夏からの走り込みとフォーム改善は実るのか、今年最後の勝負レースに世界遺産の霊峰・富士山の麓で行われる富士山マラソンに参加してきました。
ゴール直後にはガールスカウトの子供達(未就学?)から完走メダルが授与されました。
首に掛ける行為が一体何なのか?よく分かっていない子達の純粋無垢なまん丸な瞳に一発でメロメロとなってしまいました。
早朝の河口湖は霧に包まれ霞む
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9ヶ月間のトレーニング
今シーズン初のフルマラソンとなりますが、昨シーズンラストが2018年2月の別大でした。記録としてはセカンドベストです。
35キロの折り返しを過ぎてからの強い向かい風にへこたれ脚が悲鳴を上げてしまったゴール後、「もっとやれたはず」との思いが強く残り満足感に乏しい結果となりました。
その悔しさを胸にひと夏の間練習を積み重ねてきました。
酷暑と厳寒が同居したサロマ湖ウルトラマラソン、いい加減どうにかして欲しい猛暑、新たな境地へ踏み込んだ不整地ラン、回を重ねるたびにペースを上げた30キロペース走、秋の東北ハーフ遠征、その他でも廃線ランなどロング走を重ね地脚を鍛え、ここまで走り込んできた9ヶ月間でした。
その成果は出たのか?ダメだったか?
・・・残念ながら良い結果は伴いませんでした。
富士山マラソン、大会の特徴
富士山そのものが富士山マラソンの魅力
まずは何と言っても富士山マラソンの魅力は、大会の冠にもなっている富士山そのものに尽きるでしょう。
こんなに間近に雄大な世界遺産富士山を拝める機会はそうはありません。この大会の魅力は富士山の絶景無しにはあり得ません。
晴天なら走っている最中に垣間見える富士山に大きな勇気をもらえます。というか神聖なパワースポットのここで頑張らないとバチが当たるのではないか?との思いが湧きます。
他方これで悪天候だった場合、コースの魅力や面白みが半減どころか8割減となり残念なくらいの大会となります。
写真は静岡側から撮影(2021年)
海外ランナーが多数
大会中に海外ランナーがこんなに目立つ経験は東京マラソン以来ではないでしょうか。
41の国や地域からの参加があり、あちこちから聞こえてくる言語から国際色豊かな大会だと分かります。
日本へ海外旅行とフルマラソン参加、私も海外遠征への憧れが強いので羨ましい限りです。
寒さ対策、スタート地点での古着回収
開催地の河口湖は盆地という形状から朝の気温が氷点下になります。実際大会当日の気温は-2℃でした。
こんな時に助かるのがスタート前の防寒着の古着回収です。これは今では世界各地のマラソン大会では主流となっています。
寒がりなランナーなら普段着と見間違うほどに着込むべきです。着ぶくれて恥ずかしいなんていっときの恥でしかありません。スタート前のうん十分間は寒さのと戦いなのですから。
富士山マラソン激坂の救世主
ハーフ過ぎに現れる約1キロで100m上る坂では、この大会の名物となっている高校生応援団が奮い立たせてくれます。
健やかで爽やかで若さ溢れる檄に勇気付けられ、そこでは脚を止めるのが憚れる雰囲気が漂っています。結果的に諦めずに脚を動かし続けることとなります。
真っ直ぐなその応援で私も止まらずに上り切りました。
富士山マラソンはちょうど紅葉の季節
紅葉狩りに出掛けるランナーはどれくらいいるのでしょうか?
真っ赤や黄色に色付いた紅葉の山々を眺めることは秋の風物詩でもあり、日本にあっては風情ある過ごし方でもあります。
普段は紅葉狩りのために遠出しない方でもこの大会に参加すれば移りゆく季節を堪能することができます。冬はもうそこまで来ています。
エントリー時期が当日まである
富士山マラソンはエントリー時期によって参加費が変わる珍しい大会です。
アーリーエントリーならゼッケンは事前送付ですが、遅いエントリーだと前日or当日受付が必要です。ただ当日は海外ツアーの列で受付が大混雑だったとの報告がありました。
また、これ程のマンモス大会にも関わらず、なんと⁉︎富士山マラソンは当日エントリーが可能なのです。日本人でパッと出参加ランナーは希とは思いますが、海外ランナーだと富士山観光を目当てで結構いるのです。
もしも日程が合うのなら、急遽のスポット参戦や練習としてロング走に利用(高価な練習ですが・・)しても面白い大会だと思いす。当日参戦が可能な大会があることは覚えておいて損はないでしょう。
富士山マラソンの過去10年間の気温
会場となる河口湖周辺がマラソンに適した気温だと調べた結果わかったので富士山マラソンのエントリーを決断しました。
今年分を含め開催日11月25日の過去11年間sの河口湖の気温は次の通りです。
河口湖の最高・最低気温(℃)
11月25日(2008年〜2018年)
最高(℃) | 最低(℃) | |
2018.11.25 | 12.0 | -2.1 |
2017.11.25 | 10.3 | -4.1 |
2016.11.25 | 5.4 | -6.3 |
2015.11.25 | 7.2 | 2.4 |
2014.11.25 | 8.7 | 4.3 |
2013.11.25 | 13.9 | -0.6 |
2012.11.25 | 9.6 | -3.2 |
2011.11.25 | 10.2 | -2.7 |
2010.11.25 | 13.2 | 0.7 |
2009.11.25 | 15.0 | 4.3 |
2008.11.25 | 10.2 | 2.9 |
平均 | 10.5 | -0.4 |
ご覧の通りこの時期の河口湖周辺は、平均気温ではいかにもベストタイムを出しやすい気温です。
12月にもなる富士山の麓ですから、朝の気温はかなりの寒さです。スタート前はしっかりと古着で防寒しましょう。
9時のスタート時に太陽が出ていれば最低気温から4℃くらい上がってきます。今年は約2℃でのスタートでしたが、日中は快晴のため12℃まで上がりレース中それなりの発汗がありました。
しかし日陰に入ると肌寒いと感じます。よってレース中の防寒対策(手袋、アームカバー、ウインドブレーカー等)は個人的には必要だと感じました。
富士山マラソン、コースの特徴
トータル的に見て昨年の奈良マラソンよりは楽だと思います(自分比)が、コース形態からベストタイムを狙うのは多くのランナーにとって難しい大会だと思います。
中盤でマイペースを保てなくなり心が折れてしまいました。設定ペースに身体が着いてこなく全くの実力不足でした。シーズンはじめのフルはほんと難しいものがあります。
アップダウン多し
スタート直後に富士山が見える辺りからアップダウンが多くなり、レース前半から体力を結構消耗します。
私はハーフ過ぎの激坂(傾斜8%)ばかりを意識して脚を温存しているつもりでも、劇坂に到達するまでに結構な疲労感があり、それに気付いてしまい焦りが募りました。
そう富士山マラソンはコース全般に渡ってアップダウンが多いタフなコースなのです。
ハーフ過ぎの坂が大ボスならば、中ボスはいないけど小ボスだらけで脚への負担が大きいコースだと思って下さい。
高低図では分からない坂
大会HP掲載の高低図は下記の通りですが、大雑把過ぎて大ボスしか目立ちません。
このコースマップでは見えない子ボスクラスの坂が、河口湖、西湖の湖畔で幾多にも続きます。子ボス単体での坂はキツくないのですが、それらが小刻みに続くことでジワリジワリと体にダメージが蓄積していきます。
路面状況は悪い
湖畔路では道路のカーブが多かったり傾斜がついていたり、また路面の傷みが激しい所が多くてとても走りにくい印象が残りました。
地方では道路の改修は都市部と違って滅多にされません。それが常ですから来年以降も路面状況は変わらないでしょう。
風
コース上の特徴としてもう1つあげるとしたら、風の強さがあげられます。
今年はそうでもなかったのですが、西湖では例年西風が強く向かい風の中を進みます。
それは真冬の冷たい風なので極端な体温低下を招く可能性は否定できません。やはりお腹周りを中心に防寒できるものの準備が必要です。
富士山マラソン、ランネットのレポ(口コミ)まとめ
ランネットレースレポ2018.12.1現在
良い口コミ
- 世界遺産をバックに走れるのが最高
- とにかく景色が最高で写真を何枚も撮った
- メダルが毎年カッコいい
- ゴール後の豚汁は味も良く、具沢山でおかわりもできる
- シャトルバスの最終時間を延長してくれた
- 海外ランナーが多く英語の表記やアナウンスがある
- 給水スタッフ、自衛隊員、学生応援団の檄に励まされた
- ペースメーカーが15分刻み
- LINEでレース終了後に写真が配信されてくるサービスあり
- 幼いガールスカウトからもらう完走メダルが嬉しい
- 1次エントリーでゼッケン・計測チップが事前送付
悪い口コミ
- 陸連登録者も年齢別で表彰してほしい
- 万人オーバーの大会では簡易トイレの数が非常に少ない
- 宿が取りにくい
- フォト記録証が小さい
- 寒い時間並んだのに指定時間になってもスタートブロックが締め切られない
- 立ちションランナーが多し
- 給食のほとんどがバナナとお菓子で地元色ゼロ
- 富士山頼みのイベントといった様相
- シャトルバス乗り場が異常に遠く、マラソン後はしんどい
- ファンラン参加者は閉会式までいないとメダルがもらえず不公平
- 参加費に変わらず年々リターンが貧相
- スタート前の各ブロックの入り口がわかりにくい
- レースの最終関門が15時なのに送迎バスの最終便が15時30分はありえない
- ランフォト記録証ではなくて普通の紙の記録証が欲しい
- 参加案内の情報量が少ない
- ブロック自体が30分刻みでざっくり、もう少し細かい方がいい
- ゴール後の動線がイマイチで、物販と記録証が逆
- ゴール後黒パンとバナナ、残ってなくて残念、一人1つで配って欲しかった。
- 参加人数がキャパオーバー
- 外国人のマナーが悪い
- スタート地点のトイレは男女別にして欲しい
- シャトルバス発着場所から会場までの案内が皆無
- スタート地点の誘導が最悪
富士山マラソンの運営
運営の悪い点について大まかな所は上記の「悪い口コミ」を読んで頂ければ、大会当日に多くのランナーが抱いた不満が分かります。
そこで重複する内容もありますが、私自身がこの大会で特に気になった点について物申してみたいと思います。来年以降に運営側が改善してしてくれることを祈って。
ブロック閉鎖について
参加案内(大会要項)に記載されていた内容は、スタートブロックへは8時30分までに移動し入場するようにとのことでした。遅れてしまって間に合わないランナーは最後尾からのスタートとする記載がありました。
多くのランナーと同じく私も早めの行動で氷点下に近い気温の中で、指定された時間内に所定のブロックへ入場しました。
しかし閉鎖時間が過ぎても一向にブロック閉鎖は行われず仕舞いです。真面目に起床時間から逆算して行動してきことがバカバカしく思えました。
バカ正直に並んでいた私達は横入りしてくるランナーをただただ見つめるだけ・・・これではリピーターは確実に減ります。運営側が決めたルールを自ら徹底しないのはアウトです。
スタートブロック
富士山マラソンの手荷物預所について
私が手荷物預けをした時は多少の係員はいました。しかし人員が若い女性数人で監視が甘く、殆ど機能していません。これで防犯上大丈夫なのかい?というのが第一印象でした。
『貴重品は預けないで下さい』って注意書きの片隅に書いてありますが、おそらく殆どのランナーが手荷物預けに持ち物全てを預けていると思います。
財布、スマホ、車の鍵、家の鍵などを預けるということは、手荷物預かり所はランナーの財産の集まりそのものです。
それなのに出口でのナンバー照合が曖昧でランナー任せ、これほどセキュリティーがずさんな手荷物預かりは見たことがありません。
来年までに管理体制を強化せずこの体制のままなら、大規模な窃盗団に狙われても仕方ありません。2019年大会がこうではないことを願います。
※大会レポ2019によると残念ながら改善されてはいないようです(2019.12.3)
朝8時過ぎランナーしかいない
監視員は?
トイレについて
スタート付近のトイレが圧倒的に不足しているとの書き込みが目立ちました。メイン会場が見える範囲内のトイレは明らかに少なく、多くのランナーが並ぶのでカオス状態です。
実際には公式案内で更衣室として利用させてもらえる沿道のお土産屋さんのトイレが解放されいます。中にはスタート間近でも、離れた場所に穴場的に空いていたトイレがあったり、お土産屋さんの空いたトイレがあったようです。
ただその案内もネット上において大雑把に図で記載されているだけで、会場内に目立った看板はあまりありません。
海外ランナー然り、ネット環境がある人ばかりではありません。やはり現場に誘導スタッフの広報や案内看板(英語で)がもっと必要だったのではないかと思います。
古着とカッパの回収について
古着回収のシステムは機能していました。加えてスタート前、古着回収のゴミ箱を持ったスタッフにブロック周りを徘徊して欲しかったです。
そして古着だけではなくスタート直前まで身に付けているポンチョ、直前に飲む補給ジェル、ペットボトルなどのゴミ回収も行ってくれるとありがたいものです。
多くのランナーはポイ捨てしたいとは思っていません。どの大会でもスタート前のブロック周辺でのゴミ回収係を多めに配置して欲しいと思っています。
ペースランナーについて
私自身が3時間15分のペースランナーを目安にレースを進める戦略でいました。マイペースを基本にペースランナーが見える範囲内で走ろうとの算段でした。
フルマラソン3時間15分(サブ3.15)はキロ4分37秒ペースです。グロスタイムで3時間15分を走り切るということを考慮しても、ペーサーがペースメイクが出来てるとは到底思えませんでした。
序盤からキロ4分20秒を切る(サブ3か?)区間もあり明らかに速すぎて、自分の走力のなさは確かにあるのですが、それでペースを乱してしまい中盤で失速してしまいました。
十分な走力を持ったペーサーが起用されていると思いますが、アップダウンが多くてもその中でキロ平均を常にキープして走って欲しいと思ったのは私だけではなかったと思います。
※あくまでもサブ3.15のペースランナー
富士山マラソンのアクセスについて
大会会場は基本的に山間部なのでアクセスは悪いです。宿泊施設がすぐに一杯になってしまうので移動手段は限られています。
- 当日の電車移動
- 自家用車で駐車場利用
- ツアーバス利用
- 前日のうちに移動し宿泊
ほとんどがこれに該当していると思います。前日移動の宿泊が最も楽なんでしょうが、私が利用した当日電車移動もおすすめできるものでした。
レース当日新宿駅を5時25分発の富士山マラソン号に乗車、7時30分河口湖駅到着後に真っ先に手荷物預けに向かえば、難なくスタートラインに並べることを保証します。少なくとも今年はブロック閉鎖時間の8時30分には余裕でした。
ただし新宿駅に到着する早朝の電車は限られていて、私は新宿発の時間には間に合いません。これが難点で、この特急に乗るためわざわざ八王子に前泊して、八王子駅で乗車して河口湖へ向かいました。
関東圏在住でも住んでいる場所によっては、当日移動に前泊が必要になってしまいます。かといって現地宿泊がなかなか取れない現実にヤキモキしてしまうのです。
※切符購入は事前予約の「えきねっと」が便利
いや〜また参加したい度
各所の人員の少なさや大会案内と記録証発行のネット任せなどを考慮すると、とにかく経費削減一辺倒が透けて見えてやや興ざめな大会と言えます。
そんな不満が多い運営であっても、当日の晴れ率が異常に高い(前身から30年位晴れているとのこと)富士山マラソンなら、富士の雄大な勇姿を間近に走れることでトレードオフしてくれます。
運営はともかく「富士山を眺めながら気持ちよく走りたい」という願望だけは十二分に満たしてくれる大会です。
[star25]
(5段階評価)
写真は2022年7月のもの