今回は秋の会津路を走ってきました。
小中高と郡山で過ごして馴染深いこと、土地勘がそこそこあること、ランネットの評判が良い方だということ、そして全県制覇(ハーフ以上)へ向けて未参加ゆえに福島県まで行ってきました。
秋の嵐か台風一過か、台風通過に伴い大会そのものの中止も懸念されました。しかし進路が西側に逸れたため開催の運びとなりました。天候は激変でしたが、コース自体は面白く楽しく走ることができます。
幼い頃から大好きな会津盆地のこの大会、本当は淡々と感想を述べようと思ったのですが、ツッコミ所が結構ありました。
良い印象も当然あったのですが、残念な点が多かったので部門別に率直な感想を述べていきたいと思います。(○×で評価)
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鶴ヶ城ハーフの辛口評価まとめ
あいづ陸上競技場
大会の特徴
○大会全体として感じたこと、それは子供達の参加種目が多いことです。
そのため家族連れが非常に多く、終始アットホームな雰囲気満載でマラソン大会というよりは、毎年行われる地元のお祭り感が漂っています。
地元を大切にするという観点なら有意義な大会です。反面マラソン遠征には向かない大会とも言えます。
コース
○2018年からコースがリニューアルされ、より会津の歴史を肌で感じられるコースです。
都市型観光地めぐり色が強くなっていて、商店街が立ち並ぶ会津若松のメイン通りを南北に疾走、歴史あふれる七日町通り、会津志士・白虎隊で有名な飯盛山に向かいます。
さらに鶴ヶ城を正面に真っ直ぐ向かうコース設定は幕末の志士になった気分にさせてくれます。今回この鶴ヶ城に向かう道が私は1番気に入りました。
○スタート直後は加速が嬉し楽しい下り坂なうえ、広い2車線道路を目一杯使うので実にスムーズな走り出しとなります。
×常に地味に上っているか、下っているかというコースです。アップダウンコースで跨線橋もありベストは狙いづらいコースです。
フラットだと思って走っていると、実はハードでタフなコースという印象が強く残ります。さらに今年は西風が強くせっかくの下りをうまく生かせませんでした。
×キロ表示がなく1キロラップを確認しながら走るランナー泣かせのコースです。
×観光都市の主要幹線道路を3連休のど真ん中に半日以上規制、封鎖して大会を行う大胆な運営でした。当然周辺は大渋滞です。
各種目が多いので道路の規制時間が長く、渋滞回避のため郊外の道路も渋滞が続きました。コースをもう少し迂回路的にする必要性を感じました。
スタート前
会場
×毎年参加人数が増えて人気上昇中を伺い知れます。今年はなんと8000人を超える参加者です。
応援者を含めると1万人が会場に集まって大盛況でした。地元参加者が圧倒的に多く、田舎だけに車利用での参加が大多数です。そのために駐車場、近隣道路は一日中大混雑でした。
大盛況
手荷物預け
×レース前気にならなかった手荷物預け場所は、ゴール後にはっきりと動線が悪いとの評価に変わりました。
おもてなしブースを通り越して進むルートで、汗で早く着替えたいランナー泣かせの動線です。ゴール直後は試食よりも早く着替えてリセットしたいです。
手荷物預け入り口
おもてなしブース
×多くのスポンサーによる食品を試食・試飲できるのはありがたいのですが、マラソン大会なのに誰でも貰えるスタイルです。走った後に長蛇の列に並ぶことが億劫で諦めました。
×地方大会の会場内に地元のお土産屋がないのは残念でした。郷土料理や農産物、地元のお菓子などをよくお土産に買っていく身としては物足りなさを感じます。
郷土料理「こづゆ」配布
特典
○シャトルバスを降りるとウェルカムドリンクが迎えてくれます。
しかもこれ、走り終わって私がシャトルバスに乗る時もまだ配っていました。さながらグッパイドリンクといった感じです。
○会津産の新米コシヒカリ、郷土料理こづゆが配られます。今年の恵みのお米が食べられることと、優しい出汁の味がするこずゆは疲れ果てた体に沁みていきます。
何杯でもいただける
駐車場・シャトルバス
×ランネットの書き込みで最も多かったのが駐車場・シャトルバスに関する不評でした。
私が利用した駐車場(富士通)から会場までの往復シャトルバスは程よく台数があり待たせない感じでした。
しかし会場から会津若松駅行きは運行がうまくいかず、ハーフを走った後に1時間近く待たされ苦痛だったと言います。
×大会案内書には会場周辺の駐車場はハーフ優先と記載されています。しかし名ばかりで、それをチェックする係員がいません。ですから早い者勝ちの駐車場でした。
ハーフ参加で比較的早めの到着だからと停められると踏んでいたランナーは、駐車場入り口で泡を喰う形となりました。
×満車になっても駐車場同士の連絡があったのかなかったのか・・停められない車に対する次の案内・誘導がなく朝から混乱した参加者が多数です。
×上記に起因してすれ違えないほどに会場周辺の裏道の路駐がひどく、地域住民への多大なる迷惑となっていました。
駐車場は事前申し込み制にして入出庫しやすい配慮が必要で、これは来年以降のこのマラソン大会の要改善事項です。
シャトルバス乗り場
天候
×台風の影響で南風が入り10月にしては気温が高く、終始発汗が多い状態でした。
まだまだマラソンで本当のポテンシャルを発揮する10℃前後には程遠い気温(午前11時で21.8℃)でした。 マラソンと気温>>
×走っている最中は曇っていて丁度いいやと思ったら太陽が顔を覗き暑かったり、雨や風が時折強かったりで天候の変化が激しい大会と言えます。
ただこれは今年に限ったことかもしれません。
ゴール!
ランナー達の評価|○良い口コミ
ランネットの口コミを読むと自分とは違った見方や感じ方が多いと感じます。自分に該当しなくても新たな気づきがあってとても参考になります。
- ゴール後の完走証の受け渡しがスムーズ
- 市街地の広い道路でとても走りやすい
- おもてなしブースでは試食、試飲、サンプル配りが40社もあり、他の大会にはないもの
- 40ものブースが全て無料というのは破格
- ブースの大試食会は楽しく満腹になり、応援の家族にも好評
ランナー達の評価|×悪い口コミ
- ゴール、から荷物受け取り、更衣室の動線がスムーズではない
- 帰りの会津若松駅行きのシャトルバスで1時間待たされた
- 昨年は更衣室が体育館で快適だったが、今年は正面がコースのためプレハブのテントになった
- 距離表示がない、せめて中間点くらい欲しい
- トイレがコース上に設置されなくなりコンビニを利用してくてれとのこと
- 各ブースであまりに自由に配布していてランナーに行き渡らない物が結構あり、ゼッケン確認と応援者と別けるべきでは
- 会場内の案内が乏しく迷った
- 体育館が使えなくなったが雨の場合はどうなるのだろう
- キャパに対して参加人数が多すぎでは?
- 駐車場では満車の標識を作って欲しい
- 午後1路には、こづゆや新米がなくなったのでせめてランナーに配る分は残して欲しい
- 駐車場の誘導係は丁寧にやって欲しい、案内が雑
- 出展ブースが親子競技の時間帯にはほとんで終わっていてこずゆもなく悲しい
- 前回はできていたことが今回はできていない
- 給水が少なく感じた
- 会場は全体的に案内が少なく、どこに何があるのか分かりにくい
- 手荷物預り所が狭く、自分のブロックに各自置く方式なので荷物がぐちゃぐちゃ
- トイレットペーパーがなくなっても補充されない
- 種目毎に駐車場をしっかり別けて欲しい
- 誘導表示、駐車場間の連絡が不十分
2018.10.12現在 ランネットより
良い点に比べて悪い点が一目で多いと分かります。これが今回のこの大会の評価の全てと言っても過言ではありません。
悪評目立った点を翌年に素早く改善してくる大会が今後も長くランナーに愛されていくのだと思います。
今回の強行日程
少し話は逸れますが、今回は会津まで距離的に前泊するかどうか非常に悩みました。というのはこれから続くマラソンシーズンの遠征費のため、土曜の出勤は果たしておきたかったからです。
勤務地の渋谷から翌日には会津へ、絶えず開発が続く渋谷から歴史を守り続けてきた会津へ、目に見える景色は私には後者が落ち着きます。
渋谷駅
会津美里町
深夜に出ても間に合います|車利用時
深夜に起きて2時半に東京の自宅を出ました。ゆっくり目の走行で朝食を食べたりで2回の休憩を取り、駐車場(富士通)に着いたのが7時でした。
2:30東京・自宅
→首都高
→東北道
→磐越道
7:00会津若松・駐車場
関東から参加するならスタートが8時半なので、7時目安に会場を目指せば日帰り圏内です。
この時間なら待機中のシャトルバスにすぐ乗れて楽々会場入りとなります。
駐車場を狙い撃ち
シャトルバスで会場近くまで来ると大渋滞が発生していて、当然会場に1番近い駐車場はすでに満車でした。
車参加のランナーが多くこうなるだろうと予測、予め会場から2番目に近い富士通の駐車場を目指しました。この混乱に巻き込まれずにノンストレスで会場入りできました。
観光めぐりも忘れずに
観光都市会津若松に来たのなら訪れるべき場所は幾多にも及びます。
私は会津の観光地はほぼ網羅しているので、今回は喜多方ラーメンと伊佐須美神社を訪れたのみです。
まだまだたくさん会津地方には魅力溢れる観光地がたくさんあります。遠方から来たランナーは合わせて観光地めぐりを計画して、会津の歴史を感じてみてはどうでしょうか。
【会津地方の観光地や食べ物】
飯盛山:長きに渡り会津を見守ってきた信仰の山で戊辰戦争の際には白虎隊が自刃した場所としてあまりにも有名な場所です。ここには白虎隊の墓、白虎隊記念館、さざえ堂、厳島神社、天然記念物の太夫桜などの史跡名所が多く、年間200万人も訪れる会津に来たらまずは押さえたい観光地です。
鶴ヶ城:もう1つ必ず行っておきたい会津の観光地ががここ鶴ヶ城です。630年以上の歴史を持ち戊辰戦争の際には新政府軍(薩長軍)の攻撃を前にして籠城すること1ヶ月、最後まで落ちず難攻不落の城と言われました。
会津磐梯山:「♪会津磐梯山は宝の山よ〜」と歌われる日本百名山の1つで会津のシンボルでもあります。1888年の水蒸気爆発で3分の1の山体が崩落、その際に堰き止められた川が多くの美しい湖沼を形成しました。五色沼もその1つで紅葉の季節にはさらに美しい姿を見せ、多くの観光客が裏磐梯を訪れます。裏磐梯は雪質の良いスキー場が多くスキーを初めた頃、頻繁に親に連れて行ってもらった記憶が蘇ります。
喜多方ラーメン:遠方から訪れたなら是非食べて帰りたいのが蔵の町喜多方のラーメンです。日本三大ラーメンの1つでスープはどの店もあっさり豚骨醤油ベースなので、喜多方まで来たのならはしてみるべきです。ハーフマラソンを走ったあとなら2軒くらい平気でしょう。個人的には地元で有名になり、今では県外客も多く訪れる「はせがわ」が市中心部から離れていますがおすすめです。
見知らず柿:盆地特有の気候が柿の栽培に適していて古くから皇室への献上柿として有名です。種がなく水々しく美味いの一言、知り合いから頂き何個も食べた経験から、是非ともお土産にどうでしょうか。
流紋焼:うわ薬が溶け流れ落ちる過程で個性豊かな文様が描かれ流のが特徴です。会津本郷焼では規模が大きく、工場見学や湯呑み作成体験ができます。
伊佐須美神社:会津地方で1番格式が高くパワースポットとして有名です。神々しく厳かな雰囲気が敷地内一帯に漂っていて、いかにも神聖な場所である感じがひしひしと伝わります。今流行りの御朱印を貰いに行く女子が多いです。
東山温泉:会津若松の奥座敷で1300年前に行基により発見されたと言われる温泉郷です。市中心部より車でわずか10分、車でハーフ参戦ならここで一汗流しましょう。
日本酒:山々に囲まれた会津盆地、冬は雪で覆われるため春から夏にかけて雪解けによる湧水が豊富です。ウマい水と米があれば、そこにはウマい日本酒があります。好みの違いは人それぞれですが、私は「宮泉」「飛露喜(ひろき)」の2つが特に好みです。
喜多方は蔵の街
鶴ヶ城ハーフ総評
評価が高いはずだった・・
過去3年間の総合評価が軒並み85点以上で高評価、なのに今年は今の所66点です。私自身も参加してみて大きなストレスはないもののなぜかパッとしない印象でした。
また参加しますか?おすすめ大会ですか?と問われると「う〜ん」という返答になってしまいます。
今どのくらいまで走ったのだろう・・
距離表示が全く見当たらない大会(実際にはコーンに小さくあったらしい)、そんな大会はたくさん参加して来た私でも初体験でした。これが評価を一気に下げた要因でしょう。
全員がGPSウォッチを身に付けている訳ではありません。ランナーは距離に敏感で、ペース配分にしても距離を目安に設定するものです。どうしてこうなったのか残念でなりません
マラソン大会ですよね・・
とにかくスポンサーがたくさん付いている潤沢な運営がされている印象と、地元ファミリー向け一大イベント感が非常に強い大会でした。
筆頭スポンサーの地元スーパーによる地元民への還元大感謝祭という様相です。それは全てのブースでランナー以外の方(誰でも)も無料で食べられたり貰える形に現れていました。
走り終えブースの長蛇の列を見て、そこに県外からの遠征組である私はお呼びでない疎外感を感じ、興醒め感さえして並ばずに会場を後にしました。
バランスって大事
おもてなしブースの無料配布は最高のサービスだと思いますが、それが走ったランナーに向けられたものではないと感じました。
運営はトータルバランスで印象が変わります。1項目が突出していてもそれ以外の多くの項目が低評価だと、やはり印象が良いとは言えずリピーターは増えないのではないでしょうか。
いや〜また参加したい度
カミさんの実家が近く毎年会津は通過します。いつでも参加できる場所なので、今後ランネットの評価を覗いて高評価に返り咲いていた時、また会津路でベスト記録を狙いたいと思います。
来年以降、地元に愛されるこの大会が今年の不満点を改善しパワーアップして開催されることを祈るばかりです。
伊佐須美神社