東京都にはハーフマラソンでは珍しく抽選を突破しないと出場できない人気大会があります。それがレガシーハーフとMINATOシティハーフです。
奇しくも今年両方に当選して走ることができました。
先週走った和歌山の絶景から、東京のコンクリートジャングルへ。でも都市には都市の良い部分が見えてきました。
さながら地方自治体主催で開催されるマラソン大会の東京都港区版と言えそうです。参加して見たこと感じたことを書いていきたいと思います。
-
東京レガシーハーフマラソン2024 | シーズン初戦はハーフ最高峰へ
夏の酷暑が長引いて9月は同等の残暑が到来、その後10月になっても夏日が続いた今期、ようやく秋のマラソン大会らしい天候が東京レガシー当日にやってきました。 走っていた時間の気温は17℃前後、湿度約55% ...
続きを見る
-
和歌山ジャズマラソン|アップダウン込みの絶景を、ジャズ生演奏と和歌浦が後押し
参加を決めたのは今年の春、この大会にはいつか参加したいと存在を知ってからずっと思っていました。 なんで初めて走ったはずなのに愛着が湧いてくの? 答えはきっと考えうるマラソン ...
続きを見る
スポンサーリンク
コース特徴
コースの特徴をひと言で現すならば、東京タワー周辺を走る港区マラソン大会となります。
スタートは芝公園前の日比谷通りで、増上寺を何回か横目に港区を縦横無尽に巡り、ゴールは東京タワーの真下というのが最大の売りとなっています。
公式サイトから
折り返しが多い
ハーフの距離を港区内に収める関係から、どうしても折り返しが多いコースとなってしまいました。
折り返しにて減速を余儀なくされる回数が増えますが、仲間や知り合い同士でエールを送って励まし合える回数が増えるという利点もあります。
反対車線も走路
有名大会と被る
日比谷通りは大御所の東京マラソンと伝統の箱根駅伝とコースが被っており、一部だけだとしてもTVで見るメジャーコースを走れることは一般市民ランナーには大きな魅力の一つとなります。
私は過去3回走った東京マラソンを思い出して、その3回の走りを回顧していました。
9年間の想いの末に初めて当選を果たした念願の東京マラソンが2016年の出来事、そして今でも残るベストタイムを記録した2019年大会は、あの日寒さが尋常ではなく雨の中この付近はPB更新一心でゴールを目指しました。良き思い出です。
そしてコロナ禍での2022年大会は、まさにこの付近で脚を攣ったほろ苦い場所でもあります。
東京マラソンだと39km地点
路面が綺麗
レガシーハーフの時にも触れたのですが、東京都心の道路はほんと綺麗に整備されています。
雨水を流すために若干外側 (歩道側) に傾斜がついているものの、それは気付かない程度でとにかく凸凹がなく路面がフラットです。
よって足の接地がスムーズで、コース路面によるストレスはほとんどありません。
足元を気にせず集中して走れる
坂
先ずは5〜10kmから始まるアップダウンがこの大会の特徴でもありますが、ここは脚馴らしの意も含めオーバーペース気味に攻めてもハーフですから実力を図る意味ではアリだと思います。
東京タワーを見上げるような坂は爽快感すら漂いますが、ゴール直前21km付近の激坂だけは忘れる訳にはいきません。
ここはコース高低図を再び見てもらうとわかる通り、登って来たコースを左折するとさらなる傾斜が待ち受けているスペシャルな2段階坂となっていて曲者です。
私は1周目にゴール方面の左をチラッと見て、その先にさらに激坂を確認していました。確かにエグいし東京タワーは見えてもゴールゲートが見えないコース設定なのも心が折れかけます。(実際は登り切って右折、平坦をちょっと走ればゴール)
終盤は応援が多く励みに
この大会、これは良いなぁと思った点
参加賞Tシャツ
参加賞Tシャツの是非はさておき事前送付される点は◎、ノースリーブか普通タイプか好みで選択できる点にも好感が持てます。
少なくとも私が参加してきた大会でこのような選択があった大会はありませんでした。
アクセスが抜群
東京都心の交通網は今更ながら超抜にアクセスが良く、芝公園会場は地下鉄を降りたすぐそこにありました。
家族や友人が応援に駆け付けやすく、会場内には企業ブースやキッチンカーが出展しているので皆んなでワイワイと楽しめます。
お子様方も楽しめる
統率が取れている
会場内を見渡すとスタッフが多く、それぞれの役割やタイムスケジュールが上手くマネージメントされていると感じました。
私が抽選箱の位置を訊ねると、係の方がインカムで本部に問い合わせして下さいました。
過去には他大会で知らないなら分からないと言えばいいのに、あやふやな案内をされた経験が何度かあったのでこの無線対応には感心しました。
蛍光色ジャンパーでひと目でわかる
会場がコンパクト
芝公園の会場は決して広大ではなく、限られたスペースを有効活用しコンパクトにトイレや手荷物預け、更衣室などが配置されていました。
キャパは参加人数ギリギリですのでこれ以上の参加数を増やさない方がよいでしょう。
レース終了後はピクニック気分
この大会、これは悪いなぁと思った点
ブロック分けがアバウト
自己申告ゆえにブロック分けが雑な印象を受けました。もっと細分化して必要なら記録提出もありかと思います。
特に最前のAブロックは、走力差がフルマラソンでサブ3より上〜サブ3.5以下が混在しているようです。
また女性専用レーンは不要と思います。5月に参加した仙台国際ハーフでも思ったのですが、結局速い女子選手は早めに前方に並びますし、どう見ても走力が低そうな女性ランナーがAブロック前方からのスタートでは事故が起きかねません。
Aブロック前方寄りにいた私のオープニングラップがキロ4:08、もっと速い走力の選手が多くてどんどん抜かされていきます。
当然のことながら女性陣も後ろからの波に飲まれるような形となり、スタート直後は結構リスキーな状況でした。
スタート前の整列締切が早い
都心なので道路規制との兼ね合いがあり、運営側が上手く管理するのには致し方ないのですが、スタート前の整列締切時間が明らかに早く、整列締切後にブロック毎にスタート位置へ移動する流れは良くないと思いました。
どの大会にでもある様にブロック後方の入口にてブロックチェックして並ぶ形が好ましいと思います。そうすれば前方からスタートしたいランナーはそもそも早く並びますし、トイレや補給などギリギリまでに済ませたり、のんびりを好むランナーも困りません。
会場案内図
コースが狭い
参加人数の割にコースが狭い箇所 (1車線のみ区間あり) が多く、スタート後最初の3km過ぎまで混雑で自分のペースで走れないとの報告が結構ありました。
ゾーンによっては渋滞となり思うスピードは走れないため、坂ありということもあって記録が狙いにくいコースです。
広い箇所もある
プライベート記録
和歌山ジャズマラソンに次いで初めて2週連続でハーフマラソンにチャレンジしました。
猛暑から始動している身として暑さのせいにはしたくないのですが、この日は11月中旬で最高気温23℃、レース終盤にはすでに20℃以上になっていました。
今期走った中で10月中旬のレガシーハーフが1番走りやすかったとは、ランナー泣かせの今年の気候なんなんですかね。
暑くても今回もペースは気にせずフォーム重視、というか都心でGPSがバグって (キロ3分台半ばとかあった...) まともに計測されず、手動計測もやらずに呼吸との兼ね合いで体感で走りました。
後から公式タイムをチェックしたら20kmまではキロ4:33ペースで走れていたので及第点、残り1kmちょっとで脚攣りが久々に降臨し大失速、最後の激坂をしっかり走ることがこの大会最大目標だったのにヨチヨチとゴールを切るので精一杯でした。
こんなんだから例の大会で3年連続五合目関門落ちなんでしょう、日本のてっぺんは未だ遠いままです。
ですが来月のフルマラソン、はが路ふれあいマラソンにおけるおおよその走りやタイムが予測できたことは収穫です。
いや〜また参加したい度
MINATOシティハーフは東京マラソン、レガシーハーフ、新宿シティハーフと同様、東京都心を走れる貴重な大会としての認知度が高い大会です。
大会レポによると複数回参加しているランナーの意見は、大会自体は改良され毎年ブラッシュアップしているとのこと。それゆえに人気大会で抽選の壁が立ちはだかります。
周回コースぽくて飽きが来そうな形態ですが、小高い場所にある東京タワーがゴール地点というロケーションは、キツイコースですが最終地点に向けてどんどんテンションが上がっていく高揚感があります。
ハーフですから午前中完結型で気楽に参加しやすく、これから冬を迎えて本格的なマラソンシーズンへ向け激坂で鍛えたいチャレンジャーをこの大会は待っています。
最後に、全国どこの大会でもボランティアの方たちの温かい応援に励まされますが、それは大都会東京でも同じでした。
いや〜また参加したい度
徳川家縁の増上寺と東京タワー
※今大会においてランナー1名が21km付近のゴール前の坂で倒れ、救命措置の末に搬送先の病院で死亡する事案がありました。この場を借りてご冥福をお祈りします。