるからです。
遅いヤツは速くなれって考えもあるでしょうが、費やしてきた時間と労力は速いヤツとそう変わらないはずです。ですから渋滞発生という外的要因で関門突破が遠のくのは残酷な気がするのです。
閉会会場、道の駅・富士吉田
夏到来
いや〜また参加したい度、当然MAX
試走の段階で足攣りと渋滞がなければかろうじて山頂コース完走が見えると申したのですが、当日はまさかのどちら様もしっかりご降臨なさりました。
完走出来るか否かのランナーに足攣りと渋滞の応酬、さすがは日本一過酷なレースと言われるゆえんです。「来れるもんなら山頂まで来てみなさい」そう言われている気分でした。
世界遺産富士山を舞台とした唯一無二のこの大会は、前日受付は無くてもいいとして、それ以外はスタッフ対応や仕事ぶりが統率感あって素晴らしく運営自体は最高レベルです。ストレスなく走れたことが全てです。関係各位の皆様感謝申し上げます。
じゃぁ来年も参加しますか?と言われたら、このままでは終わりたくないから当然ここは即答、
富士登山競走は記念参加するための大会ではなく、自分と真正面から対峙して山頂完走を目指す超絶シリアスな大会です。
2023年大会で顕著だった足攣りと渋滞は、結局は個人的走力の底上げで回避できる可能性が高いはずです。ならばもうちょっと己の限界にチャレンジしたいと思った灼熱猛暑の2023年夏でした。
いや〜また参加したい度
2023年7月28日
大会当日早朝の河口湖駅から