先日サロマ湖ウルトラマラソンの練習を兼ねて約70キロのロング走を行いました。
昼前に気温が26℃にも達する中で無事に走破完了、日中の蒸し暑さに負けない走りで完走できました。
本番への不安が少しは和らいだと思ったのも束の間、翌日から体調不良を余儀無くされます。喉の痛み、頭痛、食欲の減退、内臓疲労などで明らかに風邪を引いてしまった症状です。
皆さんもロング走後に体調を崩したことはありませんか?今回はロング走後の免疫力低下についてシェアしたいと思います。
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免疫力とは
簡潔に言うと、免疫力とは体内に侵入したウイルスや細菌を攻撃、排除して己の身体を守る機能を果たしています。
長距離を走った後数日間は免疫力が低下すると言います。マラソンにどっぷり浸かってからはそれを何度も肌で感じてきました。
ウイルスを撃退するパワーが弱まり体調を崩しやすく、何らかの病気を誘発する可能性が高まります。くしゃみや鼻水が止まらなくなるのは、免疫力低下によってアレルギーを発症したものと考えられています。
普段なら免疫力が高く風邪を引いても引き始めの段階で済みます。しかし、ロング走後は体全体が疲弊し免疫力が低下しているため本格的な風邪へとあっさり進展します。さらに治りづらく、長引く傾向が見られます。
1年の中で冬場は気温が低いというだけで風邪を引きやすい季節です。そんな中マラソンシーズン真っ只中で、負荷が高い練習を繰り返せば、常にランナーは免疫力が低下している状態に陥りがちとなります。
ロング走後に発症したわたしの病気(症状)
過去の練習日誌を調べ直すと、20キロ以上のロング走後に著しく体調を崩す事例をいくつか発見しました。
ロング走後には様々な体調の変化が起きることを想定して下さい。いくつかピックアップしてみました。
インフルエンザ
1月中旬から2月初旬はインフルエンザ発症最盛期と言われています。
この時期ランナーが総決算のマラソン大会へ向けて頑張っている時期とモロに重なっています。
追い込めば追い込むほど走力アップは見込めるのに、頑張れば頑張っただけ発症リスクが高まる皮肉は実にもどかしいものです。
予防の基本は定期的な喉洗浄(うがい)と手洗いなのは言うまでもありません。
私のインフル歴
1回目:2014年2月 アップダウンがキツイ30キロ走後に発症、完治してしっかり走れるまで2週間回復に要しました。結果的に関東地方に大雪が振り京都マラソンはDNS(電車動かず)。しかし雪が降らなくても、どのみちインフルで京都へは行けませんでした。
2回目:2016年1月 勝田マラソン1週前追い切りを極寒の中、皇居4周レースペース走を敢行しました。無事に終え息も絶え絶え銭湯までの帰還で体温が奪われ免疫力低下、ウイルスに侵されました。特急券手配済みとか、マラソン代金がもったいないとかで、患った週末にフルマラソン参戦。発症、解熱から5日経っていたので周りには迷惑は掛けないだろうとの判断でした。レースはハーフで力尽き、後半はファンランに徹しました。いつもガチンコだったのでファンランは初めて、マラソンにはこういう楽しみ方もあるのだと、新鮮な体験となりました。
結膜炎
2018年5月 サロマ湖ウルトラマラソンの予行練習で70キロ走った翌朝、目ヤニが溜まって固まり目が開けられなく充血が止まりません。
次第にかゆみも増し我慢できなくなって眼科へ。
医師「免疫力低下による結膜炎です。何か心当たりはありますか?」
私「か・か・かぜ気味です・・」
「秩父まで70キロ走りました」とはさすがに恥ずかしくて言えませんでした。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)・蜂巣炎(ほうそうえん)
2013年10月 能登半島まで自家用車で車中泊参戦、生まれて初めての100キロウルトラマラソン、「能登すずウルトラマラソン」に挑戦しました。
身も心も衰弱し切ってゴールした直後から寒気を伴う風邪の症状が現れました。ブルブルと震えながらの車中泊がキツかったのですが、起きたらさらに悪化していてヤバイ事になっていました。
風邪の症状だけではなく左足小指が化膿し肥大、赤らみが足首に達し象の足のように足首がパンパンに腫れ上りました。医師の診断は初めて耳にする「蜂窩織炎」(蜂巣炎ともいう)で職場復帰まで1週間を要する結末だったのです。
100キロ(実際は102キロが公式)走ってできた小指の水ぶくれを、消毒しない安全ピンで潰したのがおそらく原因です。膨らんでいて歩くと痛かったため、とにかく潰してしまおうと決断したことが大きな間違いでした。
調べると黄色ブドウ球菌とレンサ球菌とやらに感染した模様です。普段の健全な身体なら免疫力で撃退可能です。なんせウルトラマラソンで体力をこの上なく消耗、免疫力は極限まで低下していた状況では雑菌には勝てませんでした。
嘔吐(免疫力とは違うか・・)
あれは2013年3月 冬がまだ終わらない中、20℃を超えた暑い日でした。山道中心の30キロ走を行なった時の出来事です。
気温が高めの条件下ではランニングパフォーマンスは絶対下がる、と知っている今では考えられないくらいの厚着でスタートしました。
走行中は体感気温が真夏かと思える程の暑さです。体温が逃げない生地を身に付けていた結果、長袖長ズボンのジャージに包まれた体は異常に発汗、欠かせないミネラル分を大量放出しました。
給水は足りていると思っていたのは勘違いで脱水状態陥り、終盤のアップダウンで強い吐き気を催しました。
それでも意固地になって歩かずゴールを目指します。しかし吐き気を我慢できずに立ち往生して青空を仰いだ末、登山を終えた御老人御一行の目の前でマーライオンと化しました。
水とスポドリしか飲んでいないのに、緑色のものが口からとめどなく流れたあの日を忘れません。
心配してくれてたくさんのお声掛け頂いたお年寄りハイカーの方達、その節はどうもありがとうございました。(汚くてすみません)
免疫力を上げるためにすること
一般的に4つの方法を見つけたので下記にシェアします。
適度な運動
普段からランニングが日課の方にとっては物足りないかもしれません。適度な運動とは30分間程度のウォーキング、ジョギング、筋トレ、ストレッチなどの軽い運動を指します。
免疫力は体温が1℃上がると5〜6倍UPになると言います。逆に体温が1℃下がると免疫力は30%DOWNします。常日頃からできる範囲で軽い運動をして、体温を上げる習慣を身に付けます。
そう考えるとランナーは走って常に体温を上げている状態、度が過ぎた練習でなければ免疫力を高いまま維持できているはずです。
ゆっくり浸かるお風呂タイム
免疫力を高めるためには、38〜40℃のぬるめの温度で15分程ゆっくり浸かり、体の芯から温まり体温を上げることが有効です。
「15分も湯船に浸かってられません」
そんな人にオススメなのがセルフマッサージです。湯に浸かりながら日頃酷使している身体を15分かけてマッサージしてみましょう。何らかの目的を持てば入浴時間の15分はあっという間です。
また、夏でも体調が優れないなと感じたら、シャワーで済ませずに湯船に浸かりじっとりと汗をかき、免疫力で夏風邪に打ち勝ちましょう。
どの季節でも趣味のランニングができなることは、ストレスでしかありません。
ぐっすり睡眠
質のよい睡眠は体の回復(筋繊維の回復)の手助けになることは言うまでもありません。
理想的な睡眠時間は7〜9時間と言われています。と聞くと「普段からそんなに寝ていない」と答える人が大半です。
日中仕事をしている社会人は、どうしても趣味が睡眠時間を侵食してしまいがちです。やりたいことがたくさんあっても、誰にとっても1日は24時間です。
それでもしっかりと眠り自律神経を整え、風邪なんか引かない身体作りが免疫力を上げることに寄与します。
特にマラソンシーズン佳境の1〜2月期には、意識して早寝を心掛ければ、翌朝から元気みなぎる体で過ごせるはずです。
免疫力が上がる食材
たんぱく質は免疫力に携わる白血球などの材料になり免疫力に直接関係します。
積極的に高たんぱくで低脂質な食材をバランス良く摂りたいものです。
免疫力UPト
玉ねぎ、キャベツ、トマト、卵、唐辛子、ヨーグルト、納豆、ニンニク、緑茶、きのこ、大根、にんじん、ニラ、ほうれん草、白菜、茄子、魚、生姜、ひじき、味噌、海藻、長ネギ、ごぼう、赤身肉、ごま油、梅酒、日本酒、ココア
不思議と常日頃から口にする食材がほとんどを占めていることに気付きます。
基本的には脂質が少ない日本食を積極的に食べていれば、免疫学的には問題ないと思います。食が豊かと言われる日本の国土は、病気に強い国土と言えそうです。
免疫力を上げる、それはつまり
そもそもこれを読んでいる人はランニングをしている時点で健康意識が高い方だと思います。
バランスが良い食事をとって、質が高い睡眠を取れていれば、風邪なんか引かないのは誰もが経験上わかっていることです。
普段から不摂生はやめて運動、食事、睡眠のバランスが良く取れているかいないか、少なくとも1週間単位で各自判断する必要があると思います。
ロング走の後に自覚すべきこと
ロングラン後に免疫力が下がることはわかりました。大事なことは走り終えた後の対処だということです。
30キロ走、フルマラソン、100キロマラソン後に完走や記録更新に一通り一喜一憂した次は、「今体は疲れ切っていて免疫力が低下している弱い状態」すなはち「今は病気になりやすい体」なのだと再認識しましょう。
免疫力回復には2〜3日は必要不可欠です。ロング走後は軽めの調整に済ませ2〜3日間過ごすのが無難です。
調整ランでも疲労度によってはこの期間だけは意味をなさないかもしれません。思い切っての休足が必要となります。
私自身、過去に走力アップを狙うために過度な鍛錬が必須だと盲信し、その結果病気や故障をたくさんしてきました。
しかし今ではキツい練習後やロング走後には、免疫力が下がった体のコンディションを把握しながら積極的に休養を取るようにしています。
キツい練習と休養はセットであると強く自覚するようになりました。思い切って休めば、故障のリスクはグッと下がることも今では知っています。
走ることが好きだからこそ、怪我や病気で走れない期間がもどかしく、とて辛いものです。
次も楽しく走るため思い切って休んでみることは、ネガティブではなくポジティブな思考かつ選択なのではないでしょうか。
福岡:大濠公園で朝ラン