前回私自身が帰省ランをしてみましょう、地元にまだまだ知らないコースがありますよと提案した身です。ならば今度は、近場(関東圏)で廃線跡に作られたサイクリングロードはあるか?を調べてみました。
前回は超マイナーな赤谷サイクリングロード、今回はサイクリストの界隈ではメジャーなサイクリングロードを見つけたので実際にランニングしてきました。
数少ない休日なので早朝始発の電車で出発点に向かいました。到着8:20、このコースを走るためだけに朝から3時間以上の電車の長旅、まさに「走るは旅なり」です。
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つくばりんりんロードの特徴(ランニング視点)
まずはこのサイクリングロード正式名称を『茨城県道501号桜川土浦自転車道線』と言います。ですがサイクリストにとっては『つくばりんりんロード』として非常に有名なサイクリングロードです。
コースは目立ったアップダウンがなく、初心者でも安心して楽しむ事ができます。それゆえに週末になると沢山のサイクリストがここを訪れます。
歴史
常磐線土浦駅と水戸線岩瀬駅を結んでいた筑波鉄道筑波線は1987年4月1日、国鉄民営化と同時に廃線となりました。
1987年4月1日当時私は小学生ですが、国鉄車両に一夜にして「JR」のデカールが貼られたことを今だに記憶しています。
その後線路やホームの跡地を活用し80億円もかけて整備されたものです。
プラットホームが未だに残る
アクセス
土浦駅、岩瀬駅はどちらも現在のJRの駅で、上野駅からのアクセスが良く、ぷらっと休日に出掛けるのには丁度いい距離感です。
メリット
廃線跡を利用しているのでいくつかメリットがあります。
- 十分な幅の自転車道
- フラットで走りやすい
- 始点、終点がJR線の駅
何と言っても鉄道が走っていたのですから、ランニングに必要十分な幅が確保されています。道幅が広く、すれ違いや追い抜きが危なげなくできます。
お互いが減速なくストレスフリーですれ違うことが普段はあまりなかったりします。これは長時間のランニングでは意外と重要な事だったりします。
デメリット
メリットがあれば当然デメリットがあります。
- 日陰がほとんどない
- 風除けがない
季節は夏期、日差しが強く風のない晴天の日は苛酷な運動環境となります。突き刺さる紫外線にギッブアップ、夏にわざわざ走りに行くのはおすすめできません。
夏でもロングランに興味がある方限定コースとなります。その際はハイドレーション機能付きバックパックに背負うことは必須となります。
総距離
ぴったり40Kmの歩行者&自転車専用道です。フルマラソン相当の距離ですから大会の脚作りにはもってこいです。
そして驚くことなかれ、このサイクリングロードは霞ヶ浦1周コースと合わせると、何とビックリ!全長が180Kmにもなってしまうのです。こんなにも長距離で整備されたサイクリングロードはおそらく国内随一でしょう。
最近では多少煙たがられているサイクリスト達もここなら思う存分走れます。週末になると沢山のサイクリストが集まるのが頷けます。
全部で180Km
出発を岩瀬駅にするメリット
車利用せずに電車で参戦するのなら、今回私が走った岩瀬駅をスタート地点とすることをおすすめします。
ロードバイクで向かう人達は往復を想定しているので土浦駅をスタートとする場合が大多数です。しかしランナーなら片道走行(往復する猛者いる?)ですから、まずは時間をかけてでも岩瀬駅まで行ってしまいましょう。
その理由は下記の通りです。
- 下り基調
- 土浦でお風呂
- 特急で帰宅
何んと言っても汗だくで走った後はサッパリして帰宅の途につきたいものです。
土浦駅をゴールとした場合、銭湯(湯楽の里・土浦店)に向かいやすくなります。ゴール後にダウンジョグを兼ねてテクテクとお風呂に向かいましょう。
車利用にして土浦駅か岩瀬駅近辺どちらに駐車するにせよ、ラン後は疲れた体で電車に乗って(本数が少い)車まで戻らないといけません。それがとても面倒です。
そして何より土浦駅からは特急で都心まで帰れるメリットがあります。座席もリクライニングでゆったり、お酒も飲める、そして速い。
ここは個人差があるかもしれませんが、ラン友同士で走り終えて特急で帰るだけで楽しさ倍増になります。
特急ひたち・ときわ
アップダウン
岩瀬駅スタートで走リ始めた時から体感で下っていると感じていました。
実際にガーミンの記録を確かめると、多少の上りも部分的にありますが、やはり全体を通して下り基調です。
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路面状況
サイクリングロードだけに全区間がアスファルト舗装でとても綺麗に整備されています。しかも出来てから結構な年月が経っているのですが、所々で路面が更新されていて、ストレスが溜まるような荒れている箇所はありません。
路面が悪ければサイクリストが集まらない訳ですから、人気のサイクリングロードは路面が良いという指標になります。。
また、距離標は嬉しい1Kmおき(正確です)なのでブツ切りで距離走だって出来てしまう頼もしいコースです。40キロもあるコースなので、一部分を走るにしても距離標があるのはありがたいものです。
距離標は実にありがたい
信号、交通
土浦駅付近に信号がある程度でそれ以外にはありません。さすがは昔、電車が走っていただけあって、国道や高速道路は全て跨道橋で立体交差となっています。
ただし県道以下の大きめで交通量がやや多い道路と交差する機会が多く、その全てに「止まれ」の標識があります。
見晴らしが良いサイクリンクロードですが、田舎道では車が結構なスピードで走っています。私が交差点で止まって待っていても、歩行者に見向きもせずに走り抜けていった車がほとんどでした。
ランナーはピタリと止まらないまでも減速が必要となります。
車止めが多い
給水・トイレ
休憩所となっている駅跡にはトイレ、水道(近くに自販機がある休憩所も)、屋根付きベンチがあります。
またガッツリ休める大休憩所がコース上40Kmで5箇所あります。
岩瀬駅
↓↑
雨引駅
↓↑
真壁駅
↓↑
筑波駅
↓↑
藤沢駅
↓↑
虫掛駅
↓↑
土浦駅
↓走り始めて5キロくらいでの休憩が丁度いい雨引
↓全行程中でこの雨引休憩所が近代的で一番寛げました
↓次の大休憩所まで約10キロは長過ぎです
↓さらに長い駅間約12キロのエイド無し、疲れてくるこの区間、休憩所の無さがデメリットとなります
↓いよいよあと残り10キロは切りました
↓この期に及んで休憩所間隔が狭まるなら、休憩所間10キロとかを無くして欲しい
トイレ・水道は上記の大休憩所の五箇所にあるのが基本です。大休憩場以外では突如として小さなベンチやロードバイク置き場、駅跡で小規模な休憩所が現れます。
またコース途中で一般道の歩道と1.7Km兼用区間があり、ここにコース唯一のコンビニがあります。
ただしエスケープすれば立ち寄れそうなコンビニの看板が数件離れて見えたので、休憩がコンビニ頼みの方でも心配いらないかと思います。
小さなオアシスこと自動販売機はコース上では期待してなかった割にそこそこ目撃したので、猛暑日に全く飲み物を買えない状況に陥ることはないでしょう。
↓岩瀬から約17キロ、土浦からだと後半の23キロ付近にセブンがあり
景色
このコースの景観で真っ先にあがるのが筑波山です。のどかで開放感溢れる中でそびえ立ち「西の富士、東の筑波」と万葉集にも詠まれた百名山の1つが筑波山です。
天気が良ければその全容を走りながら拝見できるのですが、私が走った日は生憎の雨でした。雨が止んだ後も雲がかかっていましたが、筑波山を拝みたい一心で通り過ぎた後も何度も振り返って姿が見えるタイミングを伺っていました。
そしてその一瞬を逃しませんでした。
ようやく見えた筑波山
また、走りながら特に目に付いたのはコース両サイドに植えられていた桜です。種類もソメイヨシノ、山桜、八重桜と国の天然記念物にも指定されています。
もちろん9月に桜が咲いているはずもなく、もしも見頃の季節に走っていれば爽快と思い再訪を誓いました。