酷暑から徐々に気温が下がってきた初秋、東北2大ハーフマラソンの1つである一関国際ハーフマラソン大会へ、関東から東北新幹線に乗ってはるばる参戦してきました。(もう1つは仙台国際ハーフ、2024年参加)
ここ数日はグッと涼しくなり寒いくらいに気温が下がっていたのですが、わざわざ赴いたその日は全く違いました。
秋が深まってきていよいよシーズンインと思わせておいての強烈な夏の日差しは、それ相応に体に堪えました。レース後にあちこちから聞こえてくるこんな声
「暑過ぎるわー」
今シーズンのマラソン大会初戦は厳しい幕開けとなった模様です。
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一関ハーフの特徴
一関駅
会場立派です
メイン会場はたいそう立派で新しく、清潔感溢れる快適な体育館を利用できました。
参加人数に目を向けてもキャパ過剰ではないと感じたのですが、早めに席を確保すればスタートまで天候問わず待機できる利点は評価に値します。
スタート直前に体育館を出て整列するくらいが丁度良いかもしれません。
一関の景色
こんな感じ (2024年観光にて再訪)
何と言ってもこの時期にしか見られない広大な黄金色に輝く稲穂の絨毯と、山々が織り成す田園風景がこれでもかと目に飛び込んできます。
目の前に遮るものがなく視界が広いため、the 東北の秋そのものをランニングと共にに存分に楽しめます。
黄色い絨毯の上を東北新幹線が一直線に高速で駆け抜けていく様は、遠目から見て可憐美でそれ自体が「絵」になると個人的に思いました。
ハーフマラソンのコース (撮影は2024年)
参加費4000円※はお得感が強い
この大会は参加費に対してのサービス比率が大きいことが人気大会の一因だと感じました。
至れり尽くせり感が強い大会は、リピーター獲得の常套手段なのかもしれません。具体的には以下の通りです。
- 完走後のアイス、ドリンク、バナナ
- 温泉施設の無料券(3ヶ所、シャトルバスあり)
- 出展ブースで使える100円×5枚の金券
- ホノルル、グアムマラソンへの参加抽選(旅費込み!)
- 毎年変わる参加賞
※2024年現在で参加費用は6000円となっています。現実的に今の物価高で2018年当時の参加費4000円は破格と感じますが、現時点では適正価格と感じます。
ウォーミングアップも施設あり
メイン会場にはウォーミングアップ会場があり、それが人工芝が敷き詰められたコートであって惜しみなくランナーに開放しています。
私はフルでは大してアップは行わないのですが、ハーフや10キロは最初から猛スピードで全身を動かすことになるのでアップするようにしています。
そんなニーズに優しく応えてくれるのが一関国際ハーフの運営です。
送迎バス◎
見逃せないのは送迎バスです。大会によっては駅の乗り場にて長時間待たされるケースがあり、その場で雨が降りようものなら結構なストレスが掛かってきます。
それが一関国際ハーフに関しては皆無なのです。
待ち時間がほぼないということは、大会とバス業者、自治体の協力体制が取れいる証拠で、かき集めることになるバス台数を十分に確保しているからなのでしょう。
レース後に帰りのバスに乗ったところで満席、補助席に座ろうとすると「後ろのバスに乗ったらいいよ」との運転手の心遣いが嬉しかったです。※
※そのバスでスマホを落としバス会社までタクシーで取りに行く羽目に・・・
キャパシティが適正
待機場所の体育館や敷地の広さ、トイレの設置数、スタート後の混雑の自然な解消を鑑みるに、参加人数に見合ったキャパシティだと断言できます。
他大会でよく感じる多人数に起因するストレス、それ自体は日曜日早朝から帰宅の途に着くまで全くありませんでした。
一関国際ハーフ、独自性あり
これまでに沢山のレースに参加してきたのですが、レース後にキンキンに冷えたアイスの配布は初めての経験です。
今年は※動線が悪く長蛇の列で不評でしたが、アイスそのものが不評なんてことはなく、他の大会にはない独自サービスがランナー受けしている実態を目の当たりにしました。
この暑さ残る時期がなせる業、なせる感が強いのですがそれはそれで面白いと感じました。こういった想像の遥か上をいく運営は大歓迎のクチです。
あの大会に行けばアレがあると言う印象付けは、リピーター獲得の一助になります。リピーターがいなければマラソン大会はいずれ廃れていく運命、マラソン大会はそんな過度期に差し掛かって久しくなります。
緑溢れる会場内
一ノ関国際ハーフのコース戦略
ここで失礼を承知で申し上げますと、ハッキリと「コースは単調」と言えます。
ここまで感じたことを馬鹿正直に記すのが当ブログの特徴でもあります。
コース図(公式HPより)
基本はフラット
コース上に鎮座する2つの大きな橋のアップダウン、それなりなのですがそんなには気にならない程の平地フラットがメインのコースです。
秋の田園風景の中を快走することになるのですが、日陰がほぼなく開けた景色があまり変わらないので単調と感じてしまいます。
ただベストタイムを狙えるコース設定なので、コロコロと景色が変わって集中できないよりはマシかなと思います。
東北本線の跨線橋
二つの橋
申し上げた通り目立った橋は2ヶ所 (JR東北本線跨線橋と北上川に架かる柵ノ瀬橋) ですが、一級河川を超える柵ノ瀬橋の方が勾配が大きく、レース後半に復路で2回目の通過となるこのコースはキツいと感じるランナーが多いことでしょう。
しかしながらコース全般で単調な田んぼの直線道が続くので、かえって良いアクセントになっていると私は思います。
柵ノ瀬橋が1番のアップダウン (2024年撮影)
給水所にスポンジあり
エイドには基本的に水、スポーツドリンク、スポンジの3点セットが置かれ給食はありません。
補給食はハーフですから一つは必要ですから、そのものは自分で用意するしかありません。
今回みたく9月のマラソンですから暑くなるリスクはこの時期まだまだあるので、ポケットに1つ以上の補給ジェルと塩飴などを忍ばせておく必要はあると思います。
気象条件次第ではベストタイムが狙えるコース
先述の通り気象条件が合えば (曇り空で低温) 自己新記録を十分に狙えるコースです。ただ今回9月の気象条件は最悪の部類だったのではないでしょうか。
雲なく快晴なうえ高温、なんでやねんってつっこみたくなってしまう気持ちをぐっと抑え、現実逃避することなく自分の走りに徹するのみでした。
公式発表でスタート時の気温が23℃、そこからグングン気温が上がり日差しは真夏のそれ、発汗量が脱水症状の危険域間近でした。
それもそのはずコース脇に見えた電光の気温計が29℃を示していたのです。
夏の走り込みの成果を試すために選んだ大会でしたが、この気温を見て無理することはやめたのですが両足攣って後半バテバテとなりました。
東北まで遠征したのに無残で残酷な結果でした。
一関国際ハーフの口コミまとめ
ランネットの口コミを恒例の簡易版としてまとめてみました。この大会の口コミは皆さん同じような内容が並んでいたのが特徴でした。良い部分も悪い部分も多くのランナーが同じ様に感じた結果です。
少し悪い口コミが目立ったように、歴史ある人気大会ですが改善の余地がまだまだあると感じました。
良い口コミ
- 会場までのバス輸送が本数が多く待たされることなく行きも帰りもストレスフリー
- トイレの数が多く体育館から外に出れば待ち時間はほぼない
- 荷物と貴重品(財布や車のキー)預かりが分かれていて手際がいい
- スタート地点での整列が無法地帯の割にスタート後は渋滞がない
- エイドでスポンジの提供があるので暑い中で体の冷却ができる
- 食事ブースの種類が豊富で地元産の果物などの販売はお土産に嬉しい
- エイドは10ヶ所あって他の大会よりも多い
- 参加費が安い割に盛り沢山で頑張っている感がある
- 今年は500円の金券が近隣の店舗でも使用できるようになっていた
- 駐車場が会場付近に十分確保されている
- 制限時間が2時間50分とゆとりある設定である
- 会場内の体育館が控え場所として解放されスタートまでゆっくり過ごせる
- ゴール後の屋台村では家族連れで来場しても楽しめる大会
- 温浴施設の無料券は3ヶ所で使え、会場内の施設は歩いて行けるし、遠方の施設にはシャトルバスが出ている
悪い口コミ
- 毎回参加していますが、この大会はいつも暑くなる
- アイス配布の動線がスムーズではなく長蛇の列
- 田んぼの景色が単調
- まさかここまで暑くなるとは・・予想外
- 2回目の折り返しから給水所の間隔が長くバテた
- 記録証にネットタイムも載せて欲しい
- 前半は多いとさえ感じた給水所が後半は少なく今日の暑さでは辛い
- アイス配布の誘導員の態度が残念だった
- スタート前の目標タイム表示のプラカードマンの配置が遅く、配置後移動するランナーは殆どなし
- コースの見通しが良すぎて単調
- 最初のエイドは給水が追いつかない
- スポドリが薄くマズく水もぬるい
- スタート前の給水サービスが欲しかった
- 出展ブースでビールが売っていない
- 会場の体育館内では土足厳禁でシューズを脱ぐのが面倒
- 無料の温泉は激混みで脱衣所も洗い場も待ちの列
- 事前の情報がハガキ1枚なのでHPの充実を期待
- 給水所のゴミ箱が少なくコップが散乱
RUNNET 2018.9.28現在
参加して気になった点
今回参加してちょっと気になった点を挙げてみたいと思います。
四の五の言わずに走ればいいと言う意見があるのも分かりますが、翌年に改善点を汲み取り見直した大会にリピーターが付き人気大会となっていきます。
十分な参加費収入がなければ大会運営が傾く以上、ランナーのニーズに応えていかなくてはならない宿命がマラソン大会には付きまといます。そうでなければいずれ不人気大会は淘汰される運命にあるのです。
女性ランナーに対する配慮は必要かと
スタート前、ふと前方の女性ランナーのゼッケンを見ると区分が印刷されていました。
「ハーフ 50歳以上」
女性ランナーにとっては良い気分ではないでしょう。隣の女性ランナー曰く、「歳がバレるわい」と嘆いていました。
こんな所でもマラソン大会には細かい配慮はやはり必要です。
動線の重要性はこんな所でも重要です
今回の一関国際ハーフマラソン最大の失敗は、記録証配布からアイス配布までの動線ではないでしょうか。
不幸にも私がゴールした直後から急に列が長くなり、ボリュームゾーンに動線の流れが追いつかなくなった証拠です。
大会の風物詩になりつつあるゴール後のアイス配布、真夏のような日差しの中を走ってきたランナーにとってはありがたく頂戴したいものです。
しかし走り終わっても汗が止まらない中長時間並ぶのは苦痛極まりなく、諦めて着替えに進むランナーが少なくありませんでした。
では何が悪かったのか?
列が1列
気になったのがアイス→ゴミ箱→麦茶→バナナが1列であった点です。列を2列にすれば当然さばけるスピードは2倍になります。
両サイド2列にしてどんどん先に進むように促せば大渋滞は解消されるのではないでしょうか。
手渡し
2列にした上で補充員が1人、監視員が1人として手渡しはやめ、1人1つと注意喚起してランナーが勝手にとって進む形式が望ましいと思いました。
1列なのに2人で配布は流れを滞らす行為と感じました。
ゴミ箱、麦茶、バナナの位置
ゴミ箱が動線の途中にあり、ランナーがアイスの包装を剥がしてゴミ箱に入れる行為に時間がかかっていました。ゴミ箱は動線の最後に配置し、アイス、麦茶、バナナ配布の位置も離した方が列が詰まらずに進むと思います。
10キロとかぶった
今年は10キロのスタート時間が変更になったことでハーフと10キロが同時にゴールしたのに加え、2つの競技のボリュームゾーンが重なったことがアイスの長蛇の列につながったと思います。
いや〜また参加したい度
競技色が強くエリートランナーの参加が多いのが特徴で、ベストタイムが狙えるコースということもあり、夏の走り込みを発揮して飛躍するには最良の舞台が整っています。
ただしこの時期だけにベストパフォーマンスを発揮できる気温にはまだありません。
ただし暑熱順化が進んだ身体にとっては、運が良ければ東北の涼しい気温は記録が狙える後押しとなります。
稲の匂いが漂い、収穫が間近なのどかな風景の中、こんな絶景の中を走れる機会はこの時期しかありませんから。
(5段階評価)
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夏ランニングにおける暑熱順化について
なんじゃこりゃと思いながら上の写真を見て下さい。 実はマラソンは上の写真のように雪だるまが似合う季節のスポーツです。なのですが、今は夏真っ盛りです。 この酷暑下でランニングしていると嫌と ...
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